Windowsのコマンドプロンプトで使用できるdiskpartは、強力なディスク管理ツールです。これを使うことで、ディスクのパーティション作成や削除、フォーマットなどが簡単に行えます。本記事では、初心者でもわかりやすいように、diskpartの基本的な使い方から応用までを解説します。
diskpartコマンドの基本
diskpartはWindowsに組み込まれているコマンドラインベースのディスク管理ツールです。GUIベースの「ディスクの管理」ツールとは異なり、diskpartを使用すると、より詳細で柔軟なディスク操作が可能です。以下に、diskpartの基本コマンドを紹介します。
diskpartの起動
コマンドプロンプトを管理者権限で開き、次のコマンドを入力してdiskpartを起動します。
diskpart
ヘルプの表示
diskpart内で使用できるコマンド一覧や、それぞれのコマンドの詳細を表示するには、次のコマンドを入力します。
help
または、特定のコマンドについての詳細情報を知りたい場合は、以下のように入力します。
help コマンド名
ディスクの選択と情報確認
diskpartを使用してディスクの操作を行う前に、対象となるディスクを選択し、その情報を確認することが重要です。以下に、その手順を解説します。
ディスクの一覧表示
まず、現在システムに接続されているディスクの一覧を表示するには、次のコマンドを入力します。
list disk
これにより、ディスク番号、サイズ、空き容量、状態などの情報が表示されます。
ディスクの選択
操作対象のディスクを選択するには、表示されたディスク番号を基に次のコマンドを入力します。
select disk <ディスク番号>
例えば、ディスク0を選択する場合は以下のように入力します。
select disk 0
選択したディスクの情報確認
選択したディスクの詳細情報を確認するには、次のコマンドを入力します。
detail disk
これにより、ディスクの属性、パーティションの情報、使用されているボリュームなどが表示されます。
パーティションの作成
新しいパーティションを作成する手順を以下に説明します。diskpartを使用すると、ディスク上に新しいパーティションを簡単に作成できます。
空き領域の確認
まず、ディスク上の空き領域を確認するために次のコマンドを入力します。
list partition
これにより、現在のパーティションの一覧とそれぞれのサイズが表示されます。
パーティションの作成
次に、空き領域を利用して新しいパーティションを作成します。基本パーティションを作成する場合は次のコマンドを入力します。
create partition primary size=<サイズ>
例えば、10000MBのサイズでパーティションを作成する場合は以下のように入力します。
create partition primary size=10000
サイズを指定しない場合、ディスクの全ての空き領域が使用されます。
作成したパーティションの選択
新しく作成したパーティションを選択するには、次のコマンドを入力します。
select partition <パーティション番号>
パーティションのアクティブ化(オプション)
作成したパーティションをアクティブにする場合は、次のコマンドを入力します。
active
アクティブ化することで、そのパーティションからのブートが可能になります。
パーティションの削除
不要になったパーティションを削除する手順を以下に説明します。diskpartを使用すると、ディスク上のパーティションを安全に削除できます。
パーティションの一覧表示
まず、現在のディスク上のパーティションの一覧を表示するには、次のコマンドを入力します。
list partition
これにより、ディスク上のすべてのパーティションが表示されます。
削除するパーティションの選択
削除するパーティションを選択するには、一覧で確認したパーティション番号を基に次のコマンドを入力します。
select partition <パーティション番号>
例えば、パーティション2を選択する場合は以下のように入力します。
select partition 2
パーティションの削除
選択したパーティションを削除するには、次のコマンドを入力します。
delete partition
これで指定したパーティションが削除されます。なお、システムパーティションや重要なデータが含まれるパーティションを削除する場合は、データのバックアップを取っておくことをお勧めします。
パーティションのフォーマット
新しく作成したパーティションや再利用するパーティションを使用可能にするためには、フォーマットが必要です。以下に、パーティションのフォーマット手順を説明します。
フォーマットするパーティションの選択
まず、フォーマットするパーティションを選択するには、次のコマンドを入力します。
select partition <パーティション番号>
例えば、パーティション1を選択する場合は以下のように入力します。
select partition 1
パーティションのフォーマット
選択したパーティションをフォーマットするには、次のコマンドを入力します。
format fs=<ファイルシステム> label="<ラベル>" quick
例えば、NTFSファイルシステムで「データ」というラベルを付けてフォーマットする場合は以下のように入力します。
format fs=ntfs label="データ" quick
quick
オプションを付けることで、クイックフォーマットが行われます。完全なフォーマットを行いたい場合は、quick
を省略します。
フォーマットの完了確認
フォーマットが完了すると、コマンドプロンプトに完了メッセージが表示されます。これで、パーティションが使用可能になり、ファイルを保存することができます。
ボリュームのサイズ変更
既存のパーティション(ボリューム)のサイズを変更する手順を以下に説明します。diskpartを使うことで、パーティションを拡張したり縮小したりすることが可能です。
パーティションの選択
まず、サイズを変更したいパーティションを選択するには、次のコマンドを入力します。
select volume <ボリューム番号>
例えば、ボリューム2を選択する場合は以下のように入力します。
select volume 2
パーティションの拡張
選択したボリュームを拡張するには、次のコマンドを入力します。
extend size=<サイズ>
例えば、10000MB分拡張する場合は以下のように入力します。
extend size=10000
size
オプションを省略すると、利用可能なすべての空き領域を使用してボリュームが拡張されます。
パーティションの縮小
選択したボリュームを縮小するには、次のコマンドを入力します。
shrink desired=<サイズ>
例えば、5000MB分縮小する場合は以下のように入力します。
shrink desired=5000
サイズ変更の完了確認
サイズ変更が完了すると、コマンドプロンプトに完了メッセージが表示されます。これで、パーティションのサイズ変更が完了し、新しいサイズが適用されます。
まとめ
diskpartコマンドを使えば、Windowsのコマンドプロンプト上で詳細なディスク管理が可能です。本記事では、diskpartの基本的な使用方法から、ディスクの選択、パーティションの作成、削除、フォーマット、サイズ変更までを解説しました。これらの手順を正しく理解し実行することで、ディスク管理の効率が大幅に向上します。何か問題が発生した場合は、データのバックアップを取った上で慎重に操作を行うことをお勧めします。
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