Pythonでメモリマッピングと大規模配列の効率的な処理

この記事では、Pythonでメモリマッピングと大規模配列の効率的な処理を行う方法について解説します。具体的なコード例とその詳細な解説、さらには応用例も含めて説明します。

目次

メモリマッピングとは

メモリマッピングとは、ファイルやデバイスをプログラムが扱いやすい形でメモリにマッピングする技術です。特に大規模なデータを効率よく処理する際に役立ちます。

メモリマッピングのメリット

1. 大規模なデータでも低いメモリ使用量で処理が可能
2. ファイルアクセス速度の向上
3. 複数プロセス間でのデータ共有が容易

Pythonでのメモリマッピングの基本

Pythonでは`mmap`モジュールを使ってメモリマッピングが可能です。

基本的なコード例

import mmap

# ファイルをオープン
with open("example.txt", "r+b") as f:
    # メモリマッピング
    mmapped_file = mmap.mmap(f.fileno(), 0)
    
    # 10バイト読み込み
    print(mmapped_file.read(10))
    
    # メモリマッピングを閉じる
    mmapped_file.close()

コードの詳細解説

1. `import mmap`: `mmap`モジュールをインポートします。
2. `with open(“example.txt”, “r+b”) as f`: 読み書きモードでファイルを開きます。
3. `mmap.mmap(f.fileno(), 0)`: ファイルをメモリにマッピングします。
4. `mmapped_file.read(10)`: 10バイト読み込む例です。
5. `mmapped_file.close()`: メモリマッピングを閉じます。

応用例

応用例1: メモリマッピングでの文字列検索

import mmap
import re

with open('example.txt', 'r+b') as f:
    mmapped_file = mmap.mmap(f.fileno(), 0)
    for match in re.finditer(b'pattern', mmapped_file):
        print(f"Found at position: {match.start()}")
    mmapped_file.close()

この応用例では、正規表現を使用してメモリマッピングされたファイル内で特定のパターンを検索しています。

応用例2: 大規模な配列の処理

import numpy as np
import mmap

fp = np.memmap('large_array.dat', dtype='float32', mode='w+', shape=(1000000,))
fp[999999] = 42.0
del fp

# 再アクセス
fp = np.memmap('large_array.dat', dtype='float32', shape=(1000000,))
print(fp[999999])

この例では、NumPyの`memmap`を使って大規模な浮動小数点数配列を効率良く処理しています。

まとめ

Pythonでのメモリマッピングは、特に大規模データを効率良く処理する際に非常に有用です。基本的な使い方から応用例まで解説しましたので、ぜひ実際のプロジェクトで活用してみてください。

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