useStateを用いたウィザード形式フォームは、複数のステップに分かれたフォームを実現するためのシンプルかつ効果的な方法です。これにより、ユーザーは一度に全ての入力項目に対応する必要がなくなり、より直感的でスムーズな入力体験を提供できます。本記事では、Reactの基本フックであるuseStateを活用し、ウィザード形式フォームを設計・実装する方法を具体的に解説します。フォームの各ステップを管理し、入力データの保存や検証を行いながら、柔軟かつ効率的なフォーム作成を目指します。
ウィザード形式フォームとは
ウィザード形式フォームとは、複数のステップに分割された形式のフォームのことを指します。一度にすべての入力フィールドを表示するのではなく、各ステップで必要な情報だけを入力させる形式です。これにより、次のような利点が得られます。
ユーザー体験の向上
入力項目が多い場合でも、ステップごとに分けることでユーザーにとって入力作業が負担に感じにくくなります。また、順序立てたプロセスにより、直感的でスムーズな操作が可能です。
データの整理と検証
ステップごとにデータを検証できるため、不正なデータや欠損データを早期に検出できます。これにより、全体のフォーム送信失敗を防ぐことができます。
適用例
ウィザード形式フォームは、次のような場面で広く活用されています。
- 会員登録プロセス
- アンケートフォーム
- 製品購入や申し込み手続き
ウィザード形式のフォームは、ユーザーの入力体験を向上させるだけでなく、開発者にとっても構造化された管理が可能となるため、特に複雑なフォームにおいて有効な手法です。
ReactとuseStateの基本知識
Reactとは
Reactは、Facebookによって開発されたJavaScriptライブラリで、ユーザーインターフェースを構築するために使用されます。コンポーネントベースのアプローチにより、UIを小さな再利用可能なパーツに分割して管理できます。
useStateの役割
useStateはReactの基本的なフックの一つで、関数コンポーネントでステート(状態)を管理するために使用されます。従来のクラスコンポーネントでの状態管理をシンプルに置き換えるもので、動的なデータや状態を扱う際に非常に便利です。
useStateの基本的な使い方
以下はuseStateの基本的な使用例です。
import React, { useState } from 'react';
function Counter() {
// countという状態と、setCountという更新関数を定義
const [count, setCount] = useState(0);
return (
<div>
<p>現在のカウント: {count}</p>
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>増加</button>
</div>
);
}
コードのポイント
useState(初期値)
で、ステート変数とその更新関数を作成します。- 状態を更新するには、更新関数(例:
setCount
)を使用します。 - 状態の変更により、Reactが再レンダリングをトリガーし、UIが更新されます。
useStateのウィザードフォームでの活用
ウィザード形式フォームでは、現在のステップや各ステップのデータを管理するためにuseStateが活用されます。例えば、現在のステップを数値で管理したり、入力されたデータをオブジェクトで保持したりすることが可能です。
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1); // 現在のステップ
const [formData, setFormData] = useState({}); // フォームデータの保存
useStateの柔軟性を理解することで、動的で反応性の高いフォームを実装できるようになります。次のセクションでは、これをどのようにウィザード形式フォームに適用するかを詳しく説明します。
ウィザードフォームの設計
ウィザード形式フォームを実装するには、全体の構造を設計することが重要です。この設計段階で、フォームのステップ構成や入力項目を整理しておくことで、効率的な実装が可能になります。
ウィザード形式フォームの基本構造
ウィザード形式フォームは以下のような構成を持つことが一般的です。
- ステップ管理: 現在のステップを追跡し、表示するコンテンツを動的に切り替えます。
- 入力データ管理: 各ステップで入力されたデータを蓄積します。
- ナビゲーションボタン: 「次へ」「戻る」などのボタンを配置し、ステップ間を移動します。
- 確認および送信: 最終ステップで入力内容を確認し、送信処理を行います。
設計の流れ
- ステップの整理
ウィザード形式のフォームでは、各ステップの役割を明確に定義します。例として、次のようなステップが考えられます。
- ステップ1: 基本情報の入力
- ステップ2: 詳細情報の入力
- ステップ3: 入力内容の確認と送信
- ステートの定義
各ステップの管理にはステートを使用します。useStateを活用して、現在のステップ(例:currentStep
)や入力データ(例:formData
)を管理します。 - コンポーネントの分割
各ステップごとにコンポーネントを分割し、表示を切り替える構造にします。これにより、コードの可読性と再利用性が向上します。
サンプル設計図
以下はウィザード形式フォームの設計図例です。
function WizardForm() {
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1); // 現在のステップを管理
const [formData, setFormData] = useState({}); // 入力データを管理
// ステップを進む
const nextStep = () => setCurrentStep(currentStep + 1);
// ステップを戻る
const prevStep = () => setCurrentStep(currentStep - 1);
return (
<div>
{currentStep === 1 && <Step1 formData={formData} setFormData={setFormData} />}
{currentStep === 2 && <Step2 formData={formData} setFormData={setFormData} />}
{currentStep === 3 && <Step3 formData={formData} />}
<div>
{currentStep > 1 && <button onClick={prevStep}>戻る</button>}
{currentStep < 3 && <button onClick={nextStep}>次へ</button>}
</div>
</div>
);
}
ポイント
- ステップに応じて適切なコンポーネントを表示する。
- ナビゲーションボタンでステップを制御する。
- 入力データを一元的に管理するため、
formData
を使用する。
この設計を基に、次のセクションでは具体的なステート管理の実装方法を解説します。
ステート管理の実装方法
ウィザード形式フォームの動作の要となるのが、現在のステップを追跡するステート管理です。ReactのuseState
を活用し、ステップ間の遷移を効率的に制御する方法を見ていきましょう。
現在のステップの管理
現在のステップを管理するために、数値型のステートを使用します。このステートを基に、表示するコンポーネントや遷移ボタンの状態を動的に切り替えます。
import React, { useState } from 'react';
function WizardForm() {
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1); // 現在のステップを管理
const nextStep = () => {
setCurrentStep((prevStep) => prevStep + 1); // ステップを進める
};
const prevStep = () => {
if (currentStep > 1) {
setCurrentStep((prevStep) => prevStep - 1); // ステップを戻す
}
};
return (
<div>
<p>現在のステップ: {currentStep}</p>
<button onClick={prevStep} disabled={currentStep === 1}>戻る</button>
<button onClick={nextStep} disabled={currentStep === 3}>次へ</button>
</div>
);
}
コード解説
useState
の初期値:currentStep
の初期値を1
とすることで、最初のステップから開始します。nextStep
関数: 現在のステップを1増やして、次のステップに遷移します。prevStep
関数: 現在のステップを1減らし、戻る動作を実現します。ただし、1以下にはならないよう条件を設定しています。- ボタンの無効化:
disabled
属性で遷移ボタンのクリックを制御します。
ステップごとのコンポーネント切り替え
現在のステップを基に表示するコンポーネントを切り替えます。
function WizardForm() {
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1);
const renderStep = () => {
switch (currentStep) {
case 1:
return <Step1 />;
case 2:
return <Step2 />;
case 3:
return <Step3 />;
default:
return <Step1 />;
}
};
return (
<div>
{renderStep()}
<div>
<button onClick={() => setCurrentStep(currentStep - 1)} disabled={currentStep === 1}>
戻る
</button>
<button onClick={() => setCurrentStep(currentStep + 1)} disabled={currentStep === 3}>
次へ
</button>
</div>
</div>
);
}
function Step1() {
return <div>ステップ1の内容</div>;
}
function Step2() {
return <div>ステップ2の内容</div>;
}
function Step3() {
return <div>ステップ3の内容</div>;
}
コード解説
renderStep
関数: 現在のステップに応じて、適切なコンポーネントを返すように設計しています。- ステップごとのコンポーネント: 各ステップのUIを独立して記述することで、可読性と再利用性を向上させます。
入力データとの統合
次のセクションで解説する入力データ管理と組み合わせることで、ウィザード形式フォームの動作がさらにスムーズになります。
入力データの管理
ウィザード形式フォームでは、各ステップで入力されたデータを一元的に管理する必要があります。ReactのuseState
を活用することで、複数のステップにまたがる入力データを効率的に保存し、次のステップでも活用できます。
データ管理の基本構造
すべてのステップのデータを1つのオブジェクトとして管理します。これにより、各ステップで入力されたデータを簡単に参照・更新できるようになります。
import React, { useState } from 'react';
function WizardForm() {
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1); // 現在のステップ
const [formData, setFormData] = useState({
step1: {}, // ステップ1のデータ
step2: {}, // ステップ2のデータ
step3: {}, // ステップ3のデータ
});
// データを更新する関数
const updateFormData = (step, data) => {
setFormData((prevData) => ({
...prevData,
[step]: { ...prevData[step], ...data },
}));
};
return (
<div>
{currentStep === 1 && (
<Step1 formData={formData.step1} updateFormData={(data) => updateFormData("step1", data)} />
)}
{currentStep === 2 && (
<Step2 formData={formData.step2} updateFormData={(data) => updateFormData("step2", data)} />
)}
{currentStep === 3 && (
<Step3 formData={formData.step3} updateFormData={(data) => updateFormData("step3", data)} />
)}
<div>
<button onClick={() => setCurrentStep((prev) => prev - 1)} disabled={currentStep === 1}>
戻る
</button>
<button onClick={() => setCurrentStep((prev) => prev + 1)} disabled={currentStep === 3}>
次へ
</button>
</div>
</div>
);
}
入力データの反映
各ステップでの入力データをupdateFormData
関数で更新します。以下は各ステップコンポーネントの例です。
function Step1({ formData, updateFormData }) {
const handleInputChange = (e) => {
const { name, value } = e.target;
updateFormData({ [name]: value });
};
return (
<div>
<h3>ステップ1: 基本情報</h3>
<label>
名前:
<input
type="text"
name="name"
value={formData.name || ""}
onChange={handleInputChange}
/>
</label>
</div>
);
}
function Step2({ formData, updateFormData }) {
const handleInputChange = (e) => {
const { name, value } = e.target;
updateFormData({ [name]: value });
};
return (
<div>
<h3>ステップ2: 詳細情報</h3>
<label>
年齢:
<input
type="number"
name="age"
value={formData.age || ""}
onChange={handleInputChange}
/>
</label>
</div>
);
}
ポイント
formData
プロップ: 各ステップに対応する入力データを渡します。updateFormData
関数: 入力データを親コンポーネントのステートに更新します。
データの保存と送信
最終ステップでは、すべての入力データをまとめて確認・送信します。
function Step3({ formData }) {
const handleSubmit = () => {
console.log("送信データ:", formData);
// ここで送信処理を実行
};
return (
<div>
<h3>ステップ3: 入力内容の確認</h3>
<pre>{JSON.stringify(formData, null, 2)}</pre>
<button onClick={handleSubmit}>送信</button>
</div>
);
}
コード解説
- データ確認:
JSON.stringify
を利用して、入力内容を確認します。 - 送信処理: 実際のAPI呼び出しやバックエンドへの送信処理を実行します。
このように、入力データを一元管理することで、ステップ間のデータ連携がスムーズになり、フォーム全体の整合性が保たれます。次のセクションでは、データ検証の実装方法を解説します。
バリデーションの追加
ウィザード形式フォームでは、各ステップで入力データを検証するバリデーションが重要です。正しいデータが入力されるようにし、ユーザー体験を向上させると同時に、後続の処理でエラーを防ぎます。
バリデーションの実装方法
以下に、バリデーションを実装するための基本的なステップを示します。
- 各入力フィールドに対して検証条件を定義する。
- バリデーション結果をステートで管理する。
- バリデーションエラーをユーザーにフィードバックする。
基本的なバリデーションの実装例
以下は、ステップ1で名前が必須入力である場合のバリデーション例です。
function Step1({ formData, updateFormData, setValidationError }) {
const handleInputChange = (e) => {
const { name, value } = e.target;
updateFormData({ [name]: value });
setValidationError(""); // 入力がある場合はエラーをクリア
};
const validate = () => {
if (!formData.name || formData.name.trim() === "") {
setValidationError("名前は必須項目です。");
return false;
}
return true;
};
return (
<div>
<h3>ステップ1: 基本情報</h3>
<label>
名前:
<input
type="text"
name="name"
value={formData.name || ""}
onChange={handleInputChange}
/>
</label>
{formData.validationError && <p style={{ color: "red" }}>{formData.validationError}</p>}
<button onClick={validate}>次へ進む</button>
</div>
);
}
コード解説
validate
関数: ボタン押下時に、入力データを検証します。setValidationError
関数: バリデーションエラーをステートに保存し、ユーザーに表示します。- リアルタイムフィードバック: 入力時にエラーが解除されるよう設計しています。
複数フィールドのバリデーション
複数のフィールドを持つ場合も、同様に検証します。
function Step2({ formData, updateFormData, setValidationError }) {
const validate = () => {
let errors = {};
if (!formData.age || isNaN(formData.age)) {
errors.age = "年齢は数値で入力してください。";
} else if (formData.age < 18) {
errors.age = "18歳以上でなければなりません。";
}
setValidationError(errors);
return Object.keys(errors).length === 0;
};
const handleInputChange = (e) => {
const { name, value } = e.target;
updateFormData({ [name]: value });
setValidationError({}); // 入力時にエラーをリセット
};
return (
<div>
<h3>ステップ2: 詳細情報</h3>
<label>
年齢:
<input
type="number"
name="age"
value={formData.age || ""}
onChange={handleInputChange}
/>
</label>
{formData.validationError?.age && <p style={{ color: "red" }}>{formData.validationError.age}</p>}
<button onClick={validate}>次へ進む</button>
</div>
);
}
コード解説
errors
オブジェクト: 各フィールドのエラーメッセージを保存します。- 複数条件のバリデーション: 年齢が数値であるかつ、18歳以上という条件を設定しています。
ステップ間でのバリデーション連携
バリデーションを次のステップの遷移条件に組み込みます。
const nextStep = () => {
const isValid = currentStep === 1 ? validateStep1() : validateStep2();
if (isValid) {
setCurrentStep(currentStep + 1);
}
};
ポイント
- ステップごとのバリデーション関数: 各ステップに応じたバリデーションを行います。
- 遷移の制御: バリデーションが成功した場合のみ、次のステップに進みます。
まとめ
バリデーションはユーザー体験の向上だけでなく、データの正確性を保つために欠かせない要素です。次のセクションでは、ステップ間の遷移制御を実装します。
ステップ間の遷移制御
ウィザード形式フォームの魅力の一つは、ステップ間の遷移を柔軟に制御できることです。このセクションでは、「次へ」「戻る」ボタンや特定の条件に基づく遷移ロジックを実装する方法を解説します。
基本的な遷移制御
ステップ間の遷移は、現在のステップを管理するcurrentStep
ステートと、各ステップのバリデーション結果を組み合わせて制御します。
const nextStep = () => {
if (currentStep === 1 && !validateStep1()) return; // ステップ1のバリデーション失敗時に遷移を防止
if (currentStep === 2 && !validateStep2()) return; // ステップ2のバリデーション
setCurrentStep((prev) => prev + 1); // バリデーション成功時に次へ進む
};
const prevStep = () => {
if (currentStep > 1) {
setCurrentStep((prev) => prev - 1); // 戻る操作を許可
}
};
コード解説
nextStep
関数: 現在のステップに応じたバリデーションを行い、成功した場合のみ次のステップに進みます。prevStep
関数: ステップ1より前には戻らないよう条件を設定しています。
条件付き遷移の実装
場合によっては、特定の条件を満たした場合にのみ次のステップに進むよう設計する必要があります。たとえば、ステップ2で「特定のオプションが選択された場合のみステップ3に進む」場合の例です。
const nextStep = () => {
if (currentStep === 2 && formData.step2.option !== "proceed") {
alert("特定のオプションを選択してください。");
return;
}
setCurrentStep((prev) => prev + 1);
};
ポイント
- 条件の組み込み: フォームデータの特定のフィールドに基づいて遷移制御を行います。
- エラーメッセージの提供: 遷移できない場合にユーザーにフィードバックを与えます。
ステップスキップの実装
特定の条件でステップをスキップするケースもあります。この場合、次のステップを直接指定します。
const nextStep = () => {
if (currentStep === 2 && formData.step2.skipNextStep) {
setCurrentStep(4); // ステップ3をスキップしてステップ4へ
} else {
setCurrentStep((prev) => prev + 1);
}
};
ポイント
- スキップ条件: ユーザーの選択や入力データに基づき、次のステップを動的に設定します。
- 柔軟な遷移: 通常の遷移ロジックと条件付きスキップを組み合わせて実装します。
ステップの完了状態を記録
フォーム全体の進捗状況を管理するために、ステップの完了状態を追跡することができます。
const [completedSteps, setCompletedSteps] = useState([]);
const markStepComplete = (step) => {
setCompletedSteps((prev) => [...new Set([...prev, step])]); // 完了済みステップを記録
};
const nextStep = () => {
markStepComplete(currentStep); // 現在のステップを完了
setCurrentStep((prev) => prev + 1);
};
コード解説
completedSteps
ステート: 完了済みのステップを配列で記録します。- 進捗管理: 各ステップが完了したかどうかを表示することで、ユーザーに視覚的なフィードバックを提供できます。
ステップの動的表示
遷移条件に基づいて、スキップされたステップを非表示にすることも可能です。
const steps = [1, 2, 3, 4];
const visibleSteps = steps.filter((step) => !(step === 3 && formData.step2.skipNextStep));
まとめ
ステップ間の遷移制御は、ウィザード形式フォームの柔軟性を高める重要な要素です。バリデーションや条件分岐、スキップロジックを組み合わせることで、複雑なフォームのニーズに対応できます。次のセクションでは、フォーム全体の動作例を通じて具体的な実装を確認します。
実際の動作例
ウィザード形式フォームの全体像を把握するために、基本的な3ステップ構成のフォームを実装した動作例を紹介します。この例では、ステップごとにデータを入力し、最後に確認画面で送信します。
全体構造
以下はウィザード形式フォームの全体的な構造です。
import React, { useState } from "react";
function WizardForm() {
const [currentStep, setCurrentStep] = useState(1);
const [formData, setFormData] = useState({
step1: { name: "" },
step2: { age: "", email: "" },
step3: {},
});
const [validationError, setValidationError] = useState("");
const updateFormData = (step, data) => {
setFormData((prev) => ({
...prev,
[step]: { ...prev[step], ...data },
}));
};
const validateCurrentStep = () => {
setValidationError("");
if (currentStep === 1 && !formData.step1.name) {
setValidationError("名前を入力してください。");
return false;
}
if (currentStep === 2) {
if (!formData.step2.age || isNaN(formData.step2.age)) {
setValidationError("年齢を正しく入力してください。");
return false;
}
if (!formData.step2.email.includes("@")) {
setValidationError("有効なメールアドレスを入力してください。");
return false;
}
}
return true;
};
const nextStep = () => {
if (validateCurrentStep()) {
setCurrentStep((prev) => prev + 1);
}
};
const prevStep = () => {
setCurrentStep((prev) => Math.max(1, prev - 1));
};
const handleSubmit = () => {
alert(`送信データ: ${JSON.stringify(formData, null, 2)}`);
};
return (
<div>
<h2>ウィザード形式フォーム</h2>
{currentStep === 1 && (
<Step1
formData={formData.step1}
updateFormData={(data) => updateFormData("step1", data)}
/>
)}
{currentStep === 2 && (
<Step2
formData={formData.step2}
updateFormData={(data) => updateFormData("step2", data)}
/>
)}
{currentStep === 3 && <Step3 formData={formData} />}
{validationError && <p style={{ color: "red" }}>{validationError}</p>}
<div>
<button onClick={prevStep} disabled={currentStep === 1}>
戻る
</button>
{currentStep < 3 ? (
<button onClick={nextStep}>次へ</button>
) : (
<button onClick={handleSubmit}>送信</button>
)}
</div>
</div>
);
}
ステップコンポーネント
各ステップごとのコンポーネントを以下のように定義します。
function Step1({ formData, updateFormData }) {
return (
<div>
<h3>ステップ1: 基本情報</h3>
<label>
名前:
<input
type="text"
name="name"
value={formData.name || ""}
onChange={(e) => updateFormData({ name: e.target.value })}
/>
</label>
</div>
);
}
function Step2({ formData, updateFormData }) {
return (
<div>
<h3>ステップ2: 詳細情報</h3>
<label>
年齢:
<input
type="number"
name="age"
value={formData.age || ""}
onChange={(e) => updateFormData({ age: e.target.value })}
/>
</label>
<label>
メールアドレス:
<input
type="email"
name="email"
value={formData.email || ""}
onChange={(e) => updateFormData({ email: e.target.value })}
/>
</label>
</div>
);
}
function Step3({ formData }) {
return (
<div>
<h3>ステップ3: 入力内容の確認</h3>
<pre>{JSON.stringify(formData, null, 2)}</pre>
</div>
);
}
動作のポイント
- ステップごとの遷移: 各ステップでバリデーションを行い、エラーがある場合は遷移をブロックします。
- データの一元管理:
formData
を使ってすべての入力データを保持します。 - 最終確認と送信: 最終ステップでは、入力されたデータを確認し、アラートで出力しています。
結果のイメージ
- ステップ1: 名前を入力
- ステップ2: 年齢とメールアドレスを入力
- ステップ3: 入力内容の確認と送信
この実装を基に、次のセクションでは応用例やカスタマイズ案を紹介します。
応用例とカスタマイズ案
ウィザード形式フォームは、シンプルなフォームから複雑なフローを持つフォームまで幅広く対応できます。ここでは、実用的な応用例とカスタマイズのアイデアをいくつか紹介します。
応用例
1. 条件分岐を含むフォーム
特定の条件に応じて次のステップが変わるフォームを構築します。
例: 「法人」か「個人」かを選択し、それに応じて異なる入力項目を表示します。
const nextStep = () => {
if (currentStep === 2) {
const next = formData.step2.type === "corporate" ? 3 : 4;
setCurrentStep(next);
} else {
setCurrentStep((prev) => prev + 1);
}
};
- 適用シーン: 申し込みフォームや調査アンケート。
2. データ送信後のリダイレクト
送信完了後にサンクスページやダッシュボードにリダイレクトするケースです。
const handleSubmit = async () => {
await sendDataToAPI(formData);
window.location.href = "/thank-you";
};
- 適用シーン: 登録完了後のサンクスページや購入完了画面。
3. プログレスバーの追加
現在のステップを視覚的に示すプログレスバーを導入することで、ユーザーに進捗を分かりやすく伝えます。
<div style={{ width: `${(currentStep / totalSteps) * 100}%`, background: "blue", height: "10px" }}>
</div>
- 適用シーン: 入力が多いフォームでのユーザー体験向上。
カスタマイズ案
1. ローカライズ対応
フォームのラベルやエラーメッセージを多言語対応にします。
const messages = {
en: { required: "This field is required." },
ja: { required: "この項目は必須です。" },
};
const validate = () => {
if (!formData.name) {
setValidationError(messages["ja"].required); // 言語コードを動的に切り替え
}
};
- 適用シーン: グローバルサービスや多国籍ユーザー向けアプリ。
2. リアルタイムデータ保存
ユーザーが入力したデータをステップ間でリアルタイム保存します。これにより、リロード後もデータを保持できます。
useEffect(() => {
localStorage.setItem("wizardFormData", JSON.stringify(formData));
}, [formData]);
- 適用シーン: 長時間入力が必要なフォーム。
3. デザインの改善
スタイリングライブラリ(例: Material-UI, Tailwind CSS)を使用して視覚的に魅力的なフォームを構築します。
<Button variant="contained" color="primary" onClick={nextStep}>
次へ
</Button>
- 適用シーン: ユーザーインターフェースを重視するプロジェクト。
複雑なフローへの拡張
条件分岐や動的なデータロードを組み合わせることで、より複雑なビジネスフローを実現できます。例として、eコマースサイトで商品を選択し、配送オプションや決済方法を設定するステップを作成できます。
まとめ
応用例とカスタマイズを活用することで、ウィザード形式フォームをさまざまなユースケースに適応させることができます。これにより、ユーザー体験を向上させ、複雑なビジネス要件にも対応できるフォームを作成可能です。
まとめ
本記事では、ReactとuseStateを活用してウィザード形式フォームを実装する方法を解説しました。ウィザード形式フォームは、複数のステップに分かれた直感的な入力体験を提供し、複雑なデータ入力を効率的に管理できます。
以下のポイントを押さえることで、柔軟で実用的なフォームを構築できます。
- useStateによるステップ管理: 現在のステップや入力データを簡潔に管理。
- バリデーション: 各ステップごとに適切な検証を実施して正確なデータを保持。
- ステップ間の遷移制御: 条件付き遷移やスキップを含む柔軟な遷移ロジック。
- 応用とカスタマイズ: プログレスバー、多言語対応、デザインの工夫による改善。
これらを組み合わせることで、登録フォームやアンケート、購入フローなど、さまざまなユースケースに対応可能です。Reactの力を活用して、実用性と利便性を兼ね備えたフォームを実現しましょう。
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