最新のC#ツールとライブラリを徹底解説!開発効率を劇的に向上

C#の開発において、効率的なツールとライブラリの活用は不可欠です。本記事では、最新のC#ツールとライブラリを詳しく紹介し、それらを使用することでどのように開発効率を劇的に向上させることができるかを解説します。具体的な使用例や応用方法も交え、実践的な情報を提供します。

目次
  1. Visual Studio 2022の新機能
    1. 高速で軽量なエディタ
    2. AIによるコード補完
    3. GitHubとの統合
    4. ホットリロード
    5. 新しいプロジェクトテンプレート
  2. JetBrains Riderの利点
    1. 高速なパフォーマンス
    2. クロスプラットフォーム対応
    3. 高度なコード解析とリファクタリング
    4. 統合されたデバッガとプロファイラ
    5. 豊富なプラグインエcosystem
  3. .NET 6の新機能
    1. 統一されたプラットフォーム
    2. パフォーマンスの向上
    3. Minimal API
    4. マルチプラットフォームUI (MAUI)
    5. コンテナ化のサポート強化
    6. Hot Reload
  4. Roslynの使用方法
    1. コード解析の基本
    2. コード生成の基本
    3. カスタムアナライザーの作成
  5. Entity Framework Coreの利点
    1. クロスプラットフォーム対応
    2. データベースマイグレーション
    3. LINQによるデータクエリ
    4. コネクションプール
    5. スキャフォールディング
    6. インターセプター
  6. SignalRでリアルタイム通信
    1. SignalRの基本概念
    2. SignalRのセットアップ
    3. SignalRのクライアント設定
    4. 接続の管理
    5. スケーラビリティの向上
    6. セキュリティと認証
  7. Xamarinでモバイルアプリ開発
    1. Xamarinの基本概念
    2. Xamarinのセットアップ
    3. Xamarin.FormsによるUI構築
    4. プラットフォーム固有の機能
    5. コードの共有と再利用
  8. BlazorでWebアプリ開発
    1. Blazorの基本概念
    2. Blazorのセットアップ
    3. Razorコンポーネントの作成
    4. データバインディングとイベント処理
    5. 依存性注入とサービスの利用
    6. BlazorサーバーとBlazor WebAssemblyの比較
  9. C#のユニットテストツール
    1. xUnit
    2. NUnit
    3. MSTest
    4. Mockingライブラリ
    5. カバレッジツール
  10. まとめ

Visual Studio 2022の新機能

Visual Studio 2022は、多くの新機能と改良を提供することで、C#開発者にとって非常に強力なツールとなっています。

高速で軽量なエディタ

Visual Studio 2022は、起動速度の向上と軽量化が図られており、大規模なプロジェクトでもスムーズに動作します。これにより、開発の生産性が向上します。

AIによるコード補完

IntelliCodeがさらに進化し、AIがコードを補完する精度が向上しました。頻繁に使用されるコードパターンを学習し、より適切なコード提案を行います。

GitHubとの統合

Visual Studio 2022はGitHubとシームレスに統合されており、リポジトリ管理やプルリクエストの操作がエディタ内で完結します。これにより、コラボレーションが容易になります。

ホットリロード

コードを実行中に変更を即座に反映するホットリロード機能が強化され、デバッグの効率が大幅に向上しました。アプリケーションを再起動せずに変更を確認できるため、開発サイクルが短縮されます。

新しいプロジェクトテンプレート

最新のプロジェクトテンプレートが追加され、C#と.NETの最新機能を活用したプロジェクトを簡単に開始できます。これにより、新しい技術の採用が容易になります。

JetBrains Riderの利点

JetBrains Riderは、クロスプラットフォームで動作する強力なC#統合開発環境(IDE)で、多くの利点を提供します。

高速なパフォーマンス

Riderは、非常に高速なパフォーマンスを誇り、大規模なコードベースでもスムーズに動作します。これにより、開発者は効率的に作業を進めることができます。

クロスプラットフォーム対応

Riderは、Windows、macOS、Linuxの各プラットフォームで利用可能です。これにより、異なる環境で作業するチームでも一貫した開発体験を得ることができます。

高度なコード解析とリファクタリング

Riderには、強力なコード解析とリファクタリングツールが搭載されており、コード品質の向上とメンテナンスの効率化が図れます。リアルタイムでコードの問題点を指摘し、修正提案を行います。

統合されたデバッガとプロファイラ

Riderには、統合されたデバッガとプロファイラが含まれており、アプリケーションのパフォーマンスと動作を詳細に分析できます。これにより、バグの特定と修正が迅速に行えます。

豊富なプラグインエcosystem

Riderは、多数のプラグインに対応しており、開発環境をカスタマイズすることが可能です。これにより、開発者は自身のニーズに合わせた機能拡張が容易に行えます。

.NET 6の新機能

.NET 6は、クロスプラットフォーム開発をさらに強化し、パフォーマンスと生産性の向上を目指した多くの新機能を提供します。

統一されたプラットフォーム

.NET 6は、.NET Core、.NET Framework、Xamarinを統合し、一つの統一されたプラットフォームを提供します。これにより、異なるアプリケーションタイプ間でのコード共有が容易になります。

パフォーマンスの向上

.NET 6は、パフォーマンスの最適化が行われており、特にWebアプリケーションとクラウドサービスでの処理速度が大幅に向上しています。これにより、高速なレスポンスが求められるアプリケーションで優れた性能を発揮します。

Minimal API

Minimal APIは、シンプルで軽量なWeb APIの開発を可能にする新しいプログラミングモデルです。少ないコードで効率的にAPIを構築できるため、小規模なサービスやマイクロサービスに最適です。

マルチプラットフォームUI (MAUI)

MAUI (Multi-platform App UI)は、単一のコードベースからWindows、macOS、iOS、Android向けのネイティブアプリケーションを構築できるフレームワークです。これにより、クロスプラットフォーム開発の手間を大幅に削減します。

コンテナ化のサポート強化

.NET 6は、コンテナ化のサポートが強化されており、Dockerを使用したアプリケーションのデプロイがさらに簡単になりました。これにより、クラウド環境でのスケーラビリティと可搬性が向上します。

Hot Reload

.NET 6は、Hot Reload機能が強化され、コードの変更をアプリケーションの再起動なしに即座に反映できるようになりました。これにより、開発サイクルが短縮され、生産性が向上します。

Roslynの使用方法

Roslynは、C#およびVisual Basicのオープンソースコンパイラプラットフォームで、コード分析やコード生成のための強力なツールを提供します。

コード解析の基本

Roslynを使用すると、C#コードの解析が容易に行えます。コード構造を解析し、特定のパターンや問題を検出するために使用できます。たとえば、次のコードはRoslynを使用してメソッド呼び出しを解析する方法を示します。

using Microsoft.CodeAnalysis.CSharp;
using Microsoft.CodeAnalysis.CSharp.Syntax;

var tree = CSharpSyntaxTree.ParseText(@"
public class Sample
{
    public void Test()
    {
        Console.WriteLine(""Hello, World!"");
    }
}");
var root = tree.GetRoot();
var methodCalls = root.DescendantNodes().OfType<InvocationExpressionSyntax>();

foreach (var methodCall in methodCalls)
{
    Console.WriteLine(methodCall);
}

コード生成の基本

Roslynは、コードの生成にも使用できます。たとえば、新しいクラスやメソッドをプログラム的に作成することが可能です。次のコードは、新しいクラスを生成する例です。

using Microsoft.CodeAnalysis;
using Microsoft.CodeAnalysis.CSharp;

var classDeclaration = SyntaxFactory.ClassDeclaration("GeneratedClass")
    .AddModifiers(SyntaxFactory.Token(SyntaxKind.PublicKeyword))
    .AddMembers(
        SyntaxFactory.MethodDeclaration(SyntaxFactory.ParseTypeName("void"), "GeneratedMethod")
            .AddModifiers(SyntaxFactory.Token(SyntaxKind.PublicKeyword))
            .WithBody(SyntaxFactory.Block())
    );

var namespaceDeclaration = SyntaxFactory.NamespaceDeclaration(SyntaxFactory.ParseName("GeneratedNamespace"))
    .AddMembers(classDeclaration);

var compilationUnit = SyntaxFactory.CompilationUnit()
    .AddUsings(SyntaxFactory.UsingDirective(SyntaxFactory.ParseName("System")))
    .AddMembers(namespaceDeclaration);

Console.WriteLine(compilationUnit.NormalizeWhitespace().ToFullString());

カスタムアナライザーの作成

Roslynを使用してカスタムコードアナライザーを作成し、特定のコーディング規約やパターンを強制することができます。これにより、プロジェクト全体のコード品質を一貫して保つことができます。

[DiagnosticAnalyzer(LanguageNames.CSharp)]
public class SampleAnalyzer : DiagnosticAnalyzer
{
    private static readonly DiagnosticDescriptor Rule = new DiagnosticDescriptor(
        "SampleAnalyzer",
        "Title",
        "Message",
        "Category",
        DiagnosticSeverity.Warning,
        isEnabledByDefault: true);

    public override ImmutableArray<DiagnosticDescriptor> SupportedDiagnostics => ImmutableArray.Create(Rule);

    public override void Initialize(AnalysisContext context)
    {
        context.RegisterSyntaxNodeAction(AnalyzeSyntax, SyntaxKind.MethodDeclaration);
    }

    private static void AnalyzeSyntax(SyntaxNodeAnalysisContext context)
    {
        var methodDeclaration = (MethodDeclarationSyntax)context.Node;
        if (methodDeclaration.Identifier.Text.StartsWith("Get"))
        {
            var diagnostic = Diagnostic.Create(Rule, methodDeclaration.GetLocation(), methodDeclaration.Identifier.Text);
            context.ReportDiagnostic(diagnostic);
        }
    }
}

これらの例を通じて、Roslynを活用したコード解析および生成の基礎を理解し、実際のプロジェクトでの応用方法を学ぶことができます。

Entity Framework Coreの利点

Entity Framework Core(EF Core)は、オープンソースのオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)フレームワークであり、C#アプリケーションのデータベースアクセスを効率化します。

クロスプラットフォーム対応

EF Coreは、Windows、macOS、Linuxの各プラットフォームで動作するため、さまざまな開発環境で利用可能です。これにより、開発者は特定のOSに依存せずにデータベースアクセスを実装できます。

データベースマイグレーション

EF Coreは、データベーススキーマのバージョン管理と移行を容易にするマイグレーション機能を提供します。これにより、データベースの変更をコードベースに統合し、一貫性のあるデータベース更新が可能です。

// パッケージマネージャーコンソールでマイグレーションを追加
Add-Migration InitialCreate
// データベースを更新
Update-Database

LINQによるデータクエリ

EF Coreは、Language Integrated Query(LINQ)を使用してデータベースクエリを実行できます。LINQを使用することで、C#のコード内で直感的にデータ操作が行えます。

using (var context = new ApplicationDbContext())
{
    var customers = context.Customers
        .Where(c => c.City == "Seattle")
        .ToList();
}

コネクションプール

EF Coreは、データベース接続の効率化のためにコネクションプールをサポートしています。これにより、データベース接続の再利用が可能になり、パフォーマンスが向上します。

スキャフォールディング

既存のデータベースからモデルクラスを自動生成するスキャフォールディング機能を持ちます。これにより、既存データベースを迅速に利用したアプリケーション開発が可能です。

# パッケージマネージャーコンソールでスキャフォールディング
Scaffold-DbContext "Server=localhost;Database=TestDb;Trusted_Connection=True;" Microsoft.EntityFrameworkCore.SqlServer -OutputDir Models

インターセプター

EF Coreは、クエリやコマンドのインターセプションを可能にするインターセプター機能を提供します。これにより、実行時のデータベース操作をカスタマイズし、ログ記録やセキュリティ対策を行うことができます。

EF Coreを活用することで、データベース操作が簡素化され、開発効率が大幅に向上します。さまざまな機能を駆使して、柔軟で効率的なデータアクセスを実現しましょう。

SignalRでリアルタイム通信

SignalRは、ASP.NETをベースとしたリアルタイム通信フレームワークで、Webアプリケーションに双方向のリアルタイム機能を簡単に追加することができます。

SignalRの基本概念

SignalRは、クライアントとサーバー間でリアルタイム通信を行うための抽象化を提供します。サーバーからクライアントにメッセージをプッシュすることが可能です。これにより、チャットアプリケーションやライブフィードのような機能を簡単に実装できます。

SignalRのセットアップ

SignalRをプロジェクトに追加するには、まずNuGetパッケージをインストールします。

dotnet add package Microsoft.AspNetCore.SignalR

次に、SignalRハブを作成し、クライアントとサーバー間の通信ロジックを定義します。

public class ChatHub : Hub
{
    public async Task SendMessage(string user, string message)
    {
        await Clients.All.SendAsync("ReceiveMessage", user, message);
    }
}

SignalRのクライアント設定

クライアント側では、JavaScriptを使用してSignalRと接続し、メッセージを送受信します。

<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/microsoft-signalr/5.0.9/signalr.min.js"></script>
<script>
    const connection = new signalR.HubConnectionBuilder()
        .withUrl("/chathub")
        .build();

    connection.on("ReceiveMessage", (user, message) => {
        const msg = document.createElement("div");
        msg.textContent = `${user}: ${message}`;
        document.getElementById("messages").appendChild(msg);
    });

    connection.start().catch(err => console.error(err.toString()));

    document.getElementById("sendButton").addEventListener("click", () => {
        const user = document.getElementById("userInput").value;
        const message = document.getElementById("messageInput").value;
        connection.invoke("SendMessage", user, message).catch(err => console.error(err.toString()));
    });
</script>

接続の管理

SignalRは、接続の管理を自動で行います。クライアントの接続状態が変わった場合には、再接続を試みるなどの処理を自動で行います。

スケーラビリティの向上

SignalRは、スケールアウトをサポートしており、RedisやAzure SignalR Serviceなどを使用して、複数のサーバー間で接続を共有できます。これにより、負荷の高いシナリオでも安定したリアルタイム通信を実現します。

セキュリティと認証

SignalRは、既存のASP.NET Core認証機能と統合することで、安全な通信を実現します。ユーザー認証とアクセス制御を設定することで、信頼性の高いリアルタイムアプリケーションを構築できます。

SignalRを利用することで、Webアプリケーションに双方向のリアルタイム機能を簡単に追加でき、ユーザー体験を向上させることが可能です。

Xamarinでモバイルアプリ開発

Xamarinは、C#を使用してクロスプラットフォームのモバイルアプリケーションを開発するためのフレームワークです。Xamarinを使用すると、iOSおよびAndroidアプリを単一のコードベースから構築できます。

Xamarinの基本概念

Xamarinは、ネイティブUI、ネイティブAPIアクセス、およびネイティブパフォーマンスを提供し、ユーザー体験を損なうことなく、クロスプラットフォームの開発を可能にします。これにより、コードの再利用性が高まり、開発効率が向上します。

Xamarinのセットアップ

Xamarinを使用するには、Visual Studioをインストールし、Xamarinモバイル開発ワークロードを追加します。次に、新しいXamarinプロジェクトを作成し、iOSとAndroidの両方のターゲットを設定します。

Xamarin.FormsによるUI構築

Xamarin.Formsは、共通のUIコードを使用して、iOSおよびAndroidアプリケーションを構築するためのツールキットです。XAMLを使用してUIを定義し、C#コードでビジネスロジックを実装します。

<ContentPage xmlns="http://xamarin.com/schemas/2014/forms"
             xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2009/xaml"
             x:Class="SampleApp.MainPage">
    <StackLayout>
        <Label Text="Welcome to Xamarin.Forms!"
               VerticalOptions="CenterAndExpand" 
               HorizontalOptions="CenterAndExpand" />
        <Button Text="Click Me" 
                Clicked="OnButtonClicked"/>
    </StackLayout>
</ContentPage>
public partial class MainPage : ContentPage
{
    public MainPage()
    {
        InitializeComponent();
    }

    private void OnButtonClicked(object sender, EventArgs e)
    {
        DisplayAlert("Alert", "Button clicked!", "OK");
    }
}

プラットフォーム固有の機能

Xamarinでは、プラットフォーム固有の機能やAPIにアクセスするために、DependencyServiceやCustom Renderersを使用します。これにより、ネイティブの機能を利用したアプリケーションを構築できます。

DependencyServiceの例

public interface IPlatformSpecific
{
    string GetPlatformName();
}

public class AndroidPlatform : IPlatformSpecific
{
    public string GetPlatformName()
    {
        return "Android";
    }
}

public class iOSPlatform : IPlatformSpecific
{
    public string GetPlatformName()
    {
        return "iOS";
    }
}

Custom Renderersの例

// Xamarin.Forms Control
public class MyEntry : Entry { }

// Android Renderer

[assembly: ExportRenderer(typeof(MyEntry), typeof(MyEntryRenderer))]

namespace SampleApp.Droid { public class MyEntryRenderer : EntryRenderer { public MyEntryRenderer(Context context) : base(context) { } protected override void OnElementChanged(ElementChangedEventArgs<Entry> e) { base.OnElementChanged(e); if (Control != null) { Control.SetBackgroundColor(Android.Graphics.Color.LightGreen); } } } } // iOS Renderer

[assembly: ExportRenderer(typeof(MyEntry), typeof(MyEntryRenderer))]

namespace SampleApp.iOS { public class MyEntryRenderer : EntryRenderer { protected override void OnElementChanged(ElementChangedEventArgs<Entry> e) { base.OnElementChanged(e); if (Control != null) { Control.BackgroundColor = UIKit.UIColor.LightGreen; } } } }

コードの共有と再利用

Xamarinは、PCL(Portable Class Library)や.NET Standardライブラリを使用して、コードの共有と再利用を促進します。これにより、複数のプラットフォーム間で共通のビジネスロジックを一元管理できます。

Xamarinを活用することで、開発者は効率的に高品質なモバイルアプリケーションを構築し、ユーザーに優れた体験を提供することが可能です。

BlazorでWebアプリ開発

Blazorは、C#を使用してインタラクティブなWebアプリケーションを構築するためのフレームワークです。Blazorを利用することで、JavaScriptを使わずにC#でクライアントサイドのWeb開発が可能となります。

Blazorの基本概念

Blazorは、WebAssemblyを利用したクライアントサイドと、ASP.NET Coreをベースとしたサーバーサイドの両方のモデルを提供します。これにより、開発者はC#とRazorを使用してリッチなWebアプリケーションを作成できます。

Blazorのセットアップ

Blazorプロジェクトを作成するには、Visual Studioを使用します。新しいBlazor WebAssemblyアプリケーションを作成し、必要な依存関係を追加します。

dotnet new blazorwasm -o BlazorApp
cd BlazorApp
dotnet run

Razorコンポーネントの作成

Blazorでは、UIコンポーネントをRazorファイル(.razor拡張子)として定義します。コンポーネントは、再利用可能なUI要素で、HTMLとC#コードを組み合わせて記述します。

@page "/counter"

<h3>Counter</h3>

<p>Current count: @currentCount</p>

<button class="btn btn-primary" @onclick="IncrementCount">Click me</button>

@code {
    private int currentCount = 0;

    private void IncrementCount()
    {
        currentCount++;
    }
}

データバインディングとイベント処理

Blazorは、双方向データバインディングとイベント処理をサポートしています。これにより、ユーザー入力に応じて動的にUIを更新することができます。

データバインディングの例

<input @bind="name" placeholder="Enter your name" />
<p>Hello, @name!</p>

@code {
    private string name;
}

イベント処理の例

<button @onclick="ShowAlert">Show Alert</button>

@code {
    private void ShowAlert()
    {
        Console.WriteLine("Button clicked!");
    }
}

依存性注入とサービスの利用

Blazorは、依存性注入(DI)をサポートしており、サービスをコンポーネントに簡単に注入できます。これにより、コードの再利用性とテストの容易性が向上します。

public class DataService
{
    public string GetData() => "Hello from DataService";
}
@inject DataService dataService

<p>@dataService.GetData()</p>

BlazorサーバーとBlazor WebAssemblyの比較

Blazorには、BlazorサーバーとBlazor WebAssemblyの2つのホスティングモデルがあります。Blazorサーバーはサーバー上で実行され、Blazor WebAssemblyはブラウザ上で実行されます。それぞれのメリットとデメリットを理解し、プロジェクトの要件に応じて適切なモデルを選択します。

Blazorサーバーの利点

  • クライアントの初期読み込みが高速
  • サーバー側での処理なので、クライアントのリソース消費が少ない

Blazor WebAssemblyの利点

  • オフラインでの実行が可能
  • クライアント側での実行なので、サーバー負荷が軽減

Blazorを使用することで、C#でフルスタックのWebアプリケーションを構築し、効率的に開発を進めることができます。これにより、JavaScriptの依存を減らし、既存のC#スキルを最大限に活用することが可能です。

C#のユニットテストツール

C#のユニットテストツールは、コードの品質を保証し、バグを早期に発見するために不可欠です。ここでは、代表的なユニットテストフレームワークとその使用方法を紹介します。

xUnit

xUnitは、.NET用のユニットテストフレームワークであり、シンプルで直感的なAPIを提供します。Visual Studioとの統合が良好で、テストの実行や結果の確認が容易です。

using Xunit;

public class CalculatorTests
{
    [Fact]
    public void Add_ReturnsCorrectSum()
    {
        var calculator = new Calculator();
        var result = calculator.Add(2, 3);
        Assert.Equal(5, result);
    }
}

NUnit

NUnitは、柔軟で強力な機能を持つユニットテストフレームワークです。多くの属性やアサーションを提供し、複雑なテストケースにも対応できます。

using NUnit.Framework;

[TestFixture]
public class CalculatorTests
{
    [Test]
    public void Add_ReturnsCorrectSum()
    {
        var calculator = new Calculator();
        var result = calculator.Add(2, 3);
        Assert.AreEqual(5, result);
    }
}

MSTest

MSTestは、Microsoftが提供するユニットテストフレームワークであり、Visual Studioに組み込まれています。Microsoftエコシステムに統合されており、Azure DevOpsなどのCI/CDパイプラインとの相性が良いです。

using Microsoft.VisualStudio.TestTools.UnitTesting;

[TestClass]
public class CalculatorTests
{
    [TestMethod]
    public void Add_ReturnsCorrectSum()
    {
        var calculator = new Calculator();
        var result = calculator.Add(2, 3);
        Assert.AreEqual(5, result);
    }
}

Mockingライブラリ

ユニットテストでは、依存関係をモックすることが重要です。Moqは、.NET用の人気のMockingフレームワークであり、依存関係のシミュレーションを簡単に行えます。

using Moq;
using Xunit;

public class CalculatorServiceTests
{
    [Fact]
    public void Add_CallsLogger()
    {
        var loggerMock = new Mock<ILogger>();
        var calculatorService = new CalculatorService(loggerMock.Object);

        calculatorService.Add(2, 3);

        loggerMock.Verify(logger => logger.Log(It.IsAny<string>()), Times.Once);
    }
}

カバレッジツール

カバレッジツールは、コードのテストカバレッジを測定し、テストが十分に行われているかを確認するのに役立ちます。Coverletは、オープンソースのコードカバレッジツールで、xUnitやNUnitと組み合わせて使用できます。

dotnet add package coverlet.msbuild
dotnet test /p:CollectCoverage=true

C#のユニットテストツールを活用することで、コードの品質を高め、バグの早期発見と修正を効率的に行えます。これにより、信頼性の高いアプリケーションを構築することが可能になります。

まとめ

最新のC#ツールとライブラリを活用することで、開発効率が大幅に向上します。Visual Studio 2022やJetBrains Riderなどの強力なIDE、.NET 6の新機能、Roslynを使用したコード解析と生成、Entity Framework Coreによるデータベース操作の効率化、SignalRでのリアルタイム通信、Xamarinによるクロスプラットフォームモバイルアプリ開発、Blazorを使用したWebアプリケーション開発、そして信頼性の高いユニットテストツールの使用方法を紹介しました。これらのツールとライブラリを効果的に組み合わせることで、より高品質なソフトウェア開発が実現できます。

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  1. Visual Studio 2022の新機能
    1. 高速で軽量なエディタ
    2. AIによるコード補完
    3. GitHubとの統合
    4. ホットリロード
    5. 新しいプロジェクトテンプレート
  2. JetBrains Riderの利点
    1. 高速なパフォーマンス
    2. クロスプラットフォーム対応
    3. 高度なコード解析とリファクタリング
    4. 統合されたデバッガとプロファイラ
    5. 豊富なプラグインエcosystem
  3. .NET 6の新機能
    1. 統一されたプラットフォーム
    2. パフォーマンスの向上
    3. Minimal API
    4. マルチプラットフォームUI (MAUI)
    5. コンテナ化のサポート強化
    6. Hot Reload
  4. Roslynの使用方法
    1. コード解析の基本
    2. コード生成の基本
    3. カスタムアナライザーの作成
  5. Entity Framework Coreの利点
    1. クロスプラットフォーム対応
    2. データベースマイグレーション
    3. LINQによるデータクエリ
    4. コネクションプール
    5. スキャフォールディング
    6. インターセプター
  6. SignalRでリアルタイム通信
    1. SignalRの基本概念
    2. SignalRのセットアップ
    3. SignalRのクライアント設定
    4. 接続の管理
    5. スケーラビリティの向上
    6. セキュリティと認証
  7. Xamarinでモバイルアプリ開発
    1. Xamarinの基本概念
    2. Xamarinのセットアップ
    3. Xamarin.FormsによるUI構築
    4. プラットフォーム固有の機能
    5. コードの共有と再利用
  8. BlazorでWebアプリ開発
    1. Blazorの基本概念
    2. Blazorのセットアップ
    3. Razorコンポーネントの作成
    4. データバインディングとイベント処理
    5. 依存性注入とサービスの利用
    6. BlazorサーバーとBlazor WebAssemblyの比較
  9. C#のユニットテストツール
    1. xUnit
    2. NUnit
    3. MSTest
    4. Mockingライブラリ
    5. カバレッジツール
  10. まとめ