仕事でたくさんの従業員データをExcelで管理していると、職種や所在地といった多彩な情報を整理しきれずに混乱してしまうことってありませんか。私もかつては、あちこちに散らばった社員リストを手作業でまとめて大変な思いをしていました。そんなときに大助かりだったのが「ピボットテーブル」の機能。なかでも「Distinct Count」を活用すると、簡単に重複を省いた集計ができて本当に感動した経験があります。今回は、私自身の体験談や具体例を交えながら、ピボットテーブルで職種の種類数を重複なくカウントする方法や、その際の注意点、さらにスムーズな作業手順までまとめてご紹介します。
ピボットテーブルの基本をおさらい
ピボットテーブルは、Excelのなかでも非常に優れたデータ集計ツールです。膨大なデータを短時間でまとめたり、複数の視点から切り替えて眺められたりする点が魅力的です。私が最初にピボットテーブルを使ったときは、「これで複雑な集計が一瞬でできるなんて!」と感動して、同僚にも熱く語ってしまったのを覚えています。
ピボットテーブルのメリット
ピボットテーブルを使うメリットは数多くありますが、その中でもよく感じるポイントをまとめてみます。
ドラッグ&ドロップ操作で手軽に集計可能
ピボットテーブルは、行ラベルや列ラベル、そして値をドラッグ&ドロップするだけでサクサクと集計ができるのが特徴です。普通、集計と聞くと煩雑な関数の組み合わせを想像しがちですが、ピボットテーブルなら面倒な数式を自分で組む必要がありません。これは私が初めて使ったとき、本当に衝撃的でした。
さまざまな角度からデータを確認できる
例えば「地域」×「月ごとの売上」「担当者」×「商品カテゴリー」といったように、ピボットテーブルなら視点を簡単に切り替えて分析ができます。これはExcelでデータ分析をする上で、他のツールではなかなか難しい利点の一つだと感じています。
職種の種類数を把握したい!でも通常のピボットテーブルでは難しい?
従業員リストを例に取ってみましょう。社員名、職種、所在地(州)などの情報が大量にあった場合、普通にピボットテーブルを作ると「各州 × 各職種に属する社員数」が集計されやすいですよね。でも実際に知りたいのは、あくまで「職種の種類数」だったりします。
通常の集計方法では「Count(件数)」か「Sum(合計)」しか選べない
ピボットテーブルを作ったときの値エリアは、デフォルトでは「Count(件数)」か「Sum(合計)」が適用されます。つまり「東京に販売員が○人」「大阪にエンジニアが○人」というような結果になり、重複を除いた「何種類の職種が存在するか」は分かりません。
Distinct Countを使って重複を省いた職種数を集計する手順
ここからは、実際に私が何度も仕事で実践してきた手順を詳しくお話しします。最初は覚えることが多いと感じるかもしれませんが、慣れてしまえば意外と簡単です。私は初めてDistinct Countを知ったとき、まさに目からウロコでした。「こんな方法で重複を排除できるのか」と。
データモデルに追加してピボットテーブルを作る
ピボットテーブルを作る際に、オプションとして「このデータをデータモデルに追加する」にチェックを入れる手順がとても重要です。具体的には以下のような流れになります。
データ範囲を選択して「挿入」→「ピボットテーブル」を選ぶ
単純に挿入タブからピボットテーブルを作成するのはいつも通りですが、表示されるダイアログで「このデータをデータモデルに追加する」のチェックボックスをオンにするようにしましょう。これをやらないと「Distinct Count」という選択肢が出てきません。
集計場所を新規ワークシートにするか既存ワークシートにするかを指定
このあたりは普段のピボットテーブル作成と同じなので、自由に選んで大丈夫です。私は新規ワークシートに作成するほうが、見やすく管理しやすいので好みですが、既存シートでデータと並べて表示したいという場合はそちらを選択するといいでしょう。
私は、自分のExcelファイルでシートがあまり増えすぎないように気をつけつつも、分析ごとに新規シートでピボットテーブルを立ち上げることが多いです。うっかり同じシートに作ってしまうと、あとから見返すときに分かりづらいんですよね。
行と値の設定を行う
ピボットテーブルが作成されると、右側にフィールドリストが表示されるはずです。ここで「行」「列」「値」を適宜設定します。今回は「各州に、何種類の職種が存在するか」を知りたいので、行ラベル(行エリア)に「Province(州)」を配置し、値(値エリア)に「Job Title(職種)」を持ってきます。
集計フィールドをちゃんと選んでいるか確認
職種のフィールドが文字データの場合はデフォルトで「Count(件数)」になっていると思います。もし数値データであれば「Sum(合計)」になっているかもしれませんが、今回のように職種や氏名といった文字情報を集計する際は基本的にCountが適用されることが多いです。次のステップでDistinct Countに切り替えるので、そのままにしておきましょう。
値の集計方法を「Distinct Count(重複しないカウント)」に切り替える
ピボットテーブルの作成手順を追っていると、あとは仕上げとして「Distinct Count」に変更する作業が必要になります。ここを知らないと、通常のCount(件数)になってしまい「重複を除去した」結果が得られません。
ピボットテーブル内の数値セルを右クリックし、値の設定を変更
出来上がったピボットテーブルの数値セル(今回であれば「Job Title」の件数が表示されている部分)を右クリックして、「値の要約の表示方法」から「Distinct Count」を選択します。Excelのバージョンによっては日本語表記が若干異なるかもしれませんが、要は「重複しないカウント」を選ぶという意味です。
Excel 2013以降で使える機能
ここが意外と見落としがちですが、Distinct CountはExcel 2013以降の機能です。Excel 2010やそれよりも古いバージョンを使っていると、この機能が表示されないので注意が必要です。会社のPC環境によってはバージョンが古かったりすることもあるので、心当たりがある場合は注意しておくといいでしょう。
実例:従業員データで職種数を集計してみよう
ここで、よりイメージしやすいように簡単な表を用意してみます。架空の従業員リストを作成し、実際にどのようにカウントされるのかを見てみましょう。以下のようなシートがあるとします。
社員名 | 職種 (Job Title) | 所在地 (Province) |
---|---|---|
佐藤 | 販売員 | 東京 |
鈴木 | 販売員 | 大阪 |
高橋 | エンジニア | 大阪 |
田中 | エンジニア | 東京 |
伊藤 | デザイナー | 北海道 |
渡辺 | エンジニア | 北海道 |
森 | 販売員 | 大阪 |
中村 | デザイナー | 東京 |
このデータで注目したいのは、「東京に何種類の職種があるか」「大阪に何種類の職種があるか」「北海道には何種類あるか」といった点です。
通常のCountで集計した場合
例えば、通常のピボットテーブルを作ると以下のようなイメージになるでしょう。
Province | Job Title | Count of Job Title |
---|---|---|
北海道 | エンジニア | 1 |
北海道 | デザイナー | 1 |
大阪 | エンジニア | 1 |
大阪 | 販売員 | 2 |
東京 | エンジニア | 1 |
東京 | デザイナー | 1 |
東京 | 販売員 | 1 |
これだと、「北海道にはエンジニアとデザイナーがいるんだな」とはわかりますが、重複しない職種の種類数を合計として見ることができません。
Distinct Countに切り替えた場合
Distinct Countを使って集計を組み立てると、たとえば次のようなテーブルが作れます。
Province | Distinct Count of Job Title |
---|---|
北海道 | 2 |
大阪 | 2 |
東京 | 3 |
これなら、「北海道にはエンジニアとデザイナーの2種類がある」「大阪には販売員とエンジニアの2種類」「東京には販売員・エンジニア・デザイナーの3種類」が存在するという結果が一目瞭然です。私がよく上司に提出する資料でも、こういったDistinct Countの表は非常に分かりやすく重宝されています。
設定がうまくいかないときのチェックポイント
実際にDistinct Countを設定してもうまく表示されない、あるいは「Distinct Count」のメニューが出てこないといった声をよく聞きます。そういった場合、まずは以下の点を確認してみてください。
データモデルに追加しているか
Distinct Countを使うためには、ピボットテーブル作成時に「このデータをデータモデルに追加する」にチェックを入れる必要があります。これを忘れると通常のピボットテーブルとして認識され、「Distinct Count」が選択肢に出てきません。
Excelのバージョンを確認する
繰り返しになりますが、Excel 2013以降でないとDistinct Countが利用できません。もし会社の環境が古いExcelしか入っていない場合は、アップグレードを検討するか、あるいはほかの方法を模索する必要があるかもしれません。
数値や文字列の型をチェック
フィールドが数値として認識されていると、デフォルトで「Sum(合計)」が適用されてしまいます。ただし、Distinct Countに変更することはもちろん可能ですので、変にエラーになっていないかだけ気を配りましょう。職種や氏名といった文字情報は、標準でCount(件数)が割り当てられるはずなのでそこまで問題にならないことが多いですが、一応確認しておくと安心です。
実際に私も、会社のPCがExcel 2010だったときはメニュー自体が存在せず、集計方法を工夫してなんとかやりくりしていました。バージョンアップ後はサクッと解決できたので、本当に助かった記憶があります。
Distinct Countを活用するおすすめのシーン
今回の例では「各州における職種の種類数」を集計しましたが、実際の現場では他にもさまざまなシーンでDistinct Countが活躍します。私が活用している具体的な例をご紹介します。
製品ラインナップの重複なし数を把握する
販売会社などでは、取引先や倉庫ごとに「扱っている製品カテゴリー数」をサクッと集計したい場合にDistinct Countが便利です。たとえば「顧客Aは何種類の製品を購入しているのか」「倉庫Bには何種類の在庫があるのか」といった情報を簡単に抽出できます。
イベント参加リストで参加カテゴリーの種類を数える
社内イベントを開催するとき、参加者がどの部署に所属していて、どんなカテゴリーのセミナーに参加するかといったリストを作ることがあります。そういうときにDistinct Countで「今回のイベントにはどの部署が参加しているのか」「何種類のセミナーカテゴリーがあるか」を把握すると、運営側の企画にも役立ちます。
スムーズに作業を進めるための追加テクニック
Distinct Countを用いた集計は便利ですが、慣れないうちは作業の途中で迷子になったりすることも。ここでは、私がスムーズに作業を進めるために意識しているポイントをご紹介します。
データをテーブル化しておく
最初にExcelのリストをテーブル機能で管理しておくと、レイアウトが自動的に最適化され、データが増減してもピボットテーブルに反映しやすくなります。テーブル化しておけば「このデータをデータモデルに追加する」の設定も含め、管理がよりスムーズに進みます。
列名をわかりやすく設定する
ピボットテーブルのフィールドリストに表示される列名は、そのまま集計の軸になります。「Job Title」「Province」など、何を表す列か一目で分かるように命名しておくと、後から混乱しにくくて便利です。
フィールドの並び替えを駆使する
ピボットテーブルの行や列に配置したフィールドをドラッグで入れ替えると、瞬時に分析軸を切り替えられます。Distinct Countで「職種の種類数」を出したあと、どの所在地が最も多様な職種を抱えているかなど、視点を変えてサッと分析してみると新しい発見があるかもしれません。
まとめ:Distinct Countで職種数などユニークな情報を一目瞭然に
私は以前、「各地域でどんな職種があるのか一覧にしたい」とひとつずつ重複を消す作業をしていたことがありました。そのときは地道にフィルター機能やCOUNTIF関数などを組み合わせて試行錯誤していましたが、かなり時間がかかって非効率でした。ところがDistinct Countの機能を知ったら、あっという間に解決。今では、この機能なしでは考えられないほど頼りにしています。
Distinct Countをうまく活用することで、職種の種類数をはじめ、ユニークなデータが瞬時に可視化できるようになります。Excelでの集計作業を効率化したい方は、ぜひデータモデルを使ったピボットテーブルとDistinct Countの設定を試してみてください。慣れればとても簡単で、後工程の分析や報告資料作成もスピードアップできるはずです。
私はDistinct Countを覚えたことで、上司からの「このデータは何種類あるの?」という質問への対応が劇的に早くなりました。時間に追われる業務のなかでも、時短につながるテクニックは大きな武器になりますね。
記事のご感想や「ここが分からない!」といったご質問など、お気軽にコメントでお寄せいただければうれしいです。あなたのExcel作業が、より快適になっていくことを願っています。
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