今や仕事や趣味、学習の場でもWindows環境が必要になることは少なくありません。ところが、自宅PCがMacだったり、スペック不足だったりすると作業が思うように進まないこともあります。そこで注目したいのがWindows VPSサービスです。リモートデスクトップでWindowsを利用できるため、端末を選ばず使える自由度の高さが魅力です。私自身も以前、自宅PCの性能が心許ないときにVPSを導入して開発作業をした経験がありますが、動作が安定し、スムーズにタスクを進められたので大変助かりました。そこで今回は「XServer VPS for Windows Server」と「ConoHa for Windows Server」の2つを比較しながら、それぞれの特徴や料金プラン、スペックを詳しくご紹介していきます。
Windows VPSとは何か
Windows VPSは、仮想専用サーバー上にWindows Serverを構築し、遠隔操作で利用するサービスです。VPSという名称は「Virtual Private Server」の略で、1台の物理サーバーを仮想化して複数のユーザーが独立して使用できるようにしたものです。レンタルサーバーに比べて自由度が高く、専用サーバーよりも安価で利用しやすい点が特徴です。
VPSのメリット
リモートデスクトップ接続を利用するため、自宅PCの性能に左右されずにWindows環境を使用できます。例えば、大容量のExcelファイルを扱う場合でも、作業処理はサーバー側で行われるので、自宅PCは画面表示の役割だけを担います。これにより、古いPCやMacユーザーでも快適な操作が可能になります。
VPS導入の際に気をつけたいこと
VPSを選ぶ際には、料金、サポート体制、スペック、安定性などの観点で判断が必要です。用途に合わないプランを選ぶと、月額費用が高くなってしまう場合もあります。また、VPSの運用・管理にある程度のIT知識が求められることも留意点です。
XServer VPS for Windows Serverの特徴
XServer VPS for Windows Serverは、国内最大級のレンタルサーバーサービス「エックスサーバー」が提供するWindows専用VPSです。エックスサーバーといえば、個人から大規模サイトまで幅広く支持されている老舗レンタルサーバー会社。そんな実績豊富なインフラ環境を活かして、Windows VPSにも高い性能と安定性を実現しています。
ハイスペックサーバーでの運用
全ストレージにNVMeという高速規格のSSDを搭載し、高性能CPUを採用しているのが大きな強みです。NVMeは従来のSATA接続と比べて格段に読み書き速度が速く、大容量のファイルや多数の同時アクセスにも強いパフォーマンスを発揮してくれます。
快適な通信回線
ネットワークは10Gbpsの大容量回線を利用しており、バックボーンも国内最大級の規模を誇ります。これにより、テレワークや外出先からのアクセスでも安定してWindows環境が使えるのは大きな魅力です。
料金プラン
XServer VPS for Windows Serverでは、複数のプランが用意されています。主な違いはメモリ容量とvCPU数で、ストレージは共通でNVMe SSD 100GBが割り当てられます。
プラン一覧
プラン名 | メモリ | vCPU数 | ディスク(NVMe) | 月額料金 |
---|---|---|---|---|
2GBプラン | 2GB | 3コア | 100GB | 1,980円 |
4GBプラン | 4GB | 4コア | 100GB | 3,960円 |
8GBプラン | 8GB | 6コア | 100GB | 7,920円 |
16GBプラン | 16GB | 8コア | 100GB | 15,840円 |
ライセンスオプション
XServer VPS for Windows Serverでは、リモートデスクトップSALやMicrosoft Office SALなどのオプションを付けることができます。リモートデスクトップSALを追加すれば接続ユーザーを増やせますし、Microsoft Office SALを追加すればWord、Excel、PowerPointなどを利用できます。
導入事例
私が以前、試験的にXServer VPS for Windows Serverを導入した際には、リモートデスクトップの反応が想像以上に高速で驚きました。外部出張先でもスマホからExcelを開いて編集作業を行い、そのまま保存したことがありますが、通信遅延も少なく非常にスムーズでした。
XServerのブランド力は安心感があります。特にサポート体制がしっかりしている印象で、初心者でもわからない点を気軽に問い合わせられるのが心強かったです。
ConoHa for Windows Serverの特徴
ConoHa VPSといえば、GMOインターネット株式会社が提供する高速・高品質のVPSサービスですが、そのWindows特化版がConoHa for Windows Serverです。リモートデスクトップ用途だけでなく、OfficeやSkypeなどのソフトウェアがあらかじめインストール済みのテンプレートを用意しているのが大きな特徴です。
プリインストールソフトウェア
ConoHa for Windows Serverの魅力は、Microsoft Office(最新版Office 2021 Professional Plus)やChrome、Skype、Thunderbirdなど、テレワークに必要なソフトウェアが事前にインストールされている点です。初期設定の手間を大幅に省くことができ、申し込んでからすぐに仕事環境を整えられます。
料金プランとまとめトク
ConoHa for Windows Serverの料金プランは長期契約における「まとめトクプラン」が注目ポイントです。3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月と契約期間を選べるので、自分の用途と予算に合わせてお得に利用できます。
プラン一覧
プラン名 | メモリ | CPU | SSD | 月額料金(36ヶ月契約時) |
---|---|---|---|---|
1GBプラン | 1GB | 2コア | 100GB | 1,253円(10%割引) |
2GBプラン | 2GB | 3コア | 100GB | 2,548円(8%割引) |
4GBプラン | 4GB | 4コア | 100GB | 4,969円(8%割引) |
8GBプラン | 8GB | 6コア | 100GB | 9,811円(8%割引) |
16GBプラン | 16GB | 8コア | 100GB | 18,494円(8%割引) |
32GBプラン | 32GB | 12コア | 100GB | 37,501円(8%割引) |
64GBプラン | 64GB | 24コア | 100GB | 76,255円(8%割引) |
まとめトクプランを利用することで月額料金が割引になるため、長期的に利用したい方にとってはコストを抑えられるのがメリットです。さらに短期利用の場合は1時間単位の時間課金プランも選択可能なので、スポットでWindows環境を使う案件がある人には都合が良いでしょう。
私の知人はConoHa for Windows Serverの時間課金プランを利用して、セミナー開催時だけ外部講師向けにリモート環境を用意していました。必要な期間だけ課金されるので、余計なコストがかからないと喜んでいましたね。
ConoHa for Windows Serverを選ぶ理由
ConoHa for Windows Serverは特に「簡単・すぐに使いたい」方におすすめです。
デフォルトでOfficeやリモート会議用のソフトがインストール済みなので、手軽にテレワーク環境を用意できます。また、Macや低スペックPCからのアクセスでも問題なく動作するため、自宅のパソコンに負荷をかけないのが特徴です。
データセキュリティ面
作業データは全てクラウド側で管理されるため、ローカル環境へのデータ残存を防げます。自宅PCが仮にウイルス感染したり、盗難に遭ったりしても、重要情報が抜き取られるリスクを軽減できるので、セキュリティ対策としても効果的です。
XServer VPS vs ConoHa for Windows Server 比較
ここでは、XServer VPS for Windows ServerとConoHa for Windows Serverを料金やスペック、サポート面で比べてみましょう。
料金比較
XServer VPS for Windows Serverは月額1,980円からスタートと分かりやすい設定で、初期費用も無料。ConoHa for Windows Serverは最安プランを36ヶ月契約すると1,253円とさらに安価になりますが、まとめトクプランを適用する条件付きです。短期利用の場合はConoHaで時間課金プランを利用するか、XServerで格安プランを契約するか、どちらがいいか検討が必要です。
長期利用を想定する場合
長期間使う前提なら、ConoHaのまとめトクプランが割引率もあってコスパを高めやすいです。一方、XServer VPSは長期契約による割引は公式に大きく掲示されていませんが、サービス全体の安定度やブランド力、初期費用無料というメリットも考慮できます。
スペック比較
両者ともNVMeなどの高速ストレージや最新CPUが用意されています。仮想マシンを複数立ち上げるHyper-Vも使用可能です。したがって、スペック面では大きな差はないものの、ConoHa for Windows Serverは標準で多くのソフトをプリインストールしている分、インストール作業の手間は減るでしょう。XServer VPSはWindows以外の幅広いサーバー構築にも定評がある企業のサービスだけに、安定性の高さが光ります。
サポートと導入のしやすさ
XServer VPSはエックスサーバーが培ったサポート体制を誇り、WebマニュアルやFAQも充実。ConoHaも管理画面がわかりやすく、公式サイトには導入マニュアルが用意されています。困ったときの問い合わせ対応については、どちらも大きな差は見受けられません。ややXServer VPSの方がサポート実績は長いイメージですが、実際の対応品質は個人差がありますので、好みや実際に問い合わせたときの感触で決めるのが良いでしょう。
私の周囲では、「ConoHaはコントロールパネルが直感的で使いやすい」との声が目立ちます。XServerファンの方も多いですが、人によってはConoHaのUIに魅力を感じることがあるようです。
用途別おすすめ選択
実際に用途によって、どちらを選ぶべきかは変わってきます。以下では、よくある利用シーンを想定してみます。
テレワーク・在宅勤務向け
Office環境がすぐに欲しい場合はConoHa for Windows Serverが便利です。Skypeやメールソフトも入っており、業務アプリの設定も簡単。特に、自宅PCがMacしかなくてもRemote DesktopアプリからWindows環境にアクセスできるので、業務効率が格段にアップします。
開発環境・大容量処理が必要な場合
XServer VPS for Windows Serverは、高速なNVMeと安定した回線を利用できるため、開発プロジェクトや検証で多くのリソースを使いたいケースに向いています。長く運営実績があるエックスサーバーの安定感に惹かれるエンジニアも多いでしょう。
検証環境を複数立ち上げる
Hyper-Vを使って複数の仮想マシンを立ち上げるなら、メモリを多めに確保するのがおすすめです。両社ともプラン選択可能なので、自分の開発規模に合わせてメモリ16GB以上のプランも検討してみてください。
導入から使い始めるまでの流れ
ここでは一般的な手順をざっくりとご紹介しますが、XServer VPSもConoHa for Windows Serverも大きな流れはほぼ同じです。
1. 公式サイトから申し込む
Webサイトから希望プランとオプションを選択して申し込みます。支払いはクレジットカードやAmazon Payなどに対応しており、非常にスピーディーです。
2. サーバー情報の取得
契約完了後、管理画面やメールでサーバーのIPアドレスやリモート接続用のアカウント情報が通知されます。Windows ServerのOSテンプレートやバージョンを選ぶ工程がある場合もあります。
3. リモートデスクトップの設定
Windowsの「リモートデスクトップ接続」アプリやMac用のRDPクライアント、タブレットやスマホアプリを使ってサーバーに接続します。OS側に初期設定されている管理者パスワードやライセンスのアクティベーションを確認し、必要に応じてソフトをインストールし直すこともあります。
まとめ:どちらを選ぶかはニーズ次第
XServer VPS for Windows ServerとConoHa for Windows Serverのどちらを選ぶかは、それぞれの用途や好みに左右されます。OfficeやChromeなどをすぐ使いたいならConoHa、ハイスペックNVMeと安定性を重視するならXServer VPSという選び方もできますし、料金面で見て長期利用前提ならConoHaのまとめトクプランが良いでしょう。一方、XServer VPSは月額1,980円から始められ、実績豊富なサポートを受けられるので、コスパ面も十分に魅力的です。
最終的には、自分がどのような作業をメインで行うのか、どのくらいの期間利用するのか、どれだけ手間を省きたいか、といった具体的な基準で選ぶのがおすすめです。特にOfficeソフトやリモート会議、メールソフトなどが必須な人にはConoHa for Windows Serverが使いやすいでしょうし、長い運用を想定してクラウド上に独自の開発環境を構築したい人にはXServer VPS for Windows Serverも魅力的です。ぜひ今回の比較を参考に、自分にぴったりのWindows VPSを選んでみてください。
私もどちらも利用した経験がありますが、やはり「ConoHaのUIが使いやすい」「XServerの安定感が好き」など好みの問題が大きい印象です。実際に使ってみないとわからない部分もあるので、まずは短い契約期間や時間課金でお試しするのもアリだと思います。
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