SQLでは、データベース操作を柔軟に行うためにさまざまな機能が提供されています。その中でも、ユーザー定義関数とローカル変数、テーブル変数は非常に便利です。この記事では、これらの概要と具体的な使用例について詳しく説明します。
目次
ユーザー定義関数とは
ユーザー定義関数は、プログラムの中で繰り返し使用する処理をまとめて関数として定義する機能です。SQLのユーザー定義関数は、スカラー関数とテーブル値関数の2種類が存在します。
スカラー関数
スカラー関数は、単一の値を返す関数です。計算や文字列操作などを行い、その結果を返します。
テーブル値関数
テーブル値関数は、テーブル形式のデータを返す関数です。JOINやWHERE句といったSQLの標準的なクエリと組み合わせて使用することができます。
ローカル変数とテーブル変数について
ローカル変数とテーブル変数は、ユーザー定義関数やストアドプロシージャ内で使うための変数です。一般的には、データの一時保存や計算結果の保持などに使用されます。
ローカル変数
ローカル変数は、関数やプロシージャ内でのみ有効な変数です。SQL Serverでは「@」で始まる名前が一般的です。
ローカル変数の例 | 説明 |
---|---|
DECLARE @myVar INT | 整数型のローカル変数を宣言 |
SET @myVar = 10 | 変数に値をセット |
テーブル変数
テーブル変数は、テーブルのようなデータ構造を持つ変数です。SQL Serverでは「@」で始まる名前が一般的です。
テーブル変数の例 | 説明 |
---|---|
DECLARE @myTable TABLE(ID INT, Name NVARCHAR(50)) | テーブル変数を宣言 |
INSERT INTO @myTable VALUES(1, ‘田中’) | テーブル変数にデータを挿入 |
実際の使用例
ここでは、ユーザー定義関数とローカル変数、テーブル変数を組み合わせた実際の使用例を紹介します。
スカラー関数とローカル変数の例
CREATE FUNCTION dbo.CalculateSum (@a INT, @b INT)
RETURNS INT
AS
BEGIN
DECLARE @sum INT
SET @sum = @a + @b
RETURN @sum
END
テーブル値関数とテーブル変数の例
CREATE FUNCTION dbo.GetEmployees (@dept NVARCHAR(50))
RETURNS TABLE
AS
RETURN (
DECLARE @result TABLE(ID INT, Name NVARCHAR(50))
INSERT INTO @result
SELECT ID, Name FROM Employees WHERE Department = @dept
SELECT * FROM @result
)
まとめ
SQLでのユーザー定義関数、ローカル変数、テーブル変数は、データベース操作を柔軟に、効率よく行うための便利な機能です。特に、ユーザー定義関数内でこれらの変数を駆使することで、より複雑な処理も綺麗にまとめられます。これらの概念と使用法を理解し、データベース操作の幅を広げましょう。
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