データベースはビジネスにおいて重要な役割を果たしていますが、データの破損や消失に備えるバックアップ手法もまた不可欠です。特に大量のデータを効率よくバックアップするためには、差分バックアップが一般的に用いられます。この記事では、SQLを用いて差分バックアップを行い、そのデータをクラウドストレージに保存する方法を解説します。
目次
差分バックアップとは
差分バックアップとは、前回のフルバックアップ以降に変更されたデータだけをバックアップする手法です。これにより、フルバックアップに比べてバックアップ時間を短縮できる上、保存するデータ量も少なくなります。
差分バックアップとフルバックアップの比較
項目 | フルバックアップ | 差分バックアップ |
---|---|---|
対象データ | 全てのデータ | 前回のフルバックアップ以降に変更されたデータ |
時間 | 長い | 短い |
保存容量 | 大 | 小 |
SQLでの差分バックアップの手法
トランザクションログを活用する
SQL Serverなどの一部のRDBMSでは、トランザクションログを活用して差分バックアップを行うことが可能です。トランザクションログは、データベースに行われた全ての変更を記録するもので、これを元に差分バックアップを作成します。
-- トランザクションログを使って差分バックアップを作成するSQL文
BACKUP LOG YourDatabaseName
TO DISK = 'backup-log-path'
WITH DIFFERENTIAL;
トリガーを用いる方法
別の手法として、データが変更された際に発動するトリガーを設定し、その変更を別テーブルに保存することで差分データを抽出する方法があります。
-- データが更新された場合にトリガーが発動するSQL文
CREATE TRIGGER differential_backup_trigger
AFTER INSERT, UPDATE, DELETE ON target_table
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 差分データを別テーブルに保存
INSERT INTO differential_table VALUES (NEW.*);
END;
クラウドストレージとの組み合わせ
クラウドストレージの利点
クラウドストレージをバックアップ先として使用するメリットは、コストパフォーマンス、アクセスの容易性、スケーラビリティに優れている点が挙げられます。
具体的な組み合わせ方
AWS S3やGoogle Cloud Storageを使用して、差分バックアップデータをクラウドに保存する方法があります。SQL Serverならば、Azure Blob Storageも選択肢となります。
-- AWS CLIを使用して差分バックアップをS3にアップロードするコマンド
aws s3 cp your-differential-backup.sql s3://your-bucket-name/
まとめ
差分バックアップは、フルバックアップに比べて効率的なデータ保管手段です。SQLでの差分バックアップもトランザクションログやトリガーを活用することで可能であり、さらにクラウドストレージと組み合わせることで、高い可用性と効率性を得られます。
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