マスター-スレーブレプリケーションは、SQLデータベースにおいて高可用性とデータ整合性を確保する一つの手法です。この記事では、その基本概念から設定方法、そして運用で考慮すべきポイントについて解説します。
目次
マスター-スレーブレプリケーションの基本概念
マスター-スレーブレプリケーションは、一つのマスターデータベースから一つ以上のスレーブデータベースへデータをコピーする仕組みです。マスターで行われる全ての変更(INSERT、UPDATE、DELETEなど)がスレーブにも反映されます。
なぜ必要か?
この手法は、データベースの高可用性とスケーラビリティを確保するために用いられます。例えば、マスターデータベースがダウンした場合でも、スレーブデータベースがその役割を果たすことができます。
メリット | デメリット |
---|---|
高可用性 | 設定が複雑 |
負荷分散 | データ遅延が可能性 |
設定方法
マスター-スレーブレプリケーションの設定は、使用するデータベース製品によって異なる場合がありますが、一般的な手順について解説します。
MySQLでの設定例
MySQLでの設定は比較的簡単です。以下の手順で設定可能です。
# マスター側設定
CHANGE MASTER TO MASTER_HOST='slave_ip', MASTER_USER='repl', MASTER_PASSWORD='password';
START SLAVE;
# スレーブ側設定
STOP SLAVE;
CHANGE MASTER TO MASTER_HOST='master_ip', MASTER_USER='repl', MASTER_PASSWORD='password';
START SLAVE;
運用で考慮すべきポイント
マスター-スレーブレプリケーションを運用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
データ整合性
マスターとスレーブ間でのデータ整合性を保つためには、トランザクションを正確に設定する必要があります。
スレーブの遅延
スレーブがマスターからのデータを遅れて受け取ることがあります。これを「レプリケーションラグ」と呼びます。遅延があると、最新のデータにアクセスできない可能性があります。
対策方法 | 説明 |
---|---|
モニタリング | スレーブの遅延を常に監視 |
ロードバランサー | 遅延がある場合は、マスターへのアクセスを優先 |
まとめ
マスター-スレーブレプリケーションは、データベースの高可用性とスケーラビリティを確保する有用な手法です。ただし、設定の複雑性やデータ遅延の問題も存在するため、運用には注意が必要です。適切な設定と運用で、これらの課題を解決することが可能です。
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