PythonでSQLiteデータベースを暗号化する手段はいくつか存在しますが、その中でも特に実用的な方法を紹介します。具体的なコード例とその解説、応用例を含めて説明します。
SQLiteデータベースとは
SQLiteは軽量なリレーショナルデータベースです。しかし、軽量とはいえ、セキュリティ対策は必要です。特に、データベース自体が暗号化されていない場合、機密情報が漏れる危険性があります。
なぜ暗号化が必要なのか
データベースに保存されている情報は、パーソナルデータや企業情報など、重要なデータが多いです。そのため、第三者による不正アクセスを防ぐためには、暗号化が必要です。
PythonでSQLiteデータベースを暗号化する方法
PythonでSQLiteデータベースを暗号化するには主に2つの方法があります。一つは、SQLite自体に暗号化機能が組み込まれた「SQLCipher」を使用する方法、もう一つはPythonの標準ライブラリを使用して手動で暗号化する方法です。
SQLCipherを使用した方法
SQLCipherは、SQLiteを拡張して暗号化機能を追加したものです。
from pysqlcipher3 import dbapi2 as sqlite
# データベースに接続
conn = sqlite.connect('mydb_encrypted.db')
c = conn.cursor()
# 暗号キーを設定
c.execute("PRAGMA key='my_pass'")
SQLCipherのインストール
SQLCipherは外部ライブラリなので、事前にインストールが必要です。
pip install pysqlcipher3
Python標準ライブラリを使用した方法
Pythonの`sqlite3`ライブラリと暗号化ライブラリ`cryptography`を使用して、データベースファイルを暗号化します。
from cryptography.fernet import Fernet
import sqlite3
# 暗号キーの生成
key = Fernet.generate_key()
cipher_suite = Fernet(key)
# データベースに接続
conn = sqlite3.connect('mydb.db')
c = conn.cursor()
# 暗号化処理(ここでは例としてテーブル名'table1'を指定)
data = c.execute("SELECT * FROM table1").fetchall()
encrypted_data = [(cipher_suite.encrypt(str(row).encode()),) for row in data]
`cryptography`のインストール
`cryptography`も外部ライブラリなので、事前にインストールが必要です。
pip install cryptography
応用例
1. SQLCipherでの一時的な暗号化の解除
一時的に暗号化を解除することも可能です。これは、データベースのバックアップやデバッグ時に便利です。
# 暗号化解除
c.execute("PRAGMA rekey=''")
2. `cryptography`での個別データの暗号化
特定のカラムだけを暗号化することも可能です。これは、パーソナルデータなど特定のデータだけを高度に保護したい場合に使用します。
# 暗号化したいカラム(例として'email')
data_email = c.execute("SELECT email FROM table1").fetchall()
encrypted_email = [(cipher_suite.encrypt(str(email).encode()),) for email in data_email]
まとめ
PythonでSQLiteデータベースを暗号化する方法は主に2つあり、どちらもそれぞれの用途に応じて非常に便利です。特にデータの機密性が高い場合、このような暗号化手法を適用することで、データのセキュリティを高めることができます。
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