MacOS MontereyでExcelが起動しない原因と解決策を徹底解説

MacOS Monterey 12.7.3をご利用の方で、突然Excelが起動しなくなってしまうと、仕事や学習のスケジュールが大きく乱れてしまいます。エラーメッセージやアイコンの停止マークを見ると不安にかられるかもしれませんが、適切な手順を踏んで対処を行うことで、元通り問題なく使用できる可能性が高いです。今回は、具体的な解決策や再インストールのポイント、さらにトラブルシューティング時におさえておきたい設定やコマンドなどを詳しく解説していきます。

MacOS Monterey 12.7.3でExcelが起動しない問題の概要

この不具合は、MacOS Monterey 12.7.3環境において、Microsoft Excel(バージョン16.81など)を起動しようとすると「“Microsoft Excel”を開けません。損傷しているか不完全である可能性があります」というエラーが表示され、Excelのアイコンにも停止マークが付いてしまうというものです。さらに、WordやPowerPointなど他のOfficeアプリケーションは問題なく動作しているにもかかわらず、Excelだけが起動しないケースが報告されています。

原因としては、アップデートやセキュリティ設定の変更によりExcelが正しく認識されなくなったり、ソフトウェア的な競合が起きていることが考えられます。以下では、具体的な対処方法を段階的に説明しますので、一つひとつ試していただくと解決の糸口が見えてくるでしょう。

まずはセーフモードでの動作確認

MacOSでアプリの問題を切り分ける際に有効なのが「セーフモードでの起動」です。セーフモードでは、不要な拡張機能やサードパーティ製プログラムを最小限しか読み込まず、ファイルシステムのチェックも同時に行います。

セーフモード起動手順

  1. Macを完全にシャットダウンする。
  2. 電源ボタンを押しながら、Intel Macの場合はShiftキーを押し続けます。Appleシリコン(M1/M2)Macの場合は起動オプション画面が表示されたら「起動ディスク」を選択し、Shiftキーを押しながら「セーフモードで続ける」を選択します。
  3. ログイン画面またはデスクトップが表示されたら、画面右上に「セーフブート」等の表示が出ているか確認する。

セーフモードで起動後、まずはExcelを通常どおり起動できるかどうか試してみましょう。もしセーフモードで問題なく起動できる場合、常駐アプリやカスタムフォント、その他の拡張機能との競合が原因である可能性が高いです。

セーフモードでExcelが起動した場合

セーフモードではExcelが動いたのに通常モードで動かない場合、以下の点をチェックしてみてください。

  • ログイン時に自動起動するアプリが多数ないか
  • フォント管理ソフトウェアなど、Office製品と競合しやすいツールの有無
  • ウイルス対策ソフトやVPNクライアントなどの設定

これらをオフにして通常モードに再起動し、Excelが正常に起動するかを確認します。

Containersフォルダのデータ移動で再設定を促す

OfficeアプリはMac上の「~/Library/Containers」フォルダを通じてユーザーデータやアプリ設定を保持しています。Excelが起動しなくなるとき、このフォルダ内のキャッシュや設定ファイルが破損している場合も少なくありません。

ContainersフォルダのExcel関連データ移動手順

  1. Finderで「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選択し、「~/Library/Containers」と入力します。
  2. 表示されたフォルダ一覧の中にある「com.microsoft.Excel」または「Microsoft Excel」という名前のフォルダを探します。
  3. 見つけたフォルダをデスクトップなどの別の場所にドラッグ&ドロップで移動(またはコピー)して、元の場所から削除します。
  4. Excelを再度起動してみます。

この操作により、Excelの初期設定ファイルやキャッシュファイルが新たに作成され、破損したデータが原因だった場合は問題が解消されることが期待できます。ただし、Excelのユーザー設定や一部の履歴情報がリセットされる可能性があります。

Excelの再インストールの実行

上記の手順を試しても問題が解決しない場合、アプリケーションそのものを再インストールするのが有効です。すでにOffice 365サブスクリプションをお持ちであれば、Microsoft 365ポータルサイトなどから最新インストーラーをダウンロードできます。

Excel再インストール手順

  1. 「アプリケーション」フォルダから「Microsoft Excel.app」を探し、ゴミ箱に移動します。関連するサポートファイルもまとめて削除したい場合は、あらかじめ「~/Library/Application Support/Microsoft/Office」などを確認するとよいでしょう。
  2. Macを一度再起動します。これで不要なキャッシュがクリアされることがあります。
  3. Microsoft 365ポータルサイト(またはOfficeの公式サイト)にアクセスし、Excelのインストールファイルをダウンロードします。バージョン16.81を手に入れる場合は、過去バージョンのダウンロードページや企業内ライセンスのポータルも確認してください。
  4. ダウンロードしたパッケージを実行し、画面の指示に従ってインストールを完了させます。
  5. 再度Macを再起動したのち、Excelを起動して問題が解消されているかどうか確認します。

その他の注意点と追加のトラブルシューティング

ここまでで改善しない場合、さらに深いレベルでの原因追究が必要になります。以下のような観点もチェックしてみてください。

Office全体のアップデートを確認

Excelだけでなく、WordやPowerPoint、Outlookなど他のOffice製品を含む一括アップデートを行うことで、互換性の問題が解消される場合があります。Officeの自動更新機能が無効になっている場合は、手動で更新を実施してみましょう。

システム環境設定のセキュリティ設定

macOSでは、GatekeeperやXProtectなどのセキュリティ機能によってアプリの実行が制限されることがあります。セキュリティとプライバシーの設定が厳しくなっている可能性があるため、念のため下記のような項目を確認するのも一つの手段です。

Gatekeeper設定の確認例

「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Appのダウンロード許可元」の項目が「App Storeと確認済みの開発元」になっていることが一般的です。必要に応じて一時的に設定を緩和し、Excelが正しく起動するかテストしてみてください。

Macターミナルを活用したトラブルシュートのヒント

場合によっては、ターミナルを用いると問題の原因を突き止めやすくなることがあります。たとえば、Excel起動時のログをリアルタイムで確認することで、どのタイミングでエラーが発生しているかを把握できるかもしれません。

Consoleアプリやターミナルでログを確認

sudo log stream --level=error --predicate 'process == "Microsoft Excel"'

上記のコマンドをターミナルで実行しておき、同時にExcelを起動してみます。問題発生時のエラーメッセージがコンソールに表示されれば、エラーコードや原因のヒントを得られる可能性があります。

損傷フラグを解除するコマンド(Gatekeeper関連)

アプリが「損傷している」と誤認識される場合、以下のコマンドでアプリの検疫フラグ(Quarantine Attribute)を解除することができます。ただし、セキュリティリスクを伴う可能性もあるため、実行は自己責任で行ってください。

xattr -cr /Applications/Microsoft\ Excel.app

このコマンドはアプリに付与されている拡張属性をクリアし、Gatekeeperが誤って「アプリが損傷している」とみなすのを回避することがあります。ただし、Office製品の場合はMicrosoftのデジタル署名が有効になっているので、本来は不要なはずです。あくまで最終手段としてお考えください。

代表的なエラーメッセージと考えられる原因・対処一覧

エクセルが起動できない際に表示されるエラーメッセージや、関連しそうなシステムログに出る可能性のある内容と、その対策を表にまとめました。

エラーメッセージ/ログ考えられる原因主な対処方法
“Microsoft Excel”を開けません。損傷しているか不完全である可能性がありますアップデートに伴う検証ファイルの不一致、Gatekeeperの誤検知、または実際にファイル破損Containersフォルダのリセット、再インストール、xattrコマンドによる属性解除
Office licensing information is missing or corruptライセンスファイルの破損Officeライセンスの再認証、アカウント再ログイン
アプリが予期しない理由で終了しました (クラッシュログあり)プラグインや拡張機能との競合Safe Modeでの起動確認、不要プラグインの削除
Rosetta 2 が必要です (Appleシリコン環境のみ)AppleシリコンMacでIntelバイナリのExcelを起動しようとしているRosetta 2のインストールまたはネイティブアプリの再インストール

再インストール後のライセンス認証トラブル対策

Excelを再インストールしたものの、ライセンス認証に問題が発生して起動できないケースもあります。特に企業でボリュームライセンスを利用している場合や、Office 365アカウントと連携している場合は以下を確認しましょう。

Microsoftアカウントの再ログイン

インストールが終わった後、Excel起動時に「サインインしてライセンスを有効にしてください」といったメッセージが表示される場合は、アカウント情報をもう一度正しく入力し直す必要があります。ネットワーク環境が不安定だと認証に失敗することもあるため、Wi-Fiや有線LANの状態を確認しておくと安心です。

ライセンス認証書き換えツールの利用

企業契約でボリュームライセンスを使用している場合、IT管理者がライセンス認証ツールを配布しているケースがあります。そのツールを使って改めて認証情報を書き換えると、起動できるようになることがあります。特にマシンの入れ替えやOS再インストール後など、ライセンス情報が正しく引き継がれていない場合に有効です。

Office製品以外の競合・インストール影響を確認

Excelだけでなく他のアプリケーションとの競合や、セキュリティソフトの影響が問題となることもあります。以下のような点に気をつけて調査を行うと、思わぬところに原因が潜んでいるケースも掘り起こせるでしょう。

ウイルス対策ソフトの設定確認

一部のセキュリティソフトやウイルス対策ソフトは、不明な通信やファイル変更を監視するときにOfficeアプリケーションを制限することがあります。リアルタイムスキャン機能がExcelの起動ファイルをブロックしていないかどうか、設定画面やログをチェックしてみましょう。

仮想環境やリモートデスクトップの利用状況

ParallelsやVMwareなどの仮想環境を同じMac上で運用している場合、複数の環境で同時に同一のライセンスを使用しているとライセンス認証で弾かれることがあります。リモートデスクトップ経由でライセンスがロックされている可能性もあるので、Officeアカウントのライセンス使用状況をマイクロソフト公式ページから確認してみてください。

トラブル回避のための日常的なメンテナンス

Excelに限らず、Office製品はビジネスや学習で欠かせない存在です。定期的なメンテナンスや更新を行うことで、アプリやOSとの互換性問題を未然に防ぐことができます。

自動アップデートを有効にする

Officeアプリには自動更新機能が備わっており、これを有効にしておけば新しいバージョンがリリースされた際に自動で更新が実施されます。手動更新を忘れがちな方は、ぜひ自動アップデートを活用しましょう。

MacOSアップデートのタイミング

macOSの小規模アップデート(セキュリティアップデート含む)は比較的頻繁にリリースされます。Officeアプリとの互換性に影響を与えるケースもあるため、アップデート時にはExcelのバージョンや互換情報を念のためチェックしてから実行すると安心です。

まとめ:段階的なアプローチで解決を目指す

MacOS Monterey 12.7.3でExcelが起動しない問題は、一見すると大きなトラブルに思えますが、原因を切り分けて対処することで解決できる可能性が十分にあります。特にセーフモードでの確認やContainersフォルダのリセット、再インストールといったステップを踏むことで、大半のケースは回復に向かうでしょう。

もし上記の対応をすべて試しても改善が見られない場合は、Office自体のライセンス情報が破損している、あるいはmacOSのシステムファイルに問題がある可能性も考えられます。その場合はAppleサポートやMicrosoftサポートに問い合わせを行い、ログ情報を添えて詳細を調査してもらうことがベストです。快適なOfficeライフを取り戻すためにも、慎重に手順を確認しながら対処を進めてみてください。

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