Pythonで行列分解と次元削減を実装する方法

この記事では、Pythonを用いて行列分解と次元削減を実装する方法を紹介します。具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。

目次

はじめに

行列分解と次元削減は、データ解析や機械学習でよく使用される手法です。これらの技術を使うと、複雑なデータを簡単に解釈できたり、計算負荷を減らしたりすることが可能です。

基本的な行列分解の理論

行列分解は、一つの行列を複数の行列の積に分解する手法です。

主成分分析(PCA)

主成分分析は、次元削減の一種であり、行列分解の一例でもあります。

# 主成分分析(PCA)の例
from sklearn.decomposition import PCA
import numpy as np

# データ生成(例)
X = np.array([[1, 2], [3, 4], [5, 6]])

# PCAのインスタンスを作成
pca = PCA(n_components=1)

# フィッティングと次元削減
X_reduced = pca.fit_transform(X)

# 次元削減されたデータ
print(X_reduced)

コードの解説

– `from sklearn.decomposition import PCA`と`import numpy as np`で、必要なライブラリをインポートしています。
– データ`X`を定義しています。
– `PCA(n_components=1)`で、PCAのインスタンスを作成しています。この例では、次元数を1に削減します。
– `fit_transform()`メソッドで、PCAをフィッティングさせ、次元を削減します。

応用例

画像データの次元削減

PCAは、高次元の画像データを低次元に削減する際にも使用されます。


# 画像データの次元削減
from sklearn.datasets import fetch_olivetti_faces
from sklearn.decomposition import PCA
import matplotlib.pyplot as plt

# データをロード
faces_data = fetch_olivetti_faces(shuffle=True, random_state=0).data

# PCA
pca = PCA(n_components=50)
faces_reduced = pca.fit_transform(faces_data)

# 削減後の画像を可視化
plt.imshow(faces_reduced[0].reshape(5, 10), cmap=”gray”)
plt.show()

コードの解説

– 画像データセット`fetch_olivetti_faces`を使用しています。
– PCAで次元を50に削減しています。
– `matplotlib`で次元削減後の画像を表示しています。

テキストデータの次元削減

次に、テキストデータの次元削減を行います。ここでは、TF-IDFを用いてテキストをベクトル化した後、次元削減を行います。


# テキストデータの次元削減
from sklearn.feature_extraction.text import TfidfVectorizer
from sklearn.decomposition import PCA
import numpy as np

# サンプルテキストデータ
documents = [“This is the first sentence.”, “This is the second.”, “And this is the third one.”]

# TF-IDFでベクトル化
vectorizer = TfidfVectorizer()
X = vectorizer.fit_transform(documents)

# PCA
pca = PCA(n_components=2)
X_reduced = pca.fit_transform(X.toarray())

# 結果を出力
print(X_reduced)