この記事では、Linux環境でディレクトリをセキュアに削除(完全消去)する方法について詳しく説明します。具体的なコード例、その解説、さらに応用例を4つ以上含めています。
目次
なぜセキュアな削除が必要なのか
一般的な削除コマンドでは、ファイルやディレクトリは物理的には消去されず、データ復元が可能です。セキュアな削除は、データを二度と復元できないようにするための手段です。
基本的なセキュアな削除方法
通常、Linuxでファイルやディレクトリを削除するには`rm`コマンドを使用しますが、セキュアな削除を行う場合は`shred`コマンドがよく使用されます。
shred -zvu -n 5 /path/to/directory/* # ディレクトリ内の全ファイルをセキュアに削除
– `-z`オプションは、最後にゼロで埋めることで元のファイル内容を隠します。
– `-v`は進行状況を表示。
– `-u`は削除後にファイルを削除。
– `-n`は上書き回数(この例では5回)。
ディレクトリの削除
`shred`コマンドはファイルに対してのみ作用するため、ディレクトリそのものは`rm -r`で削除します。
rm -r /path/to/directory # ディレクトリを削除
シェルスクリプトで自動化
以下のシェルスクリプトを用いることで、これらの作業を自動化できます。
#!/bin/bash
# セキュアなディレクトリ削除
DIR_PATH="/path/to/directory"
# ファイルのセキュア削除
shred -zvu -n 5 $DIR_PATH/*
# ディレクトリの削除
rm -r $DIR_PATH
応用例
ログファイルの定期的なセキュア削除
cronを使用して、特定のディレクトリ内のログファイルを定期的にセキュア削除する。
0 0 * * * /path/to/shellscript.sh # 毎日0時にシェルスクリプトを実行
特定の拡張子のファイルのみセキュア削除
findコマンドを使用して、特定の拡張子を持つファイルだけを対象にする。
find /path/to/directory -name "*.log" -exec shred -zvu -n 5 {} \; # .log拡張子のファイルをセキュア削除
外部デバイスのセキュア削除
外部デバイスに保存されたディレクトリも同様の手法でセキュア削除できます。
shred -zvu -n 5 /media/external_device/directory/* # 外部デバイスのディレクトリ内のファイルをセキュア削除
shred以外の方法
`srm`や`wipe`など、shred以外のセキュア削除コマンドもあります。
srm -r /path/to/directory # srmコマンドでディレクトリをセキュア削除
まとめ
Linuxでディレクトリをセキュアに削除するための基本的な手法として`shred`コマンドを紹介しました。自動化や特定条件下での削除など、多くの応用例も考慮に入れると、データセキュリティが一層向上します。
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