Bing検索とCopilotが使えない時の原因と対処法|Windows 10対応

最近、ブラウザのキャッシュやCookieを整理した後にBingへのサインインが外れてしまい、Copilotも巻き込んだ不具合が起きるケースが報告されています。Windows 10ではウイルス対策ソフトやVPN機能が影響する場合もあるため、問題の原因をしっかりと見極めて対処することが大切です。

Bing検索とCopilotが動作しなくなる原因

ブラウザからサインアウトされたり、検索結果が表示されずにエラーが出たり、Copilotがサインインを促すループに陥ったりする原因は複数考えられます。ここでは代表的な原因をいくつか挙げながら解説します。

原因1: ブラウザ設定のリセット

Edgeなどのブラウザで履歴やCookie、キャッシュを削除したりすると、サインイン状態がリセットされることがあります。特にBingに紐づいたMicrosoftアカウントのセッション情報が消去されると、再ログインが必要となるだけでなく、その過程で設定がうまく同期されない場合があります。

原因2: Cookieやキャッシュの影響

キャッシュやCookieが破損したり、古い情報を参照していたりすると、Bingのページへ正しく接続できないことがあります。通信が遮断されたようなエラー表示(「Hmmm… 接続がリセットされました」「bing.com が接続を閉じた」など)が出る場合は、Cookieとキャッシュの整合性を疑うとよいでしょう。

原因3: VPNやセキュリティソフトの干渉

Norton 360などのセキュリティソフトに付属するVPN機能が、特定サイトへの通信をブロックまたは遮断している可能性があります。VPNをオフにすると接続できるが、オンにすると再び接続エラーになる場合は、VPN経由の接続設定に問題があることが多いです。

原因4: Windows側の不整合

Windows 10の検索機能は、ローカルのインデックス情報を参照したり、オンライン検索と連携したりしています。検索設定の一部が壊れたり、インデックスに不備があると、Bing検索やCopilotのようなオンライン機能との連動が正常に働かなくなることがあります。

原因5: アカウントの同期不具合

Microsoftアカウントを使って複数の端末やサービスを連携している場合、アカウント側に不具合が起こると、サインイン情報が正しく同期されないことがあります。特にCopilotのような新しいサービスは、クラウドと連携して学習データを扱うため、アカウント周りの設定が安定していないと動作に影響が出やすいです。

主な対処法

ここからは、実際に行うと効果が期待できる対処法を具体的に紹介します。まずは簡単なものから試していき、状況に応じて段階的に取り組むのがおすすめです。

対処法1: Norton 360のVPN設定確認

Norton 360などのセキュリティソフトを利用している環境では、VPN機能が原因になることがあります。VPNの接続先サーバーがBingやCopilotの通信をブロックしている、または一時的に通信を不安定にしている可能性があります。

設定の手順

  1. Norton 360(あるいは該当のセキュリティソフト)を起動します。
  2. VPN機能のステータスを確認し、オンになっている場合は一度オフに切り替えます。
  3. その状態でEdgeなどのブラウザからBingにアクセスし、問題が解消されるか確認します。
  4. 改善された場合、VPNのサーバー選択を変更し、通信が安定するかどうかをテストします。
  5. VPNを再度オンにしても問題が再発しないようなら、その設定で様子を見ます。

動作確認のポイント

  • VPNをオフにした瞬間に問題が解消されれば、VPN経由の通信が不具合原因である可能性が高いです。
  • VPNを使用する必要がある場合は、サーバーの地域を変える、あるいはセキュアホワイトリストにBingのドメインを登録するなどの対策を検討してください。

対処法2: Windowsの「検索とインデックス作成」のトラブルシューティング

Windows 10の検索機能は、オンライン検索(Bing)との連携部分が破損していると問題を引き起こすことがあります。Microsoft公式が提供するトラブルシューティングツールの一つに、「検索とインデックス作成」があります。

手順

  1. Windowsの「設定」を開き、「更新とセキュリティ」をクリックします。
  2. 左メニューの「トラブルシューティング」(または「その他のトラブルシューティング」)を選びます。
  3. 表示された項目の中から「検索とインデックス作成」を見つけて選択し、「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
  4. 画面の指示に従いながら問題を検出し、自動修正を試みます。
  5. 修正が完了したらEdgeを再起動し、BingやCopilotが正常に動作するか確認します。

実行後の確認事項

  • 通常は自動的に問題が修正されるので、Bingで検索を実行し、エラーが消えたかどうかをチェックします。
  • Copilotについても、サインインのループが解消され、応答が正常に返ってくるようになったかを確認します。
  • トラブルシューティングの結果、何かしらの設定が変更されたり、インデックスが再構築されたりしている可能性があるので、最初の検索結果が表示されるまで多少時間がかかることがあります。

対処法3: EdgeブラウザやCopilotを最新状態に保つ

Microsoft Edgeは頻繁にアップデートが行われており、ブラウザの更新が遅れていると最新のBingサービスとの互換性に問題が出る場合があります。また、Copilotもベータ版的な位置づけで機能が更新されることが多いため、最新バージョンを保つのが大切です。

アップデート方法

  • Edgeブラウザの場合:
  1. ブラウザ右上の「…」(メニュー)をクリック
  2. 「設定」→「Microsoft Edgeについて」を選択
  3. 自動的に更新がチェックされ、最新バージョンがあればインストールされます
  • Copilotアプリの場合:
  1. Microsoft Storeを開き、「ライブラリ」をクリック
  2. 「更新プログラムを入手」ボタンを押す
  3. Copilotがアップデート可能な場合は、自動で更新が実施されます

注意点

  • アップデート後は、一度ブラウザやアプリを完全に閉じてから再起動すると、設定が反映されやすいです。
  • アップデートによって一時的にログアウトされる場合もあるため、再サインインする必要があるかもしれません。

対処法4: Microsoftアカウントからサインアウト・再サインイン

Cookieやキャッシュの削除後にアカウント情報が上手く同期されていない場合は、一度サインアウトしてから再度サインインし直すのも有効です。具体的な流れは以下の通りです。

  1. Edge上で、右上のプロフィールアイコンをクリックし、「サインアウト」を選択する。
  2. その後、Windowsの設定「アカウント」からもMicrosoftアカウントの状態を確認し、一度サインアウトする。
  3. PCを再起動し、改めてMicrosoftアカウントにサインインする。
  4. Edgeを起動し、Bingにアクセスしてサインインを行う。
  5. Copilotを起動し、必要に応じて同じアカウントでログインする。

この一連の手順を踏むことで、アカウント周りの不具合が解消され、BingとCopilot双方のサービスが正常に戻るケースがあります。

対処法5: セキュリティソフトの設定変更・例外設定

Norton 360以外のセキュリティソフトを使用している場合でも、同様に通信が遮断されるリスクはあります。対策としては以下の点をチェックしてください。

  • Bing関連のドメイン(bing.com, www.bing.comなど)やCopilot関連の通信先をセキュリティソフトの例外リストに登録する。
  • ファイアウォール機能が有効になっている場合、特定のポートやプロトコルがブロックされていないかを確認する。
  • リアルタイム保護機能を一時的にオフにして問題が改善するかどうかテストする。

これらを試して症状が改善するならば、セキュリティソフトの保護レベルや例外設定を最適化して常用に耐える状態に調整しましょう。

対処法6: Windowsアップグレードへの影響

近い将来Windows 11へのアップグレードを検討している場合、今回のようなアカウント不具合が引き継がれる可能性があります。アップグレードを実施する前に、以下の点を確認すると安心です。

Windows 11への移行時の注意点

  1. Windows 10上でのアカウント設定や検索設定を一度リセットし、正常動作を確認しておく。
  2. セキュリティソフトなどの他社製アプリケーションがWindows 11に対応済みかどうか事前に調べ、問題があればアップデートする。
  3. Windows 11にアップデート後、再度CopilotやEdgeのバージョンを確認し、最新の状態にする。
  4. アップグレード直後に不具合が出る場合は、アップグレード時の設定引き継ぎに問題がある可能性があるため、一度サインアウトと再サインインを試みる。

トラブルをまとめた一覧表

以下の表では、Bing検索とCopilotが使えない際によくある原因と対処法を簡単にまとめています。自身の環境に近い症状をチェックしてみてください。

症状原因対処法
ブラウザにてBingが表示されず、エラーが出るCookieやキャッシュの不整合、VPNによる通信ブロックCookie削除・VPNオフ、ブラウザ更新、セキュリティ設定を確認
Copilotが「サインインしてください」とループMicrosoftアカウント周りの同期エラー一度サインアウト・再サインイン、アプリのバージョン確認
Windowsの検索機能が動作不良を起こすインデックス設定の破損「検索とインデックス作成」のトラブルシューティングを実行
Norton 360でVPNオンの時のみBing接続エラーVPNサーバーの遮断、あるいはセキュリティルールVPNのオフ・オン切り替えやサーバーの変更、例外登録
Windowsアップグレード後も同様の不具合設定の引き継ぎ不備アップグレード前に不具合を解消、アップグレード後に再ログイン

再発防止のポイント

問題が解消しても、再びブラウザの履歴やキャッシュを一括削除するなどの操作を行うと、また同じ症状が起こる可能性があります。そこで、再発を防止するためのポイントも押さえておきましょう。

  1. 定期的なブラウザ更新とキャッシュクリアのバランス
    キャッシュやCookieをこまめに削除するとセキュリティ面では安心ですが、サインインの状態もリセットされやすくなります。定期的に更新する一方で、重要なセッションはブラウザ終了時に削除しないよう設定するなどの工夫も有効です。
  2. セキュリティソフトの監視対象を把握する
    Norton 360などでは、リスクと判断された通信をブロックする機能があります。誤検知やVPN経由での通信エラーを減らすには、ホワイトリスト(例外設定)への登録や、VPNのサーバー選択を慎重に行うことがポイントです。
  3. Microsoftアカウントの2段階認証などのセキュリティレベルを適切に保つ
    アカウントの安全性を高めるために2段階認証を設定している場合、ブラウザリセット後の再ログインで何度も認証手順を踏む必要があります。煩雑に感じる場合でも、アカウントの保護と利便性のバランスを考えながら設定を行いましょう。
  4. 拡張機能の影響を確認
    Edgeや他のブラウザにインストールしている拡張機能が、検索エンジンの利用やアカウントのサインインに影響を与えることもあります。Adブロッカーやトラッキング防止系の拡張機能がBing関連のスクリプトをブロックしていないか定期的に確認してください。
  5. Windowsのメンテナンスを定期的に行う
    ディスクのクリーンアップやシステムファイルのスキャン(SFC /scannowコマンドなど)を定期的に実行し、Windows自体のエラーをチェックしておくと、思わぬトラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

Bing検索とCopilotが突然使えなくなった原因は、単にブラウザのサインアウトやCookie削除だけでなく、VPNやセキュリティソフト、Windowsのインデックス設定の不備など、多岐にわたる可能性があります。今回紹介した対処法を順番に試すことで、多くのケースは解消されるでしょう。

  • VPNをオフにする: まずはNorton 360などのセキュリティソフトでVPNやファイアウォールの設定を見直す。
  • トラブルシューティング実行: Windowsの「検索とインデックス作成」のトラブルシューティングを行うと、問題が自動的に検出・修正される場合がある。
  • バージョン更新: EdgeやCopilotを最新版に保ち、バグ修正や新機能を常に取り込む。
  • アカウント再サインイン: Microsoftアカウントを一度サインアウトして再度ログインし直すと、同期不具合が解消されることがある。

もしWindows 11へのアップグレードを予定しているならば、あらかじめ設定の不具合を解消しておくことで移行後のトラブルを回避しやすくなります。いずれにしても、BingやCopilotが急に使えなくなった場合は、まずはシンプルな操作(VPN切り替え、再サインインなど)から始め、状況によってWindowsのシステム設定やブラウザの更新を実施してみてください。

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