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Apacheでgzip圧縮をオフにする方法を完全解説【特定リソース＆全体対応】

Apache

Apacheサーバーでは、gzip圧縮はWebサイトのパフォーマンス向上に欠かせない要素です。gzipは、テキストベースのリソース（HTML、CSS、JavaScriptなど）を圧縮し、転送データ量を削減することで、ページの読み込み速度を向上させます。これにより、ユーザー体験が向上し、サーバー負荷も軽減されます。

しかし、すべての状況でgzip圧縮が望ましいわけではありません。特定のリソースで圧縮を無効化したい場合や、特定の互換性の問題に対応する必要があるケースも存在します。また、一部のメディアファイルやすでに圧縮済みのデータに対してgzipを適用すると、逆にパフォーマンスが低下する可能性があります。

本記事では、Apacheにおけるgzip圧縮の概要から、サーバー全体または特定リソースにおいてgzipを無効化する方法を詳細に解説します。設定ファイルや.htaccessを使った柔軟なコントロール方法、無効化が正しく反映されているかを確認する方法など、実践的な内容を取り上げます。

目次

gzip圧縮の概要とその役割


gzip圧縮は、Webサーバーとクライアント間でデータをやり取りする際に、転送データのサイズを削減するための圧縮技術です。Apacheを含む多くのWebサーバーでは、このgzip圧縮がデフォルトで有効になっていることが多く、テキストベースのリソースを中心に大幅なパフォーマンス向上を実現します。

gzipの仕組み


gzip圧縮は、クライアント（ブラウザなど）がリクエストヘッダーに「Accept-Encoding: gzip」を送信し、サーバーが対応している場合にデータをgzip形式で圧縮して返します。クライアントは受け取った圧縮データを解凍して表示することで、帯域幅を節約し、ページの読み込み速度を向上させます。

gzipが適用されるファイルの種類


gzip圧縮の対象となるファイルは、主に以下のようなテキストベースのリソースです。

  • HTMLファイル
  • CSSファイル
  • JavaScriptファイル
  • XMLおよびJSONデータ

画像や動画などのバイナリファイルは、通常は既に圧縮されているため、gzipによる圧縮の効果は限定的です。

gzip圧縮の利点

  • 転送データ量の削減 – サーバーから送信されるデータ量が減るため、読み込み時間が短縮されます。
  • ユーザー体験の向上 – ページの表示速度が速くなることで、ユーザーの離脱率が低下します。
  • サーバー負荷の軽減 – 帯域幅の節約により、同時接続数が増えても安定したパフォーマンスを維持できます。

このようにgzip圧縮は、Webサイトの速度と効率を向上させる重要な技術です。次のセクションでは、gzipをオフにするメリットとデメリットについて掘り下げていきます。

gzip圧縮をオフにするメリットとデメリット

gzip圧縮は多くの場面でWebパフォーマンスを向上させますが、すべての状況で有効とは限りません。特定のケースでは、gzipを無効にすることでサーバーの安定性やリソース管理が改善されることがあります。このセクションでは、gzip圧縮をオフにする利点と欠点を具体的に解説します。

gzip圧縮をオフにするメリット

  • 圧縮済みファイルの再圧縮防止
    JPEGやPNGなどの画像、MP4動画、ZIPファイルなどは既に圧縮されています。これらのファイルを再圧縮すると、パフォーマンスが低下し、CPUリソースが無駄になります。gzipをオフにすることで、無駄な処理を回避できます。
  • CPU負荷の軽減
    gzip圧縮はCPUリソースを消費します。特に大量のリクエストを処理する高トラフィックなWebサイトでは、gzip圧縮がサーバーの処理能力を圧迫する可能性があります。圧縮をオフにすることで、CPUの負荷を軽減し、安定したパフォーマンスを維持できます。
  • レガシーブラウザや互換性の問題回避
    一部の古いブラウザやデバイスでは、gzip圧縮されたデータの解凍に対応していない場合があります。gzipを無効化することで、互換性の問題を回避し、幅広いデバイスへの対応が可能になります。

gzip圧縮をオフにするデメリット

  • ページの読み込み速度の低下
    gzipを無効化すると、ファイルサイズが大きくなり、データ転送に時間がかかります。その結果、ユーザー体験が悪化し、ページの表示速度が低下する可能性があります。
  • 帯域幅の増加
    圧縮されていないデータは帯域幅を多く消費します。特にネットワーク環境が限られている場合、転送データ量の増加はコスト面でも影響を及ぼすことがあります。
  • SEOへの悪影響
    ページの表示速度が低下すると、検索エンジンの評価（SEO）に悪影響を与える可能性があります。特にモバイルデバイスでは、表示速度が重要な要素となります。

gzip圧縮をオフにする場合は、これらの利点と欠点を踏まえて慎重に判断する必要があります。次のセクションでは、Apacheでgzip圧縮を無効にする具体的な方法について解説します。

Apacheで全体のgzip圧縮を無効化する方法

Apacheでサーバー全体のgzip圧縮を無効にするには、Apacheの設定ファイルを編集する方法が一般的です。特定のディレクトリやリソースではなく、サーバー全体でgzipをオフにする場合に有効です。以下では、具体的な手順を説明します。

Apacheの設定ファイルの場所


Apacheの設定ファイルは、環境によって異なりますが、一般的には以下のパスにあります。

  • CentOS/RHEL: /etc/httpd/conf/httpd.conf
  • Ubuntu/Debian: /etc/apache2/apache2.conf
  • 設定ファイルの追加ディレクトリ: /etc/apache2/conf-enabled/ や /etc/httpd/conf.d/

圧縮設定がモジュールとして管理されている場合は、mod_deflateやmod_gzipが関連します。

gzip圧縮を無効にする手順

  1. Apache設定ファイルを開く
   sudo nano /etc/apache2/apache2.conf


または

   sudo nano /etc/httpd/conf/httpd.conf
  1. mod_deflateの設定を探す
    以下のような記述を見つけます。
   <IfModule mod_deflate.c>
       AddOutputFilterByType DEFLATE text/html text/plain text/xml text/css application/javascript
   </IfModule>
  1. 該当部分をコメントアウトまたは削除
    圧縮を無効にするには、以下のようにコメントアウトします。
   #<IfModule mod_deflate.c>
   #    AddOutputFilterByType DEFLATE text/html text/plain text/xml text/css application/javascript
   #</IfModule>


または、以下の記述で圧縮を完全にオフにできます。

   <IfModule mod_deflate.c>
       SetEnv no-gzip 1
   </IfModule>
  1. 設定を保存してApacheを再起動
    設定を保存し、Apacheを再起動します。
   sudo systemctl restart apache2


または

   sudo systemctl restart httpd

設定の確認方法


以下のコマンドを使用して、gzip圧縮がオフになっているか確認します。

curl -I -H "Accept-Encoding: gzip" http://yourdomain.com


Content-Encoding: gzipが表示されない場合、圧縮は無効になっています。

サーバー全体でgzipをオフにする方法は、管理が簡単ですが、特定のリソースだけ圧縮を無効化したい場合は、次のセクションで説明するディレクトリやファイル単位での設定がおすすめです。

特定のディレクトリやファイルでgzipを無効にする方法

特定のディレクトリやファイルに対してのみgzip圧縮を無効にしたい場合は、Apacheの設定ファイルや.htaccessを使用して、部分的に圧縮をオフにすることができます。これにより、重要なテキストリソースは圧縮しつつ、圧縮済みのメディアファイルや特定のリソースでは無駄な再圧縮を避けることができます。

Apache設定ファイルを使う方法

  1. Apache設定ファイルを開く
   sudo nano /etc/apache2/sites-available/000-default.conf


または

   sudo nano /etc/httpd/conf/httpd.conf
  1. 特定のディレクトリやファイルを指定
    特定のディレクトリやファイルでgzipを無効にするには、以下のように記述します。
   <IfModule mod_deflate.c>
       <Directory "/var/www/html/images">
           SetEnv no-gzip 1
       </Directory>
       <FilesMatch "\.(jpg|jpeg|png|gif|zip|mp4)$">
           SetEnv no-gzip 1
       </FilesMatch>
   </IfModule>
  1. 設定を保存し、Apacheを再起動
   sudo systemctl restart apache2


または

   sudo systemctl restart httpd

.htaccessを使った方法


ディレクトリ単位でgzipを無効にしたい場合、.htaccessファイルを利用する方法が便利です。特定のディレクトリに.htaccessファイルを配置して設定します。

  1. .htaccessファイルを作成または編集
   sudo nano /var/www/html/.htaccess
  1. gzipをオフにする記述を追加
   <IfModule mod_deflate.c>
       <FilesMatch "\.(jpg|jpeg|png|gif|zip|mp4)$">
           SetEnv no-gzip 1
       </FilesMatch>
   </IfModule>
  1. 設定の反映
    Apacheは.htaccessファイルを自動的に読み込むため、サーバーの再起動は不要です。ただし、.htaccessの設定が反映されない場合は、Apacheの設定ファイルでAllowOverrideがAllに設定されているか確認してください。
   <Directory /var/www/html>
       AllowOverride All
   </Directory>

設定が適用されているか確認する方法


以下のコマンドで特定のリソースのgzipが無効化されているかを確認します。

curl -I -H "Accept-Encoding: gzip" http://yourdomain.com/images/example.jpg


Content-Encoding: gzipが表示されていない場合、圧縮が無効になっています。

この方法を使えば、サーバー全体のgzipをオフにする必要はなく、必要なリソースだけに対して柔軟に圧縮の有効・無効をコントロールできます。

.htaccessを使ったgzip圧縮の制御方法

Apacheでは、.htaccessファイルを使ってディレクトリ単位でgzip圧縮の設定を細かく制御できます。これにより、特定のディレクトリやリソースに対して柔軟に圧縮をオン・オフすることが可能です。サーバーの全体設定を変更せずに圧縮をコントロールしたい場合に便利です。

.htaccessファイルの役割


.htaccessは、Apacheのディレクトリ単位の設定ファイルで、個別のディレクトリやサブディレクトリに対してサーバーの挙動を制御します。gzip圧縮だけでなく、リダイレクトやアクセス制限など、さまざまな設定が可能です。

特定のファイルタイプでgzipを無効化する方法

  1. 対象ディレクトリに移動し、.htaccessファイルを作成または編集
   sudo nano /var/www/html/.htaccess
  1. gzipを特定のファイルタイプで無効化する記述を追加
    例えば、画像や圧縮済みファイルに対してgzip圧縮を無効化するには、以下のように記述します。
   <IfModule mod_deflate.c>
       <FilesMatch "\.(jpg|jpeg|png|gif|zip|mp4|mp3)$">
           SetEnv no-gzip 1
       </FilesMatch>
   </IfModule>
  • .jpgや.pngなどの圧縮済み画像ファイルや、動画・音声ファイルを指定しています。
  • 必要に応じて、ファイルタイプを追加・削除できます。
  1. 特定ディレクトリ全体でgzipを無効化する方法
    ディレクトリ内のすべてのファイルに対してgzipを無効化したい場合は、以下のように設定します。
   <IfModule mod_deflate.c>
       SetEnv no-gzip 1
   </IfModule>

特定のファイルでgzipを有効化する方法


一方で、gzipを無効化するファイルタイプが多い場合、特定のファイルだけを圧縮したい場合もあります。その場合は、以下のように特定のファイルタイプのみgzipを適用します。

<IfModule mod_deflate.c>
    AddOutputFilterByType DEFLATE text/html text/plain text/css application/javascript
</IfModule>

設定の確認と適用


.htaccessファイルの変更は即時反映されます。サーバーの再起動は不要ですが、変更が反映されているか確認するには以下のコマンドを実行します。

curl -I -H "Accept-Encoding: gzip" http://yourdomain.com/example.jpg
  • Content-Encoding: gzipが表示されていない場合は、圧縮が無効化されています。

注意点

  • .htaccessの設定が反映されない場合は、Apache設定ファイルでAllowOverrideディレクティブがAllになっているか確認してください。
   <Directory /var/www/html>
       AllowOverride All
   </Directory>
  • サーバーの負荷を軽減するためにも、必要以上に多くのファイルタイプを圧縮しないように注意しましょう。

.htaccessを利用したgzip圧縮の制御は、柔軟性が高く、特定のリソースやディレクトリごとに最適な設定を適用することができます。

gzip圧縮の無効化が反映されているか確認する方法

gzip圧縮の設定を変更した後、正しく反映されているか確認することは重要です。圧縮が意図通りにオフになっているかを検証する方法として、ブラウザのデベロッパーツールやコマンドラインツール（curl）を使用する方法があります。以下では、具体的な確認手順を解説します。

curlコマンドを使った確認方法

  1. 基本的な確認方法
    gzip圧縮が無効化されているかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
   curl -I -H "Accept-Encoding: gzip" http://yourdomain.com/example.jpg
  • -I：ヘッダー情報のみを表示します。
  • -H "Accept-Encoding: gzip"：gzip圧縮が有効であるかをリクエストします。
  1. レスポンスヘッダーの確認
    レスポンスヘッダーに以下のいずれかの状態が返ってきます。
  • gzipが有効な場合
    http Content-Encoding: gzip
  • gzipが無効な場合
    Content-Encoding自体が表示されません。
    http HTTP/1.1 200 OK Content-Type: image/jpeg

ブラウザのデベロッパーツールを使った確認方法

  1. ブラウザでWebページを開く
    Google Chrome、Firefox、Edgeなどのブラウザでgzipが適用されているか確認します。
  2. デベロッパーツールを開く
  • Windows: F12 または Ctrl + Shift + I
  • Mac: Command + Option + I
  1. ネットワークタブで確認
  2. 「Network（ネットワーク）」タブを開きます。
  3. ページをリロードしてリソースの一覧を取得します。
  4. 確認したいリソース（HTML、CSS、JSなど）をクリックします。
  5. 「Headers（ヘッダー）」タブでContent-Encodingを探します。
  6. 結果の確認
  • gzipが有効な場合: Content-Encoding: gzipが表示されます。
  • gzipが無効な場合: Content-Encodingは表示されません。

圧縮率を確認する方法


以下のコマンドで、実際に圧縮の有無をファイルサイズで比較できます。

curl -s -w "%{size_download}\n" -o /dev/null http://yourdomain.com/example.html


gzipが無効になっている場合、ダウンロードサイズが大きくなります。

設定が反映されない場合の対処法

  • .htaccessが正しく反映されているかを確認します。
  • Apache設定ファイルでmod_deflateやmod_gzipが正しく読み込まれているかを確認します。
   apachectl -M | grep deflate


結果にdeflate_moduleが表示されていない場合は、以下のコマンドでモジュールを有効化します。

   sudo a2enmod deflate
   sudo systemctl restart apache2

gzip圧縮が無効化されているかを定期的に確認することで、不要な圧縮を防ぎ、サーバーのリソースを効率的に活用できます。

まとめ


本記事では、Apacheでgzip圧縮を無効化する方法について、全体設定や特定のリソース単位での設定手順を詳しく解説しました。gzip圧縮はWebパフォーマンス向上に役立ちますが、状況によっては無効化することでサーバーリソースの最適化や不要な圧縮処理の回避が可能です。

特に、画像や動画などの圧縮済みファイルに対してgzipを無効にすることで、CPU負荷を軽減し、より効率的なリソース管理が実現できます。Apacheの設定ファイルや.htaccessを活用することで、柔軟に圧縮設定を調整できるため、用途に応じた最適な設定を行いましょう。

最後に、gzip無効化の反映を確認する際には、curlやブラウザのデベロッパーツールを活用することで、設定の確実な適用を検証できます。これにより、サーバーの安定性を確保し、最適なWebサイト運用を実現しましょう。

Apache
パフォーマンス最適化 Apache Webサーバー gzip圧縮

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