Flaskでウェブアプリケーションを開発していると、パフォーマンスを向上させるためにキャッシングを導入したくなる場面が出てきます。この記事では、Flaskでの基本的なキャッシングの仕組みから、応用までを具体的なコード例とその解説、応用例を含めてご紹介します。
目次
キャッシングとは?
キャッシングとは、一度計算や処理が行われた結果を一時的に保存しておき、次回同じ計算や処理が要求された場合には保存された結果を返すことで、システムのパフォーマンスを向上させる手法です。
キャッシングのメリット
キャッシングには以下のようなメリットがあります。
- レスポンス時間の短縮
- サーバーリソースの節約
- 外部APIの呼び出し回数を減らせる
Flaskでの基本的なキャッシング
Flaskでは`Flask-Caching`拡張を使用することで簡単にキャッシングを実装できます。
インストール
まずは`Flask-Caching`をインストールしましょう。
pip install Flask-Caching
基本的な使い方
次に、基本的なキャッシングのコード例です。
from flask import Flask
from flask_caching import Cache
app = Flask(__name__)
cache = Cache(app, config={'CACHE_TYPE': 'simple'})
@app.route('/cached')
@cache.cached(timeout=60)
def cached_route():
return "This route is cached!"
このコードは、`/cached`エンドポイントがキャッシュされている例です。`timeout=60`とすることで、60秒間その結果がキャッシュされます。
応用例1:条件付きキャッシング
特定の条件下でのみキャッシュする場合もあります。そのような場合には`cache.cached`デコレータに`unless`パラメータを使用します。
@app.route('/conditionally-cached')
@cache.cached(timeout=60, unless=lambda: request.args.get('no_cache'))
def conditionally_cached_route():
return "This route is cached conditionally!"
こちらのコードは、クエリパラメータ`no_cache`が存在する場合にはキャッシュしない、という処理です。
応用例2:動的なURLキャッシング
動的なURLでもキャッシュが可能です。こちらもコード例で説明します。
@app.route('/user/')
@cache.cached(timeout=60)
def user_profile(username):
return f"This is {username}'s profile!"
このエンドポイントでは、`username`ごとにキャッシュが作成されます。
まとめ
Flaskでのキャッシングは、`Flask-Caching`拡張を用いることで比較的簡単に実装できます。基本的な使い方から応用例まで、多くの場面でパフォーマンス向上が期待できます。
コメント