Microsoft Wordアウトラインビューでスタイル領域を非表示にする徹底解説

Microsoft Wordで快適に文書を編集するには、さまざまなビューや機能を上手に使いこなすことが大切ですよね。中でもアウトラインビューを利用して段落構造を俯瞰する方法はとても便利ですが、左側に表示されるスタイル領域が不要だと感じる方も多いのではないでしょうか。今回は、そのスタイル領域を非表示にする方法を詳しく解説するとともに、Wordの編集効率を高めるためのさまざまなヒントや活用術を紹介します。

アウトラインビューとは?

Microsoft Wordにはいくつかの表示モードがありますが、その中でもアウトラインビューは文書全体の構成を見渡しやすいビューです。文章の見出しレベルや段落レベルを簡単に折りたたんだり展開したりできるので、大きな文書を整理したいときや、見出し単位で移動・編集したいときに力を発揮します。

たとえば、大量のページ数を抱える報告書や論文などで「見出しごとに内容を整える必要がある」「構成を入れ替えたい」というケースでは、アウトラインビューに切り替えるだけでドキュメント全体を俯瞰でき、効率よく編集が行えます。

アウトラインビューの特徴

  • 見出しレベルの切り替えが容易:見出しレベルを上げ下げすることで、文書構造の修正が簡単になります。
  • 折りたたみ・展開が可能:上位レベルの見出しだけを表示すれば文章の概要を素早く確認できます。
  • ドラフトビューとの類似点・相違点:ドラフトビューと同じように、細かなレイアウトよりもテキスト主体の編集に向いていますが、アウトラインビューは見出しをベースにした構成把握に特化している点が特徴です。

アウトラインビューを使うメリット

長文を扱う場合、通常の印刷レイアウトビューだけを使っていると、目的の章やセクションを探すのに手間取ることがよくあります。しかし、アウトラインビューを活用すれば、見出し単位で文章を折りたたんでおけるので、必要に応じて展開・折りたたみを行いながら目的の場所にすぐ移動できます。

また、見出しのレベル変更もドラッグ&ドロップ感覚で簡単に行えるため、構成の再検討や追加・削除の作業が楽になります。特にプレゼン資料の下書きや書籍のプロット作りなど、「大まかな流れを固める」作業で威力を発揮するでしょう。

左側に表示されるスタイル領域とは?

アウトラインビューやドラフトビューに切り替えたとき、文書の左側に出てくることがあるのが「スタイル領域」です。これは、その段落に適用されているスタイル名を表示する領域で、文章の構造や書式設定をひと目で確認できる利点があります。

しかし、スタイル名をいちいち表示しなくても大丈夫、むしろ画面を広く使いたい、と感じる方もいるでしょう。そういうときには、Wordのオプション設定でスタイル領域の幅を0にすることで非表示にできます。

スタイル領域のメリット

とはいえ、スタイル領域が便利なシーンもあります。特にテンプレートを活用しているときや、複数のスタイルが混在する文書をメンテナンスするときには、どの段落がどのスタイルに属しているのか一目瞭然です。スタイル名を変更すれば段落書式も一括で変更できるので、大規模な文書の編集時には非常に重宝します。

以下に、スタイル領域が役立つ具体例を示します。

  • 大量の見出しスタイルを使い分けている場合:見出し1~見出し3など、段落ごとのスタイル適用状況をサッと確認できます。
  • 特殊な箇条書きのスタイルを用いている場合:段落ごとのスタイルを一覧できるので、箇条書きや番号付きリストが正しく適用されているか見落としを防止できます。
  • レイアウトデザインで複数のカスタムスタイルを適用している場合:デザイン性を重視した文書でも、スタイル領域を眺めることで対応関係を把握しやすくなります。

スタイル領域を非表示にする手順

もし、作業スペースを広く使いたい・スタイル名の表示が不要だと感じる場合は、次の設定を行うことでスタイル領域を非表示にできます。以下のステップを表にまとめてみました。

手順操作説明
1[ファイル]メニュー (またはOfficeボタン)Wordの左上にある[ファイル]タブ、もしくはOfficeボタンをクリックします。
2[オプション]を選択表示されたメニューから[オプション]をクリックし、Wordの設定画面を開きます。
3[詳細設定]を選択Wordオプションの左側にあるメニューから[詳細設定]をクリックし、詳細な設定項目を表示します。
4[表示]セクションへ移動下の方にスクロールしていくと[表示]という項目が見つかるはずです。
5「ドラフトおよびアウトライン表示でのスタイル領域の幅」を0に通常はここに1インチや1cmなどの数値が設定されている場合があります。これを0に変更します。
6[OK]をクリック設定を反映してウィンドウを閉じると、スタイル領域が非表示になります。

設定を完了すると、アウトラインビューやドラフトビューで左側に表示されていたスタイル領域が消え、文書本体の編集領域が広くなります。なお、印刷レイアウトビューにはそもそもスタイル領域は表示されませんので、この設定はアウトラインビューやドラフトビューに特化したものです。

スタイル領域を再表示するには?

一度非表示にしても、後でスタイルを確認しながら編集したい場合には同じ手順で「ドラフトおよびアウトライン表示でのスタイル領域の幅」を再び設定し直すだけです。たとえば1cmや0.5インチなど、使いやすい数値を入力してみてください。大きすぎる値を入れると文書の本文部分が極端に狭まってしまうので、必要十分な幅を検討しつつ設定するとよいでしょう。

この切り替えを状況に応じてうまく活用できるようになると、執筆時は広い画面で集中し、校正時はスタイルをチェックしながら正確に体裁を整えるなど、メリハリのある作業ができるようになります。

別の表示モードでの編集と使い分け

Wordには他にも印刷レイアウトビューやWebレイアウトビュー、リーディングビューなど、複数の表示モードがあります。それぞれに得意分野と目的があるため、作業内容に応じてビューを切り替えることがポイントです。

印刷レイアウトビュー

実際に印刷したときと近いレイアウトを確認しながら編集できるモードです。ページ番号や段組み、ヘッダーとフッターの表示など、最終仕上げに向いています。レイアウトが崩れていないかを直感的に把握できるので、提出書類やレポートなどの外観を整えるときにおすすめです。

ドラフトビュー

ドラフトビューは、余白やページ区切り、図の詳細などをあまり表示しない、シンプルなテキスト編集用のビューです。アウトラインビューと似ていますが、段落構造の折りたたみ・展開はできません。ただし、スタイル領域は表示可能で、テキスト主体の編集には十分に役立ちます。

Webレイアウトビュー

文書をHTML形式で保存したときの見え方をシミュレートするビューです。ウェブページとして公開する文書を作る場合などに使われることが多いですが、印刷を想定していない文書を確認するときに便利な場合もあります。

スタイル領域の活用術

スタイル領域を非表示にする方法が分かったところで、逆に表示させておくことで得られるメリットも改めて把握しておきましょう。非表示・表示の切り替えを自由に行えるようになれば、作業効率は格段にアップします。

ドキュメント全体のスタイル統一を効率化

大規模文書や複数人での共同執筆では、スタイルを統一しておかないと、あとでレイアウトを整える際に非常に苦労します。スタイル領域を表示させておけば、段落ごとのスタイルが一目瞭然なので、編集者同士で確認しやすくなります。また、「ここの見出しだけスタイルが違う」というようなミスも早期に発見できます。

目次や索引を作るときの確認

目次や索引をWordの自動生成機能で作る際、見出しスタイルや索引用のスタイルが正しく設定されていることが重要です。スタイル領域で各段落のスタイルをチェックすれば、目次や索引が正しく生成されない原因を特定しやすくなります。単なる段落として扱われていた部分を「見出し2」に変更するなど、必要な対応をスムーズに行えます。

書式トラブルの早期発見

文書作成時に「段落の行間だけがおかしい」「フォントが急に違う」などのトラブルが発生することがあります。その原因がスタイル設定にある場合、スタイル領域を見れば異なるスタイル名が適用されている可能性をすぐに見極められます。原因をいちいち探し回る手間が省けるので、時間の節約にもなります。

Mac版Wordの場合

Mac版のWordでも基本的な考え方は同じですが、メニューの配置や名称が異なることがあります。多くの場合、「Word」メニューから「環境設定」に進み、類似の項目を探すことでスタイル領域の幅を変更できるようになっています。Mac版のWordでは「環境設定」ダイアログボックスの中に「表示」に関連する設定がまとまっているので、ドラフトビューやアウトラインビューの設定に注目してみてください。

また、バージョンによってはUIが変わることもあるため、古いバージョンのWordを使っている場合やOffice 365 (Microsoft 365)の自動更新でUIが変化した場合は、適宜メニュー名を確認しつつ設定を探してみましょう。

スタイル領域を非表示にして作業効率を上げるコツ

ここでは、スタイル領域を非表示にした状態で効率的に作業を進めるための具体的なテクニックを紹介します。視界がすっきりすると文章の中身に集中できますが、必要な機能にすぐアクセスできるように工夫しておくことも大切です。

リボンやクイックアクセスツールバーを活用

スタイル領域をオフにするとスタイル名が見えにくくなりますが、実際にスタイルを変更したいときはリボンの「ホーム」タブにあるスタイル一覧を活用できます。頻繁に使うスタイルやコマンドがある場合は、クイックアクセスツールバーに登録しておくとマウス移動の手間が減って便利です。

ショートカットキーを活用する

Wordには段落や文字のスタイルを一発で切り替えられるショートカットキーが用意されています。たとえばWindows版Wordでは「Ctrl + Shift + S」で「スタイルの適用」ダイアログを呼び出すことができます。そこからスタイル名を入力してEnterを押すだけで素早くスタイルを変更可能です。

その他にも、見出しスタイルを段落に適用するために「Ctrl + Alt + 1」(見出し1)や「Ctrl + Alt + 2」(見出し2)などのショートカットが用意されています。操作回数を減らすことで作業スピードがアップし、スタイル領域を表示せずとも効率的にスタイル操作ができます。

作業の段階に応じて切り替える

文書を執筆中や初期段階ではスタイル領域を非表示にし、レイアウトや書式設定の最終チェックを行う段階で再表示する、という使い分けもおすすめです。視野がスッキリすると文章の構成や表現に集中しやすくなり、最終段階では見落としを防ぐためにスタイルをしっかり確認するという流れです。

その他のカスタマイズ

Wordで作業効率を上げるには、スタイル領域以外の設定や表示オプションも見直すとよいでしょう。

リボンのカスタマイズ

自分がよく使うコマンドを集約し、あまり使わないコマンドは非表示にするなど、リボンを使いやすく再編成することが可能です。特に、「開発」タブを表示することでVBAマクロの作成やフォーム機能を活用できるようになります。

クイックパーツで定型文を効率化

同じ表現やフレーズを何度も使う場合、クイックパーツに登録しておくと入力の手間を大幅に削減できます。スタイルだけでなく、定型文そのものを効率よく使い回すことで文章作成がスピードアップします。

ナビゲーションウィンドウとの併用

見出し構造を把握するだけなら、スタイル領域をオフにした上でナビゲーションウィンドウ(表示タブ→ナビゲーションウィンドウのチェックをオン)を使う方法もあります。ここでは、見出しの階層をツリー状に表示して簡単に移動できるので、アウトラインビューを開かなくても大まかな構成を確認できる利点があります。

まとめ

Microsoft Wordのアウトラインビューで表示される左側のスタイル領域は、文書構造やスタイルを一目で把握できる有用な機能です。しかし、作業内容や作業環境によっては不要と感じる方もいるでしょう。そんなときはWordのオプション設定で「ドラフトおよびアウトライン表示でのスタイル領域の幅」を0にして、非表示にすることが可能です。

非表示にすれば文章執筆やアイデア出しに集中できる一方、表示させておくと書式の確認や統一を簡単に行えます。作業工程に応じてこの機能をオン・オフし、必要に応じて切り替えることがポイントです。

また、Wordにはさまざまなカスタマイズや表示オプションが存在し、文書の規模や用途に合わせて使い分けると大幅に生産性が向上します。リボンやショートカットキーの活用、クイックパーツの設定、ナビゲーションウィンドウの利用など、多彩な機能を組み合わせることで、よりスムーズな文章作成を実現できます。ぜひ今回紹介した手順やポイントを参考に、あなたの作業環境を整えてみてください。

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