この記事では、Pythonで辞書(dictionary)のリアルタイム更新とその変更を追跡する方法について解説します。具体的なコード例とその詳細な解説、さらに応用例まで詳しく説明します。
目次
辞書とは
Pythonの辞書(dictionary)は、キーと値のペアを保存するデータ構造です。他のプログラム言語では「連想配列」と呼ばれることもあります。
基本的な辞書の作成と操作
辞書は`{}`を用いて作成します。以下は基本的な操作の一例です。
# 辞書の作成
my_dict = {'name': 'Alice', 'age': 30}
# キーを用いた値の取得
print(my_dict['name']) # 出力: Alice
# キーを用いた値の更新
my_dict['age'] = 31
print(my_dict['age']) # 出力: 31
辞書のリアルタイム更新と変更追跡
プログラムを実行している間に辞書がどのように更新されるかを追跡するケースがあります。以下の方法で実現可能です。
辞書の変更を追跡する
Observer パターンを用いた方法
Observer パターンを用いて、辞書の変更を検出します。
class ObservableDict(dict):
def __setitem__(self, key, value):
super().__setitem__(key, value)
print(f"辞書が更新されました: {key} = {value}")
# 辞書の作成と更新
obs_dict = ObservableDict({'name': 'Alice'})
obs_dict['age'] = 30 # "辞書が更新されました: age = 30" と出力
応用例
応用例1: 辞書の変更履歴を保存する
辞書の変更履歴を別のデータ構造で保存しておく例です。
change_history = []
class TrackableDict(dict):
def __setitem__(self, key, value):
change_history.append((key, value))
super().__setitem__(key, value)
track_dict = TrackableDict({'name': 'Alice'})
track_dict['age'] = 30
track_dict['age'] = 31
print(change_history) # [('age', 30), ('age', 31)] と出力
応用例2: キーに対する変更を制限する
特定のキーに対する変更を制限する例です。
class RestrictedDict(dict):
restricted_keys = ['id']
def __setitem__(self, key, value):
if key in self.restricted_keys:
raise ValueError(f"{key} は変更できません。")
super().__setitem__(key, value)
res_dict = RestrictedDict({'id': 1, 'name': 'Alice'})
try:
res_dict['id'] = 2 # ValueError: id は変更できません。
except ValueError as e:
print(e)
応用例3: 辞書の変更をログに保存する
辞書の変更をログファイルに保存する例です。
import logging
logging.basicConfig(filename='dict_changes.log', level=logging.INFO)
class LoggableDict(dict):
def __setitem__(self, key, value):
logging.info(f"辞書が更新されました: {key} = {value}")
super().__setitem__(key, value)
log_dict = LoggableDict({'name': 'Alice'})
log_dict['age'] = 30 # dict_changes.log にログが保存される
まとめ
Pythonで辞書のリアルタイム更新とその変更を追跡する方法にはいくつかの手法が存在します。Observer パターンを用いる方法や、特定の動作をする際に自動でログをとる方法など、用途に応じて選択できます。これを機に、Pythonの辞書をより高度に活用してみてはいかがでしょうか。
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