Windows 11 の Xbox アプリで、なぜか特定のゲームだけが起動しない――今回は Game Pass タイトル『The Alters』で実際に発生したケースをもとに、同様の症状が出たときに役立つ切り分けと対処手順をまとめます。単なる再インストールでは直らない「ライセンス・クラウドセーブ同期・Gaming Services 周りの不整合」を疑うポイントを、順番に試せるチェックリスト付きで詳しく解説します。
症状の整理:Xboxアプリで『The Alters』だけ起動しない
まずは今回の事例で実際に起きていた症状を整理します。同じような状況で悩んでいる方は、自分の環境と照らし合わせながら読んでみてください。
- 環境は Windows 11 + Xboxアプリ(PC Game Pass)
- 『The Alters』だけが起動時のロゴ画面すら出ずに失敗する
- 起動失敗後、一時的に「インストール済みのゲームが利用不可」という表示が出ることがある
- ほかの Game Pass タイトルは問題なく起動する
- クラウドストリーミング(クラウド版 Game Pass)からはセーブデータ含めて正常にプレイ可能
つまり、「PC にインストールしたローカル版の『The Alters』だけが起動しない」が、クラウドでは普通に遊べるという、かなり絞り込まれた症状です。この時点で、単純な「スペック不足」や「ドライバが古い」といった一般的な原因よりも、Xbox/Store のライセンス・同期・キャッシュまわりを疑うほうが筋が良い状況と言えます。
結論に近い見立て:ライセンス・同期・キャッシュの一時不整合
今回のケースでは、時間を置いたのちに Xbox アプリ上で「データを同期中…」というダイアログが表示され、その後は何事もなかったかのように起動が成功するようになったという経緯があります。
この現象から、最も整合的な仮説は次の通りです。
- Xbox/Store のライセンス・アカウント権利情報や、
- クラウドセーブ(WGS)とローカルデータの同期情報、
- それらを仲介する Gaming Services のキャッシュ
のいずれか、あるいは複数が一時的に不整合を起こしており、バックエンド側の再同期(プラットフォームや開発元の側での修正)をきっかけに自己復旧した、という流れです。
実際、「ゲーム一覧が一瞬すべて消える」「インストール済みのはずのゲームがグレーアウトする」といった挙動は、ローカルストレージの問題というよりも、Xbox アカウントの権利・ライセンスの再取得がうまくいっていないときによく見られます。
症状と想定原因の対応表
| 具体的な症状 | 濃厚な原因候補 | 優先して見るポイント |
|---|---|---|
| 特定タイトルだけ起動しない | タイトル固有のクラウドセーブ/DRM 同期不具合 | WGS フォルダ・クラウド同期・ライセンス |
| 起動失敗後にゲーム一覧が消える/利用不可表示 | Xbox/Store ライセンスキャッシュのグリッチ | サインアウト&サインイン、wsreset、Gaming Services |
| クラウドストリーミングでは遊べる | ローカル PC 側の環境のみ問題 | PC 側のキャッシュ/サービス/ローカルセーブ |
| 複数タイトルで同様のエラー | 回線・時刻・Xbox ネットワーク全体の問題 | 時刻同期、ネットワーク設定、ファイアウォール |
再現したときに試したい解決手順(推奨順)
ここからは、実際にトラブルが再発したときに「上から順番に」試していく想定で、手順を詳しく解説します。すでに試したことがある手順は飛ばして構いません。
1. XboxアプリとMicrosoft Storeのサインアウト/サインインで同期を再トリガー
もっとも手軽かつ効果が高いのが、Xboxアプリと Microsoft Store の両方でサインアウト→Windows 再起動→再サインインという流れです。どちらか片方だけではなく、両方をセットでやるのがポイントです。
手順例:
- Xboxアプリを起動し、右上のプロフィールアイコンをクリックして「サインアウト」。
- Microsoft Store を起動し、同じくプロフィールアイコンから「サインアウト」。
- 一度 Windows を再起動。
- 起動後、Microsoft Store → Xboxアプリの順でサインインし直す。
- Xboxアプリ起動直後に「データを同期中」「ゲームを準備しています」のようなダイアログが出た場合は、完了するまで待つ。
これだけで、ライセンスの再取得やクラウドセーブとの同期が正常にやり直され、起動に失敗していたタイトルだけ復活するケースも少なくありません。
2. Storeキャッシュと Xboxアプリの修復/リセット
次に、Microsoft Store のキャッシュとアプリ自体の修復を行います。Store のキャッシュが壊れていると、ライセンス情報やゲーム一覧の取得がうまくいかず、結果として Xboxアプリ側も不安定になります。
2-1. wsreset で Store キャッシュをクリア
- Win + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く。
wsresetと入力して Enter。- 黒いウィンドウが一瞬開き、その後 Microsoft Store が自動で起動すれば完了。
これで Store 側のキャッシュがリセットされます。続けて、Xboxアプリと Microsoft Store アプリ自体の修復を行います。
2-2. Xboxアプリと Microsoft Store を修復/リセット
- 設定 > アプリ > インストールされているアプリ(または「アプリと機能」)を開く。
- 一覧から 「Xbox」 と 「Microsoft Store」 を探す。
- それぞれの詳細オプション(または「詳細オプション」リンク)を開く。
- まずは [修復] を実行し、問題が続くようであれば [リセット] も試す。
リセットを実行すると、一部の設定が初期化される可能性がありますが、再サインインすれば基本的な機能は元通り利用できます。
3. PowerShell から Gaming Services を再インストール
Gaming Services は、PC Game Pass タイトルの起動を支える中核コンポーネントです。ここが壊れていると、「一部のゲームだけ起動しない」「ゲーム一覧が正常に表示されない」などの症状が出ます。
Microsoft 公式でも案内されている方法として、Gaming Services の再登録・再インストールを行います。
手順:
- スタートボタンを右クリックし、「Windows ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を起動。
- 次のコマンドを順に実行します。
get-appxpackage -allusers Microsoft.GamingServices | remove-appxpackage -allusers
start ms-windows-store://pdp/?productid=9MWPM2CQNLHN
2つ目のコマンドを実行すると Microsoft Store が開き、Gaming Services のページが表示されます。ここで [インストール] をクリックし、完了後に PC を再起動してから Xboxアプリで『The Alters』の起動を再度確認します。
4. Xbox関連サービス(Windows サービス)の状態をチェック
次に、Windows のサービス一覧から、Xbox 関連のサービスが正しく動作しているか確認します。これらが停止していたり、自動起動になっていないと、ライセンス認証やクラウドセーブがうまく動きません。
サービスの開き方:
- Win + R →
services.mscと入力 → Enter。 - 一覧から以下のサービスを探す。
| サービス名 | 推奨状態 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| Gaming Services | 状態: 実行中 / スタートアップの種類: 自動 | 止まっている場合は「開始」、不安定なら「再起動」 |
| Xbox Live Auth Manager | 実行中 / 自動 | サインイン情報や認証周りに関与 |
| Xbox Live Game Save | 実行中 / 自動 | クラウドセーブの同期に関与 |
| Xbox Live Networking Service | 実行中 / 自動 | Xbox ネットワーク接続に関与 |
いずれかのサービスが「停止」していたり、「手動」になっている場合は、右クリックで「プロパティ」を開き、スタートアップの種類を 「自動」に変更し、「開始」ボタンで起動しておきましょう。
5. WGS フォルダをバックアップしてローカルセーブを再同期(要注意)
Game Pass の多くのタイトルは、WGS(Windows Gaming Save)フォルダを通じてクラウドセーブとローカルデータを同期しています。このフォルダ内のデータが壊れていると、起動直後に落ちる・タイトル画面まで進まないといった現象を引き起こすことがあります。
慎重さが必要ですが、ローカルの WGS フォルダをバックアップした上で一時的に退避させることで、クラウドからの再同期を促すことができます。
重要: オフラインで長くプレイしていたり、クラウド側に最新のセーブがない可能性がある場合は、必ずバックアップを取ってから操作してください。
WGS フォルダの場所と扱い方
- Xboxアプリと『The Alters』を完全に終了する。
- Win + R →
%LOCALAPPDATA%\Packagesと入力して Enter。 - 表示されたフォルダ一覧から、『The Alters』に該当するパッケージフォルダを探します。
- 名前にゲームタイトル名やメーカー名(11 bit など)が含まれているフォルダが候補。
- 分からない場合は、最近インストール・起動した順に更新日時の新しいフォルダから確認。
- 該当パッケージフォルダ内の
SystemAppData\wgsフォルダを探す。 wgsフォルダを安全な場所にコピーし、wgs_backup_YYYYMMDDのような名前で保存。- 元の場所にある
wgsフォルダをwgs_oldなどにリネームする。 - Xboxアプリを起動し、『The Alters』を起動してみる。
クラウドセーブが有効になっているタイトルであれば、初回起動時にクラウドからデータを同期し直す挙動が起きる可能性があります。もしセーブが古い/おかしい場合は、バックアップしておいた wgs_backup... から戻すこともできます。
6. ネットワークと時刻の整合性を確認する
Xbox や Game Pass のライセンス確認は、「時刻」と「ネットワークの状態」にかなり敏感です。特に、システム時刻がズレていると認証エラーの原因になります。
システム時刻の同期
- 設定 > 時刻と言語 > 日付と時刻を開く。
- 「時刻を自動的に設定する」をオンにする。
- 「今すぐ同期」ボタンがあればクリックしてサーバーと時間を合わせる。
Xbox ネットワーク診断
- 設定 > ゲーム > Xbox ネットワークを開く。
- 「サーバー接続」「NAT の種類」「Teredo」に問題がないか確認。
- 問題が表示されている場合は、画面に出ているトラブルシューティングを実施。
『The Alters』のようなシングルプレイ主体のゲームでも、起動時の権利確認やクラウドセーブ同期のためにネットワークが必須なケースは多いです。「オフラインでも遊べるはず」と思っていても、最初の起動だけはオンラインが必須というタイトルもあるので注意しましょう。
7. オーバーレイ・常駐ツールなど干渉要因を一時停止
ゲーム起動直後にクラッシュする場合、グラフィック系オーバーレイや録画ツール、アンチチートツールなどが干渉していることもあります。特に Game Pass 版は独自のプロテクトや Xbox 関連サービスと連携するため、Steam 版では問題ない組み合わせでも、Game Pass 版だけ落ちるというパターンがあります。
一時的に無効化を検討したいものの例:
- Discord オーバーレイ
- GeForce Experience のオーバーレイ
- MSI Afterburner / RivaTuner Statistics Server(RTSS)のオーバーレイ
- 各種録画・配信ソフト(OBS、Bandicam など)のゲームフック機能
- マクロツールや一部のチート対策ツール
これらを一つずつ無効化して『The Alters』を起動し、挙動が変わるか確認してみてください。原因となったツールが分かれば、そのツール側の設定で特定ゲームのみオーバーレイをオフにするなどの調整も可能です。
8. ここまでで改善しない場合の最終手段:開発元&Xbox サポートへの相談
ここまでの手順をすべて試しても改善しない場合は、単なるローカル不具合ではなく、アカウント権利やクラウドセーブがサーバー側で不整合を起こしている可能性が高くなります。その場合は、開発元と Xbox サポート双方に問い合わせるのが現実的な解決策です。
スムーズにやり取りするために、以下の情報をあらかじめまとめておくと良いでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲーマータグ | Xbox アカウントの ID(例: YourName#1234) |
| 発生日時 | 可能であれば UTC で記載(サーバーログと照合しやすいため) |
| 発生環境 | Windows 11 のビルド、CPU/GPU、メモリ、ストレージ構成など |
| DxDiag レポート | dxdiag から保存したテキストファイル |
| Xboxアプリ/Store のスクリーンショット | エラー表示や「インストール済みタイトルが利用不可」と出ている画面など |
| 再現手順 | 「Xboxアプリを起動 → The Alters をクリック → 〇〇秒で落ちる」などのフロー |
このような情報を添えて「アカウント権利やクラウドセーブの再同期が必要と思われる」旨を伝えることで、サポート側も原因を絞り込みやすくなります。
今回のケースの実際の落としどころ:バックエンド再同期の可能性大
今回の『The Alters』の事例では、ユーザー側でできる対処(再インストール、別ドライブ移動、アプリ修復、Windows 更新、メモリ診断、Riot 関連アンインストールなど)を一通り試しても改善しませんでした。
ところが、あるタイミングで Xboxアプリ上に「データを同期中…」というダイアログが表示され、その後は何もしなくても普通に起動するようになったという経過があります。このため、最終的な落としどころとして、
- 同期・権利・キャッシュの不整合がどこかで発生
- → ゲーム側またはプラットフォーム側の バックエンドで再同期が走る
- → 「データを同期中…」ダイアログを経て自己復旧
というシナリオがもっとも自然です。
つまり、ユーザー側からはどうしても手が届かない領域の問題であっても、ローカル環境(キャッシュ・サービス・セーブデータ)を整えておくことで、バックエンドの再同期がスムーズに成功しやすくなる、という見方もできます。本記事で紹介した手順は、そうした「同期のやり直し」を後押しする目的でも有効です。
原因切り分けの目安:どこから疑うべきか
似たようなトラブルで悩んだとき、あれもこれも手を出す前に、まずはどのレイヤーが怪しいかをざっくり決めてしまうと、無駄な作業を減らせます。
| 状況 | 疑うべきポイント | 優先する対処 |
|---|---|---|
| クラウドでは動くがローカルだけ失敗 | ローカル環境(WGS、Gaming Services、キャッシュ) | サインアウト/イン、wsreset、Gaming Services 再インストール、WGS フォルダ確認 |
| 起動失敗後に「インストール済みタイトルが利用不可」と出る | Xbox/Store ライセンスまわりのグリッチ | アプリ修復・リセット、アカウントの再サインイン、Store キャッシュクリア |
| 複数タイトルで同種のエラーが出る | ネットワーク、時刻、Windows 側の広い問題 | 時刻同期、Xbox ネットワーク診断、ファイアウォール・ウイルス対策ソフト |
| Game Pass 版だけ落ちる(Steam 版は正常) | Game Pass 特有の DRM / サービス連携 | Gaming Services、Xbox 関連サービス、アカウント権利の確認 |
『The Alters』に限らず、「特定の Game Pass タイトルだけが起動しない」「インストール済みタイトルが見失われる」という場合には、まずこの表のどれに近いかを見てから、対応する対処を重点的に実施するのがおすすめです。
よくある疑問への Q&A
Q1. この記事の手順は『The Alters』以外にも使える?
はい、多くの手順はすべての PC Game Pass タイトルに共通して使えます。特に、
- Gaming Services の再インストール
- Xboxアプリ/Microsoft Store の修復・リセット
- Xbox 関連サービスの状態確認
- 時刻同期・Xbox ネットワーク診断
などは、Game Pass で「特定のゲームだけ起動しない」「ゲーム一覧が一時的に消える」といったトラブルの定番対処です。
Q2. ゲームを何度も再インストールしても直らないのはなぜ?
Game Pass タイトルの起動には、「ゲーム本体のファイル」だけでなく、
- Xboxアプリと Microsoft Store のアカウント情報
- ライセンス/権利情報
- クラウドセーブとローカルセーブの同期状態
- Gaming Services や Xbox 関連サービスの動作
といった複数の要素が関わっています。ゲーム本体を再インストールしても、これらの情報は別の場所(キャッシュや WGS フォルダ)に残ったままなので、原因がそこにある場合は何度入れ直しても症状は変わりません。
今回の事例も、その典型パターンと言えます。
Q3. WGS フォルダを触るとセーブデータが消えたりしない?
正しくバックアップを取ってから操作する限り、すぐにセーブデータが消えてしまうことはありません。手順のポイントは、
wgsフォルダを削除しないこと- 必ずどこかに丸ごとコピーしておいてから、元フォルダをリネームすること
です。もしクラウド側のセーブが古い/欠損している場合でも、バックアップから戻すことで元の状態に近づける余地が残ります。とはいえ、操作ミスのリスクをゼロにはできないため、不安な場合は他の手順をすべて試してから、最後のカードとして検討するのが良いでしょう。
すぐに試せるチェックリスト(まとめ用)
ここまでの内容を「とりあえず順番に試す用」に要約したチェックリストです。印刷したりメモアプリにコピーしたりして使ってください。
- □ Xboxアプリと Microsoft Store を両方サインアウト → Windows 再起動 → サインイン
- □
wsresetを実行して Store キャッシュをクリア - □ 設定から Xboxアプリ / Microsoft Store を修復 → 必要に応じてリセット
- □ PowerShell(管理者)から Gaming Services を再インストール
- □ Gaming Services / Xbox Live xx サービスの状態を確認し、実行中 / 自動に設定
- □ 念のため Windows を再起動し、『The Alters』を起動して挙動確認
- □ 問題が続く場合は、WGS フォルダをバックアップしてリネーム → クラウドから再同期を誘発
- □ 時刻同期を実行し、Xbox ネットワーク診断で異常がないかチェック
- □ Discord や GeForce Experience など、オーバーレイ・録画系ツールを一時的に停止
- □ それでも改善しなければ、開発元+Xbox サポートにログ付きで問い合わせ
最後に:Game Pass ならではの「同期系トラブル」とうまく付き合う
PC Game Pass の魅力は、多くのタイトルを定額で気軽に試せることです。その一方で、ライセンス・クラウドセーブ・Xbox サービスなど、複数の仕組みが連携して動くため、今回の『The Alters』のように「特定のタイトルだけ妙な壊れ方をする」こともあります。
とはいえ、この記事で紹介したように、
- アカウントのサインインし直し
- Store/Xboxアプリの修復・リセット
- Gaming Services や Xbox 関連サービスの再構築
- WGS フォルダのバックアップと再同期
といった手順を押さえておけば、多くのトラブルは自力で切り分け・復旧できる可能性が高くなります。もしあなたの環境でも『The Alters』や他の Game Pass タイトルが同じように起動しないのであれば、本記事の手順を上から順に試しつつ、必要に応じて開発元や Xbox サポートの力も借りてみてください。

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