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PowerShellでAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定しサービス品質を確保するベストプラクティス

PowerShell

PowerShellを活用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定することで、サービス品質を向上させ、安定したパフォーマンスを確保できます。AWS Lambdaはサーバーレスの実行環境を提供するため、リソース管理が自動化されていますが、トラフィックの増減により実行環境が制限されることがあります。特に、同時実行数が予想以上に増加すると、リソースの枯渇や他のLambda関数への影響が発生する可能性があります。

Reserved Concurrencyを設定することで、Lambda関数に確保された一定の同時実行数を確保し、予期しないスロットリングやリソース競合を回避できます。本記事では、PowerShell AWS SDKを使用してReserved Concurrencyを適切に設定し、AWS Lambdaのパフォーマンスを最適化する方法について詳しく解説します。

具体的には、以下の内容を取り上げます：

  • Reserved Concurrencyとは何か：仕組みとその必要性について
  • PowerShell AWS SDKの準備：スクリプト実行環境のセットアップ
  • 設定手順：PowerShellを用いた具体的な設定方法
  • トラブルシューティング：設定時のエラーと解決策

PowerShellスクリプトを活用すれば、Lambda関数のスケール管理を自動化し、安定した処理を実現できます。これにより、予期しないトラフィック増加によるパフォーマンス低下を防ぎ、より信頼性の高いAWS Lambda環境を構築できます。

目次
  1. AWS LambdaのReserved Concurrencyとは
    1. Reserved Concurrencyの基本概念
    2. Reserved Concurrencyの動作
    3. Reserved Concurrencyが必要なケース
  2. Reserved Concurrencyを設定するメリット
    1. 1. スロットリングの防止
    2. 2. 重要な処理の優先実行
    3. 3. コスト管理の最適化
    4. 4. サービス品質の向上
    5. 5. 予期しないスパイク（トラフィック急増）への対応
    6. Reserved Concurrencyのメリットまとめ
  3. PowerShell AWS SDKの準備
    1. 1. AWS Tools for PowerShellのインストール
    2. 2. AWS認証情報の設定
    3. 3. AWS Lambdaのリストを取得して接続確認
    4. 次のステップ
  4. Reserved Concurrencyの設定方法
    1. 1. 設定前の確認事項
    2. 2. Reserved Concurrencyの設定コマンド
    3. 3. 設定を解除する方法
    4. 4. 設定の適用結果を確認
    5. 次のステップ
  5. Reserved Concurrencyの動作確認
    1. 1. Reserved Concurrencyの設定確認
    2. 2. Lambdaの実行回数を増やして制限の動作確認
    3. 3. スロットリング（Throttle）発生の確認
    4. 4. CloudWatch Logsを使った確認
    5. 5. 設定値を変更した場合の挙動
    6. まとめ
  6. ベストプラクティスと考慮点
    1. 1. Reserved Concurrencyの適切な設定値を決める
    2. 2. 重要な関数には優先的にReserved Concurrencyを確保する
    3. 3. スロットリングのリスクを考慮する
    4. 4. CloudWatchメトリクスを活用して最適な設定を維持する
    5. 5. 自動化とアラート設定
    6. まとめ
  7. 自動化のためのスクリプト例
    1. 1. CloudWatchのメトリクスを基にReserved Concurrencyを調整
    2. 💡 スクリプトの動作概要
    3. 🔹 PowerShellスクリプト：動的調整
    4. 2. スケジュール実行で自動調整
    5. 🔹 タスクスケジューラの設定手順
    6. 3. CloudWatchアラームを活用した自動化
    7. 🔹 CloudWatchアラームの作成
    8. 4. Lambdaのスケールアップ・ダウンの最適化
    9. まとめ
  8. トラブルシューティングとよくあるエラー
    1. 1. IAM権限の不足
    2. 2. Reserved Concurrencyがアカウントの制限を超えている
    3. 3. 設定の適用が反映されない
    4. 4. スロットリング（Throttle）の発生
    5. 5. Reserved Concurrencyを設定しようとするとエラーが発生する
    6. 6. Windows環境でAWS Tools for PowerShellが動作しない
    7. まとめ
  9. まとめ
    1. ✅ 本記事のポイント
    2. 🎯 PowerShellを活用したLambda管理のメリット

AWS LambdaのReserved Concurrencyとは


AWS LambdaのReserved Concurrency（予約済み同時実行数）とは、特定のLambda関数に対して確保する同時実行数のことを指します。これは、Lambdaの実行環境で利用できるリソースを適切に管理し、スロットリングの発生を防ぐために重要な設定です。

Reserved Concurrencyの基本概念


通常、AWS LambdaはProvisioned Concurrency（プロビジョンド同時実行数）とUnreserved Concurrency（未予約同時実行数）の2種類のリソース管理方式を提供します。

  • Provisioned Concurrency：リクエストに対する応答時間を短縮するため、関数の起動環境を事前に準備するオプション（コールドスタートの削減）。
  • Unreserved Concurrency：AWSアカウント全体で利用できる同時実行数のうち、予約されていない分が他の関数と共有される形で提供される。

対して、Reserved Concurrencyは特定のLambda関数の実行数を確保し、他の関数とリソースを競合しないように制御できます。

Reserved Concurrencyの動作


Reserved Concurrencyを設定すると、指定したLambda関数はその範囲内でのみ同時実行されます。例えば、以下のように設定した場合：

Lambda関数Reserved Concurrency最大同時実行数
Function_A1010
Function_B2020
Function_Cなし（未設定）共有
  • Function_Aは最大10の同時実行まで許可され、それを超えるリクエストはスロットリングされる。
  • Function_Bは20の同時実行を確保し、それ以上のリクエストは受け付けない。
  • Function_CはAWSアカウント全体の利用可能なリソースを他の関数と共有する。

この設定により、特定の関数のリソースを確実に確保し、他のLambda関数が急増しても影響を受けにくくなります。

Reserved Concurrencyが必要なケース


Reserved Concurrencyは、以下のようなシナリオで特に有効です：

  • 重要な処理のためのリソース確保
    例：ユーザー認証や課金処理など、必ず実行される必要がある関数に優先的にリソースを割り当てる。
  • スロットリングの防止
    例：特定のLambda関数が大量のリクエストを受ける際に、他の関数のリソースを圧迫しないよう制御する。
  • コスト管理の最適化
    例：実行コストを一定に抑えたい場合、予想以上のスケールアップを防ぐためにReserved Concurrencyを制限する。

Reserved Concurrencyを適切に設定することで、AWS Lambdaのリソースを効率的に管理し、サービスの安定性を確保できます。次のセクションでは、Reserved Concurrencyを設定するメリットについて詳しく解説します。

Reserved Concurrencyを設定するメリット

AWS LambdaのReserved Concurrencyを適切に設定することで、サービスの安定性とパフォーマンスを向上させることができます。以下では、その具体的なメリットを解説します。

1. スロットリングの防止


AWS Lambdaは、アカウント単位で割り当てられた未予約の同時実行数（Unreserved Concurrency）を他の関数と共有します。そのため、トラフィックが急増すると、特定の関数がリソースを大量に消費し、他の関数が実行できなくなる可能性があります。

Reserved Concurrencyを設定することで、特定のLambda関数に一定のリソースを確保し、他の関数の実行を阻害しないように制御できます。

2. 重要な処理の優先実行


認証処理や課金処理など、必ず実行されるべき関数に対してReserved Concurrencyを設定すると、これらの処理が確実にリソースを確保できるようになります。

例えば、以下のようなシナリオでは、Reserved Concurrencyの設定が効果的です：

  • API Gateway経由でリクエストを受ける認証関数
  • Eコマースサイトの注文処理関数
  • ユーザー課金を管理する関数

これにより、ビジネスに重要な処理の遅延や失敗を防ぐことができます。

3. コスト管理の最適化


AWS Lambdaの実行コストは、使用時間と呼び出し回数によって決まります。未制限にリソースを使うと、予想外の請求が発生することがあります。

Reserved Concurrencyを設定すると、関数の同時実行数を制限できるため、不必要なスケールアップを防ぎ、コストの上限をコントロールできます。

4. サービス品質の向上


Lambdaのパフォーマンスは、他の関数やシステムリソースと競合すると低下する可能性があります。Reserved Concurrencyを設定することで、以下のような問題を防げます：

  • リクエストの遅延やタイムアウト
  • 他のサービスの影響による処理失敗
  • パフォーマンスの不安定化

これにより、サービス全体の品質とユーザー体験を向上させることが可能です。

5. 予期しないスパイク（トラフィック急増）への対応


特定のLambda関数が予期しないトラフィックの急増にさらされた場合、アカウント全体のリソースを消費し、他の重要な関数が影響を受けることがあります。

Reserved Concurrencyを適用すれば、スパイクによる影響を抑えつつ、一定数の処理を維持できます。

Reserved Concurrencyのメリットまとめ

メリット説明
スロットリングの防止重要な関数の実行を確実にし、他の関数とのリソース競合を防ぐ
優先処理の確保認証・決済処理など、重要な関数が実行されるように保証する
コスト管理必要以上にリソースを消費しないように制限し、コストを最適化する
サービス品質の向上遅延やエラーを防ぎ、安定したパフォーマンスを維持する
予期しないスパイクの対応急激なトラフィック増加時の影響を軽減する

Reserved Concurrencyを適切に設定することで、AWS Lambdaのパフォーマンスとコストを最適化し、より安定した運用が可能になります。次のセクションでは、PowerShellを使用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定するための準備について解説します。

PowerShell AWS SDKの準備

AWS LambdaのReserved ConcurrencyをPowerShellで設定するためには、まずAWS SDK for PowerShellをセットアップし、適切な認証情報を設定する必要があります。このセクションでは、環境構築の手順を解説します。

1. AWS Tools for PowerShellのインストール

AWSをPowerShellから操作するためには、AWS Tools for PowerShellをインストールする必要があります。以下の手順でインストールを行います。

Windows PowerShell（管理者権限で実行）

Install-Module -Name AWSPowerShell -Scope CurrentUser

もしくは、システム全体にインストールする場合：

Install-Module -Name AWSPowerShell -Scope AllUsers

PowerShell Core（Mac/Linux対応）

PowerShell Core（v7以降）を利用している場合は、AWS.Tools モジュールを使用します。

Install-Module -Name AWS.Tools.Installer -Scope CurrentUser
Install-AWSToolsModule AWS.Tools.Lambda -Scope CurrentUser -Force

インストール後、バージョンを確認して正常にインストールされたことを確認します。

Get-Module -Name AWSPowerShell -ListAvailable

2. AWS認証情報の設定

AWSに接続するために、適切な認証情報（IAMクレデンシャル）を設定する必要があります。AWSにアクセスするためのIAMユーザーを作成し、プログラムによるアクセスを許可します。

IAMユーザーの作成手順

  1. AWS マネジメントコンソールにログイン
  2. IAM（Identity and Access Management）サービスを開く
  3. 新しいユーザーを作成し、以下のポリシーを付与
  • AWSLambdaFullAccess（Lambdaの操作用）
  • IAMReadOnlyAccess（権限確認用）
  1. アクセスキー（Access Key IDとSecret Access Key）を取得

PowerShellでAWS認証情報を設定

認証情報を手動で入力する場合：

Set-AWSCredential -AccessKey "YOUR_ACCESS_KEY" -SecretKey "YOUR_SECRET_KEY" -StoreAs "MyProfile"

プロファイルを使用して設定する場合（AWS CLIがインストールされている場合）：

Initialize-AWSDefaultConfiguration -ProfileName "MyProfile"

認証情報が正しく設定されているか確認するため、次のコマンドを実行します。

Get-AWSCredential -ProfileName "MyProfile"

適切な情報が出力されれば、認証情報の設定は完了です。

3. AWS Lambdaのリストを取得して接続確認

PowerShellからAWS Lambdaに接続できるかを確認するため、Lambda関数のリストを取得します。

Get-LMFunctionList -ProfileName "MyProfile"

正しくLambda関数の一覧が表示されれば、AWS SDK for PowerShellのセットアップが完了しています。

次のステップ


ここまででPowerShell AWS SDKのセットアップとAWS認証情報の設定が完了しました。次のセクションでは、実際にPowerShellスクリプトを使用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する方法を解説します。

Reserved Concurrencyの設定方法

PowerShellを使用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する方法を解説します。AWS SDK for PowerShellを活用し、特定のLambda関数に対して同時実行数を確保する手順を紹介します。

1. 設定前の確認事項


Reserved Concurrencyを設定する前に、以下の点を確認してください：

  • IAMユーザーの権限：AWSLambdaFullAccess または AWSLambdaModifyFunctionConcurrency 権限を付与していること
  • Lambda関数の名前：設定する関数名を確認（Get-LMFunctionListで取得可能）
  • 既存のReserved Concurrencyの確認：変更前の値をチェック（Get-LMFunctionConcurrencyを使用）

2. Reserved Concurrencyの設定コマンド

以下のPowerShellスクリプトを実行し、Reserved Concurrencyを設定します。

# 設定する関数名と同時実行数
$FunctionName = "MyLambdaFunction"  # Lambda関数名を指定
$ReservedCount = 10  # 確保する同時実行数

# Reserved Concurrencyの設定
Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName $FunctionName -ReservedConcurrentExecutions $ReservedCount -ProfileName "MyProfile"

# 設定の確認
Get-LMFunctionConcurrency -FunctionName $FunctionName -ProfileName "MyProfile"

実行すると、指定したLambda関数に対してReserved Concurrencyが設定され、確保された同時実行数が適用されます。

3. 設定を解除する方法


もし、Reserved Concurrencyの制限を解除したい場合は、-ReservedConcurrentExecutions を 0 に設定するか、設定自体を削除する必要があります。

# Reserved Concurrencyの解除
Remove-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

このコマンドを実行すると、Lambda関数はAWSアカウント全体のUnreserved Concurrencyを利用するようになります。

4. 設定の適用結果を確認

Reserved Concurrencyが正しく適用されているか確認するには、以下のコマンドを使用します。

Get-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

結果の出力例：

FunctionName                      ReservedConcurrentExecutions
-------------                     ----------------------------
MyLambdaFunction                  10

この出力が表示されれば、指定した同時実行数（10）が正常に適用されています。

次のステップ


このセクションでは、PowerShellを使用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する方法を解説しました。次のステップでは、設定後の動作を確認し、期待通りに制限が適用されているかを検証する方法について説明します。

Reserved Concurrencyの動作確認

Reserved Concurrencyの設定が適用されているかを確認するために、PowerShellを使用してLambda関数の挙動をテストします。このセクションでは、設定の確認方法や負荷テストを通じた動作検証について説明します。

1. Reserved Concurrencyの設定確認

まず、設定されたReserved Concurrencyの値を確認します。以下のPowerShellコマンドを実行してください。

Get-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

出力結果の例：

FunctionName                      ReservedConcurrentExecutions
-------------                     ----------------------------
MyLambdaFunction                  10

この結果が表示されていれば、MyLambdaFunction に対して同時実行数10が確保されていることが分かります。

2. Lambdaの実行回数を増やして制限の動作確認

Reserved Concurrencyが正しく動作するかを確認するために、短時間で複数のリクエストを送信し、スロットリング（Throttle） の発生状況をチェックします。以下のスクリプトを使用して、20回の並列呼び出しを実行します。

$FunctionName = "MyLambdaFunction"
$Payload = "{ \"test\": \"value\" }"  # 必要に応じて変更

# 20回並列でLambdaを実行する
1..20 | ForEach-Object -Parallel {
    Invoke-LMFunction -FunctionName $using:FunctionName -Payload $using:Payload -ProfileName "MyProfile"
}

このスクリプトを実行すると、設定されたReserved Concurrency（10）を超えるリクエストが発生し、10個のインスタンスが処理され、残りのリクエストはスロットリングされるはずです。

3. スロットリング（Throttle）発生の確認

スロットリングされたリクエストの有無を確認するには、CloudWatchメトリクスを取得するか、PowerShellでLambdaのメトリクスを直接取得します。

Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "Throttles" -StartTime (Get-Date).AddMinutes(-10) -EndTime (Get-Date) -Statistics Sum -Period 60 -ProfileName "MyProfile"

出力例：

Timestamp               Sum
----------              -----
2024-01-30 12:05:00      10
2024-01-30 12:06:00       5

このようにスロットリング（Throttle）数が発生していれば、Reserved Concurrencyが適切に機能していることを確認できます。

4. CloudWatch Logsを使った確認

Lambda関数の詳細な動作を確認するために、AWS CloudWatchのログをチェックすることも有効です。以下のPowerShellコマンドを使用して、Lambda関数のログを取得します。

Get-CWLLogEvents -LogGroupName "/aws/lambda/MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

この出力には、Lambda関数の実行結果やエラーメッセージが含まれます。スロットリングが発生している場合、ログに以下のようなメッセージが表示されることがあります。

Rate Exceeded: ReservedConcurrentExecutions limit reached for function: MyLambdaFunction

このメッセージが確認できれば、Reserved Concurrencyの設定が適切に適用され、スロットリングが発生していることが分かります。

5. 設定値を変更した場合の挙動

Reserved Concurrencyの値を変更した場合、その変更が即座に反映されるかを確認することも重要です。例えば、同時実行数を 5 に変更して再テストすることで、スロットリングの発生頻度を調整できます。

Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ReservedConcurrentExecutions 5 -ProfileName "MyProfile"

その後、再度負荷テストを行い、スロットリングの発生状況を確認します。

まとめ

Reserved Concurrencyが適切に設定されているかを確認するには、以下の手順を実行します：

  1. Get-LMFunctionConcurrency で設定値を確認
  2. Invoke-LMFunction を並列実行し、スロットリングの発生を確認
  3. Get-CWLMetricData を使用し、Throttleメトリクスを取得
  4. Get-CWLLogEvents でCloudWatchログをチェック

このようにして、Reserved Concurrencyの設定が期待通りに動作しているかを検証できます。次のセクションでは、最適な設定方法とベストプラクティスについて解説します。

ベストプラクティスと考慮点

AWS LambdaのReserved Concurrencyを適切に設定することで、安定したパフォーマンスとコスト管理を実現できます。しかし、誤った設定をすると不要なスロットリングやリソースの無駄遣いを引き起こす可能性があります。このセクションでは、最適な設定方法や運用上の考慮点について解説します。

1. Reserved Concurrencyの適切な設定値を決める

Reserved Concurrencyを適切に設定するためには、以下の3つの要素を考慮する必要があります。

  1. リクエスト数の予測
  • 1秒間にどれくらいのリクエストが発生するのかをCloudWatchのメトリクスで分析する。
  • ピーク時と通常時のリクエスト数の違いを考慮する。
  1. Lambdaの処理時間
  • 関数の処理時間が長い場合、低いReserved Concurrencyでは処理が詰まりやすくなる。
  • Get-CWLMetricData で Duration メトリクスを確認し、適切な同時実行数を見積もる。
  1. AWSアカウントの全体リソース
  • AWSアカウント全体で利用できる同時実行数（Account Concurrency Limit）とのバランスを考慮する。
  • 重要なLambda関数に優先的にリソースを確保することが重要。

推奨される計算方法（目安）：

Reserved Concurrency = (最大リクエスト数/秒) × (関数の平均処理時間/秒)

例えば、1秒間に50リクエストが発生し、関数の実行時間が0.2秒なら、

Reserved Concurrency = 50 × 0.2 = 10

この場合、Reserved Concurrencyは10に設定するのが適切となります。

2. 重要な関数には優先的にReserved Concurrencyを確保する

AWS Lambdaの同時実行数は、AWSアカウント全体で制限があります。そのため、ビジネス上重要な関数には優先的にReserved Concurrencyを割り当てるべきです。

例えば、以下のような関数には高めのReserved Concurrencyを確保すると良いでしょう。

  • ユーザー認証関数（API Gateway経由で実行）
  • 課金処理関数（ECサイトやSaaSサービス）
  • データ処理関数（バッチジョブ、ログ集計）

一方、あまり頻繁に実行されないLambda関数は、Reserved Concurrencyを設定せずに共有リソースを使うことで、全体のリソースを最適化できます。

3. スロットリングのリスクを考慮する

Reserved Concurrencyを設定すると、その関数の同時実行数が上限に達した際にスロットリングが発生する可能性があります。
スロットリングが発生すると、関数がエラーを返すため、リトライロジックを実装することが重要です。

リトライのベストプラクティス

  • API Gatewayを介したLambda実行の場合
  • Retry-After ヘッダーを利用して、一定時間後に再試行する。
  • バッチ処理などのLambdaの場合
  • AWS SDK のリトライ機能を利用する（Exponential Backoff方式）。

Exponential Backoffの例（PowerShellで実装）

$RetryCount = 0
$MaxRetries = 5
$Delay = 1  # 初回遅延時間（秒）

do {
    try {
        Invoke-LMFunction -FunctionName "MyLambdaFunction" -Payload "{}" -ProfileName "MyProfile"
        break  # 成功したらループを抜ける
    } catch {
        Write-Host "リトライ: $RetryCount / $MaxRetries"
        Start-Sleep -Seconds $Delay
        $Delay *= 2  # 遅延時間を倍増
        $RetryCount++
    }
} while ($RetryCount -lt $MaxRetries)

このスクリプトは、Lambdaの実行がスロットリングで失敗した場合に、指数バックオフ方式でリトライします。

4. CloudWatchメトリクスを活用して最適な設定を維持する

Reserved Concurrencyを適切に管理するためには、CloudWatchのメトリクスを定期的に監視することが重要です。以下のメトリクスをチェックし、設定値を適宜調整しましょう。

メトリクス名説明
ConcurrentExecutions現在の同時実行数
Throttlesスロットリングの発生数
Duration関数の実行時間
Invocations呼び出し回数

メトリクス取得のPowerShellコマンド

Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "ConcurrentExecutions" -StartTime (Get-Date).AddMinutes(-10) -EndTime (Get-Date) -Statistics Maximum -Period 60 -ProfileName "MyProfile"

この情報をもとに、必要に応じてReserved Concurrencyの値を増減することで、最適なパフォーマンスを維持できます。

5. 自動化とアラート設定

Reserved Concurrencyの管理を手動で行うのは非効率です。AWS Lambdaのメトリクスに基づいて、自動的に設定値を変更するスクリプトを作成することで、管理の手間を減らせます。

例えば、スロットリングが多発した場合にReserved Concurrencyを自動的に増やすスクリプト：

$ThrottledRequests = (Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "Throttles" -Statistics Sum -Period 60).Datapoints[0].Sum

if ($ThrottledRequests -gt 10) {
    # Reserved Concurrencyを増加
    Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ReservedConcurrentExecutions 15 -ProfileName "MyProfile"
    Write-Host "Reserved Concurrencyを15に増加"
}

また、AWS CloudWatchアラームを設定して、スロットリングの発生時に通知を受け取るのも良い方法です。

まとめ

Reserved Concurrencyのベストプラクティスは以下の通りです：

  1. リクエスト数と処理時間に基づいて適切な値を決定
  2. 重要な関数には優先的にReserved Concurrencyを確保
  3. スロットリングが発生しないようリトライロジックを実装
  4. CloudWatchメトリクスを定期的に監視し、適宜調整
  5. スクリプトやアラートを活用し、設定を自動管理

次のセクションでは、Reserved Concurrencyを定期的に調整する自動化スクリプトの例を紹介します。

自動化のためのスクリプト例

AWS LambdaのReserved Concurrencyを適切に管理するために、PowerShellスクリプトを活用した自動化が有効です。特に、負荷状況に応じた動的な設定調整やスロットリングの監視を自動化することで、運用コストを削減できます。

このセクションでは、CloudWatchメトリクスを用いてReserved Concurrencyを調整するPowerShellスクリプトを紹介します。

1. CloudWatchのメトリクスを基にReserved Concurrencyを調整

AWS CloudWatchの同時実行数（ConcurrentExecutions）とスロットリング数（Throttles）を監視し、負荷が高まった場合にReserved Concurrencyを増減するスクリプトを作成します。

💡 スクリプトの動作概要

  1. 過去10分間の最大同時実行数を取得
  2. 過去10分間のスロットリング発生回数を取得
  3. しきい値を超えた場合、Reserved Concurrencyを自動調整

🔹 PowerShellスクリプト：動的調整

# AWS Lambda関数名
$FunctionName = "MyLambdaFunction"
$ProfileName = "MyProfile"

# 監視する時間範囲（過去10分間）
$StartTime = (Get-Date).AddMinutes(-10)
$EndTime = Get-Date

# CloudWatch メトリクスを取得（同時実行数）
$ConcurrentExecutions = (Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "ConcurrentExecutions" `
    -StartTime $StartTime -EndTime $EndTime -Statistics Maximum -Period 60 `
    -ProfileName $ProfileName).Datapoints[0].Maximum

# CloudWatch メトリクスを取得（スロットリング発生数）
$ThrottledRequests = (Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "Throttles" `
    -StartTime $StartTime -EndTime $EndTime -Statistics Sum -Period 60 `
    -ProfileName $ProfileName).Datapoints[0].Sum

# 現在のReserved Concurrency設定を取得
$CurrentReserved = (Get-LMFunctionConcurrency -FunctionName $FunctionName -ProfileName $ProfileName).ReservedConcurrentExecutions

# しきい値を定義
$ScaleUpThreshold = 5  # スロットリング発生数の上限
$ScaleDownThreshold = 0  # スロットリングがない場合の縮小
$ScaleFactor = 2  # 増減率（現在の設定値の2倍または半分）

# Reserved Concurrencyの調整
if ($ThrottledRequests -ge $ScaleUpThreshold) {
    # スロットリングが頻発 → Reserved Concurrencyを増やす
    $NewReserved = [math]::Min($CurrentReserved * $ScaleFactor, 100)  # 上限を100に設定
    Write-Host "スロットリング検出！Reserved Concurrencyを $NewReserved に増加"
    Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName $FunctionName -ReservedConcurrentExecutions $NewReserved -ProfileName $ProfileName
}
elseif ($ThrottledRequests -eq $ScaleDownThreshold -and $ConcurrentExecutions -lt ($CurrentReserved / 2)) {
    # スロットリングがなく、使用率が低い場合 → Reserved Concurrencyを減らす
    $NewReserved = [math]::Max($CurrentReserved / $ScaleFactor, 5)  # 最小5を維持
    Write-Host "使用率が低下。Reserved Concurrencyを $NewReserved に縮小"
    Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName $FunctionName -ReservedConcurrentExecutions $NewReserved -ProfileName $ProfileName
} else {
    Write-Host "Reserved Concurrencyは変更不要"
}

2. スケジュール実行で自動調整

上記スクリプトを定期的に実行することで、Lambdaの負荷に応じたReserved Concurrencyの自動最適化が可能になります。

Windows環境では、タスクスケジューラを使用してスクリプトを定期実行できます。

🔹 タスクスケジューラの設定手順

  1. Windowsタスクスケジューラを開く
  2. [基本タスクの作成] を選択
  3. 実行間隔を設定（例：5分ごと）
  4. アクションを「プログラムの開始」に設定
  5. プログラムに powershell.exe を指定
  6. 引数にスクリプトのパスを指定
   -File "C:\Scripts\AdjustLambdaConcurrency.ps1"
  1. 設定を保存し、スケジュール実行を開始

これにより、AWS LambdaのReserved Concurrencyが自動で調整されるようになります。

3. CloudWatchアラームを活用した自動化

スクリプトの定期実行に加えて、AWS CloudWatchのアラームを設定することで、スロットリングが発生した際に即座にスクリプトを実行することも可能です。

🔹 CloudWatchアラームの作成

  1. AWSマネジメントコンソールでCloudWatchを開く
  2. [アラーム] > [アラームの作成] を選択
  3. メトリクスの選択：「AWS/Lambda」→ 「Throttles」
  4. しきい値：「5回以上のスロットリング」でアラート
  5. アクション：「Lambdaを実行」または「SNS通知でPowerShellスクリプトをトリガー」

この方法により、リアルタイムでの負荷変動への即応が可能になります。

4. Lambdaのスケールアップ・ダウンの最適化

Reserved Concurrencyの自動化を行う際、以下の点に注意すると効果的です。

✅ スケールアップのしきい値を適切に設定

  • スロットリングが頻発しない程度に増減を調整
  • 急激なスケールアップを防ぐため、増減の倍率を設定（例：2倍）

✅ 最小Reserved Concurrencyを確保

  • 0にしない（関数が実行されなくなるリスクを防ぐ）
  • 低負荷時でも最小値（例：5）を維持

✅ 手動オーバーライド機能を用意

  • 緊急時は手動で値を変更できるようにしておく

まとめ

Reserved Concurrencyの管理を自動化することで、運用負荷を削減しつつ、Lambdaの安定稼働を実現できます。

🔹 本セクションで紹介した自動化手法

  1. PowerShellスクリプトでCloudWatchメトリクスを監視し、自動的にReserved Concurrencyを調整
  2. Windowsタスクスケジューラを利用し、定期的にスクリプトを実行
  3. CloudWatchアラームを活用し、スロットリング発生時に自動調整

次のセクションでは、設定時に発生しやすいトラブルとその解決方法について詳しく解説します。

トラブルシューティングとよくあるエラー

AWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する際、いくつかのよくあるエラーやトラブルが発生することがあります。このセクションでは、PowerShellを使用した設定時に起こりやすい問題と、その解決策を詳しく解説します。

1. IAM権限の不足

エラーメッセージ：

User: arn:aws:iam::123456789012:user/myuser is not authorized to perform: lambda:PutFunctionConcurrency

原因：
IAMユーザーまたはロールに lambda:PutFunctionConcurrency 権限がない。

解決策：
管理者権限を持たないIAMユーザーの場合、以下のポリシーを付与する必要があります。

{
    "Effect": "Allow",
    "Action": [
        "lambda:GetFunctionConcurrency",
        "lambda:PutFunctionConcurrency",
        "lambda:DeleteFunctionConcurrency"
    ],
    "Resource": "arn:aws:lambda:us-east-1:123456789012:function:MyLambdaFunction"
}

PowerShellでIAMポリシーを適用する場合：

Set-IAMPolicy -PolicyArn "arn:aws:iam::aws:policy/service-role/AWSLambdaFullAccess" -ProfileName "MyProfile"

2. Reserved Concurrencyがアカウントの制限を超えている

エラーメッセージ：

Error: ReservedConcurrentExecutions setting exceeds the account concurrency limit.

原因：
AWSアカウントの同時実行数制限を超えた設定をしようとしている。

解決策：
現在のアカウントの制限を確認する：

Get-LMAccountSettings -ProfileName "MyProfile"

出力例：

AccountLimit                : 1000
UnreservedConcurrentExecutions : 800

この場合、最大 200 までReserved Concurrencyを割り当て可能。

制限を増やしたい場合、AWSサポートに制限引き上げリクエストを送信：

  • AWS マネジメントコンソール → [サポートセンター] → [サービス制限の引き上げ]
  • LambdaのConcurrent Executions Limitを増やすようリクエスト

3. 設定の適用が反映されない

エラーメッセージ：

Reserved concurrency setting is not taking effect immediately.

原因：
Lambdaの設定変更が即時反映されない場合がある。

解決策：
手順①: 設定後、5〜10秒待ってから確認

Start-Sleep -Seconds 10
Get-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

手順②: Lambda関数のデプロイを実施
Lambda関数の新しいバージョンを発行すると、設定が即時適用される場合がある。

Publish-LMFunctionVersion -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

4. スロットリング（Throttle）の発生

エラーメッセージ：

Rate Exceeded: ReservedConcurrentExecutions limit reached.

原因：

  • Reserved Concurrencyが低すぎて、トラフィックのピーク時にリクエストを処理しきれない
  • 他のLambda関数がリソースを消費し、制限に達している

解決策：
現在のスロットリング状況を確認：

Get-CWLMetricData -Namespace "AWS/Lambda" -MetricName "Throttles" -StartTime (Get-Date).AddMinutes(-10) -EndTime (Get-Date) -Statistics Sum -Period 60 -ProfileName "MyProfile"

対策①: Reserved Concurrencyの増加

Set-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ReservedConcurrentExecutions 20 -ProfileName "MyProfile"

対策②: Exponential Backoffによるリトライ実装
スロットリングが発生した場合にリトライする仕組みをスクリプトに追加。

$RetryCount = 0
$MaxRetries = 5
$Delay = 1

do {
    try {
        Invoke-LMFunction -FunctionName "MyLambdaFunction" -Payload "{}" -ProfileName "MyProfile"
        break
    } catch {
        Write-Host "スロットリング検出。リトライ中 ($RetryCount / $MaxRetries)"
        Start-Sleep -Seconds $Delay
        $Delay *= 2  # Exponential Backoff
        $RetryCount++
    }
} while ($RetryCount -lt $MaxRetries)

5. Reserved Concurrencyを設定しようとするとエラーが発生する

エラーメッセージ：

Lambda function has Provisioned Concurrency enabled. Cannot set Reserved Concurrency.

原因：
Provisioned Concurrencyが有効になっている場合、Reserved Concurrencyは設定できない。

解決策：
Provisioned Concurrencyを無効にする。

Remove-LMFunctionConcurrency -FunctionName "MyLambdaFunction" -ProfileName "MyProfile"

その後、改めてReserved Concurrencyを設定。

6. Windows環境でAWS Tools for PowerShellが動作しない

エラーメッセージ：

The term 'Set-LMFunctionConcurrency' is not recognized as the name of a cmdlet.

原因：
AWS Tools for PowerShellが正しくインストールされていない。

解決策：
モジュールのインストールを確認し、必要に応じて再インストール。

Get-Module -Name AWS.Tools.Lambda -ListAvailable

モジュールが見つからない場合：

Install-Module -Name AWS.Tools.Lambda -Scope CurrentUser -Force

まとめ

AWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する際、以下のトラブルに注意が必要です。

エラー内容原因解決策
IAM権限エラーlambda:PutFunctionConcurrency 権限なしIAMポリシーを追加
制限超過エラーアカウントの制限を超えているGet-LMAccountSettings で制限を確認し、必要ならAWSサポートへ申請
設定が反映されない反映に時間がかかる10秒待機後に Publish-LMFunctionVersion を実行
スロットリングが発生同時実行数が不足Set-LMFunctionConcurrency で増加、Exponential Backoffのリトライ実装
Provisioned Concurrencyとの競合Provisioned Concurrencyが有効Provisioned Concurrencyを無効化

次のセクションでは、この記事のまとめを紹介します。

まとめ

本記事では、PowerShellを活用してAWS LambdaのReserved Concurrencyを設定する方法について詳しく解説しました。

✅ 本記事のポイント

  1. Reserved Concurrencyの基本
  • 特定のLambda関数に確保する同時実行数を制限することで、サービスの安定性を向上できる。
  • 重要な関数のリソースを確保し、他の関数の影響を受けにくくする。
  1. PowerShellを使ったReserved Concurrencyの設定
  • AWS Tools for PowerShellをインストールし、環境をセットアップ。
  • Set-LMFunctionConcurrency コマンドで、特定のLambda関数にReserved Concurrencyを割り当てる。
  • Get-LMFunctionConcurrency を使用し、設定が正しく適用されているかを確認。
  1. 設定後の動作確認と最適化
  • CloudWatchメトリクスを活用し、スロットリング（Throttle）が発生していないかを監視。
  • 負荷状況に応じた自動スケーリングスクリプトを作成し、Reserved Concurrencyの増減を自動化。
  • WindowsタスクスケジューラやCloudWatchアラームを利用し、定期実行やアラート通知を設定。
  1. トラブルシューティング
  • IAM権限の不足 → lambda:PutFunctionConcurrency 権限を付与。
  • アカウントの制限超過 → Get-LMAccountSettings で制限を確認し、必要ならAWSサポートへ申請。
  • スロットリングの発生 → Reserved Concurrencyを増加、Exponential Backoffを実装。
  • Provisioned Concurrencyとの競合 → 無効化してからReserved Concurrencyを設定。

🎯 PowerShellを活用したLambda管理のメリット

🔹 スクリプトによる一括設定・管理が可能
🔹 CloudWatchメトリクスを利用し、負荷状況に応じた動的調整が可能
🔹 タスクスケジューラやアラームと組み合わせることで運用を自動化

Reserved Concurrencyの適切な管理は、AWS Lambdaの安定運用とコスト最適化の鍵です。本記事で紹介した手順やスクリプトを活用し、AWS Lambda環境をより効率的に運用しましょう！

PowerShell
PowerShell スクリプト AWS Lambda サービス品質 Reserved Concurrency

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目次
  1. AWS LambdaのReserved Concurrencyとは
    1. Reserved Concurrencyの基本概念
    2. Reserved Concurrencyの動作
    3. Reserved Concurrencyが必要なケース
  2. Reserved Concurrencyを設定するメリット
    1. 1. スロットリングの防止
    2. 2. 重要な処理の優先実行
    3. 3. コスト管理の最適化
    4. 4. サービス品質の向上
    5. 5. 予期しないスパイク（トラフィック急増）への対応
    6. Reserved Concurrencyのメリットまとめ
  3. PowerShell AWS SDKの準備
    1. 1. AWS Tools for PowerShellのインストール
    2. 2. AWS認証情報の設定
    3. 3. AWS Lambdaのリストを取得して接続確認
    4. 次のステップ
  4. Reserved Concurrencyの設定方法
    1. 1. 設定前の確認事項
    2. 2. Reserved Concurrencyの設定コマンド
    3. 3. 設定を解除する方法
    4. 4. 設定の適用結果を確認
    5. 次のステップ
  5. Reserved Concurrencyの動作確認
    1. 1. Reserved Concurrencyの設定確認
    2. 2. Lambdaの実行回数を増やして制限の動作確認
    3. 3. スロットリング（Throttle）発生の確認
    4. 4. CloudWatch Logsを使った確認
    5. 5. 設定値を変更した場合の挙動
    6. まとめ
  6. ベストプラクティスと考慮点
    1. 1. Reserved Concurrencyの適切な設定値を決める
    2. 2. 重要な関数には優先的にReserved Concurrencyを確保する
    3. 3. スロットリングのリスクを考慮する
    4. 4. CloudWatchメトリクスを活用して最適な設定を維持する
    5. 5. 自動化とアラート設定
    6. まとめ
  7. 自動化のためのスクリプト例
    1. 1. CloudWatchのメトリクスを基にReserved Concurrencyを調整
    2. 💡 スクリプトの動作概要
    3. 🔹 PowerShellスクリプト：動的調整
    4. 2. スケジュール実行で自動調整
    5. 🔹 タスクスケジューラの設定手順
    6. 3. CloudWatchアラームを活用した自動化
    7. 🔹 CloudWatchアラームの作成
    8. 4. Lambdaのスケールアップ・ダウンの最適化
    9. まとめ
  8. トラブルシューティングとよくあるエラー
    1. 1. IAM権限の不足
    2. 2. Reserved Concurrencyがアカウントの制限を超えている
    3. 3. 設定の適用が反映されない
    4. 4. スロットリング（Throttle）の発生
    5. 5. Reserved Concurrencyを設定しようとするとエラーが発生する
    6. 6. Windows環境でAWS Tools for PowerShellが動作しない
    7. まとめ
  9. まとめ
    1. ✅ 本記事のポイント
    2. 🎯 PowerShellを活用したLambda管理のメリット