はじめまして。Excelを開いたときに突然エラーが出ると「あれ、何か壊れたのかな?」と心配になりますよね。実は、アドインが原因になっている場合が多いんです。私も以前、同様のエラーが出て途方に暮れましたが、対策をひとつずつ試すうちに無事解決できました。この記事では、そのときの経験もまじえながら、問題の背景や解決法をわかりやすくまとめていきます。ぜひ最後まで読んでみてください。
エラー発生の背景
Excelを起動した際に「The call to GetCustomUI() for RibbonID ‘Microsoft.Excel.Workbook’ failed.」というエラーが表示されるケースがあります。これはリボンにカスタムUIを追加しているアドインや拡張機能が原因となっていることが多く、Outlook側のアドインとの連携不具合でも起こり得ます。
よくある症状
・Excelを起動するとエラーのダイアログが連続表示される
・新規ブックを開いても同じエラーが繰り返し出る
・Outlookのアドインを無効化しても、別のエラー画面が表示される
・何らかのアドインが競合しているが、具体的にどれが原因なのか特定しづらい
発生タイミング
このエラーは主に以下のようなタイミングで発生することが確認されています。
1. Excelを起動した直後
2. 新規にブックを開いたとき
3. 他のOfficeアプリとの連携機能を呼び出そうとしたとき(OutlookやAccessなど)
4. 外部で作成されたマクロやVBAを実行しようとしたタイミング
解決策の全体像
この問題を解決するためには、アドインの切り分けを行いつつ、不要なアドインを無効化・削除し、ExcelやOutlookの動作環境を整えるのが基本的な流れです。最終的にはセーフモードでの起動やOffice修復まで行うことで解消するケースがほとんどです。
アドインの確認と無効化
まず最初に、ExcelおよびOutlookにどのようなアドインが入っているか確認しましょう。問題の根本には「Microsoft Outlook Add-in for Data Collection Publishing」などが含まれている場合があります。
COMアドインの確認
1. Excelを開く
2. [ファイル] → [オプション] → [アドイン]を選択
3. 下部の「管理」ドロップダウンで「COM アドイン」を選択し、[移動]ボタンをクリック
4. 不要そうなアドインまたは怪しいアドインのチェックを外して[OK]をクリック
上記の手順で無効化が可能です。とくにOutlook連携系や、Accessのデータコレクション機能を使うアドインがある場合は、一時的に無効化してみることでエラーが解消するか確認します。
Outlookでのアドイン確認
Excel側だけでなく、Outlookのアドインも問題を引き起こす場合があります。手順はExcelとほぼ同様です。
1. Outlookを起動
2. [ファイル] → [オプション] → [アドイン]を選択
3. 「COM アドイン」を選んで[移動]
4. 不要なアドインのチェックを外して[OK]
特に「Microsoft Outlook Add-in for Data Collection Publishing」は問題報告が多いアドインですので、すでに無効化しているかどうか確認しましょう。

私も以前、Office製品を使って資料作成を頻繁にしていたとき、OutlookやExcelのアドインが多すぎて動作が不安定になった経験があります。アドインをこまめにチェックする習慣をつけてからは、エラーに悩まされる回数がかなり減りました。
Excelのセーフモード起動
アドインが原因かどうかを確認するために、Excelをセーフモードで起動してみましょう。セーフモードではアドインが読み込まれないため、エラーが出ない場合はアドイン絡みの問題であるとほぼ断定できます。
セーフモードの手順
Windowsの検索バーまたは[ファイル名を指定して実行]で「excel /safe」と入力してEnterキーを押します。するとアドインを読み込まない状態でExcelが起動します。
excel /safe
セーフモードで起動してエラーが再現しなければ、やはりアドインまたはExcelの設定が問題の原因と考えられます。
条件付き書式への影響
エラーの対策として、何らかの機能を無効化したり、場合によってはOfficeの修復を行う必要があるケースがあります。そこで気になるのが「昔から設定している条件付き書式は影響を受けないのか?」という点です。
多くの場合、条件付き書式そのものには影響がありません。たとえば「Microsoft Outlook Add-in for Data Collection Publishing」を無効化しても、Excel内部で設定している条件付き書式はそのまま動作します。ただし、アドインによっては条件付き書式に連動する機能が含まれている場合がまれにあるため、念のためコピーをとったテスト用ブックを開いて挙動を確認するのがおすすめです。
より根本的なトラブルシューティング
アドインの無効化だけでは解決しない場合、以下のようなステップを試してみてください。
Officeのクイック修復・オンライン修復
Office製品に破損したファイルがあると、想定外のエラーが発生することがあります。クイック修復またはオンライン修復を行うことで問題が解決する場合があります。
Office修復の手順 (Windows)
1. コントロールパネルを開き「プログラムのアンインストール」からOfficeを選択
2. 画面上部の「変更」をクリック
3. 「クイック修復」を試し、解決しなければ「オンライン修復」を実行
キャッシュのクリアやテンポラリファイルの削除
ExcelやOfficeの一時ファイルが原因となる場合もあります。Office関連のテンポラリファイルをクリアし、Excelのキャッシュフォルダをリセットしてみましょう。ただしシステムフォルダを扱うため、誤って必要なファイルを消さないよう十分に注意してください。
アドインの競合と対処法まとめ
下記は、よくあるアドインの競合例と対処策をまとめた一覧です。自分の環境を照らし合わせて確認してみてください。
発生例 | 原因アドイン(例) | 対処方法 |
---|---|---|
起動直後にCustomUIエラー | Data Collection Publishing | COMアドインで無効化 |
Outlookとの連携時エラー | Outlook互換アドイン全般 | Outlook側で無効化またはアンインストール |
特定のマクロ起動時 | Excel VBA拡張アドイン | VBAコードの確認やアドインの修復 |
Access連携エラー | Access用Data Collection | Access連携部分を無効化して検証 |



私の場合、ExcelとAccessを併用してデータ分析をしていた時期に、まったく同じエラーが出て困りました。1つ1つアドインをオフにしていってようやく原因がわかったときは、思わずガッツポーズをしてしまいました。
スクリーンショットやエラーメッセージの確認
問題を質問したりサポートに依頼するときは、エラーダイアログのスクリーンショットを用意するとスムーズです。Excelや他のOfficeアプリがどういったタイミングでエラーを吐くのかは重要な手がかりになるからです。
カスタムリボンを使用している場合の注意
エラー文中にある「GetCustomUI() for RibbonID ‘Microsoft.Excel.Workbook’」は、Excelのリボンを拡張する機能(Custom UI)に関係しています。自作のXMLやVBAなどでリボンをカスタマイズしている方は、その部分に誤りがないかを再度チェックしましょう。
カスタムリボンXMLの確認ポイント
1. XMLタグの閉じ忘れやスペルミスがないか
2. callback要素が正しく定義されているか
3. ファイルの拡張子や保存場所に誤りはないか
XML記述例
下記のように、カスタムリボンのコードを正しく配置しているかを確認します。
<customUI xmlns="http://schemas.microsoft.com/office/2006/01/customui">
<ribbon>
<tabs>
<tab id="customTab" label="My Custom Tab">
<group id="myGroup" label="My Group">
<button id="myButton" label="Click Me" onAction="OnButtonClick" />
</group>
</tab>
</tabs>
</ribbon>
</customUI>
自作のリボンカスタマイズを行っていない場合は、サードパーティ製のアドインが同様の仕組みを使っている可能性があります。その場合、アドイン製造元のサポート情報も参考にしてください。
もし解決しない場合の最終手段
上記の手順で解決しない場合や特定のアドインを見つけられない場合は、思い切ってOfficeの再インストールを行うのも一案です。手間はかかりますが、環境を初期化することで根本的なトラブルを取り除ける可能性が高いです。またWindowsのユーザープロファイルが破損しているケースもあり、新しいユーザープロファイルを作成するとエラーが出なくなる場合もあります。
再インストール時の注意
1. 重要なファイルはバックアップしておく
2. Officeライセンス認証用のアカウント情報を用意しておく
3. 再インストール後はWindows UpdateおよびOffice Updateを忘れずに適用する
まとめ
今回の記事では「The call to GetCustomUI() for RibbonID ‘Microsoft.Excel.Workbook’ failed.」エラーを中心に、アドインの無効化やセーフモード、Office修復などさまざまな解決策を挙げました。特に多い原因としてはOutlookアドインやAccess向けのデータコレクションアドインの存在が報告されています。これらを切り分けるためには、まずアドインの一覧を確認し、一つずつ無効化することが大切です。
また、条件付き書式のようなExcelの基本機能に影響があるのか心配な方もいるかもしれませんが、大半の場合は直接的な干渉はありません。必要に応じてテスト用ファイルを作って確認すれば、さらに安心して作業を進められます。
それでもなおエラーが解決しない場合は、スクリーンショットを用意して専門家やコミュニティに相談してみましょう。場合によってはOfficeの修復や再インストール、ユーザープロファイルの新規作成が必要になることもあります。大変かもしれませんが、ExcelやOfficeの環境をクリアにしておけば、今後の作業効率やトラブル回避にもきっと役立ちます。



トラブル対応って手間はかかりますが、一度乗り越えてみるとOfficeの仕組みに詳しくなれたり、自分のPC環境が整理できたりと、意外なメリットもありますよ。焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
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