Excel VBAを使用した稼働率報告書の自動作成方法

Excel VBAを利用して稼働率報告書の作成を行う際の手順と実際のコードについて詳しく解説します。稼働率報告書は、業務の効率や生産性を評価するための重要なツールです。ここでは、Excelのデータを操作して、自動で報告書を作成する方法を示します。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

基本手順

Excel VBAを利用した稼働率報告書の作成には以下の手順があります。

1. 必要なデータの取得
2. データの整形と計算
3. 報告書のフォーマット作成
4. データを報告書に反映
5. 報告書の出力

1. 必要なデータの取得

まず、報告書作成に必要なデータを取得します。このデータは、例えば稼働時間、停止時間、トータル時間などが含まれます。


Dim rng As Range
Set rng = Sheets("Data").Range("A1:D100") 'A1:D100はデータが格納されている範囲

2. データの整形と計算

データを元に稼働率を計算します。


Dim totalHours As Double, activeHours As Double, rate As Double
totalHours = Application.WorksheetFunction.Sum(rng.Columns(3))
activeHours = Application.WorksheetFunction.Sum(rng.Columns(2))
rate = activeHours / totalHours

3. 報告書のフォーマット作成

次に、報告書のフォーマットをVBAで自動作成します。


Dim reportWs As Worksheet
Set reportWs = ThisWorkbook.Sheets.Add
reportWs.Name = "Report"
reportWs.Cells(1, 1).Value = "稼働率報告"

4. データを報告書に反映

計算した稼働率を報告書に反映します。


reportWs.Cells(2, 1).Value = "稼働率"
reportWs.Cells(2, 2).Value = rate * 100 & "%"

5. 報告書の出力

最後に、報告書を印刷やPDFで出力するなどの操作を行います。

応用例

Excel VBAを利用した報告書作成の応用例を以下に示します。

1. グラフの追加

報告書に稼働率のグラフを追加する方法。


Dim chartObj As ChartObject
Set chartObj = reportWs.ChartObjects.Add(Left:=100, Width:=375, Top:=75, Height:=225)
chartObj.Chart.SetSourceData Source:=reportWs.Range("B2")
chartObj.Chart.ChartType = xlColumnClustered

2. 色の変更

稼働率が低い場合、セルの色を赤くする方法。


If rate < 0.8 Then '稼働率が80%未満の場合
    reportWs.Cells(2, 2).Interior.Color = RGB(255, 0, 0)
End If

3. 報告期間の追加

報告書に報告期間を追加する方法。


Dim startDate As Date, endDate As Date
startDate = rng.Cells(1, 1).Value
endDate = rng.Cells(rng.Rows.Count, 1).Value
reportWs.Cells(3, 1).Value = "報告期間"
reportWs.Cells(3, 2).Value = startDate & " - " & endDate

まとめ

Excel VBAを利用して稼働率報告書の作成は、業務の効率化や自動化に大きく寄与します。基本手順を理解し、応用例を取り入れることで、より詳細かつ見やすい報告書を作成することができます。

VBAも良いけどパワークエリも良い

VBAの解説をしてきましたが、VBAは正直煩雑でメンテナンス性が悪いです。最近はモダンExcelと呼ばれるパワークエリやパワーピボットへのシフトが進んできています。本サイトでもパワークエリの特集をしており、サンプルデータを含む全11回の学習コンテンツでパワークエリを習得することができます。

クリックするとパワークエリの全11講座が表示されます。

パワーピボットの記事はありません。興味がある場合は、書籍で学んでみてください

コメント

コメントする

目次