画面を開くたびに「protection plan」という広告がしつこく表示されると、作業が中断されてイライラするものです。そこで、Windowsの通知設定を中心に、あらゆる角度からこれらの広告を無効化し、スムーズにパソコンを使うための対策を詳しくご紹介します。
「protection plan」とは何か?
「protection plan」は、セキュリティソフトや保証サービス関連の通知を装った広告、あるいは一部のメーカー製ツールが表示しているメッセージである可能性が高いです。実際にウイルス対策ソフトが発している正規の警告なら無視は禁物ですが、頻繁に表示され、内容も広告に近い場合は単なるプロモーションであるケースが大半です。ここでは、正規の警告との見極め方を含め、通知を無効化するための具体的なステップを確認していきましょう。
正規の警告との見分け方
正規のセキュリティ警告は、通常以下の特徴を伴います。
- 発信元が明確(Windows Defenderや有名セキュリティベンダーのロゴなどが表示される)
- 実際に検知したウイルス名や不審ファイル名が具体的に表示される
- システム通知領域(画面右下の通知センター)から確認できる
一方で広告の場合は「キャンペーン実施中」「特別価格で購入」「今すぐ契約を更新」といった文言が多用されるなど、購入や申し込みを促す内容が強いです。
Windows通知設定で広告をオフにする
もっとも一般的な対策が「Windowsの通知設定」を見直すことです。Windows 10やWindows 11では、広告関連の通知を切るためのオプションが用意されています。
設定画面からの操作手順
Windows 10の場合
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコン(「設定」)を選択します。
- 「システム」をクリックし、「通知とアクション」を選択します。
- 「Windowsを使用する際のヒントやおすすめを取得する」をオフにします。
または類似の文言がある場合はすべてオフにすると効果的です。 - 表示されているアプリ一覧の中に「protection plan」があれば、その通知をオフにします。
Windows 11の場合
- 「スタート」ボタンをクリックし、歯車アイコン(「設定」)を開きます。
- 左ペインから「システム」を選択し、右ペインの「通知」をクリックします。
- 「通知を表示するアプリと送信元」の一覧に広告らしき名前があればオフにします。
- 「Windowsに関するお知らせや提案を取得する」の項目も同様にオフにします。
バージョン別:通知設定の名称と場所
次の表ではWindowsの主なバージョンごとに、広告通知をオフにするための項目名称や場所をまとめています。参考にして設定をカスタマイズしてみてください。
Windowsバージョン | 通知関連設定の場所 | 主な広告関連オプションの名称 |
---|---|---|
Windows 10 (Ver.1903〜) | 設定 > システム > 通知とアクション | ・Windowsを使用する際のヒントやおすすめを取得する ・通知の送信元一覧 |
Windows 10 (Ver.1803以前) | 設定 > システム > 通知とアクション | ・Windowsのヒント、アドバイス、および提案を取得する ・アプリの通知許可 |
Windows 11 | 設定 > システム > 通知 | ・Windowsに関するお知らせや提案を取得する ・通知の送信元と送信元のアプリ一覧 |
特定アプリ由来の「protection plan」広告を無効化
もし「protection plan」という広告が、サードパーティ製アプリやメーカー独自の常駐アプリなどから出されている場合は、単純に通知をオフにするだけでは解決しない場合があります。
不要アプリのアンインストール
- 「コントロール パネル」や「設定」の「アプリと機能」を開き、インストール一覧をチェックします。
- 心当たりのない、または不要なセキュリティ系・保証系アプリがあればアンインストールを検討します。
- 再起動して広告が消えているか確認します。
メーカー独自のツールに含まれる機能として広告が表示されている場合は、「アンインストール」はできなくても、そのツール内で「広告設定」をオフにできることがあります。アプリの設定画面も合わせて確認してみましょう。
スタートアップの無効化
アンインストールできない場合は、起動時に常駐しないようにするのも手です。
- タスクバーを右クリックし「タスクマネージャー」を開きます。
- 「スタートアップ」タブを開き、不要なアプリが「有効」になっていたら「無効」に切り替えます。
- Windowsを再起動して広告が表示されなくなったか確認します。
msconfigを使う方法
やや古い方法ですが、「システム構成(msconfig)」を用いてスタートアップを制御する手段もあります。
- 「ファイル名を指定して実行」(Win + Rキー)を開き、
msconfig
と入力してEnterキーを押します。 - 「スタートアップ」タブや「サービス」タブから疑わしいサービスを無効にします。
- 再起動後、広告が非表示になるか確認します。
ブラウザ由来の広告をブロックする
実は「protection plan」という広告がWindowsのシステム通知ではなく、ブラウザ拡張機能やポップアップによって表示されている可能性もあります。特に、ブラウザを開くたびに表示される場合は以下の対策を試してみてください。
ブラウザの拡張機能(アドオン)のチェック
Microsoft Edgeの場合
- Edgeを開き、右上の「・・・」ボタンをクリックし、「拡張機能」を選択します。
- 見覚えのない拡張機能や広告ブロック系以外のセキュリティ系アドオンがあれば、一時的に無効化して様子をみます。
- 無効化して問題が解決した場合は不要な拡張機能は削除します。
Google Chromeの場合
- Chromeを開き、右上のメニュー(縦に点が3つ)をクリック、「その他のツール」→「拡張機能」を選びます。
- 不審な拡張機能を無効化し、必要なければ削除します。
- 再度広告が表示されるか確認します。
ポップアップブロックの設定
ブラウザがポップアップを許可していると広告が強制的に表示されることがあります。ポップアップの設定を見直しましょう。
- Edgeの設定
右上の「・・・」→「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「ポップアップとリダイレクト」をオフにする。 - Chromeの設定
右上のメニュー→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」→「ポップアップとリダイレクト」をブロックする。
グループポリシーやレジストリを用いた高度な対策
通常の設定画面やアンインストールで解決しない場合、より高度な方法としてグループポリシーエディタやレジストリエディタで広告関連の機能を無効化することができます。ただし誤操作はシステムに影響を与える可能性があるため、作業は自己責任で行いましょう。
グループポリシーエディタ (gpedit.msc) を使う
Windows 10 ProやWindows 11 Pro以上のエディションでは、グループポリシーエディタを使って無効化できる場合があります。
Win + R
キーを押し、「gpedit.msc」と入力してEnterを押します。- 「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「Windowsコンポーネント」のツリーを展開します。
- 「Cloud Content」や「Edge」など、広告やヒント表示に関わるポリシーを探し、「無効」または「有効」設定を切り替えます。
例:Turn off Microsoft consumer experiences(Microsoftの消費者向けエクスペリエンスをオフにする)など。 - 変更後、システムを再起動またはgpupdate /forceコマンドでポリシーを適用します。
レジストリエディタ (regedit) を使う
レジストリを直接編集する方法もあります。以下はWindowsのヒントや広告機能をオフにする一例です。
Win + R
キーを押し、「regedit」と入力してEnterを押し、レジストリエディタを起動。- 次のパスを開く:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ContentDeliveryManager
- 以下のDWORD値を設定します:
SilentInstalledAppsEnabled
= 0SubscribedContent-310093Enabled
= 0SubscribedContent-338389Enabled
= 0
- エディタを閉じ、PCを再起動します。
その他にも似たようなキーや値が存在する場合があるため、必要に応じて調整してください。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ContentDeliveryManager]
"SilentInstalledAppsEnabled"=dword:00000000
"SubscribedContent-310093Enabled"=dword:00000000
"SubscribedContent-338389Enabled"=dword:00000000
上記のレジストリを.reg
ファイルとして保存し、ダブルクリックしてインポートすれば、自動で設定変更できます。ただし、バックアップを取った上で慎重に行いましょう。
ウイルスやマルウェアの可能性を排除する
頻繁に広告が表示される原因として、悪意あるソフトウェア(マルウェア)の存在が疑われる場合もあります。実際に「protection plan」を装ったスパムソフトがPCに入り込んでいるケースも考えられます。
ウイルススキャンの実施
- Windows Defenderや市販のセキュリティソフトを最新バージョンに更新します。
- フルスキャンを実行し、検出された脅威があれば削除または隔離します。
- スキャン後、PCを再起動して広告の状況を確認します。
マルウェアが深く入り込んでいると、一般的な削除だけでは消えない場合があります。その場合、セーフモードでのスキャンや、ウイルス対策ベンダーが提供している専用ツール(例:アドウェア除去ツール)を利用すると効果的です。
異常を検知するためのサイン
- ブラウザが何もしなくても勝手に立ち上がり広告サイトへ誘導される
- タスクマネージャーで見慣れないプロセスが多数動いている
- デスクトップやスタートメニューに不審なショートカットが追加されている
こういった症状があればマルウェア感染を疑い、早めに対処しましょう。
追加対策:ファイアウォールとホストファイルの活用
広告や不審な通信先へのアクセスをブロックする手段として、Windowsのファイアウォールや「hostsファイル」を編集する方法があります。ある程度の知識が必要ですが、一部の広告サーバーへの通信を遮断することで、広告の表示そのものを減らせる場合があります。
Windowsファイアウォールでブロックする
- 「Windowsセキュリティ」を開き、「ファイアウォールとネットワーク保護」を選択します。
- 「詳細設定」から「受信の規則」もしくは「送信の規則」で新規ルールを作成します。
- 特定のアプリケーションや不審な実行ファイルをブロック対象に設定し、接続を遮断します。
hostsファイルの編集
hostsファイルに広告ドメインを登録し、127.0.0.1(自分自身)へ向けることで外部接続を遮断することも可能です。
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
ファイルを管理者権限で開きます。- 広告ドメインのリストを追加し、以下のような形式で127.0.0.1に割り当てます。
127.0.0.1 ad.example.com
- 保存後、コマンドプロンプトで
ipconfig /flushdns
を実行してDNSキャッシュをクリアします。
ただし、広告サーバーのドメインは数が多く、また頻繁に変化するため手動管理は大変です。一括で広告ドメインをブロックするリストを配布しているサイトもありますが、誤って必要な通信をブロックするリスクもあるので注意が必要です。
万が一に備えて復元ポイントの作成を忘れずに
通知設定やレジストリを変更する前に、万が一に備えて復元ポイントを作成しておきましょう。システムに重大な不具合が起きた場合でも、復元ポイントを使えば簡単に設定を戻せます。
復元ポイントの作成手順
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「システム」を選択します。
- 「システムの保護」をクリックし、「構成」でシステム保護を有効にします。
- 「作成」をクリックし、任意の名前を付けて復元ポイントを作成します。
このように対策前の状態をバックアップしておけば、トラブルが起きても安心して設定を元に戻せるでしょう。
まとめ:最適な対処法を選択して快適な環境を
「protection plan」の広告を無効化するためには、以下のように段階的・総合的な対処をおすすめします。
- Windows標準の通知設定を見直す
- 「ヒントやおすすめを表示する」機能をオフにしてみる。
- 第三者製アプリや拡張機能を確認・削除
- 不要なソフトウェアや怪しいブラウザ拡張機能のアンインストール、スタートアップ無効化を実施。
- ウイルススキャンやマルウェア対策ツールの使用
- 深刻な広告表示はマルウェアが原因の可能性もあるため定期的にスキャン。
- グループポリシーやレジストリの編集(上級者向け)
- 一部の広告やヒント表示を完全に無効化する方法。
- ファイアウォールやhostsファイルで通信をブロック
- さらなる強固な対策として、広告サーバーとの通信自体を遮断。
これらを組み合わせることで、しつこい広告から解放された快適なパソコン環境が手に入ります。手順を踏むうえで不明点があれば、まずは1つ1つの操作を丁寧に確認しながら進めることが大切です。快適な作業環境を実現するためにも、ぜひ一連の対策を検討してみてください。
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