Office Copilotを無効化・削除する具体策〜不要なAIアシスタントを徹底排除〜

Microsoft Officeに新たに搭載され始めたCopilotは、便利なAIアシスタントとして注目を集める一方、人によっては不要だったり作業の妨げになることもあります。この記事では、Copilotを無効化・削除したい方向けの具体策をまとめました。どうぞ最後までご覧ください。

Copilotの基本概要

CopilotはMicrosoftが提供するAIアシスタント機能で、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションに統合される形でリリースが進んでいます。ドキュメントの内容を解析しながら提案を行ったり、自然言語による入力補助を担ったりするため、効率的な作業が可能になるとされている一方、「自動で余計な提案をされるのが煩わしい」「社内規定上、クラウドAIとの連携は問題がある」など、ユーザーの状況によってはメリットよりもデメリットが大きいと感じるケースも少なくありません。

Copilotが果たす役割

  • 文章校正: 誤字脱字のチェックや文法の修正案を提示
  • アイデア提案: プレゼン資料やレポートを作成する際、参考になりそうなレイアウトや追加情報を提案
  • リサーチサポート: Web検索やオンラインのデータを参照しながら、文献の引用や画像などを案内
  • チャットスタイルでの会話: WordやTeamsなどで直接テキスト対話しながら作業を進める

これらは生産性向上に役立つ反面、普段から独自のワークフローを確立しているユーザーには、余計な通知や提案が邪魔に感じられることがあります。

Copilotが不要と感じるケース

  • 既存の作業手順が確立しており、余計な提案がむしろ業務のスピードを落としてしまう
  • 機密情報を扱うため、AIが外部接続すること自体に懸念がある
  • スクリプトやマクロを多用するカスタムワークフローで、Copilotの自動提案と競合してしまう
  • ネットワーク環境が不安定または厳しく制限されており、クラウド連携が難しい

こうした事情を抱えるユーザーにとって、「Copilotを完全にオフにしたい」「そもそも旧バージョンに戻したい」というニーズは非常に高まっています。

WordにおけるCopilot無効化手順

Wordはバージョン2501以降において、設定画面からCopilotをオフにするオプションが用意されました。これは2023年後半以降のアップデートで順次反映されるため、適用対象となる環境であれば下記の手順を試せます。

バージョン2501以降での具体的設定

  1. Wordを起動
    通常どおりWordを立ち上げます。文書を新規作成しても、既存の文書を開いてもかまいません。
  2. 「ファイル」タブを選択 → 「オプション」へ
    画面左上の「ファイル」をクリックし、下部または別ウィンドウにある「オプション」(または「その他」)を選択します。
  3. 「Copilot」タブで設定を変更
    Officeオプションのウィンドウが立ち上がったら、左側メニューに「Copilot」という項目があるはずです。そこをクリックすると、「Enable Copilot(Copilotを有効にする)」などのチェックボックスが表示されます。
  4. チェックを外し、「OK」をクリック
    「Enable Copilot」のチェックをオフにした後、「OK」をクリックして設定を保存します。
  5. Wordを再起動
    設定が反映されるように、一度Wordを終了し、再度起動します。すると、ツールバーやリボン上からCopilotのアイコンが消えているはずです。

注意点と再設定の可能性

  • 他アプリ(Excel、PowerPoint、Outlookなど)に同様のメニューがない場合は、現在のところ個別にオフにする手順が提供されていません。
  • Officeの自動更新をオンにしていると、将来的なアップデートでCopilot関連の設定が再度有効になる可能性があります。
  • バージョン2501未満ではこの機能が存在しないため、ダウングレードするか、別の方法を検討する必要があります。

他Officeアプリ(ExcelやPowerPoint)での対応状況

ExcelやPowerPoint、OutlookなどにもCopilotが順次導入されるとアナウンスされていますが、現時点(2024年〜2025年初頭のアップデート状況)では、Wordほど明確に「Copilot」をオフにする機能が用意されていないケースが多いです。


そのためExcelやPowerPointでCopilotを無効化・削除したい場合、以下のような代替手段が検討されます。

  • Office全体のオンライン機能をまとめて制限(接続されたエクスペリエンスをオフ)
  • Microsoft 365のプラン自体をCopilot非搭載のものに切り替える
  • 旧バージョン(Office 2021やOffice 2019、Office 2016など)を利用する

今後のアップデートでExcelやPowerPointにも、Wordと同様のオフ設定が実装される可能性がありますが、実際のリリース時期は未定です。

接続されたエクスペリエンスを無効化する方法

Officeアプリでは「Connected Experiences(接続されたエクスペリエンス)」という仕組みを通じて、さまざまなクラウド機能が提供されています。Copilotもこの仕組みに依存する形で動作しているため、まとめてオフにすることで、実質的にCopilotを無力化できる可能性があります。

具体的な手順は以下のとおりです。

  1. Officeアプリで「ファイル」→「アカウント」を開く
  2. 「アカウント プライバシー」→「管理設定」
  3. 「接続されたエクスペリエンスをすべて無効にする」
    ここでチェックボックスをオンにすると、Copilotを含むオンラインでの共同編集やクラウド分析などの機能も停止します。

まとめて無効化できるメリットとデメリット

  • メリット: Copilotだけでなく、意図しないオンライン機能が一切動作しなくなるため、業務やセキュリティポリシーによっては安心感が高まる。
  • デメリット: PowerPoint Designerや翻訳ツール、オンラインテンプレートの取得など、多くのクラウド連携機能も同時に使えなくなる。社内外の共同編集機能も制限される。

業務によってはこれらの機能停止が逆に不便になる可能性があります。Copilotだけをピンポイントで無効化したいのであれば、Wordのように個別の設定が実装されるのを待つほうがよい場面もあるでしょう。

サブスクリプションプランの切り替えとダウングレード

Copilotが標準搭載されるMicrosoft 365の各プランは、時間の経過とともに増えています。もし「Copilot自体が不要なので、まったく含まれないプランを利用したい」と考える場合、サブスクリプションの切り替え・ダウングレードが選択肢となります。

Copilotなしプランへの移行

  • Microsoft 365 Personal / Family Classicへの移行
    既存のMicrosoft 365 PersonalやFamilyプランには、今後Copilotが追加される可能性が高いといわれていますが、まだ正式リリースされていない環境の場合は、「Classic」扱いのプランに留まっている可能性もあります。移行やプラン名はMicrosoftアカウントの「サービスとサブスクリプション」ページや、サポート窓口で確認できます。
  • Office 365 Soloなど旧名称のプラン
    過去に「Office 365」のブランド名で提供されていたサブスクリプションが継続している場合、そこにCopilotが含まれていないことがあります。ただし、各プランの提供状況や機能は流動的なため、移行の可否はMicrosoftサポートに問い合わせるのが確実です。

永続ライセンス版への切り替え

サブスクリプションを完全にやめて、昔ながらの買い切り(永続ライセンス)版へ移行する方法も存在します。

  • Office 2021 / 2019 / 2016 など: パッケージ版、またはオンラインストアから購入。インストールしたバージョンでずっと使い続けられるため、Copilotなどの新機能が勝手に入る心配はありません。
  • 注意点: サブスクリプションを解約すると、OneDriveの1TBストレージが使えなくなったり、クラウド連携機能が停止するなどのデメリットがあります。

Office 2016や2019へ移行する場合の注意点

  • サポートライフサイクル: すでにメインストリームサポートが終了しているバージョンもあり、セキュリティ更新が限られている可能性があります。
  • 機能差: PowerPointの最新テンプレートやExcelの関数など、一部の新機能が利用できなくなることに注意してください。
  • 購入方法: 正規の販売ルートから入手しないと、不正ライセンスやサポート対象外のトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

Officeのバージョンをロールバックする方法

Microsoft 365(旧Office 365)の場合、コマンドラインから以前のバージョンにダウングレードすることも可能です。これにより、Copilotが実装されていない古いビルドを強制的に使用できます。もっとも、Microsoftが最新の更新プログラムを推奨しているため、安定性やセキュリティリスクについては自己責任となります。

コマンドプロンプトでのダウングレード例

以下は簡易的な例です。実際のビルド番号やディレクトリは環境によって異なるので、実行前に必ずご自身の環境を確認してください。

REM 管理者権限のコマンドプロンプトを起動
cd "C:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun"

REM Officeのバージョンを指定して更新を実行
officec2rclient.exe /update user updatetoversion=16.0.15330.20264

REM 更新後、一度Officeを再起動
  • updatetoversionオプション: ここに指定したビルド番号にロールバックされます。Copilotが導入される前のバージョンを調べて設定してください。
  • 自動アップデートの制限: ロールバック後にOfficeを立ち上げると自動更新が走り、再び新しいバージョンをインストールしてしまう可能性があります。Officeの更新設定を手動に切り替えるなどの対策が必要です。

OneDrive連携の無効化方法

Copilotを使わない理由と同様に、「OneDriveなどオンライン保存も使わないので、これらの機能をまとめて消したい」というニーズがある場合、Windows自体の設定やOffice側の設定でOneDriveを無効化できます。

  • Windows設定でOneDriveをアンインストール: 「アプリと機能」からOneDriveを削除する(Windowsによってはシステム機能扱いで無効化に留まる場合あり)
  • Officeでサインアウトする: Officeアプリにサインインしない状態にしておくと、クラウド連携が制限されます。


    Copilot無効化とOneDrive無効化は別々の手順が必要になる点に注意してください。

サポートへの問い合わせの重要性

  • プランやバージョンの詳細確認: 自分の契約プランがどの段階でCopilotに対応するか、切り替え可能かどうかはMicrosoftアカウントページや公式サポートに尋ねるのが手っ取り早いです。
  • 返金やキャンペーン対応: もし「最近サブスクリプションに加入したが、Copilotが不要だった」というケースでは、返金やプラン変更の相談に応じてもらえる場合があります。
  • トラブルシューティング: Copilotを切ったつもりでも何らかのエラーや別機能との衝突が生じる場合、公式サポートが最新情報を持っている可能性が高いです。

まとめ

CopilotはOfficeの作業効率を高めるAIアシスタントとして注目されていますが、業務内容やセキュリティ要件によっては「むしろ邪魔」「使わないので削除したい」と感じる方もいるでしょう。現時点での対応策は主に以下の4つに集約されます。

  1. Word(バージョン2501以降)のオプションから無効化
  2. 接続されたエクスペリエンスを一括でオフにする
  3. サブスクリプションプランをCopilotなしのものに切り替えるか、永続版に移行する
  4. 以前のOfficeバージョンにダウングレードし、自動更新を止める

完全に「Copilot」をアンインストールする公式の方法は今のところ提供されていません。しかし、上記のいずれかを実施すれば、事実上Copilotを利用しない環境を整えることが可能です。


どうしてもわからない点や、企業・法人規模での導入状況に応じた解決が必要な場合は、Microsoftのサポート窓口や契約しているパートナー企業に相談するのが確実です。不要なAI機能に振り回されず、自分のワークフローに最適なOffice環境を構築してみてください。

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