Windows 11アップデート「KB5048667」で生じるSSD性能低下と認証リスクを回避する実践ガイド

最近、Windows 11のアップデートを適用したらパソコンの動作が急激に遅くなって困っている、という声をよく耳にします。特に24H2環境で「KB5048667」を入れた途端にSSDの読み書き速度が大幅に落ち、起動にも時間がかかってしまうケースが増えているようです。わたし自身もOSを上書きインストールして一旦は乗り切りましたが、再度アップデートをするとどうなるのかと考えると心配は尽きません。この記事では、問題の背景と対策、そしてライセンス認証を外さないための注意点を具体的にご紹介します。

目次

KB5048667適用後に起こるSSDの性能低下とは

PCの起動が極端に遅くなる現象

Windows 11 Pro 24H2環境でKB5048667をインストールすると、起動時のスプラッシュ画面からデスクトップが立ち上がるまでの時間が、これまでの数秒から数十秒、場合によっては数分レベルにまで延びるケースが報告されています。わたしが試したマシンでも、この更新プログラムを適用した直後は何をするにも応答が遅く、タスクマネージャを起動しようとしてもじれったいくらいの待ち時間が発生しました。

4Kランダム読み書き速度の低下

SSDは従来のHDDと比べて高速な読み書きが期待できますが、KB5048667適用後は4Kランダムアクセス性能が顕著に落ちるという報告があります。ベンチマークソフトを回してみると、ランダムアクセス速度が本来の半分以下になるケースもあるようです。筆者の場合も、ストレージの健康状態を診断しても異常は見つからないのに、実際の速度は明らかに遅いと感じました。

ストレージチェックツールの結果

回復環境からのシステム診断やチェックディスク、SFC、DISMなどで故障を疑いましたが、いずれのツールも異常を示さないという結果でした。SMART情報を確認してもエラーはなく、SSDの寿命が尽きたわけでもありません。それなのに速度低下だけは顕在化しているという、何とも不可解な状況に陥ります。

上記のようなSSD性能低下は、OS全体のレスポンスを著しく損なうため、PC作業がストレスになるほどの大問題です。

BIOSアップデートや無償アップグレードライセンスへの懸念

再インストールで一度は改善するが…

筆者は上書きインストール(リプレースインストール)を実施することで、KB5048667適用前の状態に近いパフォーマンスを取り戻すことに成功しました。ただし、この方法は完全にクリーンインストールするわけではなく、以前のファイルや設定を残したままWindowsを修復するイメージです。そのため根本原因が解消されたわけではなく、再び同じKBを適用したりBIOSアップデートを行った場合に、またライセンス認証が外れるかもしれないという不安が残ります。

認証が外れたら購入し直し?

Windows 7からの無償アップグレードで得たライセンスは、ハードウェア構成の変更に敏感だという話を耳にされた方も多いでしょう。実際にBIOSアップデートやマザーボード交換のタイミングで「認証されていないWindows」扱いとなってしまうことがあります。無償アップグレードライセンスはすでに公式には発行されていないため、認証が通らなければ新規にWindowsを購入せざるを得ない可能性も否定できません。

無償アップグレードで手に入れたライセンスが無効になる恐れは大きく、万一認証されなくなった場合は出費が発生するリスクがあります。

デジタルライセンスをMicrosoftアカウントに紐づける

認証が外れるかどうかは実際にやってみないとわからないのが現状です。しかし「設定」→「システム」→「ライセンス認証」から、トラブルシューティングを使った再認証を行える場合があります。あらかじめMicrosoftアカウントでデジタルライセンスを関連付けておくと、認証の復元がスムーズになる可能性があるため、対策としてはやっておく価値が高いと感じます。

筆者も以前、BIOSアップデートでライセンス認証が外れた際に、Microsoftアカウント紐づけをしていたおかげで簡単に再認証ができた経験があります。慌てず落ち着いて「トラブルシューティング」から確認してみましょう。

BIOSやドライバーが関係している可能性

M/B(マザーボード)のファームウェアとチップセットドライバー

KB5048667との相性問題としては、NVMeドライバーやチップセットドライバーが最新でない場合、もしくは最新すぎる場合に予期せぬ不具合が生じることが考えられます。特にPCIeの電源管理やHMB(ホストメモリバッファ)の扱いなど、微妙な調整が必要とされる領域で不具合が出やすい印象です。

HMBの無効化による回避例

NVMe SSDの高速化技術としてHMB(Host Memory Buffer)を活用している場合、これが原因で速度低下が起きている事例もあります。レジストリ設定でHMBを無効化すると症状が改善する場合もあるようです。ただし動作保証外の作業となるため、自己責任にはなります。

レジストリキーの変更は十分な知識とバックアップを取った上で行いましょう。

HMBを無効化して問題が解消するなら、SSD全体の動作を安定させる一助になるかもしれません。特にWestern Digital製のNVMe SSDで効果があるとの声もあります。

トラブルシューティングで試したい対策

対策一覧表

以下は、KB5048667適用後のSSD性能低下やライセンスリスクに対処するための主な対策を表にまとめたものです。

対策内容メリットデメリット
OSのリプレースインストールアップデートによる不具合を一時的に解消できる再度アップデートすると再発する可能性あり
BIOSやチップセットドライバーの更新ストレージドライバー周りの不具合を根本的に解消可能ライセンス認証の外れリスクがある
SSDファームウェアの更新メーカーが提供する最新改善パッチでエラー回避対応ファームウェアがない機種もある
HMBの無効化NVMeのキャッシュ周りのトラブル回避が期待できる動作保証外で自己責任
KBのブロックまたは延長更新プログラムを一時停止して問題を先送りにするセキュリティリスクが高まり推奨度は低い
Windows 23H2へのダウングレード24H2特有の不具合を回避ロールバック期間を過ぎている場合はデータ引き継ぎ不可

アップデートを無期限に停止するリスク

セキュリティ上の観点から、Windows Updateを長期間止めるのはあまり推奨されません。重要な脆弱性が放置されると、ランサムウェアやマルウェアの危険が増してしまいます。KB5048667をブロックするかどうかは難しい判断ではありますが、少なくともこまめにバックアップをとり、余裕のあるタイミングで適用の可否を検討したいところです。

WD製SSDやその他メーカーSSDのファームウェア更新

Western Digitalのケース

一部のWD製SSDでは特定のファームウェアを適用しないまま使い続けると、ブルースクリーンが多発するなどの問題が報告されています。KB5048667の問題と直接結びつくかは不明ですが、最新のファームウェアに更新することで大幅に安定したという事例もあります。

他社製NVMe SSDでも油断は禁物

IntelやSamsungといった他社製NVMe SSDでも、OSアップデートの組み合わせによって性能低下が見られるケースは確認されているようです。ときにはデバイスマネージャで標準ドライバーに戻すことで改善する場合もあるため、SSDドライバーやファームウェアを再チェックする価値はあるでしょう。

わたしが過去に使っていたWD SSDは、ファームウェアを古いまま放置していてパフォーマンスがガタ落ちした経験があります。ドライブ異常と決めつける前にファームウェアの更新を試してみると意外とあっさり解決することもあるので、まずはメーカーサイトをチェックしてみると良いですよ。

Windows 23H2へのダウングレードは最終手段

Windows 11の24H2と比較すると、23H2にはある程度安定実績があるとも言われています。しかし、すでにアップデートしてからロールバック期間が過ぎている場合は、一度クリーンインストールに近い手順を踏む必要があるため、データやアプリの再構築が大変かもしれません。どうしても24H2で不具合が解消しないときは、時間と労力を考慮しながらダウングレードを検討する形になりそうです。

ダウングレードは最悪のケースに備えた最終的な選択肢であり、手間とリスクが大きい作業です。

まとめと筆者からのメッセージ

パフォーマンス低下と認証リスクは二大懸念

KB5048667によってSSDのランダム4K読み書き速度が落ちる問題と、BIOSアップデートや再インストールでライセンス認証が外れるリスクは、どちらもユーザーにとって深刻な懸念事項です。PCを使う楽しさが半減してしまうだけでなく、再認証が通らなければ出費も伴うため、慎重に判断する必要があります。

リプレースインストールやドライバー更新の検討を

記事内でも触れたように、OSのリプレースインストールで不具合が一旦おさまる可能性は高いです。さらにBIOSやチップセットドライバー、SSDファームウェアを最新にすれば根本対策になるかもしれません。ただし、ライセンス認証が外れるリスクがあることを忘れずに、Microsoftアカウントとの紐づけやバックアップを十分に行ってから取り組みましょう。

問題の原因が特定できないまま無理にアップデートを止めると、セキュリティ面のリスクが高まります。最終的にはBIOS更新やドライバー更新を行い、ライセンス再認証を試すという選択肢も視野に入れましょう。

筆者の実体験とアドバイス

わたし自身、この問題に直面したときはハードウェア故障を疑ってパニックになりましたが、じっくり調べるうちにアップデートが引き金だったのだと気づきました。OSを修復すると確かに改善し、さらにBIOSやSSDファームウェアを慎重にアップデートすることで、今のところ大きな問題なく動いています。ライセンス認証もいまのところ外れていないので、もし外れても再認証手順を踏めば何とかなると信じています。

BIOSアップデートはちょっと緊張する作業ですが、今後のOSアップデートを円滑に行うためにも避けて通れない道かもしれません。大切なデータはこまめにバックアップを取って、何があっても元に戻せるように備えておきましょう。

最終的な選択肢と今後への心構え

認証外れに備えた準備

Microsoftアカウントとの連携は非常に有効です。デジタルライセンスを紐づけておけば、新しいマザーボードやBIOSに変わってもトラブルシューティングから再認証できる可能性があります。もしそれでもダメな場合は、電話認証や有償ライセンス購入が必要になることを覚悟しておきましょう。

BIOS更新を試す価値

ストレージの性能やOSの安定性は、最新BIOSを適用することで大きく向上する例があります。特に比較的新しいチップセットを使っている場合は、メーカーによる細かな修正がBIOS更新で入ることも少なくありません。古いBIOSのままでいるより、アップデートで最新の最適化が行われる可能性に期待するのも一つの策です。

Windows 23H2へのダウングレード検討

最終的にどうしても24H2が安定しない場合は、23H2を選ぶという選択肢もあります。ただし、ロールバック期間が過ぎていればクリーンインストールに近い作業となるので、アプリケーションの再インストールやデータ移行など大がかりな手間と時間を要することを覚悟してください。

一度24H2にアップデートしてしまった場合、戻すハードルが高いのが現実です。バックアップがないと元に戻せない可能性があるため、日頃からバックアップの習慣を大切にしましょう。

結論

KB5048667をめぐるSSD性能低下とライセンス認証外れのリスクは、決して楽観視できない問題です。ただし、OSのリプレースインストールやBIOS・ドライバー・SSDファームウェア更新など、多角的なアプローチによって比較的スムーズに対処できるケースもあります。最も怖いのは、やみくもに更新プログラムを止めてしまい、セキュリティを損なう事態です。実際に筆者も慎重にバックアップを取りながら対策を進めてみたところ、現時点では大きな支障なく使い続けられています。

将来的にWindowsのライセンス認証が外れるリスクはゼロとは言えませんが、Microsoftアカウントとの連携やトラブルシューティング機能を活用すれば再度認証できることが多いです。もし外れたとしても、そこで初めて焦るのではなく、あらかじめ「最悪の場合は有償ライセンスを取得する」くらいの余裕を持っておけば不安も軽減されるでしょう。

根本原因の究明はMicrosoftやハードウェアメーカーの対応を待つしかないところもあり、ユーザーとしては歯がゆい部分があります。それでもできる対策から始めて、安心してPCを使い続けられるように整備していきましょう。

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