Reactを使ったモーダルウィンドウは、アプリケーションのインターフェース設計において非常に重要な要素です。特に、レスポンシブデザインを考慮したモーダルは、デスクトップからモバイルまで幅広いデバイスで一貫したユーザー体験を提供する鍵となります。しかし、単に見た目を整えるだけではなく、アクセシビリティやパフォーマンス、ユーザー行動に基づくインタラクションも考慮する必要があります。本記事では、Reactを用いてレスポンシブモーダルウィンドウを設計するためのベストプラクティスを、コード例や具体的な応用例を交えながら詳しく解説していきます。
モーダルウィンドウの役割と基本構造
モーダルウィンドウは、ユーザーの注意を特定の情報やアクションに集中させるためのUIコンポーネントです。例えば、フォームの入力、エラーメッセージの表示、画像や動画のプレビューなど、限定的な操作を行う場面で使用されます。
モーダルの役割
モーダルウィンドウは、次のような目的で使用されます。
- コンテンツの強調: 通常の画面とは独立したスペースで情報を表示し、目立たせる。
- ユーザーアクションの完了: フォームの送信や削除確認など、重要な操作を完結させる。
- 通知の表示: 短いメッセージやフィードバックをユーザーに提供する。
Reactにおける基本構造
Reactでは、モーダルウィンドウは以下のような基本的な構造で実装されます。
import React, { useState } from "react";
function Modal({ isOpen, onClose, children }) {
if (!isOpen) return null;
return (
<div className="modal-overlay">
<div className="modal-content">
{children}
<button onClick={onClose}>Close</button>
</div>
</div>
);
}
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>Open Modal</button>
<Modal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)}>
<h2>Modal Title</h2>
<p>This is the modal content.</p>
</Modal>
</div>
);
}
export default App;
基本構造のポイント
- 条件付きレンダリング:
isOpen
フラグでモーダルの表示・非表示を制御します。 - オーバーレイとコンテンツ: モーダル全体を覆うオーバーレイと、その中に表示されるコンテンツを分離してデザインします。
- 子コンポーネントの受け渡し:
children
プロップを使用して、柔軟に内容を差し替えられるようにします。
この基本構造をベースに、レスポンシブ対応やアクセシビリティ向上を進めていくことで、洗練されたモーダルウィンドウを作成できます。
レスポンシブデザインの必要性と考慮事項
レスポンシブデザインは、現代のウェブ開発において不可欠な要素です。モーダルウィンドウを実装する際も、デバイスの画面サイズに応じて適切に表示が変化する設計が求められます。これにより、ユーザーはスマートフォン、タブレット、デスクトップなど、どの環境でも快適にアプリケーションを利用できます。
レスポンシブデザインの必要性
- 多様なデバイスへの対応: モバイルファーストの時代において、モーダルは小型画面にも対応する必要があります。
- 一貫したユーザー体験: デバイスに関係なく、モーダルの見た目と操作感が統一されていることは、ユーザー満足度の向上につながります。
- アクセシビリティの向上: レスポンシブデザインは、視覚的な快適さだけでなく、使用感の向上にも寄与します。
レスポンシブモーダル設計の考慮事項
- 画面サイズに応じたレイアウトの変更
- 小型画面ではモーダルを全画面表示に近い形にする。
- 大型画面では中央に小さなウィンドウとして表示する。
- フォントサイズと要素間の余白
- テキストやボタンのサイズを画面に応じて調整し、誤操作を防ぐ。
- ボタン間のスペースを確保して、操作性を高める。
- スワイプやスクロールの対応
- モバイルではスワイプで閉じられる機能を提供する。
- 長いコンテンツの場合は内部スクロールを実装する。
デザインのヒント
レスポンシブモーダルの設計を開始する際には、以下のようなフレームワークやツールが役立ちます。
- CSSメディアクエリ: モーダルのスタイルを画面幅に応じて調整します。
- フレックスボックスとグリッドレイアウト: モーダルの中央配置やレイアウト調整に最適です。
- モバイルファースト戦略: 小型デバイス向けに設計を始め、徐々に大画面に対応する形を取ります。
レスポンシブデザインは、単に画面に収めるだけでなく、どのデバイスでも最適な体験を提供するためのアプローチです。次のステップで、CSSを使った具体的な実装方法を確認していきましょう。
CSSでモーダルのレスポンシブスタイルを設定する方法
レスポンシブデザインの基盤となるCSSでは、メディアクエリを活用してモーダルの見た目やレイアウトを画面サイズに応じて動的に変更できます。ここでは、基本的なCSS設定と具体的なコード例を通じてレスポンシブモーダルの作成方法を説明します。
モーダルの基本CSSスタイル
まずはモーダルウィンドウの基本的なスタイルを定義します。
.modal-overlay {
position: fixed;
top: 0;
left: 0;
width: 100%;
height: 100%;
background: rgba(0, 0, 0, 0.5);
display: flex;
justify-content: center;
align-items: center;
z-index: 1000;
}
.modal-content {
background: white;
border-radius: 8px;
padding: 20px;
width: 80%;
max-width: 500px;
box-shadow: 0 4px 6px rgba(0, 0, 0, 0.1);
}
この設定で、モーダルが画面中央に表示され、適度な余白とスタイリングが適用されます。
メディアクエリを用いたレスポンシブ対応
メディアクエリを利用して、画面サイズごとにモーダルのスタイルを変更します。
@media (max-width: 768px) {
.modal-content {
width: 90%;
max-width: none;
border-radius: 0;
height: 100%;
padding: 10px;
box-shadow: none;
}
}
@media (min-width: 769px) {
.modal-content {
width: 60%;
max-width: 700px;
}
}
- 小型画面 (最大768px):
モーダルを全画面に近い形で表示し、無駄な余白を排除します。 - 中型以上の画面 (769px以上):
より洗練されたデザインで中央に配置し、幅を制限して読みやすいデザインにします。
レスポンシブデザインの追加要素
- アニメーションの最適化
モーダルを開閉する際に、アニメーションを追加するとユーザー体験が向上します。
.modal-overlay {
animation: fadeIn 0.3s ease-in-out;
}
@keyframes fadeIn {
from {
opacity: 0;
}
to {
opacity: 1;
}
}
- スクロール防止
モーダルが表示されている間、背景がスクロールしないように制御します。
body.modal-open {
overflow: hidden;
}
最終的なモーダルCSS例
すべての設定を統合したCSSは以下のようになります。
.modal-overlay {
position: fixed;
top: 0;
left: 0;
width: 100%;
height: 100%;
background: rgba(0, 0, 0, 0.5);
display: flex;
justify-content: center;
align-items: center;
z-index: 1000;
animation: fadeIn 0.3s ease-in-out;
}
.modal-content {
background: white;
border-radius: 8px;
padding: 20px;
width: 80%;
max-width: 500px;
box-shadow: 0 4px 6px rgba(0, 0, 0, 0.1);
}
@media (max-width: 768px) {
.modal-content {
width: 90%;
max-width: none;
border-radius: 0;
height: 100%;
padding: 10px;
box-shadow: none;
}
}
@keyframes fadeIn {
from {
opacity: 0;
}
to {
opacity: 1;
}
}
この設定により、デバイスの画面サイズに応じて自動的に調整されるレスポンシブモーダルが完成します。次のステップでは、Reactコンポーネントを用いた実際のモーダル実装を見ていきます。
Reactコンポーネントを用いたモーダルの実装例
Reactでモーダルを実装する際には、状態管理やコンポーネントの柔軟性を活かしてレスポンシブデザインに対応できます。以下では、レスポンシブなモーダルをReactで構築する具体例を紹介します。
基本的なモーダルコンポーネントの実装
まず、モーダルのコンポーネントを作成します。
import React, { useState } from "react";
import "./Modal.css"; // CSSは前セクションを参考に
function Modal({ isOpen, onClose, children }) {
if (!isOpen) return null;
return (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()} // モーダル内部のクリックを無効化
>
{children}
<button className="modal-close" onClick={onClose}>
×
</button>
</div>
</div>
);
}
export default Modal;
アプリケーションでのモーダルの使用例
次に、アプリケーションにモーダルを組み込みます。
import React, { useState } from "react";
import Modal from "./Modal";
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<h1>レスポンシブモーダルの実装例</h1>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>モーダルを開く</button>
<Modal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)}>
<h2>レスポンシブモーダル</h2>
<p>これはレスポンシブ対応したモーダルウィンドウです。</p>
<button onClick={() => setIsModalOpen(false)}>閉じる</button>
</Modal>
</div>
);
}
export default App;
コードのポイント
- 状態管理
useState
を使用してモーダルの開閉状態を管理しています。isModalOpen
はモーダルの表示・非表示を制御するフラグです。
- クリックイベントの制御
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
を使用して、モーダル内部のクリックが背景のクリックイベントに影響しないようにしています。
- モジュール化
- モーダルのロジックを独立したコンポーネントに分けることで、再利用性が高まります。
スタイルの適用
前のセクションで作成したレスポンシブCSSを適用します。これにより、画面サイズに応じてモーダルのスタイルが調整されます。
動作確認
この構成で、画面サイズが変わるたびにモーダルが適切なスタイルで表示されることを確認できます。また、ボタン操作でモーダルを開閉できるため、実際のアプリケーションにスムーズに組み込むことが可能です。
このように、Reactの状態管理とCSSの組み合わせで、レスポンシブモーダルを簡単に実装できます。次のステップでは、ライブラリを活用した効率的なモーダルデザインについて解説します。
フレームワークやライブラリの活用
Reactでモーダルを効率的に開発するためには、CSSフレームワークやUIライブラリを活用することがおすすめです。これにより、基本的なデザインや動作があらかじめ用意されているため、開発スピードが向上します。以下では、代表的なライブラリを用いたモーダルの実装例を紹介します。
Material-UIを使用したモーダル
Material-UI(MUI)は、Googleのマテリアルデザインに基づいたReact用UIライブラリで、モーダルコンポーネントも提供しています。
npm install @mui/material @emotion/react @emotion/styled
実装例: Material-UIのモーダル
import React, { useState } from "react";
import { Modal, Box, Button } from "@mui/material";
function MuiModalExample() {
const [open, setOpen] = useState(false);
const handleOpen = () => setOpen(true);
const handleClose = () => setOpen(false);
return (
<div>
<Button variant="contained" onClick={handleOpen}>
モーダルを開く
</Button>
<Modal
open={open}
onClose={handleClose}
aria-labelledby="modal-title"
aria-describedby="modal-description"
>
<Box
sx={{
position: "absolute",
top: "50%",
left: "50%",
transform: "translate(-50%, -50%)",
width: 300,
bgcolor: "background.paper",
boxShadow: 24,
p: 4,
borderRadius: 2,
}}
>
<h2 id="modal-title">Material-UI モーダル</h2>
<p id="modal-description">これはMaterial-UIで作成されたモーダルです。</p>
<Button variant="outlined" onClick={handleClose}>
閉じる
</Button>
</Box>
</Modal>
</div>
);
}
export default MuiModalExample;
ポイント
Modal
コンポーネントでモーダルを構成。Box
を使用してモーダル内部のスタイルを簡単に設定可能。- レスポンシブ対応は
sx
プロパティを利用して柔軟に調整できます。
Tailwind CSSを使用したモーダル
Tailwind CSSはユーティリティクラスを用いたスタイリングが特徴のフレームワークで、モーダルの設計にも最適です。
インストール
npm install tailwindcss postcss autoprefixer
npx tailwindcss init
実装例: Tailwind CSSのモーダル
import React, { useState } from "react";
function TailwindModal() {
const [isOpen, setIsOpen] = useState(false);
return (
<div className="flex flex-col items-center justify-center min-h-screen">
<button
className="bg-blue-500 text-white px-4 py-2 rounded"
onClick={() => setIsOpen(true)}
>
モーダルを開く
</button>
{isOpen && (
<div
className="fixed inset-0 bg-gray-800 bg-opacity-50 flex items-center justify-center"
onClick={() => setIsOpen(false)}
>
<div
className="bg-white rounded-lg shadow-lg p-6 w-11/12 max-w-md"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
<h2 className="text-xl font-bold mb-4">Tailwind CSS モーダル</h2>
<p className="text-gray-700 mb-4">これはTailwind CSSで作成されたモーダルです。</p>
<button
className="bg-red-500 text-white px-4 py-2 rounded"
onClick={() => setIsOpen(false)}
>
閉じる
</button>
</div>
</div>
)}
</div>
);
}
export default TailwindModal;
ポイント
- Tailwindのユーティリティクラスを使用することで、スタイルを迅速に調整可能。
- レスポンシブ対応は
w-11/12
(幅調整)やmax-w-md
(最大幅)で実現。
ライブラリを選ぶポイント
- プロジェクトのスケール
- 大規模なプロジェクトにはMaterial-UIのようなフル機能のライブラリが適しています。
- 小規模なプロジェクトでは、Tailwind CSSのような軽量なフレームワークが便利です。
- カスタマイズ性
- Material-UIはテーマ機能を使ってデザインを一括管理可能です。
- Tailwind CSSは細かいスタイルを柔軟に調整できます。
- 学習コスト
- 既存のチームのスキルセットやプロジェクトの要件に合ったライブラリを選びましょう。
これらのフレームワークやライブラリを活用することで、迅速かつ効率的にレスポンシブなモーダルを構築できます。次のセクションでは、モーダルのアクセシビリティ向上に向けた設計方法を解説します。
モーダルのアクセシビリティ対応
アクセシビリティに配慮したモーダルデザインは、より多くのユーザーに快適な利用体験を提供するために重要です。キーボード操作やスクリーンリーダー対応など、特定の支援技術を活用するユーザーのために適切な設計を行う必要があります。
アクセシビリティにおける基本要件
- フォーカストラップ
- モーダルを開いたとき、フォーカスはモーダル内の要素に限定されるべきです。これにより、キーボードユーザーが外部の要素にアクセスできないようになります。
- 閉じる機能の提供
- キーボードの
Esc
キーでモーダルを閉じられるようにする必要があります。
- 適切なARIA属性
- モーダルに
role="dialog"
を指定し、aria-labelledby
やaria-describedby
を使用してモーダルの目的と内容を明確に伝えます。
実装例: フォーカストラップとARIA属性
以下は、ReactでフォーカストラップとARIA属性を実装したモーダルの例です。
import React, { useState, useRef, useEffect } from "react";
function AccessibleModal({ isOpen, onClose, title, children }) {
const modalRef = useRef(null);
useEffect(() => {
if (isOpen) {
const focusableElements = modalRef.current.querySelectorAll(
"button, [href], input, select, textarea, [tabindex]:not([tabindex='-1'])"
);
const firstElement = focusableElements[0];
const lastElement = focusableElements[focusableElements.length - 1];
const trapFocus = (e) => {
if (e.key === "Tab") {
if (e.shiftKey) {
if (document.activeElement === firstElement) {
e.preventDefault();
lastElement.focus();
}
} else {
if (document.activeElement === lastElement) {
e.preventDefault();
firstElement.focus();
}
}
}
};
firstElement?.focus();
document.addEventListener("keydown", trapFocus);
return () => document.removeEventListener("keydown", trapFocus);
}
}, [isOpen]);
if (!isOpen) return null;
return (
<div
className="modal-overlay"
role="dialog"
aria-labelledby="modal-title"
aria-describedby="modal-description"
onClick={onClose}
>
<div
className="modal-content"
ref={modalRef}
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
<h2 id="modal-title">{title}</h2>
<div id="modal-description">{children}</div>
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
);
}
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>モーダルを開く</button>
<AccessibleModal
isOpen={isModalOpen}
onClose={() => setIsModalOpen(false)}
title="アクセシビリティ対応モーダル"
>
<p>このモーダルはキーボード操作やARIA属性に対応しています。</p>
</AccessibleModal>
</div>
);
}
export default App;
実装ポイント
- フォーカストラップ
- モーダル内のフォーカス可能な要素をリスト化し、
Tab
キーで循環するように設定します。
- キーボード操作の対応
Esc
キーのハンドリングを追加し、モーダルを閉じる機能を提供します。
ARIA属性の活用
role="dialog"
: モーダルが対話型コンポーネントであることを宣言します。aria-labelledby
: モーダルのタイトルをスクリーンリーダーに伝えるために使用します。aria-describedby
: モーダルの内容説明を指定します。
注意点
- 適切なキーボード操作の実装
Tab
やShift+Tab
を使った操作感をテストし、スムーズなナビゲーションを確認します。
- スクリーンリーダーの動作確認
- VoiceOverやNVDAなど、主要なスクリーンリーダーでの動作をテストしてください。
モーダルのアクセシビリティ対応により、すべてのユーザーに対して公平で快適な体験を提供することが可能になります。次のセクションでは、モーダルのパフォーマンス最適化について解説します。
モーダルのパフォーマンス最適化
大規模なアプリケーションでは、モーダルのパフォーマンスを最適化することが重要です。パフォーマンスが低下すると、特にデバイスの性能が限られている環境では、ユーザー体験に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、Reactでモーダルを実装する際に考慮すべき最適化技術を具体例とともに説明します。
モーダルの遅延レンダリング
遅延レンダリングの利点
モーダルをアプリケーション全体で使用する場合、初期ロード時にすべてのモーダルをレンダリングすると、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。isOpen
状態に基づき、モーダルを必要なときにのみレンダリングすることでこれを防げます。
実装例
import React, { useState } from "react";
function LazyModal({ isOpen, onClose, children }) {
return (
isOpen && (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
{children}
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
)
);
}
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>モーダルを開く</button>
<LazyModal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)}>
<h2>遅延レンダリングモーダル</h2>
<p>このモーダルは必要なときにのみレンダリングされます。</p>
</LazyModal>
</div>
);
}
export default App;
ポイント
- 条件付きレンダリング (
isOpen &&
) を使用して、モーダルが開いたときのみDOMに挿入します。 - 未使用時の不要なリソース消費を削減します。
React Portalを使用したDOM操作の効率化
ReactのPortal
は、モーダルのようにオーバーレイが必要なUIコンポーネントを、アプリケーションのルートレベルに直接追加するための仕組みです。
実装例
import React, { useState } from "react";
import ReactDOM from "react-dom";
function PortalModal({ isOpen, onClose, children }) {
if (!isOpen) return null;
return ReactDOM.createPortal(
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
{children}
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>,
document.getElementById("modal-root")
);
}
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<div id="modal-root"></div> {/* 必須 */}
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>モーダルを開く</button>
<PortalModal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)}>
<h2>React Portal モーダル</h2>
<p>このモーダルはポータルを使用してレンダリングされています。</p>
</PortalModal>
</div>
);
}
export default App;
ポイント
- モーダルをアプリケーションのルートレベルに直接レンダリングすることで、スタイルの衝突を回避します。
- DOMの構造が複雑な場合でも、高速なレンダリングを実現できます。
メモ化を使用したリソース最適化
Reactのmemo
とuseMemo
を活用して、再レンダリングを最小限に抑えます。
実装例
import React, { useState, memo } from "react";
const MemoizedModal = memo(function Modal({ isOpen, onClose, children }) {
if (!isOpen) return null;
return (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div className="modal-content" onClick={(e) => e.stopPropagation()}>
{children}
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
);
});
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>モーダルを開く</button>
<MemoizedModal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)}>
<h2>メモ化されたモーダル</h2>
<p>このモーダルはメモ化され、パフォーマンスが向上しています。</p>
</MemoizedModal>
</div>
);
}
export default App;
ポイント
React.memo
を使用することで、モーダルの再レンダリングを防止します。- 状態が変更されない限り、モーダルコンポーネントは再描画されません。
パフォーマンス最適化のまとめ
- 遅延レンダリングで不要なレンダリングを削減。
- React PortalでDOM操作を効率化。
- メモ化で再レンダリングを防止。
これらの最適化手法を適切に組み合わせることで、レスポンシブモーダルのパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。次のセクションでは、具体的な応用例として、モーダルを利用したユースケースを紹介します。
応用例: モーダルを利用した機能のデザイン
モーダルは、さまざまな機能を実現するための柔軟なUIコンポーネントです。以下では、具体的な応用例を取り上げ、それぞれの実装方法や考慮点を解説します。
応用例1: サインインフォーム
モーダルを使用してサインインフォームを表示することで、ユーザーは現在のページから離れることなくログイン操作を行えます。
実装例
import React, { useState } from "react";
function SignInModal({ isOpen, onClose }) {
const handleSubmit = (e) => {
e.preventDefault();
// ログイン処理
onClose();
};
return (
isOpen && (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
<h2>サインイン</h2>
<form onSubmit={handleSubmit}>
<label>
ユーザー名:
<input type="text" name="username" required />
</label>
<br />
<label>
パスワード:
<input type="password" name="password" required />
</label>
<br />
<button type="submit">ログイン</button>
</form>
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
)
);
}
function App() {
const [isModalOpen, setIsModalOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsModalOpen(true)}>サインイン</button>
<SignInModal isOpen={isModalOpen} onClose={() => setIsModalOpen(false)} />
</div>
);
}
export default App;
ポイント
- 入力フィールドのフォーカス制御に注意し、キーボード操作でもスムーズに操作できるようにします。
- フォーム送信後、モーダルを閉じる処理を追加しています。
応用例2: 通知やアラート
重要なメッセージをモーダルで表示することで、ユーザーの注意を引きやすくします。
実装例
function AlertModal({ isOpen, onClose, message }) {
return (
isOpen && (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
<h2>通知</h2>
<p>{message}</p>
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
)
);
}
function App() {
const [isAlertOpen, setIsAlertOpen] = useState(false);
return (
<div>
<button onClick={() => setIsAlertOpen(true)}>通知を表示</button>
<AlertModal
isOpen={isAlertOpen}
onClose={() => setIsAlertOpen(false)}
message="これは重要な通知です!"
/>
</div>
);
}
export default App;
ポイント
- メッセージ内容を動的に設定可能にして、さまざまなシナリオに対応します。
- モーダルが閉じられるタイミング(例えば、タイムアウト)をカスタマイズすることでユーザー体験を向上させます。
応用例3: イメージギャラリー
モーダルを使用して、画像のプレビューを拡大表示するギャラリーを作成します。
実装例
function ImageModal({ isOpen, onClose, imageUrl }) {
return (
isOpen && (
<div className="modal-overlay" onClick={onClose}>
<div
className="modal-content"
onClick={(e) => e.stopPropagation()}
>
<img src={imageUrl} alt="Preview" style={{ maxWidth: "100%" }} />
<button onClick={onClose}>閉じる</button>
</div>
</div>
)
);
}
function App() {
const [isImageOpen, setIsImageOpen] = useState(false);
const [image, setImage] = useState("");
const openImage = (url) => {
setImage(url);
setIsImageOpen(true);
};
return (
<div>
<img
src="https://via.placeholder.com/150"
alt="Thumbnail"
onClick={() => openImage("https://via.placeholder.com/600")}
style={{ cursor: "pointer" }}
/>
<ImageModal
isOpen={isImageOpen}
onClose={() => setIsImageOpen(false)}
imageUrl={image}
/>
</div>
);
}
export default App;
ポイント
- 画像のサイズに応じてモーダルのレイアウトを動的に調整します。
- サムネイル画像をクリックしてプレビューを開くインタラクションを提供します。
まとめ
モーダルは、汎用性が高く、さまざまな機能に活用できます。以下の応用例を参考に、自分のプロジェクトに適した形でカスタマイズしてください。
- サインインフォーム: ユーザー認証の効率化。
- 通知やアラート: 注意を引くメッセージの表示。
- イメージギャラリー: 視覚的に魅力的なコンテンツの提供。
次のセクションでは、記事のまとめに進みます。
まとめ
本記事では、Reactを用いてレスポンシブなモーダルウィンドウを設計する方法について詳しく解説しました。モーダルの基本構造から、CSSを使ったレスポンシブデザインの実装、Material-UIやTailwind CSSなどのライブラリの活用、アクセシビリティ対応、そしてパフォーマンス最適化まで幅広いトピックを取り上げました。また、サインインフォームや通知、イメージギャラリーといった具体的な応用例も紹介しました。
レスポンシブなモーダルを適切に設計することで、どのデバイスでも快適なユーザー体験を提供でき、アプリケーションの価値を大幅に向上させることができます。この記事を参考に、自分のプロジェクトで最適なモーダル設計を実現してください。
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