Excel VBAの処理での一つの重要な機能として、「ファイルの編集履歴を保持するバックアップ」の自動化があります。この記事では、このバックアップ処理の具体的なVBAコードと、その詳細な解説を行います。また、応用例を通じてさらに実践的な使用方法を学ぶことができます。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
ファイルの編集履歴を保持するバックアップ処理の基本
Sub BackupFile()
Dim OriginalFile As String
Dim BackupFile As String
Dim TimeStamp As String
' 元のファイルの場所
OriginalFile = ThisWorkbook.FullName
' タイムスタンプの作成
TimeStamp = Format(Now, "yyyymmdd_hhmmss")
' バックアップファイルの場所
BackupFile = ThisWorkbook.Path & "\Backup_" & TimeStamp & ".xlsm"
' ファイルをバックアップの場所にコピー
FileCopy OriginalFile, BackupFile
End Sub
このコードでは、現在のワークブックを指定した場所にタイムスタンプを付けてバックアップします。`FileCopy` 関数を使用して、元のファイルをバックアップ場所にコピーします。
コードの詳細解説
– `OriginalFile = ThisWorkbook.FullName`: 現在のワークブックのフルパスを取得します。
– `TimeStamp = Format(Now, “yyyymmdd_hhmmss”)`: 現在の日時をタイムスタンプとしてフォーマットします。
– `BackupFile = ThisWorkbook.Path & “\Backup_” & TimeStamp & “.xlsm”`: バックアップファイルの名前と保存場所を指定します。
– `FileCopy OriginalFile, BackupFile`: 元のファイルを新しい場所にコピーします。
応用例1: フォルダ内のすべてのExcelファイルをバックアップ
Sub BackupAllExcelFilesInFolder()
Dim SourceFolder As String
Dim FileInFolder As String
Dim BackupFolder As String
Dim TimeStamp As String
SourceFolder = "C:\YourSourceFolder\"
BackupFolder = "C:\YourBackupFolder\"
TimeStamp = Format(Now, "yyyymmdd_hhmmss")
FileInFolder = Dir(SourceFolder & "*.xl*")
Do While FileInFolder <> ""
FileCopy SourceFolder & FileInFolder, BackupFolder & "Backup_" & TimeStamp & "_" & FileInFolder
FileInFolder = Dir
Loop
End Sub
応用例2: バックアップファイルの最大数を制限する
この例では、指定したフォルダ内のバックアップファイル数が一定数を超えた場合、最も古いバックアップファイルを自動的に削除します。
'(前のコード部分は省略)'
Dim BackupFiles() As String
Dim i As Integer
Dim MaxBackups As Integer
MaxBackups = 10 ' 最大のバックアップファイル数
FileInFolder = Dir(BackupFolder & "Backup_*.xl*")
Do While FileInFolder <> ""
ReDim Preserve BackupFiles(i)
BackupFiles(i) = FileInFolder
FileInFolder = Dir
i = i + 1
Loop
' バックアップファイルが最大数を超えている場合、古いファイルを削除
If i > MaxBackups Then
Kill BackupFolder & BackupFiles(0)
End If
'(後のコード部分は省略)'
応用例3: バックアップの間隔を指定する
指定した間隔(例: 1日)でのみバックアップを取るようにする方法です。
'(前のコード部分は省略)'
Dim LastBackupDate As Date
Dim DaysSinceLastBackup As Integer
FileInFolder = Dir(BackupFolder & "Backup_*.xl*")
If FileInFolder <> "" Then
LastBackupDate = DateValue(Mid(FileInFolder, 8, 10))
DaysSinceLastBackup = DateDiff("d", LastBackupDate, Now)
If DaysSinceLastBackup < 1 Then Exit Sub
End If
'(後のコード部分は省略)'
まとめ
Excel VBAを利用してファイルの編集履歴を保持するバックアップ処理を行う方法について詳しく説明しました。基本的なバックアップ方法から応用例まで、さまざまなシナリオでのバックアップ方法を学ぶことができました。これを機に、VBAを活用して日常業務の効率化を図ってみてはいかがでしょうか。
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