この記事では、Excel VBAを用いて顧客の問い合わせ履歴報告書を作成する方法について詳しく説明します。具体的なコード例とその解説、さらに応用例を含めてご紹介します。
目次
基本的な問い合わせ履歴報告書の作成方法
顧客からの問い合わせ履歴を管理するための報告書を作成するための基本的な手順は以下のとおりです。
Sub CreateInquiryReport()
Dim LastRow As Long
'新しいワークシートを追加
Sheets.Add(After:=Sheets(Sheets.Count)).Name = "Report"
'データベースシートからデータをコピー
Sheets("Database").Range("A1").CurrentRegion.Copy Sheets("Report").Range("A1")
'最後の行を取得
LastRow = Sheets("Report").Cells(Sheets("Report").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'タイトル行を太字に
Sheets("Report").Range("A1:Z1").Font.Bold = True
'セルのサイズを自動調整
Sheets("Report").Columns("A:Z").AutoFit
End Sub
このコードは、データベースシートからすべてのデータをコピーして新しい報告書シートを作成します。そして、タイトル行を太字にし、セルのサイズを自動調整します。
コードの詳細解説
1. `Sheets.Add` は新しいワークシートを作成するメソッドです。
2. `Range(“A1”).CurrentRegion` はA1セルから始まる連続した範囲を参照します。これはデータベースの全データをコピーするために使用されます。
3. `Cells` は指定したセルを参照するメソッドです。この場合、報告書シートのA列の最後の行を取得します。
4. `Font.Bold = True` はセルのフォントを太字にします。
5. `Columns(“A:Z”).AutoFit` はA列からZ列までのセルのサイズを内容に合わせて自動調整します。
応用例
1. 顧客別の問い合わせ回数を集計する
Sub CountInquiriesPerCustomer()
Dim LastRow As Long
'報告書シートに移動
Sheets("Report").Activate
'最後の列を取得
LastRow = Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'B列に顧客別の問い合わせ回数を集計
Range("B2").FormulaR1C1 = "=COUNTIF(R1C1:R" & LastRow & "C1, RC[-1])"
Range("B2").AutoFill Destination:=Range("B2:B" & LastRow)
'B列のタイトルを追加
Cells(1, 2).Value = "問い合わせ回数"
End Sub
このコードは、報告書シートのB列に顧客別の問い合わせ回数を集計します。
2. 最新の問い合わせ日を取得する
Sub GetLatestInquiryDate()
Dim LastRow As Long
'報告書シートに移動
Sheets("Report").Activate
'最後の列を取得
LastRow = Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'C列に最新の問い合わせ日を取得
Range("C2").FormulaR1C1 = "=MAX(IF(R1C1:R" & LastRow & "C1=RC[-2], R1C3:R" & LastRow & "C3))"
Range("C2").AutoFill Destination:=Range("C2:C" & LastRow)
'C列のタイトルを追加
Cells(1, 3).Value = "最新の問い合わせ日"
End Sub
このコードは、報告書シートのC列に各顧客の最新の問い合わせ日を取得します。
3. 顧客の問い合わせ内容をフィルタリングする
Sub FilterInquiriesByContent()
Dim LastRow As Long
'報告書シートに移動
Sheets("Report").Activate
'最後の列を取得
LastRow = Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'問い合わせ内容が「製品」であるデータだけをフィルタリング
Range("A1:D" & LastRow).AutoFilter Field:=4, Criteria1:="=製品"
End Sub
このコードは、問い合わせ内容が「製品」であるデータだけをフィルタリングします。
まとめ
Excel VBAを使用すると、顧客の問い合わせ履歴報告書の作成やその他の多様な報告の自動化が簡単に実現できます。この記事で紹介した基本的な方法や応用例を参考に、
独自の報告書を作成してみてください。
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