日々のタスク管理に欠かせない Microsoft Planner。新しいインターフェースが導入されたことで、作業の進捗をより視覚的に把握しやすくなった一方、完了済みタスクがデフォルトで非表示になり困っている方も多いようです。本記事では、新しい Planner で完了済みタスクを常時表示する方法や、その際に生じる問題点や対策について詳しくご紹介します。最後まで読んで、より快適にタスクを管理していきましょう。
Planner の完了済みタスクとは
新しい Planner における「完了済みタスク」とは、その名の通り「すでに作業が完了したタスク」を指します。これらは進捗状況が「完了 (Completed)」に分類されており、通常、ボード上で「完了」ステータスに移動するとチェックマークが付与されて見分けがつくようになっています。
しかし新 UI では、この完了済みタスクが常時表示されない仕様になりました。そのため、タスク履歴や過去の作業内容を参照したいときに手軽に確認できず、チームメンバーとの振り返りや進捗報告の場で不便さを感じるケースが多発しています。
新しい Planner での変更点
新しい Planner は従来のインターフェースに比べ、デザインや操作性が大きく変わりました。以下のような新機能・変更点が主に挙げられます。
デザインの刷新
- よりモダンなデザインへと切り替わり、視認性が向上。
- グラフやチャートの表示も洗練され、チーム全体での進捗把握が容易になった。
ボードのフィルター機能の強化
- 各バケットや割り当てユーザーなど、多彩な条件でタスクを絞り込める。
- 完了済みタスクもフィルターを使えば表示可能だが、その都度設定が必要。
完了済みタスクの表示仕様
- 従来は簡単に切り替えられた「完了済みタスク表示」機能が縮小。
- デフォルトでは表示されず、ユーザーが個別に展開・フィルター設定を行わなければならない。
完了済みタスクを表示する手順
新しい Planner で完了済みタスクを確認する場合、以下のような手順を踏む必要があります。
1. Planner のプランを開く
- Microsoft 365 ポータルや Teams のタブなどから Planner を開き、目的のプランを選択。
- タブや画面左側のメニューから「ボード (Board)」ビューに切り替えると、タスクの全体像が確認しやすい。
2. フィルターを利用する
- ボード画面の上部メニュー(または画面右上あたり)にある「フィルター (Filters)」をクリック。
- フィルターパネルが表示されたら、「進捗状況 (Progress)」などの選択肢が現れる。
- ここで「完了 (Completed)」を選択することで、完了済みタスクが各バケットに展開される。
3. 表示が戻ってしまう問題
- 一度「完了済みタスク」を展開しても、画面をスクロールしたり、別のビューに移動して戻った際に再び非表示になることがある。
- これは新しい Planner の仕様やバグの可能性が高く、ユーザーから「使い勝手が悪い」との声が多い。
完了済みタスクを常時表示できない理由
現在、新しい Planner では完了済みタスクを常に表示させる公式なデフォルト設定が提供されていません。なぜデフォルトで非表示に変更されたのか、明確なアナウンスはありませんが、以下の要因が考えられます。
UI の簡素化
- 全てのタスクを表示していると、ボードが大量のタスクで埋まり、作業中のタスクが把握しづらくなる可能性がある。
- 作業効率を優先し、完了済みの情報を意図的に減らしたという見方。
パフォーマンス向上
- 大量の完了済みタスクを抱えるプランでは、全件表示することで画面描画や操作速度が低下する懸念。
- 利用者の端末やネットワーク環境に配慮し、デフォルト非表示にすることで負荷を軽減させている可能性。
フィードバックの蓄積不足
- 新 UI ローンチ時点で、ユーザーから完了済みタスク表示に対する要望やクレームがどれほど寄せられるか、まだ十分なデータが集まっていない。
- フィードバックをもとに改善策を検討し、将来的に設定項目として提供する可能性もある。
常時表示の代替策と応急処置
完了済みタスクを常時表示できない現状への対処方法として、いくつかのアプローチが考えられます。
1. お気に入りビューの活用
残念ながら、現在 Planner の標準機能として「お気に入りのフィルター設定を保存する」機能は用意されていません。しかし、以下のような操作で擬似的に対処できます。
- メインビューを「ボード」に固定する
- フィルターを開き、「完了済み」フィルターを手動でオンにする
- ブラウザのブックマーク機能を使い、その時点の URL を保存する
これによって、完了済みタスクを含む状態のボード画面をすぐに呼び出すことが可能ですが、Planner 側の仕様変更や更新で URL パラメーターが変わると使えなくなるリスクがあります。
2. Teams 上でタブを追加する
- Microsoft Teams の「+」ボタンから Planner タブを追加し、目的のプランを表示。
- Teams タブ上でフィルターを完了タスク表示にした状態を維持できるか試してみる。
- 環境によっては画面を更新すると表示が戻るケースもあるので万能ではない。
3. Excel へのエクスポート
- Planner にはタスクを Excel にエクスポートする機能がある。
- 過去のタスク履歴を含め、完了済みタスクの一覧を外部ファイルで管理・参照できる。
- リアルタイムな更新は難しいが、完了済みタスクの履歴を一括で把握したい場合には有効。
Planner での操作を分かりやすくするテーブル例
以下は、Planner で完了済みタスクを確認する手順を一覧表にした例です。チームメンバーに操作を伝える際や、マニュアル作成時に活用してみてください。
手順番号 | 操作 | ポイント |
---|---|---|
1 | Planner のプランを開く | Teams からでもブラウザからでも OK |
2 | 「ボード」ビューを選択 | 視覚的にタスクを確認しやすいモード |
3 | 「フィルター」をクリック | 画面上部または右上にフィルターボタンがある |
4 | 「進捗状況」で「完了」を選択 | 完了済みタスクが各バケットに展開される |
5 | 必要に応じて他の条件も追加 | ユーザー、重要度、期日などもフィルターできる |
完了済みタスクを再度折りたたまれないようにするには
前述のように、現在の Planner には「画面をスクロールすると再度折りたたまれる」「他の画面に移動すると非表示に戻ってしまう」などの不具合や仕様が散見されます。これを完全に回避する方法は限定的ですが、次のような対策が一部で報告されています。
ブラウザのリフレッシュを最小限にする
- タブを閉じずに同じ画面を使い続けることで、フィルター設定が維持されやすくなる場合がある。
- タブ移動が頻繁な作業形態だとあまり効果は期待できない。
Power Automate との連携
- Planner のタスク更新をトリガーに、自動でメールや Teams 通知を送るフローを作成し、完了済みタスクを把握しやすくする。
- あくまで「完了タスクを表示し続ける」機能ではないが、完了タイミングを即時に知ることで履歴を追いやすくする。
他のプラットフォームで代替
- Microsoft Project や Trello、Asana など別のプロジェクト管理ツールで完了履歴が簡単に見られる環境に移行を検討する企業もある。
- ただし、Microsoft 365 全体との連携やコストを考慮し、慎重に検討することが望ましい。
バグ・仕様へのフィードバック方法
もし完了済みタスクの常時表示機能が必要な場合や、不具合を感じる場合は、以下のように Microsoft へフィードバックを送ることが推奨されています。
1. Microsoft 365 管理センターからのフィードバック
- Microsoft 365 管理者が利用できる管理センターに、機能リクエストや不具合報告フォームが用意されている。
- 「Planner の完了済みタスクが常時表示できない」といった具合に具体的な要望を送信すると効果的。
2. Planner ユーザーボイスやコミュニティフォーラム
- ユーザーコミュニティサイトや Microsoft Tech Community などに、同様の要望や議論が投稿されている場合がある。
- 既存トピックに賛同票を投じることで、多くのユーザーが求めている機能であることを示せる。
3. 開発ロードマップの確認
- Microsoft が公表している Microsoft 365 Roadmap や公式ドキュメントを定期的にチェックし、Planner のアップデート予定を把握する。
- 将来的に「完了済みタスク表示設定」が機能として追加される可能性もある。
長期的なタスク管理を快適にするポイント
完了済みタスクを含め、長期的にタスク管理を行う上でのポイントをいくつかご紹介します。
1. 定期的なタスクのアーカイブ
- 一定期間が過ぎた完了済みタスクをエクスポートまたはアーカイブし、ボードを常に軽く保つ。
- 必要になったときにはアーカイブ先から履歴を確認できるよう、クラウドストレージ上で管理する方法もある。
2. バケットの活用
- 過去タスクの置き場として、専用の「完了」バケットを作成する手段もあるが、新 UI では完了ステータスになったタスクは自動的に畳まれる挙動があり、あまり有効ではない。
- バケットは主に「カテゴリ別」や「担当部門別」などで分類するのが一般的。
3. タグ (ラベル) の活用
- タスクに色ラベルを付与しておけば、完了前後の識別だけでなく、プロジェクト・優先度・関連資料などを視覚的に整理しやすくなる。
- ラベルの意味をチームで統一し、運用することで混乱を回避できる。
具体的な運用例:Power Automate で通知を最適化
完了済みタスクをすぐに参照したい場合、Power Automate を活用して以下のような自動処理を組むと便利です。
フローの例
# Power Automate フローのイメージ(実際はGUIで設定)
1. [Planner でタスクが完了したとき] トリガー
2. [タスク情報を取得]
3. [Teams のチャットまたはチャネルにメッセージを送信]
4. [Excel (Online) にタスク情報を追記(任意)]
- タスクが完了したタイミングで Teams のチャンネルに通知が飛ぶように設定しておけば、履歴を追いやすい。
- さらに完了タスク情報を Excel に記録するステップを追加すれば、完了済みタスクの一覧を自動生成できる。
トラブルシュート:Planner が重い場合
完了済みタスクが大量にあるプランや、多数のバケットを抱えているプランでは、次のようなパフォーマンス低下が生じる場合があります。
原因と対策
- 原因1:プラン内のタスク数過多
- 対策:定期的に「完了」タスクをエクスポートやアーカイブする。
- 原因2:ブラウザのキャッシュやメモリ不足
- 対策:ブラウザのキャッシュをクリアし、不要なタブを閉じてメモリを確保する。
- 原因3:プラットフォーム障害
- 対策:Microsoft 365 サービスステータスを確認し、障害情報が出ていないかチェックする。
将来的な機能強化に期待
新しい Planner は、ユーザーインターフェースの更新が進む一方で、まだ従来機能の一部が実装しきれていない、または改善途中の段階にあると推測できます。完了済みタスクの常時表示機能に関しても、多くのユーザーからのフィードバックが寄せられれば、将来的なアップデートで改善される可能性が高いでしょう。
まとめ
新しい Planner で完了済みタスクを常時表示する機能がない現状は、多くの利用者にとって少々使いづらい点といえます。ただし、フィルターを使って手動で表示したり、Excel にエクスポートして履歴を管理したり、Power Automate で通知を最適化するなど、代替策はいくつか存在します。
もしデフォルトでの常時表示が強く望まれる場合は、Microsoft へのフィードバック送信を積極的に行い、改善要望を共有することが重要です。チームの進捗を可視化しつつ、今後のアップデートに期待しながら Planner をより快適に活用していきましょう。
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