PowerShellの[Set-ExecutionPolicy]コマンドで何ができる?5つの具体的な利用例で解説

PowerShellはWindowsの強力なスクリプティングエンジンですが、その能力ゆえに悪用される可能性もあります。このリスクを軽減するためには、Set-ExecutionPolicyコマンドが非常に役立ちます。この記事では、Set-ExecutionPolicyコマンドの基本から具体的な利用例までを細かく解説します。

目次

Set-ExecutionPolicyとは?

Set-ExecutionPolicyは、PowerShellでのスクリプト実行ポリシーを設定するコマンドです。このポリシーにはいくつかのレベルがあり、それぞれ異なるセキュリティ要件と柔軟性を提供します。

基本的な使い方

基本的なコマンド形式は以下のとおりです。

Set-ExecutionPolicy [Policy Level]

具体的な利用例

1. 実行ポリシーを全許可に設定する

コード

Set-ExecutionPolicy Unrestricted

説明

Unrestrictedと設定することで、どのようなスクリプトも制限なく実行できます。ただし、これはセキュリティリスクが非常に高い設定です。

利用シーン

信頼できるスクリプトを頻繁に実行する環境で、セキュリティに対する懸念が少ない場合に使用します。

2. スクリプトの実行を全面的に禁止する

コード

Set-ExecutionPolicy Restricted

説明

Restricted設定にすると、スクリプトの実行が一切許可されません。最も厳格なセキュリティ設定と言えます。

利用シーン

スクリプトを全く使用しない、または最高レベルのセキュリティが求められる環境で使用します。

3. 署名されたスクリプトのみ実行を許可する

コード

Set-ExecutionPolicy AllSigned

説明

AllSigned設定では、信頼された発行者によってデジタル署名されたスクリプトのみが実行できます。

利用シーン

企業環境やセキュリティが重要なプロジェクトで、信頼された発行者からのスクリプトのみを許可したい場合に使用します。

4. ローカルのスクリプトは許可、外部のスクリプトは署名が必要

コード

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned

説明

RemoteSigned設定では、ローカルで作成されたスクリプトは実行できますが、インターネットなどからダウンロードしたスクリプトは、署名がないと実行できません。

利用シーン

一般的な使用者や、自分でスクリプトを頻繁に作成するが、外部からのスクリプトは警戒したい場合に使用します。

5. ユーザー単位で実行ポリシーを設定する

コード

Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser

説明

-Scopeパラメータを用いて、特定のユーザーだけに適用するポリシーを設定できます。

利用シーン

マルチユーザー環境で、特定のユーザーだけに緩やかな(または厳格な)ポリシーを適用したい場合に使用します。

まとめ

Set-ExecutionPolicyはPowerShellのセキュリティを高める非常に重要なコマンドです。この記事で紹介した5つの具体的な利用例を理解し、適切なセキュリティポリシーを設定してください。

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