Pythonで理解するコルーチンとフューチャーの関係

この記事では、Pythonにおける「コルーチン」と「フューチャー」の関係に焦点を当てます。コルーチンとは非同期処理を効率よく行うためのプログラムの構造、フューチャーとは非同期処理の結果を格納するオブジェクトです。それぞれの基本概念から、具体的なコード例とその解説、そして応用例に至るまでを網羅します。

目次

コルーチンとフューチャーの基本概念

コルーチンとフューチャーは、非同期プログラミングの中でよく用いられる用語です。コルーチンは「協調的なルーチン」とも呼ばれ、タスク間で効率的にリソースを共有することができます。一方、フューチャーは非同期処理の結果を代表するオブジェクトで、その処理が完了したかどうかを確認したり、結果を取得したりすることができます。

コルーチン

コルーチンは、一般的な関数とは異なり、一度終了しても再開可能な関数です。これにより、非同期処理を行いつつ、必要な情報を維持することができます。

コルーチンの基本形

Pythonでのコルーチンの基本形は以下のようになります。

async def my_coroutine():
    # コードの内容

フューチャー

フューチャーは、未来のある時点で取得できるであろう値を表すオブジェクトです。非同期処理において、処理が完了するとその結果を格納します。

フューチャーの基本形

Pythonでのフューチャーの基本形は以下です。

import asyncio

future = asyncio.Future()

コルーチンとフューチャーの関係性

コルーチンとフューチャーは、非同期処理において密接な関係性を持っています。コルーチンで行われる非同期処理の結果がフューチャーに格納され、フューチャーを用いてその結果を後から取得することが可能です。

import asyncio

async def set_future_value(future):
    await asyncio.sleep(2)
    future.set_result("Future is done!")

async def main():
    future = asyncio.Future()
    await set_future_value(future)
    print(future.result())

asyncio.run(main())

解説

この例では、`set_future_value`コルーチンが非同期に処理を行っています。処理が完了すると、その結果(”Future is done!”)が`future`オブジェクトに格納されます。その後、`future.result()`で結果を取得しています。

応用例

複数のコルーチンとフューチャー

複数のコルーチンがあり、それぞれが異なるフューチャーに結果を格納する例です。

import asyncio

async def set_future_value(future, value):
    await asyncio.sleep(2)
    future.set_result(value)

async def main():
    future1 = asyncio.Future()
    future2 = asyncio.Future()

    await asyncio.gather(
        set_future_value(future1, "First future is done!"),
        set_future_value(future2, "Second future is done!")
    )

    print(future1.result())
    print(future2.result())

asyncio.run(main())

解説

`asyncio.gather`関数を使用して複数のコルーチンを同時に実行しています。それぞれのコルーチンが異なるフューチャー(`future1`と`future2`)に結果を格納しています。

まとめ

コルーチンとフューチャーは非同期プログラミングにおいて非常に重要な概念です。コルーチンで行われる非同期処理の結果をフューチャーで受け取ることが多く、この二つは密接な関係にあります。特に複数の非同期処理を効率よく管理する際にその威力を発揮します。

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