Windowsコマンドプロンプトでネットワーク設定を変更する方法

Windowsコマンドプロンプトを使用して、ネットワーク設定を効率的に変更する手順を紹介します。この記事では、基本的な操作から具体的な設定変更まで、ステップバイステップで説明します。初心者でも理解しやすいように、各手順を詳しく解説し、応用例や演習問題も提供します。ネットワーク設定を手動で管理したい方必見です。

コマンドプロンプトの基本操作

コマンドプロンプトは、Windowsの強力なツールであり、さまざまな管理タスクを効率的に実行できます。ここでは、コマンドプロンプトの基本操作について説明します。

コマンドプロンプトの起動方法

コマンドプロンプトを起動するには、スタートメニューから「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を選択します。管理者として起動するには、右クリックして「管理者として実行」を選びます。

基本的なコマンド

• ipconfig: ネットワーク設定の概要を表示します。
• ping: 特定のIPアドレスに対してパケットを送信し、応答を確認します。
• netsh: ネットワーク設定を変更するためのコマンドです。

基本的な操作例

ipconfig /all
ping google.com
netsh interface show interface

これらのコマンドを使用して、現在のネットワーク状態を確認したり、ネットワークトラブルを診断したりできます。基本操作に慣れることで、次のステップに進む準備が整います。

IPアドレスの確認と設定変更

ネットワーク設定を変更するためには、まずIPアドレスの確認と設定変更が基本となります。ここでは、コマンドプロンプトを使ったIPアドレスの確認方法と変更手順について説明します。

IPアドレスの確認方法

IPアドレスを確認するには、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。

ipconfig

このコマンドを実行すると、現在のネットワークアダプタに割り当てられたIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどが表示されます。

IPアドレスの設定変更方法

IPアドレスを手動で設定するには、netshコマンドを使用します。以下のコマンド例では、ネットワークインターフェース名「Ethernet」に新しいIPアドレスを設定します。

netsh interface ip set address name="Ethernet" static 192.168.1.100 255.255.255.0 192.168.1.1

• name: 設定を変更するネットワークインターフェース名
• static: 静的IPアドレスを設定することを指定
• 192.168.1.100: 新しいIPアドレス
• 255.255.255.0: サブネットマスク
• 192.168.1.1: デフォルトゲートウェイ

設定の反映と確認

設定を変更した後、以下のコマンドで新しいIPアドレスが正しく反映されているか確認します。

ipconfig

この手順を実行することで、ネットワーク接続に必要なIPアドレスを手動で設定し、特定のネットワーク環境に適応することができます。

サブネットマスクの設定変更

サブネットマスクはネットワークのセグメントを定義し、IPアドレスの範囲を決定する重要な要素です。ここでは、コマンドプロンプトを使用してサブネットマスクを設定変更する方法について説明します。

現在のサブネットマスクの確認方法

まず、現在のサブネットマスクを確認するために、以下のコマンドを実行します。

ipconfig

このコマンドを実行すると、各ネットワークアダプタに割り当てられたサブネットマスクが表示されます。

サブネットマスクの設定変更方法

サブネットマスクを変更するには、netshコマンドを使用します。以下の例では、ネットワークインターフェース名「Ethernet」のサブネットマスクを新しい値に設定します。

netsh interface ip set address name="Ethernet" static 192.168.1.100 255.255.255.128 192.168.1.1

• name: 設定を変更するネットワークインターフェース名
• static: 静的IPアドレスを設定することを指定
• 192.168.1.100: IPアドレス（変更する場合は必要）
• 255.255.255.128: 新しいサブネットマスク
• 192.168.1.1: デフォルトゲートウェイ（変更する場合は必要）

このコマンドは、IPアドレスとデフォルトゲートウェイも含めて一度に設定変更します。既存のIPアドレスやデフォルトゲートウェイを保持したい場合は、それらを再度指定する必要があります。

設定の確認

設定を変更した後、以下のコマンドで新しいサブネットマスクが正しく反映されているか確認します。

ipconfig

この手順により、ネットワークのセグメント化を適切に管理し、特定のネットワーク構成に対応するサブネットマスクを設定することができます。

デフォルトゲートウェイの設定変更

デフォルトゲートウェイは、ローカルネットワークから他のネットワークへデータを送信するためのルートを提供します。ここでは、コマンドプロンプトを使用してデフォルトゲートウェイの設定変更方法について説明します。

現在のデフォルトゲートウェイの確認方法

現在のデフォルトゲートウェイを確認するために、以下のコマンドを実行します。

ipconfig

このコマンドを実行すると、各ネットワークアダプタに割り当てられたデフォルトゲートウェイが表示されます。

デフォルトゲートウェイの設定変更方法

デフォルトゲートウェイを変更するには、netshコマンドを使用します。以下の例では、ネットワークインターフェース名「Ethernet」のデフォルトゲートウェイを新しい値に設定します。

netsh interface ip set address name="Ethernet" static 192.168.1.100 255.255.255.0 192.168.1.254

• name: 設定を変更するネットワークインターフェース名
• static: 静的IPアドレスを設定することを指定
• 192.168.1.100: IPアドレス（変更する場合は必要）
• 255.255.255.0: サブネットマスク（変更する場合は必要）
• 192.168.1.254: 新しいデフォルトゲートウェイ

このコマンドは、IPアドレスやサブネットマスクも含めて一度に設定変更します。既存のIPアドレスやサブネットマスクを保持したい場合は、それらも再度指定する必要があります。

設定の確認

設定を変更した後、以下のコマンドで新しいデフォルトゲートウェイが正しく反映されているか確認します。

ipconfig

この手順により、ローカルネットワークから外部ネットワークへの通信が適切に行われるようにデフォルトゲートウェイを設定することができます。

DNSサーバーの設定変更

DNSサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を果たします。正しいDNS設定は、インターネットへのアクセスをスムーズにするために重要です。ここでは、コマンドプロンプトを使用してDNSサーバーの設定変更方法について説明します。

現在のDNSサーバーの確認方法

現在のDNSサーバー設定を確認するためには、以下のコマンドを実行します。

ipconfig /all

このコマンドを実行すると、各ネットワークアダプタに割り当てられたDNSサーバーの情報が表示されます。

DNSサーバーの設定変更方法

DNSサーバーを変更するには、netshコマンドを使用します。以下の例では、ネットワークインターフェース名「Ethernet」のDNSサーバーを新しい値に設定します。

netsh interface ip set dns name="Ethernet" static 8.8.8.8
netsh interface ip add dns name="Ethernet" 8.8.4.4 index=2

• name: 設定を変更するネットワークインターフェース名
• static: 静的DNSサーバーを設定することを指定
• 8.8.8.8: 新しい優先DNSサーバー
• 8.8.4.4: 新しい代替DNSサーバー

設定の確認

設定を変更した後、以下のコマンドで新しいDNSサーバーが正しく反映されているか確認します。

ipconfig /all

この手順を実行することで、インターネット接続の安定性を向上させるための適切なDNSサーバー設定を行うことができます。

ホスト名の変更

ホスト名（コンピュータ名）は、ネットワーク内でデバイスを識別するために使用されます。正しいホスト名の設定は、ネットワーク管理やトラブルシューティングを容易にします。ここでは、コマンドプロンプトを使用してホスト名を変更する方法について説明します。

現在のホスト名の確認方法

現在のホスト名を確認するには、以下のコマンドを実行します。

hostname

このコマンドを実行すると、現在のホスト名が表示されます。

ホスト名の設定変更方法

ホスト名を変更するには、netshコマンドを使用します。以下の例では、新しいホスト名を「NewHostname」に設定します。

netsh interface set interface name="Ethernet" newname="NewHostname"

または、Windows Management Instrumentation Command-line (WMIC) を使用してホスト名を変更することもできます。

wmic computersystem where name="%computername%" call rename name="NewHostname"

• NewHostname: 設定する新しいホスト名

これにより、ホスト名が変更されます。

設定の確認と反映

設定を変更した後、システムを再起動することで新しいホスト名が反映されます。再起動後、以下のコマンドで新しいホスト名を確認できます。

hostname

この手順により、ネットワーク内でのデバイス管理が容易になり、ホスト名の一貫性を保つことができます。

ネットワーク設定の確認

ネットワーク設定を変更した後は、設定が正しく反映されているか確認することが重要です。ここでは、コマンドプロンプトを使用してネットワーク設定を確認する方法について説明します。

IPアドレスとサブネットマスクの確認

IPアドレスとサブネットマスクが正しく設定されているか確認するには、以下のコマンドを実行します。

ipconfig

このコマンドを実行すると、各ネットワークアダプタに割り当てられたIPアドレスとサブネットマスクが表示されます。

デフォルトゲートウェイの確認

デフォルトゲートウェイが正しく設定されているか確認するには、同じくipconfigコマンドを使用します。

ipconfig

表示される情報の中に、デフォルトゲートウェイの設定が含まれています。

DNSサーバーの確認

DNSサーバーの設定が正しく反映されているか確認するには、以下のコマンドを実行します。

ipconfig /all

このコマンドを実行すると、各ネットワークアダプタに割り当てられたDNSサーバーの情報が詳細に表示されます。

ネットワーク接続のテスト

設定が正しく反映されているかをさらに確認するために、インターネット接続をテストすることも重要です。以下のコマンドを使用して、特定のウェブサイトにアクセスできるか確認します。

ping google.com

このコマンドを実行して、応答が返ってくるかを確認します。応答が返ってくれば、ネットワーク設定が正しく機能していることが確認できます。

設定の総合確認

すべての設定が正しく行われているかを総合的に確認するためには、以下のコマンドを使用します。

netsh interface ip show config

このコマンドを実行すると、各ネットワークインターフェースの詳細な設定情報が表示されます。これにより、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーなどの情報を一度に確認できます。

これらの手順を実行することで、ネットワーク設定が正しく反映されていることを確認し、安定したネットワーク接続を維持することができます。

応用例と演習問題

ここでは、これまで学んだネットワーク設定の変更方法を応用する具体例と演習問題を紹介します。これにより、実際の場面での適用方法を理解し、スキルを強化できます。

応用例1: 複数のDNSサーバー設定

ネットワークに接続する際、複数のDNSサーバーを設定することで、冗長性を確保し、信頼性を向上させることができます。以下のコマンドを使って、複数のDNSサーバーを設定します。

netsh interface ip set dns name="Ethernet" static 8.8.8.8
netsh interface ip add dns name="Ethernet" 8.8.4.4 index=2
netsh interface ip add dns name="Ethernet" 1.1.1.1 index=3

この設定により、プライマリDNSサーバーが利用できない場合でも、他のDNSサーバーにフォールバックできます。

応用例2: スクリプトによる一括設定

ネットワーク設定を複数のマシンで一括変更する場合、バッチスクリプトを使用すると便利です。以下のスクリプトは、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、およびDNSサーバーを設定します。

@echo off
netsh interface ip set address name="Ethernet" static 192.168.1.100 255.255.255.0 192.168.1.1
netsh interface ip set dns name="Ethernet" static 8.8.8.8
netsh interface ip add dns name="Ethernet" 8.8.4.4 index=2

このスクリプトを実行することで、指定した設定が一括で適用されます。

演習問題

1. IPアドレスの設定変更: ネットワークインターフェース名「Wi-Fi」のIPアドレスを「192.168.1.150」に変更し、サブネットマスクを「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイを「192.168.1.1」に設定してください。
2. DNSサーバーの追加設定: 現在の設定に追加で「1.1.1.1」を第3のDNSサーバーとして設定してください。
3. ホスト名の変更: 現在のホスト名を「NewPCName」に変更し、再起動後に新しいホスト名を確認してください。

これらの演習問題を実行することで、ネットワーク設定の理解を深め、実践的なスキルを磨くことができます。

まとめ

今回の記事では、Windowsコマンドプロンプトを使用してネットワーク設定を変更する方法について詳しく解説しました。具体的には、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー、およびホスト名の設定変更手順を紹介しました。また、応用例や演習問題を通じて、実際の場面での適用方法を学びました。

コマンドプロンプトの基本操作を理解し、適切なネットワーク設定を行うことで、ネットワーク管理が効率化され、トラブルシューティングも容易になります。これらのスキルを活用して、より安定したネットワーク環境を構築しましょう。