この記事では、SQLを使用したJSONデータのアグリゲーション方法について解説します。特に、商用データベースでよく使用されるPostgreSQLとMySQLに焦点を当て、その特有の機能を利用したアグリゲーション手法について説明します。
はじめに
近年、JSON形式のデータはウェブアプリケーションやモバイルアプリ、IoTデバイスなど、多くの場面で使用されています。そのため、データベースでもJSON形式のデータを扱う必要が出てきています。しかし、SQLとJSONは異なるデータ形式であり、そのままではうまく組み合わせられません。この記事では、そのギャップを埋めるための具体的な手法と例を交えて解説します。
JSONデータの基本
JSONとは
JSON(JavaScript Object Notation)は、データを簡潔に表現するためのテキストベースのデータ交換形式です。主にプログラミング言語とデータベースの間でデータを送受信する際に用います。
キー | 値 |
---|---|
名前 | 田中 |
年齢 | 30 |
SQLでのJSONデータの取り扱い
PostgreSQLの場合
PostgreSQLでは、JSONデータを`json`または`jsonb`型で保存できます。`jsonb`はバイナリ形式で保存され、インデックスを作成することが可能です。
CREATE TABLE json_data (
id SERIAL PRIMARY KEY,
data jsonb
);
MySQLの場合
MySQLでも`JSON`型が用意されており、この型を使用することでJSONデータを扱うことができます。
CREATE TABLE json_data (
id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
data JSON
);
JSONデータのアグリゲーション
JSONデータのフィルタリング
JSONデータ内の特定のキーに基づいてデータをフィルタリングする方法です。
SELECT *
FROM json_data
WHERE data->>'age' >= 30;
SQLコマンド | 説明 |
---|---|
data->>’age’ | JSONデータ内の”age”キーにアクセス |
WHERE data->>’age’ >= 30 | 年齢が30以上のデータをフィルタリング |
JSONデータの集約
複数のJSONデータを集約して新しいJSONデータを生成する方法です。
SELECT json_agg(data)
FROM json_data
WHERE data->>'age' >= 30;
SQLコマンド | 説明 |
---|---|
json_agg(data) | JSONデータを集約 |
WHERE data->>’age’ >= 30 | 年齢が30以上のデータを集約 |
まとめ
SQLでJSONデータを扱う際のポイントは、適切なデータ型を選択すること、そして各データベースが提供するJSON関連の関数を活用することです。これにより、効率的なデータアグリゲーションが可能となります。この記事で紹介した手法を使えば、SQLでJSONデータをより効率的に扱うことができるでしょう。
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