ファイルサーバ上のExcelブックを開こうとすると、「セキュリティリスク・このファイルのソース情報が信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました」というメッセージが表示され、編集が不可能になる問題が発生しています。この記事では、この問題の詳細と、実行された対策、そして効果のあった解決策について詳しく説明します。問題解決に役立つ手順を示し、最終的には安心してExcelを利用できるようにサポートします。
問題の概要
ファイルサーバ上のExcelブックを開こうとすると、「セキュリティリスク・このファイルのソース情報が信頼できないため、Microsoftによりマクロの実行がブロックされました」というエラーメッセージが表示される問題が発生しています。このエラーメッセージは、ファイルが信頼できないソースから来ていると判断された場合に表示され、マクロの実行がブロックされます。これにより、必要な編集や自動化処理が行えなくなり、業務に支障をきたすことがあります。
環境の詳細
この問題は、以下の環境で発生しています。
OS
Windows 11 Pro 64bit 22H2
更新プログラム
KB5025239まで適用済み
Excelバージョン
Microsoft365 Excel ver2304
この環境設定において、Excelブックをファイルサーバ上から開こうとした際にマクロの実行がブロックされる現象が確認されています。具体的なエラーメッセージとその影響範囲を把握することが、効果的な対策を講じる第一歩となります。
行った対策とその結果
問題解決のために、以下の対策が試みられましたが、それぞれ効果はありませんでした。
ファイルサーバのIPアドレスを信頼できるサイトに追加
Internet Explorerの設定で、ファイルサーバのIPアドレスを信頼できるサイトに追加しましたが、効果はありませんでした。
直近の更新プログラムの削除
Windowsの更新プログラムの一部を削除してみましたが、問題は解決しませんでした。
Excelのトラストセンター設定
Excelのトラストセンター設定から、ファイルサーバのIPを信頼できる場所に指定しようとしましたが、この設定は不可能でした。
これらの対策は、エラーメッセージの表示を防ぐことができず、依然としてマクロの実行がブロックされる状態が続きました。
解決策1: ファイル名やファイルパスの修正
この問題に対する一つの有効な解決策として、ファイル名やファイルパスから特定の2バイト記号や全角括弧を削除する方法があります。
問題のある文字
一部の2バイト記号が含まれるファイル名やファイルパスが原因で、Excelのマクロ実行がブロックされることがあります。具体的には以下の文字が問題となることが確認されています。
問題のある全角括弧
- ()
- ~
問題のない全角括弧
- 【】
修正方法
問題が発生しているファイル名やパスを修正する手順は以下の通りです。
手順1: ファイル名の確認
ファイルサーバ上にある問題のファイル名を確認し、問題のある文字が含まれていないかチェックします。
手順2: ファイル名の変更
問題のある文字を取り除くようにファイル名を変更します。例えば、「ファイル名(例).xlsx」を「ファイル名例.xlsx」に変更します。
手順3: パスの確認と修正
ファイルパスにも同様の文字が含まれていないか確認し、必要に応じてフォルダ名を変更します。
この方法を試した一部のユーザーからは、問題が解決したとの報告がありました。
解決策2: ホスト名でのアクセスと名前解決
もう一つの解決策として、ファイルサーバーにホスト名でアクセスし、名前解決を行う方法があります。この方法は、IPアドレスではなくホスト名を使用することで、セキュリティブロックを回避することが目的です。
ホスト名でのアクセス方法
ファイルサーバーにホスト名でアクセスする手順を説明します。
手順1: ホスト名の確認
ファイルサーバーのホスト名を確認します。これはネットワーク管理者に問い合わせるか、サーバーの設定を確認することで取得できます。
手順2: ホスト名を使用してアクセス
エクスプローラーのアドレスバーにホスト名を入力して、ファイルサーバーにアクセスします。例えば、「\fileserver\sharedfolder」のように入力します。
名前解決の設定
クライアントPCの「hosts」ファイルにIPアドレスとホスト名を記載することで、名前解決を行う方法を説明します。
手順1: hostsファイルの編集
- メモ帳などのテキストエディタを管理者権限で開きます。
- 「C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts」ファイルを開きます。
手順2: エントリの追加
ファイルサーバーのIPアドレスとホスト名を以下の形式で追加します。
192.168.1.10 fileserver
- 変更を保存して、エディタを閉じます。
この方法を試すことで、ファイルサーバーへのアクセス時にホスト名を使用するようになり、Excelマクロの実行がブロックされる問題を回避できることがあります。
Microsoftの対応
Microsoftはこの問題を認識しており、修正に向けた取り組みを行っています。しかし、現時点では具体的な修正時期は未定です。以下に、Microsoftが推奨する一時的な対応策を紹介します。
一時的な対応策
ファイル名の変更
ファイル名に特定の記号や全角括弧が含まれている場合、それらを削除することで問題が解決することがあります。具体的には、全角括弧「()」「~」などを取り除くことを推奨しています。
以前のExcelバージョンに戻す
Excelのバージョンを一つ前に戻し、自動更新を停止することで、問題が発生する前の状態に戻すことが可能です。
ネットワークドライブの割り当て
ファイルパスに記号が含まれる場合、フォルダにネットワークドライブを割り当ててからファイルを開くことで問題を回避できます。
具体的な手順
手順1: ファイル名の変更
問題のあるファイル名を修正し、全角括弧や特定の記号を削除します。
手順2: Excelのバージョンを戻す
- Excelの設定メニューを開きます。
- バージョン情報を確認し、以前のバージョンに戻すオプションを選択します。
- 自動更新を停止する設定に変更します。
手順3: ネットワークドライブの割り当て
- エクスプローラーを開き、「ネットワークドライブの割り当て」を選択します。
- ドライブ文字を選び、共有フォルダのパスを入力します。
- 「完了」をクリックして割り当てを行います。
これらの一時的な対応策により、一部のユーザーは問題を回避できたと報告されています。Microsoftからの正式な修正が提供されるまで、これらの方法を試してみることをお勧めします。
現状と今後の対応
現在、一部のユーザーからは問題が解決したとの報告が寄せられていますが、依然として原因が特定されていないケースもあります。Microsoftはこの問題を認識しており、今後の更新で修正を行う予定ですが、具体的な時期は未定です。
現状の対応
現時点で確認されている有効な対策には以下のものがあります。
ファイル名やパスの修正
特定の2バイト記号や全角括弧を含むファイル名やパスを修正することで、多くのユーザーが問題を解決しています。
ホスト名でのアクセス
ファイルサーバーにホスト名でアクセスする方法や、hostsファイルを編集して名前解決を行うことで、マクロ実行のブロックを回避するケースも報告されています。
Microsoftの一時的対応策
Microsoftが推奨するファイル名の変更や以前のExcelバージョンに戻す対応策を実行することで、一時的に問題を回避できることもあります。
今後の対応
Microsoftが問題の根本的な解決に取り組んでいる間、以下のポイントに注意しながら業務を進めることをお勧めします。
定期的な更新チェック
Microsoftからの更新プログラムや修正パッチがリリースされる可能性があるため、定期的に更新情報をチェックしてください。
バックアップの作成
重要なExcelファイルや設定のバックアップを作成しておくことで、万が一のトラブルに備えることができます。
継続的な情報収集
問題解決に向けた最新情報や他のユーザーの対策事例を収集し、必要に応じて対策を講じてください。
今後も状況に応じて適切な対策を講じることで、Excelマクロの実行問題に対応できるようにしていきましょう。
まとめ
この記事では、ファイルサーバ上のExcelブックでマクロが実行できない問題について、その原因と対策を詳しく説明しました。問題が発生する環境や具体的なエラーメッセージを把握し、実行された対策とその結果を検証しました。さらに、有効な解決策としてファイル名やファイルパスの修正、ホスト名でのアクセス方法、そしてMicrosoftの一時的な対応策を紹介しました。
現状では、Microsoftの正式な修正が提供されるまで、これらの対策を試して問題を回避することが推奨されます。定期的な更新チェックやバックアップの作成、継続的な情報収集を行い、Excelマクロの実行問題に適切に対応していきましょう。
この記事が、同様の問題に直面している方々にとって有益な情報となり、業務の円滑な遂行に寄与することを願っています。
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