Excel VBAを活用したリアルタイム販売ダッシュボードの生成

ExcelのVBAを使用して、リアルタイムの販売ダッシュボードを生成する方法について詳しく解説します。具体的なコードとその詳細な解説、さらに応用例を通じてVBAの強力な機能を最大限に活用する方法を学びましょう。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

リアルタイムの販売ダッシュボード生成とは

ExcelのVBAを使用して、データの変更をリアルタイムで反映する販売ダッシュボードを生成する方法を学ぶことで、売上や販売のトレンドを即座に把握し、迅速な意思決定を行うことができます。

基本的なコードの構造

以下は、シンプルなリアルタイムの販売ダッシュボードを生成するためのVBAコードです。


Sub UpdateDashboard()
    'ダッシュボードシートを定義
    Dim Dashboard As Worksheet
    Set Dashboard = ThisWorkbook.Sheets("Dashboard")

    'データシートを定義
    Dim Data As Worksheet
    Set Data = ThisWorkbook.Sheets("Data")

    'データの最終行を取得
    Dim LastRow As Long
    LastRow = Data.Cells(Data.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row

    'ダッシュボードにデータを反映
    Dashboard.Range("B2:B10").Value = Data.Range("A2:A" & LastRow).Value
    Dashboard.Range("C2:C10").Value = Data.Range("B2:B" & LastRow).Value

End Sub

このコードは、”Data”という名前のシートからデータを取得し、それを”Dashboard”という名前のシートに反映します。

コードの詳細解説

1. `Dashboard`と`Data`という2つのWorksheetオブジェクトを定義しています。これにより、それぞれのシートにアクセスできるようになります。
2. `LastRow`変数は、”Data”シートのA列の最終行を取得しています。これにより、どこまでデータが入力されているかを特定できます。
3. `Dashboard.Range(“B2:B10”).Value`はダッシュボードシートのB2からB10までのセルにデータシートのA2から最終行までのデータを反映しています。同様の操作をC列にも行っています。

応用例1: データのフィルタリング

特定の条件を満たすデータのみをダッシュボードに表示することができます。


Sub FilterData()
    '必要なシートと変数を定義
    Dim Dashboard As Worksheet
    Set Dashboard = ThisWorkbook.Sheets("Dashboard")
    Dim Data As Worksheet
    Set Data = ThisWorkbook.Sheets("Data")
    
    'フィルタリングの条件を設定
    Data.Range("A1:B" & LastRow).AutoFilter Field:=2, Criteria1:=">1000"
    
    'フィルタリングされたデータをダッシュボードに反映
    Dashboard.Range("B2:B10").Value = Data.Range("A2:A10").SpecialCells(xlCellTypeVisible).Value
End Sub

応用例2: 売上のトータルを表示

ダッシュボードに売上の合計を表示する。


Sub TotalSales()
    Dim Dashboard As Worksheet
    Set Dashboard = ThisWorkbook.Sheets("Dashboard")
    Dim Total As Double
    Total = Application.WorksheetFunction.Sum(Dashboard.Range("C2:C10"))
    Dashboard.Range("C12").Value = "Total Sales: " & Total
End Sub

応用例3: ダッシュボードの自動更新

データが変更された時にダッシュボードを自動で更新する。


Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
    If Not Intersect(Target, Range("A2:B10")) Is Nothing Then
        Call UpdateDashboard
    End If
End Sub

このコードは”Data”シートのVBAコードウィンドウに配置し、A2からB10の範囲のデータが変更されたときに`UpdateDashboard`プロシージャを自動的に呼び出します。

まとめ

ExcelのVBAを活用することで、リアルタイムの販売ダッシュボードの生成が可能となります。基本的なコードから応用例までを通じて、VBAの機能を最大限に活用してビジネスの効率化や迅速な意思決定をサポートする方法を学びました。これを機に、更にVBAの知識を深めて、さまざまな業務の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。

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