Mac版のWordに新たに導入されたCopilotは、文章校正やアイデア提案などをAIが補助してくれる便利な機能ですが、時にはオフにしたい状況もありますよね。ところが、いざ設定画面を開いてみると該当項目が見つからなかったり、公式ドキュメントと操作が異なったりして、思うように無効化できないという声も多く聞かれます。本記事では、Mac版WordでCopilotをオフにするためのさまざまな方法や注意点を、できるだけ分かりやすく解説していきます。
CopilotをMacでオフにするメリットと背景
Copilotは高度なAI技術を用いた文章作成支援ツールです。自動提案や校正を行ってくれるため、作業効率が上がるメリットもあります。しかし、以下のような理由からオフにしたいケースもあるでしょう。
- 動作が重いと感じる
Copilotが裏で常時稼働していると、Word全体の動作が遅くなる場合があります。特にスペックの低いMacやメモリを多用している環境では、パフォーマンス低下を感じるかもしれません。 - 文章スタイルを保ちたい
AIの提案が多岐に渡り、使用中の書式や表現スタイルを崩してしまう可能性があります。自分の文体を重視したい人には、AI提案が邪魔になることもあります。 - ライセンス上の問題
Microsoft 365のプランによっては、Copilot機能がデフォルトでONになっている一方で、設定画面から切り替えができないことがあります。サブスクリプション種別やバージョンにより挙動が異なる点は要注意です。
こうした背景を踏まえて、以下では具体的にオフにするための方法を解説します。
ポイント:設定が見つからない場合の対処
多くの方が「Wordの環境設定にCopilotの項目が見当たらない」という問題に直面しています。その場合は、バージョンの更新やライセンスの確認をまず行いましょう。Copilotに関する設定が表示されるかどうかは、バージョンとサブスクリプションの組み合わせ次第です。
方法1:Wordを最新バージョン(16.93以降)にアップデート
Copilotのオン/オフができるオプションは、ある程度新しいバージョン(16.93以降)で実装され始めました。以下の手順でWordをアップデートしてみてください。
- Microsoft AutoUpdateの起動
- Wordを開いた状態で、上部メニューから「Help(ヘルプ)」または「Word」メニューを探し、「Check for Updates(更新プログラムの確認)」を選択します。
- Mac用のOfficeが自動更新になっている場合でも、一度手動チェックを行うと最新バージョンが出てくることがあります。
- Officeスイート全体を最新に
- Word単体だけでなく、ExcelやPowerPointなどの他のアプリも含め、同じバージョンに統一されることが多いです。必要に応じてパッケージとして更新してください。
- Wordの再起動とMacの再起動
- アップデート後はWordを再起動し、さらに必要であればMacを再起動してシステムキャッシュをクリアすると、設定メニューが正しく表示される可能性が高まります。
- Copilot設定の確認
- Wordを起動し「Word > Preferences(環境設定)」を開きます。
- 「Authoring and Proofing Tools(作成と校正ツール)」の項目の中にCopilotが追加されているか確認します。
- Enable Copilot(Copilotを有効にする)のチェックを外すことでオフにできるか確認してください。
バージョンと機能対応表
以下の表は、WordのバージョンとCopilot設定の有無をまとめたイメージ例です。実際の情報はMicrosoft公式ドキュメントが随時更新されていますので、あくまで目安としてご覧ください。
バージョン | Copilot設定の表示例 | 備考 |
---|---|---|
16.70 ~ 16.92 | 表示されない場合が多い | Copilotが試験運用段階で、一部ユーザーには表示なし |
16.93 ~ 16.99 | 「Authoring and Proofing Tools」にCopilotが追加される | オプトアウト可能 |
17.0 以降(仮) | 新機能の追加がさらに進む可能性 | UIの変更などで設定の場所が変わる場合あり |
方法2:ライセンスの種類を確認し、別プランへ切り替え
Microsoft 365にはPersonal/Family/Businessなど、複数のプランがあります。さらに、Copilotを含むプランと含まないプランが今後展開される可能性があります。もし設定画面からオフにできない場合は、以下のような観点もチェックしてみましょう。
- Personal/Familyでもタイミング差あり
- 個人向けのPersonalプランやファミリープランでも、Copilotが適用されるかは地域やリリース段階によって異なるようです。
- Microsoft公式のアップデート情報やコミュニティで、現時点での対応状況を確認してみてください。
- Classicプランへの移行
- Copilotなどの新機能が含まれない、いわゆる「Classic」版のプランがあるとの報告もあります。
- 特に業務で安定したバージョンを使いたい企業向けに、「新機能が常時入るアプリケーション」と「安定版アプリケーション」の2系統を用意している場合があります。
- Microsoft 365 Admin Center(管理センター)からプランを確認するか、サポートに問い合わせると切り替えができるかもしれません。
- 追加料金の有無を問い合わせる
- すでに個人用プランに料金を支払っている場合でも、Classic版への移行に追加料金がかかるかはケースバイケースです。
- Microsoftサポートに直接問い合わせて、「Copilotなし」で使いたいという意向を伝えると、具体的なオプションを案内してくれるでしょう。
方法3:過去バージョンへロールバック(Office for Mac)
どうしてもCopilotが無効にできない、あるいは設定画面の項目自体が見つからないという場合には、過去バージョンのOfficeをインストールし直す方法があります。以下に大まかな手順を示しますが、セキュリティリスクや安定性の問題もあるため慎重に行いましょう。
- 現在のOfficeのアンインストール
- まず、MacからOfficeスイートを削除します。アプリケーションフォルダのWord、Excel、PowerPointなどをゴミ箱に移動し、ライブラリフォルダに残っている関連ファイルも削除してください。
- Microsoftが公式に提供しているアンインストールガイドを参照すると確実です。
- 過去バージョンのOfficeインストーラーを入手
- Microsoftの公式サイト(Microsoft Learnなど)には、過去のOffice for Macのリリースノートやダウンロードリンクが掲載されている場合があります。
- 目的のバージョン(Copilotがまだ導入されていなかった時期)を特定し、そのインストーラーをダウンロードします。
- インストール時の注意点
- 旧バージョンをインストールしても、自動アップデートを有効にしているとすぐに新バージョンへ更新される可能性があります。
- インストール後は「Microsoft AutoUpdate」の設定を開き、自動更新をオフにすることをおすすめします。
- ライセンス認証の確認
- 過去バージョンでもMicrosoft 365の認証が必要になる場合があります。サブスクリプション契約の状態によってはライセンス認証が通らないこともあるため、予めライセンス情報を把握しておきましょう。
MacでOfficeをアンインストールするコマンド例
以下のようなコマンドで、特定のOfficeアプリを一括削除できる場合があります。あくまでも参考例であり、実行には注意が必要です。
#!/bin/bash
# Word削除
sudo rm -rf /Applications/Microsoft\ Word.app
# Excel削除
sudo rm -rf /Applications/Microsoft\ Excel.app
# PowerPoint削除
sudo rm -rf /Applications/Microsoft\ PowerPoint.app
# その他のOffice関連ファイル削除(存在場所は環境による)
sudo rm -rf ~/Library/Containers/com.microsoft.Word
sudo rm -rf ~/Library/Containers/com.microsoft.Excel
sudo rm -rf ~/Library/Containers/com.microsoft.Powerpoint
echo "Office関連ファイルの削除が完了しました。"
上記のスクリプトは必要に応じて修正し、自分の環境に合わせて利用してください。実行後、Macを再起動してから再インストールを行いましょう。
方法4:Microsoftの今後のアップデートを待つ
Copilotの制御機能は、Mac版でも段階的に拡充されているといわれています。実際、一部ユーザーからは「数日前までは設定項目がなかったのに、急に現れた」という声も上がっています。リリースロールアウトが地域ごと、またはアカウントごとに行われる可能性が高いです。
- 段階的リリース
Microsoftは新機能を全ユーザーに同時リリースするよりも、段階的に少しずつ適用範囲を広げることが多いです。特にAI機能に関してはサービスの負荷や品質を確認しながら展開を行います。 - 頻繁なバージョン更新
Office for MacはWindows版に比べて更新頻度が高い傾向があるため、数週間おきに新しいバージョンがリリースされています。少し待てば、オン/オフ切り替えが容易になるアップデートが届くかもしれません。 - フィードバックの重要性
Microsoftはユーザーからのフィードバックを参考に機能を改良すると公言しています。もしCopilotのオフ機能が見当たらない、機能が不十分などの不満がある場合は、Microsoftのフィードバックフォームやコミュニティフォーラムを活用しましょう。
補足:Copilotを完全に無効化したい場合の選択肢
「Copilotをオフにする」だけでなく「Copilotを完全に使わない状態」にしたい場合は、以下の選択肢も検討してください。
- Microsoft 365サブスクリプション自体を切り替える
前述の通り、Copilotが含まれないプランに移行する、またはオフライン版のWord(永続ライセンス)を利用するなどの方法があります。
ただし、機能アップデートが制限される、あるいは追加費用がかかる場合もあるので要確認です。 - 特定のネットワークポリシーで通信を遮断する
企業や学校などのセキュリティポリシーでは、AIサービスの通信を遮断することで事実上Copilotを使えなくする方法も考えられます。しかし、個人ユーザー向けにはハードルが高く、Word以外の機能にも影響が出る可能性があるため注意が必要です。 - アンインストール後に旧版を使用し続ける
新機能が導入されたバージョンより前のOfficeを用い続けることで、Copilot自体が存在しない環境を保てます。ただし、セキュリティリスクやファイル互換性の問題が伴う点は留意しましょう。
サブスクリプションを「Copilotなし」に切り替える際の流れ
- サポートへの連絡
MicrosoftアカウントのポータルサイトやMicrosoft 365 Admin Centerからチャットや電話でサポートに連絡します。 - 現在のプランの確認
「Microsoft 365 Personal」や「Microsoft 365 Family」など、具体的にどのプランに加入しているのかを明確にします。 - 「Copilotなし」のプランがあるか質問
公式にはまだ広く宣伝されていない可能性がありますが、「旧版相当の機能しか使わないプラン」や「Copilot未対応プラン」があるか問い合わせます。 - 移行手順と費用を確認
- 移行するのに追加費用がかからないかどうか
- 機能やサポートの範囲が変わるのか
- 現在の契約期間が終了するまで待つ必要があるのか
- プラン切り替え実施
指示に従って手続きを行い、切り替え後にWordを再起動・サインアウト/サインインすることで機能変更が反映される場合があります。
Copilotオフに関するQ&A
Q1:Copilotのオフ設定が見つかりません。どうすればいい?
A1:まず、Wordのバージョンが16.93以降になっているか確認してみてください。最新バージョンでも設定項目が見つからない場合は、ライセンスの種類や地域展開のタイミングが影響している可能性があります。急ぎの場合は、過去バージョンへのロールバックや「Copilotなし」プランへの切り替えも検討してください。
Q2:旧バージョンへ戻すデメリットは?
A2:セキュリティリスクや新機能が使えないというデメリットがあります。Office製品は常にアップデートで脆弱性修正が行われていますので、旧バージョンのままだと攻撃に対して脆弱になる可能性が高まります。
Q3:企業や組織でCopilotを使いたくない場合は?
A3:組織全体のポリシーとして、Microsoft 365管理センターやグループポリシー(Windows環境の場合)でCopilotをオフにする設定が提供される場合があります。Mac向けでも同様の設定を管理者が制御できるようになると予測されています。組織管理者に相談してみてください。
まとめ:自分に合った方法でCopilotを無効化しよう
Copilotのオフ方法は、主に以下の選択肢があります。
- Wordを最新バージョンにアップデートして、Preferencesから無効化
- ライセンスの種類を見直し、「Copilotなし」のプランに移行
- 必要に応じて過去バージョンにロールバック
- 今後のアップデートで正式なオフ機能を待つ
今すぐCopilotを使いたくない方は、まずWordのPreferencesで「Enable Copilot」のチェックを外すことを試してみてください。もし該当項目が出ない場合でも、Classicプランなどに切り替えることで機能を回避できるケースがあります。また、ロールバックは最終手段として考えつつ、Microsoftサポートと連携するのも得策です。最新情報が日々更新される分野ですので、公式ドキュメントやコミュニティフォーラムを定期的にチェックすることも大切です。
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