Apacheで認証フォームをカスタマイズする方法を徹底解説

Apacheサーバーでの認証フォームのカスタマイズは、ウェブサイトのセキュリティとユーザビリティを向上させる重要な手法です。デフォルトのBASIC認証はシンプルで便利ですが、デザインの自由度が低く、ユーザーエクスペリエンスが損なわれることがあります。
本記事では、Apacheでカスタム認証フォームを作成し、独自のデザインと機能を実装する方法を解説します。これにより、ログイン画面をブランドのイメージに合わせたり、ユーザーフレンドリーなインターフェースを構築できます。
具体的には、Apacheの基本認証構造から、HTML/PHPを活用したカスタムフォームの作成方法、.htaccessを用いた認証設定、PHPによる認証ロジックの実装までを段階的に説明します。
セキュアなユーザーデータの保存方法や、認証失敗時のリダイレクト、ログイン状態の維持など、実践的な例を通してカスタマイズのポイントを学びましょう。

目次

Apache認証の基本構造


Apacheは、多くのWebサーバーで利用される安定性と柔軟性に優れたオープンソースソフトウェアです。アクセス制限やユーザー認証の仕組みを標準で備えており、特定のディレクトリやファイルへのアクセスを制御できます。

Apacheの認証方式


Apacheでは主に以下の2つの認証方式が使用されます。

  1. BASIC認証:ユーザー名とパスワードを要求する最も基本的な方式です。デフォルトのポップアップが表示されます。
  2. DIGEST認証:BASIC認証に比べてセキュリティが強化されており、パスワードがハッシュ化されて送信されます。

.htaccessを使った基本認証


Apacheで認証を行う際には、.htaccessファイルを使用してディレクトリ単位で設定できます。以下はBASIC認証の例です。

AuthType Basic  
AuthName "Restricted Area"  
AuthUserFile /path/to/.htpasswd  
Require valid-user  


この設定により、指定したディレクトリにアクセスする際にユーザー名とパスワードが求められます。.htpasswdファイルにユーザー情報を格納し、アクセス権限を制御します。

標準認証の課題

  • デザインの制限:標準のポップアップはカスタマイズが難しく、ブランドの一貫性を損なう可能性があります。
  • ユーザビリティの低下:BASIC認証はシンプルですが、エラーメッセージや入力フォームのUIを柔軟に変更できません。

このような課題を解決するため、HTMLやPHPで独自の認証フォームを構築する方法が求められます。

カスタム認証フォームの概要


Apacheの標準認証は手軽ですが、デザインや機能の柔軟性に欠けます。これを補うために、HTMLとPHPを使ったカスタム認証フォームを作成することで、ユーザー体験を向上させることができます。

カスタム認証フォームの利点

  1. デザインの自由度:ブランドイメージに合わせたログインフォームを作成可能。
  2. ユーザーフレンドリー:エラーメッセージや入力補助を設けることで、使いやすいインターフェースを提供。
  3. 追加機能の実装:リキャプチャ(reCAPTCHA)や多要素認証など、セキュリティ強化が容易。

基本的な構成


カスタム認証フォームは以下のような流れで処理されます。

  1. HTMLでフォームを作成し、ユーザー名とパスワードを入力できるページを用意。
  2. PHPで入力データを受け取り、認証処理を行う。
  3. 認証が成功すれば、ユーザーを保護されたページにリダイレクト。失敗した場合はエラーメッセージを表示。

HTMLフォームの例

<form action="login.php" method="post">  
  <label for="username">ユーザー名:</label>  
  <input type="text" id="username" name="username" required>  
  <label for="password">パスワード:</label>  
  <input type="password" id="password" name="password" required>  
  <button type="submit">ログイン</button>  
</form>  

PHPによる認証処理の基本

<?php  
$valid_user = 'admin';  
$valid_pass = 'password123';  

if ($_POST['username'] === $valid_user && $_POST['password'] === $valid_pass) {  
    session_start();  
    $_SESSION['authenticated'] = true;  
    header('Location: protected.php');  
    exit;  
} else {  
    echo '認証に失敗しました。';  
}  
?>  

認証フローの概要

  • ログイン成功:セッションを作成し、保護エリアに移動。
  • ログイン失敗:エラーメッセージを表示し、再度ログインを求める。

この方式を使えば、デザインや機能を柔軟に変更しつつ、安全なログインシステムを構築できます。

.htaccessでの認証設定


Apacheで認証を行う際には、.htaccessファイルを活用してアクセス制御を設定します。特定のディレクトリやファイルへのアクセスを制限し、許可されたユーザーのみが閲覧できるようになります。
カスタム認証フォームを構築する場合でも、.htaccessを使用して直接保護をかけることで、さらなるセキュリティ強化が可能です。

基本的な.htaccessの記述例


以下は、AuthUserFileを用いたBASIC認証の例です。

AuthType Basic  
AuthName "Restricted Area"  
AuthUserFile /path/to/.htpasswd  
Require valid-user  
  • AuthType:認証方式を指定(通常はBasic)。
  • AuthName:ログイン画面に表示されるメッセージ(自由に設定可能)。
  • AuthUserFile:ユーザー名とパスワードを格納する.htpasswdファイルへのパス。
  • Require:アクセスを許可するユーザー(valid-userは全ての有効なユーザーを指します)。

.htpasswdの作成


.htpasswdファイルにはユーザー名とハッシュ化されたパスワードを記述します。以下のコマンドでユーザーを作成できます。

htpasswd -c /path/to/.htpasswd username  

新規ユーザーを追加する場合は、-cオプションを外します。

htpasswd /path/to/.htpasswd newuser  

フォーム認証との連携


標準のBASIC認証ではブラウザのポップアップが表示されますが、これをカスタムフォームに置き換える方法を以下で説明します。

  • .htaccessで認証領域を保護しつつ、login.phpなどで独自のフォームを用意します。
  • PHPで認証に成功した場合、.htaccessの保護ディレクトリにリダイレクトします。

フォーム認証成功後のリダイレクト例

<?php  
session_start();  
$_SESSION['authenticated'] = true;  
header('Location: /protected');  
exit;  
?>  

認証領域へのアクセス制御


以下の設定を使えば、特定のIPアドレスだけがログインページにアクセス可能になります。

Order Deny,Allow  
Deny from all  
Allow from 192.168.1.0/24  

このように、.htaccessは柔軟にアクセス制御を行うことが可能であり、カスタム認証フォームとの併用でより強固なセキュリティを実現できます。

PHPでの認証ロジック作成


カスタム認証フォームを実装する際には、ユーザー入力を受け取って検証するPHPスクリプトが必要です。このセクションでは、Apacheと連携するPHP認証ロジックの基本構築方法を解説します。

認証の流れ

  1. HTMLフォームでユーザー名とパスワードを入力。
  2. PHPスクリプトが入力値を受け取り、データベースやハードコードされたユーザー情報と照合。
  3. 認証成功時はセッションを開始し、保護領域にリダイレクト。
  4. 認証失敗時はエラーメッセージを表示し、再度ログインを促す。

PHP認証スクリプト例


以下は、シンプルなPHP認証ロジックの例です。

<?php
session_start();

// ユーザー情報(仮のハードコード例、実際はデータベースを使用)
$users = [
    'admin' => 'password123',
    'user1' => 'mypassword'
];

// フォームからの入力値を受け取る
$username = $_POST['username'] ?? '';
$password = $_POST['password'] ?? '';

// 認証処理
if (isset($users[$username]) && $users[$username] === $password) {
    // 認証成功
    $_SESSION['authenticated'] = true;
    header('Location: protected.php');  // 保護ページにリダイレクト
    exit;
} else {
    // 認証失敗
    echo '<p>ユーザー名またはパスワードが違います。</p>';
}
?>

コードのポイント

  • セッションの開始session_start()でログイン状態を保持します。
  • 配列によるユーザー管理:簡易的な方法として配列を使用していますが、実際はデータベースファイルを利用するのが一般的です。
  • リダイレクト処理header('Location: protected.php')で、ログイン後の保護ページに転送します。

エラーメッセージの改善


ユーザーがパスワードを複数回間違えた際に、エラーのフィードバックを適切に行うことが重要です。
以下は、エラーメッセージをフォーム上に表示する例です。

<?php
$error = '';

if ($_SERVER['REQUEST_METHOD'] === 'POST') {
    if (isset($users[$username]) && $users[$username] === $password) {
        $_SESSION['authenticated'] = true;
        header('Location: protected.php');
        exit;
    } else {
        $error = '認証に失敗しました。もう一度お試しください。';
    }
}
?>
<form action="" method="post">
    <label for="username">ユーザー名:</label>
    <input type="text" id="username" name="username" required>
    <label for="password">パスワード:</label>
    <input type="password" id="password" name="password" required>
    <button type="submit">ログイン</button>
</form>
<?php if ($error): ?>
    <p style="color: red;"><?php echo $error; ?></p>
<?php endif; ?>

セキュリティの強化

  • パスワードのハッシュ化password_hash()password_verify()を使い、プレーンテキストではなくハッシュ化されたパスワードで比較します。
  • SQLインジェクション対策:ユーザー情報をデータベースで管理する場合は、プリペアドステートメントを利用してSQLインジェクションを防ぎます。

ハッシュ化の例

// パスワードのハッシュ化
$hashed_password = password_hash('mypassword', PASSWORD_DEFAULT);

// 認証時の比較
if (password_verify($password, $hashed_password)) {
    $_SESSION['authenticated'] = true;
    header('Location: protected.php');
}

PHPによるカスタム認証ロジックを構築することで、Apache標準のBASIC認証以上に柔軟でユーザーフレンドリーなログインシステムを実現できます。

認証情報の安全な保存方法


ユーザーの認証情報を適切に管理することは、セキュリティの重要な要素です。パスワードの平文保存は厳禁であり、ハッシュ化や暗号化を活用して安全に保存する必要があります。このセクションでは、認証情報を安全に保存するための具体的な方法を解説します。

パスワードのハッシュ化


パスワードはデータベースに保存する前にハッシュ化するのが標準的な方法です。PHPにはpassword_hash()password_verify()という便利な関数があり、これらを使うことで簡単にセキュリティを強化できます。

パスワードのハッシュ化と保存例

// ユーザーが登録時に入力したパスワードをハッシュ化
$plain_password = 'mypassword';
$hashed_password = password_hash($plain_password, PASSWORD_DEFAULT);

// データベースにユーザー名とハッシュ化されたパスワードを保存
$sql = "INSERT INTO users (username, password) VALUES (?, ?)";
$stmt = $pdo->prepare($sql);
$stmt->execute(['username1', $hashed_password]);

ログイン時の認証例

// 入力されたパスワードとデータベースに保存されたハッシュを比較
$sql = "SELECT password FROM users WHERE username = ?";
$stmt = $pdo->prepare($sql);
$stmt->execute(['username1']);
$row = $stmt->fetch();

if ($row && password_verify($plain_password, $row['password'])) {
    // 認証成功
    $_SESSION['authenticated'] = true;
    header('Location: protected.php');
} else {
    // 認証失敗
    echo 'パスワードが違います。';
}

なぜハッシュ化が重要か

  • 一方向性:ハッシュ化は不可逆であり、ハッシュから元のパスワードを取得することは非常に困難です。
  • レインボーテーブル攻撃対策password_hash()はソルト(ランダムな値)を自動で付加するため、同じパスワードでも異なるハッシュが生成されます。
  • 将来的なアップグレードPASSWORD_DEFAULTはPHPのバージョンに応じて自動的に最適なアルゴリズムを選択します。

データベースでの認証情報の管理


パスワードだけでなく、ユーザー名やメールアドレスなどの情報も安全に管理する必要があります。データベースを使うことで、複数のユーザーアカウントを効率的に管理できます。

ユーザーテーブルの例

CREATE TABLE users (
    id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
    username VARCHAR(50) NOT NULL UNIQUE,
    password VARCHAR(255) NOT NULL,
    email VARCHAR(100) NOT NULL,
    created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

二重認証(2FA)の導入


セキュリティをさらに高めるために、二要素認証(2FA)の導入が推奨されます。Google AuthenticatorやSMSによる認証コードを使用することで、不正アクセスのリスクを低減できます。

2FAの簡単な流れ

  1. 通常のユーザー名とパスワードでログイン。
  2. 認証後にワンタイムコードを入力するページに遷移。
  3. ワンタイムコードが一致すればログイン完了。

セッションの保護


認証後のセッション情報も厳重に管理する必要があります。以下の方法でセキュリティを強化できます。

  • セッションIDの固定化を防止するため、ログイン成功後にsession_regenerate_id(true)を呼び出す。
  • セッションのタイムアウトを設定し、一定時間操作がない場合に自動でログアウトする。
session_start();
session_regenerate_id(true);  // セッションIDの再生成
$_SESSION['authenticated'] = true;
$_SESSION['last_activity'] = time();

まとめ

  • パスワードは平文で保存せず、password_hash()でハッシュ化。
  • 認証時にはpassword_verify()を使用して安全に照合。
  • データベースと連携してユーザー情報を管理。
  • 二要素認証やセッション管理を強化することで、さらなるセキュリティ向上が図れます。

エラーハンドリングとリダイレクト


ユーザーがログインに失敗した際に適切なエラーメッセージを表示し、再度試行できる環境を提供することは、ユーザーエクスペリエンスの向上に不可欠です。また、不正アクセスを防ぐため、認証に失敗した際は保護領域へのアクセスを制限し、トップページやログイン画面にリダイレクトする仕組みが求められます。

エラーメッセージの表示


認証エラー時に具体的なメッセージをフォーム上に表示することで、ユーザーは問題点を理解しやすくなります。

PHPでのエラーメッセージ表示例

<?php
$error = '';

if ($_SERVER['REQUEST_METHOD'] === 'POST') {
    $username = $_POST['username'] ?? '';
    $password = $_POST['password'] ?? '';

    // ユーザー情報(仮の例、実際はデータベースを使用)
    $users = [
        'admin' => 'password123',
        'user1' => 'mypassword'
    ];

    if (isset($users[$username]) && $users[$username] === $password) {
        session_start();
        $_SESSION['authenticated'] = true;
        header('Location: protected.php');
        exit;
    } else {
        $error = 'ユーザー名またはパスワードが違います。';
    }
}
?>
<form action="" method="post">
    <label for="username">ユーザー名:</label>
    <input type="text" id="username" name="username" required>

    <label for="password">パスワード:</label>
    <input type="password" id="password" name="password" required>

    <button type="submit">ログイン</button>
</form>

<?php if ($error): ?>
    <p style="color: red;"><?php echo $error; ?></p>
<?php endif; ?>

リダイレクト処理


ログイン失敗時やセッションが無効な場合、特定のページにリダイレクトすることで、保護された領域への不正なアクセスを防ぎます。

認証失敗時のリダイレクト例

<?php
session_start();

if (!isset($_SESSION['authenticated'])) {
    header('Location: login.php');
    exit;
}
?>


このコードは、ログインしていないユーザーが直接保護領域にアクセスしようとした場合、ログインページにリダイレクトします。

リダイレクト先のカスタマイズ


認証失敗後にエラーメッセージを保持したまま、ログインページにリダイレクトするには、クエリパラメータを使用します。

header('Location: login.php?error=1');
exit;

ログインページでエラーを取得し、メッセージを表示します。

<?php
if (isset($_GET['error']) && $_GET['error'] == 1) {
    echo '<p style="color: red;">ログインに失敗しました。</p>';
}
?>

ログアウト処理


ログアウトボタンを設置し、セッションを破棄してログインページにリダイレクトすることで、不正なアクセスを防ぎます。

ログアウトスクリプト例

<?php
session_start();
session_destroy();
header('Location: login.php');
exit;
?>

不正アクセス防止のための自動リダイレクト


ログイン状態が一定時間続いた場合に自動的にログアウトし、ログインページにリダイレクトさせます。

<?php
session_start();

if (isset($_SESSION['last_activity']) && (time() - $_SESSION['last_activity'] > 1800)) {
    session_unset();
    session_destroy();
    header('Location: login.php?timeout=1');
    exit;
}

$_SESSION['last_activity'] = time();
?>

まとめ

  • 認証失敗時はエラーメッセージを表示し、ユーザーに再試行を促す。
  • 不正アクセス防止のため、認証されていない場合はリダイレクト処理を行う。
  • セッション管理を強化し、ログイン状態を適切に維持することで、安全で使いやすいシステムを実現する。

セッション管理とログイン状態の維持


認証後のユーザーセッションを適切に管理することで、安全かつスムーズなログイン状態を維持できます。セッションはユーザーがログインした後、一定期間有効ですが、不適切な管理はセキュリティリスクにつながる可能性があります。このセクションでは、PHPを使ったセッション管理の方法と、ログイン状態の維持方法を解説します。

セッションの基本


PHPでセッションを管理するには、session_start()を使用します。セッションはサーバー側でユーザー情報を保持し、各ページでユーザー状態を追跡します。

基本的なセッションの開始例

<?php
session_start();

// 認証が成功したらセッションを設定
$_SESSION['authenticated'] = true;
$_SESSION['username'] = 'admin';
?>

ログイン状態の維持


ユーザーが認証後、サイト内を移動してもログイン状態を維持するには、各ページでセッションを確認します。

ログイン状態の確認例

<?php
session_start();

if (!isset($_SESSION['authenticated'])) {
    header('Location: login.php');
    exit;
}
?>
<h1>ようこそ、<?php echo $_SESSION['username']; ?>さん</h1>

このコードは、セッションが存在しない場合にログインページへリダイレクトします。セッションが存在する場合は、ユーザー名を表示します。

セッションの有効期限設定


一定時間が経過した場合に自動的にログアウトする仕組みを導入し、不正アクセスを防止します。

自動ログアウトの実装例

<?php
session_start();

// 最後のアクティビティから30分経過でセッションを破棄
if (isset($_SESSION['last_activity']) && (time() - $_SESSION['last_activity'] > 1800)) {
    session_unset();
    session_destroy();
    header('Location: login.php?timeout=1');
    exit;
}

// アクティビティのタイムスタンプを更新
$_SESSION['last_activity'] = time();
?>

このコードでは、30分(1800秒)以上アクティビティがなかった場合、自動的にログアウトされます。

セッション固定攻撃への対策


セッション固定攻撃を防ぐため、ログイン成功時にセッションIDを再生成します。

セッションIDの再生成

<?php
session_start();
session_regenerate_id(true);  // セッションIDの再生成
$_SESSION['authenticated'] = true;
?>

これにより、セッションIDが更新され、古いセッションIDを使った攻撃を防げます。

ログアウト処理


ログアウト時にはセッションを破棄し、ユーザーをログインページにリダイレクトします。

ログアウトスクリプト

<?php
session_start();
session_unset();
session_destroy();
header('Location: login.php');
exit;
?>

「ログイン状態を保持する」機能


「ログイン状態を保持する」オプションは、ブラウザを閉じてもセッションを維持します。これはクッキーを活用して実装します。

ログイン保持の例

<?php
if (!empty($_POST['remember'])) {
    setcookie('username', $_POST['username'], time() + (86400 * 30), "/");
    setcookie('password', $_POST['password'], time() + (86400 * 30), "/");
}
?>

この例では、30日間クッキーを保持し、次回アクセス時に自動的にログインします。ただし、クッキーに平文でパスワードを保存するのは危険です。トークンを用いた方法が推奨されます。

セッション管理のポイント

  • 定期的なセッションIDの再生成:セキュリティ強化のため、ログイン後や重要なアクション後にセッションIDを再生成します。
  • セッションのタイムアウト設定:一定時間操作がなければ自動的にセッションを終了させることで、リスクを軽減します。
  • セッションの保護:HTTPSを使用し、session.cookie_secureを有効化することで、セッションの盗聴を防ぎます。

まとめ

  • ユーザーのログイン状態をセッションで管理し、セキュアで快適な環境を構築します。
  • セッションの有効期限やセッションIDの再生成を実装することで、セッション固定攻撃や不正アクセスを防止できます。
  • 「ログイン状態を保持する」機能は便利ですが、安全性を考慮して慎重に実装する必要があります。

実践例:カスタムログインフォームの構築


ここでは、ApacheとPHPを組み合わせてカスタムログインフォームを作成し、実際に動作する認証システムを構築します。HTMLによるフォーム作成からPHPでの認証処理、ログイン後のリダイレクトまでの流れを具体的に解説します。

ステップ1:HTMLでログインフォームを作成


まずは、ユーザーが入力するシンプルなログインフォームをHTMLで作成します。

login.html(ログインフォーム)

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
    <title>ログインページ</title>
</head>
<body>
    <h2>ログイン</h2>
    <form action="login.php" method="post">
        <label for="username">ユーザー名:</label>
        <input type="text" id="username" name="username" required><br>

        <label for="password">パスワード:</label>
        <input type="password" id="password" name="password" required><br>

        <label>
            <input type="checkbox" name="remember"> ログイン状態を保持する
        </label><br>

        <button type="submit">ログイン</button>
    </form>
</body>
</html>

ステップ2:PHPで認証処理を実装


次に、フォームから送信されたユーザー名とパスワードを処理するPHPスクリプトを作成します。認証に成功した場合は、保護されたページにリダイレクトします。

login.php(認証処理)

<?php
session_start();

// 仮のユーザー情報(本番環境ではデータベースを使用)
$users = [
    'admin' => password_hash('password123', PASSWORD_DEFAULT),
    'user1' => password_hash('mypassword', PASSWORD_DEFAULT)
];

$username = $_POST['username'] ?? '';
$password = $_POST['password'] ?? '';

if (isset($users[$username]) && password_verify($password, $users[$username])) {
    // 認証成功
    $_SESSION['authenticated'] = true;
    $_SESSION['username'] = $username;
    session_regenerate_id(true);  // セッションIDを再生成

    // クッキーによるログイン状態保持
    if (!empty($_POST['remember'])) {
        setcookie('username', $username, time() + (86400 * 30), "/");  // 30日保持
    }

    header('Location: protected.php');
    exit;
} else {
    // 認証失敗
    header('Location: login.html?error=1');
    exit;
}
?>

ステップ3:保護されたページの作成


認証されたユーザーのみがアクセスできる保護エリアのページを作成します。ログインしていないユーザーはログインページにリダイレクトされます。

protected.php(保護ページ)

<?php
session_start();

// 認証確認
if (!isset($_SESSION['authenticated'])) {
    header('Location: login.html');
    exit;
}
?>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <title>保護されたページ</title>
</head>
<body>
    <h1>ようこそ、<?php echo htmlspecialchars($_SESSION['username']); ?>さん</h1>
    <p>このページは認証済みユーザーのみが閲覧できます。</p>
    <a href="logout.php">ログアウト</a>
</body>
</html>

ステップ4:ログアウト処理


ログアウトボタンをクリックした際にセッションを破棄し、ログインページに戻る仕組みを作ります。

logout.php(ログアウト処理)

<?php
session_start();
session_unset();
session_destroy();
setcookie('username', '', time() - 3600, "/");  // クッキーも削除
header('Location: login.html');
exit;
?>

ステップ5:セキュリティ強化

  • セッションIDの再生成session_regenerate_id(true)を使い、セッション固定攻撃を防止。
  • パスワードのハッシュ化password_hash()password_verify()を活用して、セキュアに認証。
  • クッキーのセキュア化HttpOnlySecure属性を追加し、クッキーを盗聴から保護します。

セキュアクッキーの設定例

setcookie('username', $username, time() + (86400 * 30), "/", "", true, true);

まとめ

  • ApacheとPHPを活用し、HTMLでログインフォームを作成してユーザー認証を実装します。
  • セッション管理とクッキーを使い、ログイン状態を維持します。
  • ユーザーエクスペリエンスとセキュリティを両立させるため、エラーハンドリングやセッション管理を適切に行います。

まとめ


本記事では、Apacheで認証フォームをカスタマイズする方法を段階的に解説しました。標準のBASIC認証では難しい柔軟なデザインや機能を、HTMLやPHPを活用することで実現できるようになります。

具体的には、以下のポイントを取り上げました:

  • Apache認証の基本構造と.htaccessの設定方法
  • HTMLとPHPを使ったカスタムログインフォームの作成
  • 認証ロジックの実装とセッション管理
  • エラーハンドリングとログイン状態の維持方法

適切なセキュリティ対策(パスワードのハッシュ化やセッションIDの再生成)を施すことで、不正アクセスを防ぎ、安全で快適なログインシステムを構築できます。
今後の応用として、多要素認証(2FA)やリキャプチャ(reCAPTCHA)を導入することで、さらにセキュリティを強化できます。

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