Windows 11 24H2アップデート後のBSODループを回避するためのポイント

はじめまして。このたびはWindows 11の大型アップデートを適用したあとに起こる起動直後のブルースクリーンエラーについてご紹介します。私自身も更新後に思いがけないエラーに遭遇し、何度も再インストールを試みた経験があります。そんな苦労の末に得られた実践的な対策を、ぜひ参考にしてみてください。

BSODループ問題とは

Windows 11の24H2(2024.11)アップデートを適用した直後に、起動してすぐ「CRITICAL_PROCESS_DIED」などのエラーコードとともにブルースクリーンが表示され、そのままシステムが再起動して再びエラーが発生する状況を指します。いわゆるBSOD(Blue Screen of Death)ループ状態になり、パソコンがまったく使えないまま時間だけが過ぎてしまうケースもあるようです。

このようなループに陥ると、Windowsの回復オプションから復元を試みても改善されず、さらに再インストールを繰り返すことでデータを消してしまう可能性があります。私も初めは焦ってしまい、必要なファイルをこまめにバックアップしていなかったので、涙をのむ結果になってしまいました。

今回のアップデートでの新要素

24H2と呼ばれる2024.11アップデートは、複数の新機能やUIの微調整が盛り込まれています。画面レイアウトの改善やアプリの動作最適化、セキュリティアップデートなど、ユーザーにとって魅力的な要素が多いのが特徴です。ただし、こうした大規模なアップデートは想定外の不具合も発生しやすく、特定の環境で起こる問題が後を絶たないのが現状です。

実際に遭遇した症状

私の場合、アップデート完了後の最初の再起動でブルースクリーンが表示され、そのまま再起動を繰り返すようになりました。セーフモードへの入り方を試そうとしたところ、詳細オプションすらまともに開けないこともありました。幸い少し時間をかけて操作すると、あるタイミングでセーフモードにアクセスできたので、その後の対処が進んでいったのです。

セーフモードの重要性

何度再起動をしても通常モードで安定しない場合でも、セーフモードなら最低限のドライバと機能しか起動しません。ここでSSDやドライバのアップデートツールを実行できるかどうかで状況が変わることが多いです。セーフモードですら入れない状態の場合、USBインストールメディアを作ってクリーンインストールを行うなど、少々手間がかかる回り道を強いられます。

主な原因と背景

報告事例の多くではSSDのファームウェアとWindows 11 24H2の組み合わせにおいて不具合が生じているとされています。特にWestern Digital(WD)やSanDiskの一部製品でBSODループのリスクが高く、SamsungやSK hynixなども例外ではないケースがあるようです。

ファームウェアとOSの相性

SSDはただのストレージではなく、内部に搭載されたコントローラでデータの読み書きを管理しています。そのためSSDのファームウェアがOSの新しいアップデートと合わない場合、データの読み書きが正常に行えずエラーを起こします。24H2のような大幅な機能更新では、OSのストレージ管理方式や省電力機能などが微妙に変化し、これに対応していないファームウェアが問題を引き起こす可能性が高まります。

ドライバやハードウェアの互換性

マザーボードのBIOS(UEFI)やGPUのドライバなど、根幹部分のソフトウェアが最新バージョンに追随していないと、OSアップデートによる変更点を正しく扱えずエラーが発生することがあります。特にチップセットドライバが古いままだと、新機能が追加されたOSに追随できず、突然システムがクラッシュしてしまうことも珍しくありません。

わたしの体験談:マザーボードの更新で改善

以前別の大型アップデート時に、起動直後に画面がちらついたりフリーズしたりする現象を経験したことがあります。メーカーサポートに問い合わせたところ、マザーボードのBIOSが古かったことが原因と判明し、最新BIOSの適用で嘘のように問題が解消されました。このように、OS以外の要因が絡むこともしばしばあるのです。

SSDのファームウェア更新の重要性

SSDといえば容量や速度ばかり注目されがちですが、最新ファームウェアの適用は非常に大切です。とくに今まで問題なく使えていた場合でも、新しいOSバージョンとの相性で突然トラブルに見舞われることがあります。

ファームウェアを適用する方法

ファームウェア更新ツールは各メーカーの公式サイトや専用ソフトで配布されています。WDやSanDiskの場合は「Western Digital Dashboard」などのユーティリティが用意されており、そこから最新ファームウェアが見つかることがあります。Samsungなら「Samsung Magician」や公式サイト、SK hynixは「SK hynix Drive Manager」などが存在します。

環境によるアップデート手順

場合によってはWindowsが通常起動できない状況でも、セーフモードやブート用USBからアップデートを実行できることがあります。難しい場合は、別のパソコンにSSDを接続してファームウェアを更新する方法もあります。ただし物理的に取り外して接続する必要があるため、ノートPCなどでは作業が難しいかもしれません。

私が以前WDのSN770を使用していたとき、メーカー公式サイトで提示されている「Critical Update」という名目のファームウェアを適用し、劇的に症状が改善したことがありました。あのときはセーフモードすら入りづらく焦りましたが、根気よく再起動を続けて何とか間に合いました。

回避策と対処法

安定した環境に戻すためには、原因を一つひとつ潰していく必要があります。現在報告されている症状の多くは以下の手順で回避・解決しているようです。

セーフモードの利用

まずセーフモード(ネットワーク有効)で起動し、SSDやドライバの更新を試みます。セーフモード自体に入れないようであれば、回復環境からスタートアップ修復や以前のバージョンへのロールバックを選択し、一時的に古いバージョンのWindowsでファームウェアを更新する手もあります。

ドライバとBIOSのチェック

パソコンのメーカーが提供しているサポートページにアクセスし、BIOSの更新が出ていないかを確認します。チップセットドライバやGPUドライバも最新に保つことで、Windowsの新しい機能に対応できるようになります。ただし無理にアップデートしてかえって不安定にならないよう、現時点のバージョンをメモしておくのも大事です。

Windows Updateの設定で一時停止

最新バージョンへの自動アップデートをすぐには受けたくない場合、設定の「Windows Update」から更新の一時停止を選ぶと短期的にアップデートをブロック可能です。ただし長期的に完全ブロックする機能は標準では用意されていないので、グループポリシーやレジストリを編集する、あるいはサードパーティーツールを用いるなどの工夫が必要になります。

Windows Updateを止めておくと、問題が解消されるまでの間に余計な再起動が発生せず安心できる点があります。

一時停止のまま長期的に放置すると、セキュリティアップデートも止まるリスクがあるため安全面で不安が残ります。

アップデートをブロックする方法

長い目で見ればファームウェアやドライバを更新して最新のWindowsを使うほうが望ましいですが、トラブルが深刻な場合は一時的にアップデートを避けたいこともあると思います。私も以前仕事用マシンが頻繁にBSODを出すようになった際、やむを得ずしばらくアップデートをブロックして作業を優先したことがあります。

Homeエディションの場合

Windows 11 Homeはプロフェッショナル系とは違い、グループポリシーエディタが使えません。このため、レジストリの編集やサードパーティーツールなどを使って強制的に更新を停止する必要があることがあります。ただし設定を誤るとシステムが不安定になるため注意が必要です。

Proエディション以上の場合

ProやEnterpriseなどではグループポリシーエディタが使えるので、「ローカルグループポリシーエディタ」からWindows Updateの対象更新プログラムを延期したり、特定の機能アップデートを一時的に無効化する設定を行うことができます。テスト環境ではこの方法を活用して、安定版がリリースされるまで更新を遅らせるといった使い方ができるでしょう。

データ保護とバックアップの心得

BSODループが起こると、パソコンを安全に起動できない状態が続き、作業中のデータや大事な写真・動画などが取り出せなくなる不安があります。私自身、一度痛い目を見てからは外付けHDDやクラウドサービスにバックアップを取る習慣がつきました。

バックアップの具体的な手順

クラウドであればOneDriveやGoogle Driveなどを使う方法がありますが、大容量のデータがある場合は外付けのSSDやHDDを使うほうが現実的です。日常的に差分バックアップを設定しておけば、いざというとき大切なデータを守りやすくなります。ツールとしてはWindowsの標準機能である「バックアップと復元」や、「ファイル履歴」を利用する方法もあります。

クリーンインストール時の注意点

OSをクリーンインストールするとパーティションの設定もリセットされる可能性があり、分割されていたドライブもすべて初期化されてしまうことがあります。データが残っているつもりでうっかりフォーマットを進めると取り返しのつかない事態になりかねません。確実にバックアップを確認してからインストール作業を始めるのが鉄則です。

他ハードウェアの検証も重要

BSODループの原因がSSDだけでなく、メモリの不具合や電源供給の問題といったハードウェアトラブルの場合もあります。大型アップデートでPCに負荷がかかった際、実は隠れていた不良が顕在化したというパターンもあるのです。

メモリーテストで確認

Windowsの回復環境にはメモリーテストを行うツールがあり、そこでエラーが検出される場合はメモリー自体を交換する必要があるかもしれません。特に自作PCや中古パソコンなどを使っている方は、メモリの相性問題もチェックしてみるといいでしょう。

異音や排熱の状態のチェック

突然のBSODが頻発する際、ファンの動作が止まっていたり熱暴走を起こしていることもあります。アップデート作業中はCPUやストレージに負荷がかかりやすいため、排熱がうまくいっていない環境だと熱が上昇し、システムが不安定になることがあります。こうした点も一緒に点検すると原因の切り分けにつながるはずです。

エアダスターでPC内部のホコリを吹き飛ばしたら驚くほど調子が良くなったという話を聞いたことがあります。意外に熱やホコリによって挙動が不安定になる例は多いので、ソフト的なトラブルかと決めつけずに物理的な掃除も試してみる価値はありますね。

SSDとファームウェアに関する情報整理

以下の表はメーカーやSSDの代表的な型番、主な問題報告内容、対策ファームウェアの有無をまとめたものです。実際に購入した型番に当てはまるかどうかを確認し、メーカー公式サイトで情報を得るのが早道だと思います。

メーカー 代表的な製品例 報告される症状 ファームウェア公開状況
Western Digital (WD) WD Black SN770 BSODループ、認識不良 公式サイトにて更新版あり
SanDisk Ultraシリーズ 読み込みエラー 一部製品向けに公開
Samsung 990 Pro, 970 EVO Plus ブート時の不安定 Magician経由で適用可能
SK hynix Gold P31, Platinum P41 アップデート直後のBSOD Drive Managerで順次公開

自分のSSDが対象外でも要注意

上記のように代表的な機種が挙げられてはいますが、似たモデルや他のファームウェアを搭載したシリーズでもトラブルが起きている可能性があります。特に自作PCユーザーは複数のストレージを搭載していることも多いため、メインドライブ以外もしっかり確認しておきたいところです。

最終的なまとめ

Windows 11 24H2(2024.11アップデート)を適用したあとに起こるBSODループ問題は、SSDのファームウェアやハードウェアドライバ、BIOSなど多方面の要因が重なって発生していることがあります。もっとも多く報告されている原因はSSDの相性やファームウェアの未対応ですが、PCごとの構成によって対処法は変わってきます。

確実な解決へのステップ

1. セーフモードの活用

起動できないときこそセーフモードに挑戦し、ドライバとファームウェア更新の足がかりを作る。

2. ドライバとBIOSの最新化

マザーボードやGPUなど、OSと深く関連するソフトウェアが古いままだとエラーが起きやすい。メーカーサポートページでこまめに更新情報をチェックする。

3. アップデートの一時停止やブロック

作業中のトラブルを避けるために、短期的にアップデートをブロックする方法を検討する。ただしセキュリティリスクは増すので注意。

4. データバックアップの徹底

OSが起動しなくなるとデータ救出も難しくなるため、日頃からバックアップを取っておけば万が一のときにも慌てずに済む。

5. ハードウェア環境の見直し

SSD以外に起因する問題の可能性も否定できない。メモリや排熱などの物理的なトラブルも視野に入れて対処するとトラブル解決が早まる。

Windows 11の新機能やパフォーマンス向上を楽しむためにも、各種ドライバやファームウェアはしっかり最新にしておくのが理想です。

これからアップデートを検討している方へ

まだ24H2アップデートを適用していないけれど迷っている方にとっては、事前の準備がものを言います。SSDの型番を調べ、メーカーサイトで最新ファームウェアが配布されていないか確認してからアップデートに臨むのが得策です。私もアップデート前に、WDのファームウェア更新を先に行っておいたところ、トラブルを回避できたという事例もあります。

タイミングを選ぶ

仕事や学業でパソコンが欠かせない人は、忙しくない時期や万が一のときに代替マシンが使えるタイミングに更新を行うと安心です。もしアップデート中に問題が発生しても、落ち着いて対応できるでしょう。

情報収集の継続

アップデートリリース直後はさまざまなユーザーが同時に報告を上げるため、SNSやフォーラム、Microsoft公式コミュニティなどで不具合報告が増えやすい時期でもあります。これらをウォッチして、ある程度「落ち着いてきた」と感じたタイミングで更新を行う判断もありです。

さいごに

BSODループは、遭遇すると心身ともに疲れる問題です。何度も再起動を繰り返すうちに大事なデータも巻き込まれ、復元が難しくなるケースもあります。でもSSDのファームウェアやドライバ、BIOSなど、少しずつ原因を追究していけば解決への道は開けます。自分の環境に合った方法を見つけ、穏やかなPCライフを取り戻してください。

私も最初は「こんなにトラブルになるなんて」と大変な思いをしましたが、メーカーのサポート窓口に相談し、ファームウェアとBIOSを同時に更新することで安定しました。最初からそこまで念入りにチェックしておけばよかったと今では思います。

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