この記事では、データベースを運用する上で避けて通れない「バックアップ」に焦点を当てます。特に、SQLデータベースにおける「差分バックアップ」「フルバックアップ」「増分バックアップ」の3つのバックアップ方式について解説します。
はじめに
データベースのバックアップは、災害やデータ破損、誤削除といったリスクからデータを保護するための重要なプロセスです。SQLデータベースにおいても、複数のバックアップ方法が存在し、それぞれに特長と用途があります。この記事では、差分バックアップ、フルバックアップ、増分バックアップの違いを具体的な例とともに解説します。
バックアップの基本
なぜバックアップが必要なのか
データベースは、企業やサービスにおいて極めて価値の高い資産です。一度失われたデータは元に戻すことができない場合も多く、その結果として生じる損害は計り知れません。バックアップは、そうしたリスクを最小限に抑えるための対策の一つです。
各バックアップ方法の違い
フルバックアップ(Full Backup)
フルバックアップは、データベースのすべてのデータをコピーする最も基本的なバックアップ方法です。
特長 | 用途 |
---|---|
全てのデータをコピー | 周期的なデータ保全 |
増分バックアップ(Incremental Backup)
増分バックアップは、前回のバックアップ以降に変更されたデータのみをコピーする方法です。
特長 | 用途 |
---|---|
変更分のみコピー | 頻繁なバックアップ |
差分バックアップ(Differential Backup)
差分バックアップは、最後のフルバックアップ以降に変更されたデータのみをコピーします。
特長 | 用途 |
---|---|
最後のフルバックアップ以降の変更分をコピー | 災害復旧 |
各バックアップ方法の比較
ストレージ容量
増分バックアップはストレージ容量が少なくて済む一方で、復元には全ての増分バックアップとフルバックアップが必要です。
復元速度
フルバックアップは復元速度が速いですが、バックアップに時間がかかる可能性があります。
リスク
増分バックアップは一つのバックアップが失われると、それ以降の増分バックアップが無効になる可能性があります。
まとめ
データベースのバックアップ方法は多種多様であり、それぞれの方法には特長と用途があります。フルバックアップは全てのデータをコピーするため安全性が高いですが、ストレージ容量と時間がかかります。増分バックアップと差分バックアップは、変更されたデータのみをコピーするため効率的ですが、復元には複数のバックアップが必要です。目的に応じて適切なバックアップ方法を選ぶことが重要です。
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