Excel VBAを利用したネットワークドライブへの自動バックアップの実現方法

Excel VBAを使って、ワークシートをネットワークドライブへの自動バックアップする方法を解説します。具体的なコード例、詳細な解説、応用例を通じて、VBAの活用方法を深掘りしていきます。

はじめに

日常の業務中に使用するExcelファイルは、予期せぬトラブルや操作ミスで失われるリスクがあります。特に大量のデータや計算式が組み込まれているファイルでは、バックアップの重要性が高まります。この記事では、Excel VBAを活用して、ファイルのネットワークドライブへの自動バックアップを実現する方法を紹介します。

VBAによるバックアップ処理の基本

基本のコード

Sub AutoBackupToNetworkDrive()
    Dim SourcePath As String
    Dim DestinationPath As String

    ' 元のファイルのパス
    SourcePath = ThisWorkbook.Path & "\" & ThisWorkbook.Name

    ' バックアップ先のネットワークドライブのパス
    DestinationPath = "\\NetworkDrive\BackupFolder\" & ThisWorkbook.Name

    ' ファイルをコピーする
    FileCopy SourcePath, DestinationPath
End Sub

コードの詳細解説

このコードは、現在開いているExcelワークブックを指定されたネットワークドライブのバックアップフォルダへコピーするものです。

– `SourcePath`: 現在開いているワークブックのフルパスを取得します。
– `DestinationPath`: バックアップ先のネットワークドライブのパスを指定します。
– `FileCopy`: VBAの組み込み関数で、ファイルをコピーする際に使用します。

応用例

応用1: バックアップの際に日付をファイル名に追加する

Sub BackupWithDate()
    Dim SourcePath As String
    Dim DestinationPath As String
    Dim BackupDate As String

    ' 元のファイルのパス
    SourcePath = ThisWorkbook.Path & "\" & ThisWorkbook.Name

    ' 日付をファイル名に追加
    BackupDate = Format(Date, "yyyyMMdd")
    DestinationPath = "\\NetworkDrive\BackupFolder\" & BackupDate & "_" & ThisWorkbook.Name

    ' ファイルをコピーする
    FileCopy SourcePath, DestinationPath
End Sub

応用2: バックアップ前に既存のバックアップファイルを削除する

Sub DeleteOldBackupAndCreateNew()
    Dim SourcePath As String
    Dim DestinationPath As String
    ' 元のファイルのパス
    SourcePath = ThisWorkbook.Path & "\" & ThisWorkbook.Name
    ' バックアップ先のネットワークドライブのパス
    DestinationPath = "\\NetworkDrive\BackupFolder\" & ThisWorkbook.Name
    ' 既存のバックアップファイルを削除
    If Dir(DestinationPath) <> "" Then
        Kill DestinationPath
    End If
    ' ファイルをコピーする
    FileCopy SourcePath, DestinationPath
End Sub

応用3: バックアップの成功・失敗をメッセージボックスで通知する

Sub BackupWithNotification()
    Dim SourcePath As String
    Dim DestinationPath As String

    ' 元のファイルのパス
    SourcePath = ThisWorkbook.Path & "\" & ThisWorkbook.Name

    ' バックアップ先のネットワークドライブのパス
    DestinationPath = "\\NetworkDrive\BackupFolder\" & ThisWorkbook.Name

    On Error GoTo ErrorHandler

    ' ファイルをコピーする
    FileCopy SourcePath, DestinationPath

    MsgBox "バックアップに成功しました。", vbInformation
    Exit Sub

ErrorHandler:
    MsgBox "バックアップに失敗しました。", vbCritical
End Sub

まとめ

Excel VBAを活用することで、ネットワークドライブへの自動バックアップを簡単に実現することができます。本記事で紹介した基本のコードや応用例を参考に、日常の業務でのファイル管理をより安全かつ効率的に行う手助けとしてください。