近年のキャッシュレス化や海外からの観光客増加に伴い、店舗運営には免税対応やインボイス制度への備えが欠かせなくなってきました。実際、私が知り合いの小売店で海外からのお客様の免税対応を手伝ったときには、わずかな書類不備が思わぬトラブルを招きかけた経験があります。今回はそうした不安を取り除くべく、代表的な4つのPOSレジ(Airレジ、POS+、Square、スマレジ)を比較しながら、それぞれの税制対応のポイントや活用事例をまとめました。ご自身の店舗に合うかどうか、ぜひじっくり読み進めてみてください。
POSレジの税制対応が重要な理由
免税対応やインボイス制度は、経理処理や売上管理に直接かかわる大切な要素です。とくにインボイス制度では、正確な取引情報が求められるため、対応が後手に回ると大きな手間が発生する可能性があります。
POSレジがこの点を自動化してくれると、業務効率が大幅にアップします。
私自身、インボイス制度の学習を始めたばかりのときに「いつまでにどんな書類が必要になるんだろう」と不安でした。POSレジがきちんと対応してくれれば、その不安を大きく減らせると思います。
免税販売とは
海外からの観光客や一定条件を満たす非居住者に対し、消費税を免除して商品を販売する仕組みです。パスポート読み取りや申告書の発行など、通常の販売と異なる手続きが必要になります。
インボイス制度とは
インボイスとは、適格請求書とも呼ばれる新しい形式の請求書で、適格請求書発行事業者が発行するものを指します。受け取る側は仕入税額控除を受ける際にインボイスの保管が求められるため、きちんと対応しているPOSレジを選ぶと経理上の混乱を防ぎやすいです。
主要4サービスの免税・インボイス対応表
まずは免税対応とインボイス制度対応がどうなっているか、ざっくりとした比較を下記にまとめました。
サービス名 | 免税対応 | インボイス制度 |
---|---|---|
Airレジ | 対応済 | 対応済 |
POS+(ポスタス) | 対応済 | 対応済 |
Square | 対応(アプリ連携でパスポート読み取り) | 対応済 |
スマレジ | 対応済 | 対応済 |
Airレジ:無料で始められる気軽さと多機能性
Airレジはリクルートが提供している無料のPOSレジアプリです。初期費用や月額費用がかからないため、小規模店舗や個人事業主の方でも気軽に導入できます。飲食・小売・サロンなど幅広い業種に対応できる柔軟性も魅力です。
Airレジの特徴
在庫管理や顧客管理など多彩な機能を標準搭載しながら、簡単な操作性を重視しているのが大きなメリットです。免税販売の手続きもスムーズに行えて、クラウド会計ソフトと連携すればインボイス制度にも備えられます。
Airレジの導入事例
知り合いの雑貨店オーナーさんは、費用をかけずに新しいレジを導入できると喜んでいました。開店当初は現金決済中心でしたが、海外からのお客様が増え、クレジットカードやQR決済を導入する際にAirレジの「無料で多機能」という点が大いに役立ったそうです。
POS+(ポスタス):業種別に最適化されたクラウドPOS
POS+(ポスタス)は、飲食店向け、小売店向け、美容サロン向けなど用途に合わせた専用機能を用意しています。キッチンプリンターへの注文送信やバーコード作成機能、予約管理といった業種特化の機能が揃っているのが特徴です。
POS+の特徴
免税販売時に必要なデータ管理も行いやすく、365日の電話サポートで不明点があればすぐに問い合わせられます。月額料金は少々高めに感じるかもしれませんが、それを上回る充実したサポート体制を備えています。
POS+の導入事例
個人で数店舗を経営しているカフェオーナーさんは、POS+の飲食店向け機能の豊富さに魅力を感じ、導入を決意したと話していました。キッチンプリンターとの連携がスムーズでミスオーダーが減少し、急なインボイス対応でもサポートがあったおかげで難なく乗り切れたそうです。
Square:豊富な決済手段とオンライン対応に強み
Squareは、もともとモバイル決済端末のパイオニア的存在でした。現在ではPOSレジや在庫・顧客管理、オンライン販売ツールまで幅広く展開しており、中でもさまざまなキャッシュレス決済手段に対応できる柔軟性が評価されています。
Squareの特徴
免税対応は専用アプリやパスポートリーダーとの連携が必要になりますが、従来から多様な外部連携に強いSquareだからこそ、スムーズに手続きできるのが魅力です。さらにオンライン販売機能も充実しているので、店舗とネットショップを一元管理しやすいです。
Squareの導入事例
フリーランスのハンドメイド作家さんが、イベント出店用にSquareを導入していました。小規模で始められるうえ、タブレット1台でクレジットや交通系電子マネーに対応できる点は非常に助かると話していました。インボイス制度に関しても、請求書作成の機能を活用して対応しやすかったそうです。
スマレジ:高機能と柔軟性を兼ね備えたクラウド型POS
スマレジは、免税対応やインボイス対応はもちろん、オフラインでも販売ができる点や豊富な拡張機能が魅力です。POSレジ・在庫・顧客・予約管理などをまとめて行えるだけでなく、クラウドでデータを一元化できるため、複数店舗を展開しているオーナーさんにも重宝されます。
スマレジの特徴
無料プランでも基本的な会計機能が使えるため、まずはスモールスタートして必要に応じてプランをグレードアップできるのがうれしいところです。免税用のパスポート読み取りにも対応しており、インボイス制度対応プログラムも用意されています。
スマレジの導入事例
私の知人が運営するアパレルショップでは、スマレジの在庫管理機能を活用して店舗とネットショップの在庫を一元管理していました。近年は海外からの旅行客が増加し、免税対応やインボイス発行が必要になっても、オプション機能を追加するだけで簡単に運用を続けられたそうです。
まとめと選び方のポイント
いずれのサービスも免税対応・インボイス制度には対応済みのため、店舗運営を進めるうえで大きな不安は少ないといえます。しかし、月額費用やサポート体制、オフライン対応の有無など、店舗環境によって優先すべきポイントは異なります。
選び方のヒント
コスト重視の場合
Airレジやスマレジの無料プランを試してみて、周辺機能との連携や拡張性を検討するのがよいでしょう。
手厚いサポートを重視する場合
POS+は365日のサポートや導入サポートが充実しているので、「初めてのPOSレジで設定に不安がある」という場合に向いています。
多様なキャッシュレス決済やオンライン展開を見据える場合
Squareの決済端末やオンラインショップ機能は豊富で、分かりやすい料金体系も魅力的です。
私ならまず無料のAirレジやスマレジを触ってみて、より専門的な機能が欲しくなったらPOS+やSquareの導入を検討する、といったステップを踏むかもしれません。
最後に
免税対応やインボイス制度対応が必要な今、POSレジの導入はもはや「あると便利」なものではなく「なくてはならない」存在です。ご自身の店舗の規模や業態、そしてこれからどんな形で事業を展開していきたいのかを見定めることで、最適なサービスが見えてくるはずです。ぜひ今回ご紹介した4つのPOSレジを比較しつつ、実際に資料請求やデモを試してみてはいかがでしょうか。
この機会にしっかりとした税制対応を整え、スムーズで気持ちの良い接客・販売環境を目指してください。
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