この記事では、SQLでユーザー定義関数を使用してクエリをより簡潔に書くテクニックについて解説します。長いSQLクエリは読みにくく、保守も大変です。そこで、ユーザー定義関数を使うと、よく使うロジックをまとめて再利用することが可能となります。
目次
ユーザー定義関数とは
ユーザー定義関数は、SQLの標準機能だけでは表現しきれない複雑な処理を、自分で定義した関数で実装することができます。これによって、同じロジックを何度も書く必要がなくなり、コードが整理されます。
ユーザー定義関数の種類
基本的に、ユーザー定義関数は以下の2種類に大別されます。
- スカラー関数:単一の値を返す関数
- テーブル値関数:テーブル形式のデータを返す関数
作成の基本構文
一般的に、ユーザー定義関数の作成は以下のようなSQL文で行います。
CREATE FUNCTION 関数名 (パラメータ1 型1, パラメータ2 型2, ...)
RETURNS 返却型
BEGIN
-- 処理内容
END;
テクニック1:よく使う計算処理を簡潔に書く
特定の計算処理が頻繁に出てくる場合、ユーザー定義関数を用いて簡潔に書くことができます。
例:税込価格を計算する関数
以下は、税込価格を計算するスカラー関数の例です。
CREATE FUNCTION calc_tax_included_price(price INT)
RETURNS INT
BEGIN
RETURN price * 1.1;
END;
関数の使用例
この関数を使用して、商品テーブルから税込価格を取得するクエリは以下のようになります。
SELECT product_name, calc_tax_included_price(price) AS tax_included_price FROM products;
テクニック2:複雑なJOINを簡潔に
複数のテーブルをJOINする際に同じような条件が繰り返される場合、その条件をテーブル値関数でまとめることができます。
例:従業員と部署のJOIN
以下は、従業員と部署をJOINするためのテーブル値関数の例です。
CREATE FUNCTION join_employee_and_department()
RETURNS TABLE(employee_id INT, employee_name VARCHAR(255), department_name VARCHAR(255))
BEGIN
RETURN TABLE(SELECT e.id, e.name, d.name FROM employee e JOIN department d ON e.department_id = d.id);
END;
関数の使用例
この関数を使用すると、次のようなクエリで簡単にデータを取得できます。
SELECT * FROM join_employee_and_department();
まとめ
ユーザー定義関数を使えば、よく使うロジックを一元管理し、クエリを簡潔に保つことができます。特に長いクエリや複雑なJOIN条件がある場合には、このテクニックは非常に有用です。
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