Pixel 9とPixel 9 Proは、ともに2024年に発売されたGoogleの最新スマートフォンです。Tensor G4チップやAndroid 14の採用、最大7年のOSアップデート保証といった共通点を持ちつつも、カメラ構成やディスプレイ仕様、メモリ容量などに違いがあり、用途や予算に応じて選び方が変わる点が魅力です。
Google Pixel 9とPixel 9 Proの基本概要
Pixel 9シリーズはGoogleが2024年に発表したハイエンドスマホで、いずれも新世代チップ「Google Tensor G4」を搭載し、Android 14が標準インストールされています。さらに発売から7年もの長期OSアップデート保証を受けられる点が特徴です。日本国内ではGoogleストアやNTTドコモ、au、ソフトバンクなど主要キャリアで取り扱われており、Pixel 9は2024年8月22日、Pixel 9 Proは同年9月4日に正式販売がスタートしました。

デザイン面では背面がフラットかつカメラバーが際立つ仕上がりで、素材の違いやレンズ数で両機種を見分けることができます。国内でも多彩なカラーバリエーションが用意され、好みの色を選べるのがうれしいですね。
発売日と購入ルート
Pixel 9は2024年8月22日に発売され、Pixel 9 Proは少し遅れて9月4日にリリース。Googleストアだけでなく、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアからも入手できます。発売時点で最新のAndroid 14を搭載しているため、購入してすぐに最新OSを楽しめる環境が整っています。
Pixel 9とPixel 9 Proの主な仕様を比較
大きな特徴としては、両モデルとも同じサイズの6.3インチディスプレイを採用していること、そしてSoC(Google Tensor G4)が共通している点です。ただし、メモリ容量やディスプレイの種類、カメラ構成など、細部のスペックに違いがあります。下記の表に主要な比較項目をまとめました。
■主な比較表
比較項目 | Google Pixel 9 | Google Pixel 9 Pro |
---|---|---|
プロセッサ (SoC) | Google Tensor G4(4nm オクタコア) Android 14搭載(発売時) 最大7年のOSアップデート保証 | Google Tensor G4(共通) Android 14・7年アップデート対応 |
メモリ (RAM) | 12GB(LPDDR5X) | 16GB(LPDDR5X) |
ストレージ (ROM) | 128GB / 256GB(UFS 3.1) | 128GB / 256GB / 512GB(UFS 3.1) ※海外では1TBモデルも展開 |
ディスプレイ | 6.3インチ OLED (Actua Display) 解像度: 1080×2424 (FHD+) リフレッシュレート: 60〜120Hz(可変) 最大輝度: 約2,700ニト(HDR時) Gorilla Glass Victus 2保護・フラット形状 | 6.3インチ LTPO OLED (Super Actua Display) 解像度: 1280×2856 (QHD相当) リフレッシュレート: 1〜120Hz(LTPO) 最大輝度: 約3,000ニト(HDR時) Victus 2保護・フラット形状 |
バッテリー / 充電 | 4,700mAh 有線充電: 最大27W(PD3.0対応) ワイヤレス: 最大15W(Pixel Stand使用時) / 12W(Qi) リバース充電対応 | 4,700mAh(共通) 有線充電: 最大27W(PD3.0対応) ワイヤレス: 最大21W(Pixel Stand使用時) / 12W(Qi) リバース充電対応 |
リアカメラ | デュアル構成: ・50MP広角 (f/1.7,OIS) ・48MP超広角 (f/1.7,123°) 光学ズームなし / 超解像ズーム最大8倍 | トリプル構成: ・50MP広角 (f/1.7,OIS) ・48MP超広角 (f/1.7,123°) ・48MP望遠 (5倍光学,OIS) 最大30倍超解像ズーム |
フロントカメラ | 10.5MP (デュアルピクセルAF) | 42MP (Quad PDテクノロジー, AF対応) |
特徴的な機能 | ・衛星経由の緊急通信「衛星SOS」対応 ・画面内超音波指紋センサー(従来比高速化) ・おサイフケータイ(FeliCa)対応 ・デュアルSIM(nano + eSIM) 5G(Sub6/mmWave) ・AI機能強化(Gemini AIモデル搭載) | ・衛星SOS / 超音波指紋センサー / FeliCa / 5G ・UWB(超広帯域)チップ搭載 ・8K@30fps動画撮影対応(クラウドアップスケーリング) ・マルチゾーンレーザーAF搭載 ・体表面温度センサー搭載 ・プロ向けカメラ操作モードを追加 |
デザイン | ・6.3インチサイズながら背面・側面がフラットな新デザイン ・アルミフレーム(マット仕上げ) ・背面カメラバーは2眼カメラ用 ・前背面ともにGorilla Glass Victus 2 ・IP68防水防塵 ・カラー:Obsidian(黒), Porcelain(白), Wintergreen(淡緑), Peony(ピンク) | ・6.3インチサイズはPixel 9と同一(ケース互換) ・光沢のあるポリッシュ仕上げの金属フレーム ・背面カメラバーはトリプルカメラ用 ・前背面ともにVictus 2 / IP68共通 ・カラー:Obsidian(黒), Porcelain(白), Hazel(灰緑), Rose Quartz(淡桃) |
価格 | ・米国: $799~(128GB), $859~(256GB) ・日本: ¥128,900~(128GB), ¥143,900前後(256GB) | ・米国: $999~(128GB), $1,059前後(256GB) ・日本: ¥159,900~(128GB), ¥174,900前後(256GB) |
ディスプレイとデザインの違い
両モデルとも6.3インチという画面サイズは同じですが、Pixel 9が通常のOLED、Pixel 9 ProはLTPO(1~120Hz可変リフレッシュレート)技術を採用しています。これによりProはフレームレートを1Hzまで抑えられるため、省電力性や表示の滑らかさが強化されている点が注目ポイントです。
さらに最大輝度もPixel 9が約2,700ニト、Pixel 9 Proが約3,000ニトと、屋外など強い日差しの下ではProの方がさらに見やすいという利点があります。
デザインと本体素材
背面やフレームの形状は共通してフラットですが、フレームの仕上げが異なります。Pixel 9はマット仕上げのアルミフレームを採用し、サラッとした質感。Pixel 9 Proでは光沢のあるポリッシュ金属フレームとなり、やや高級感が漂うデザインです。
どちらもIP68防水防塵やGorilla Glass Victus 2による耐久性を備えているので、アクティブに使う方でも比較的安心感があります。サイズは同じため、ケースやフィルムは共通で使える点も魅力的です。
カメラ性能の違い
Pixelシリーズといえばカメラ性能に注目が集まります。Pixel 9はデュアルカメラ構成で、メイン広角50MP + 超広角48MPを搭載。一方のPixel 9 Proは、これに加えて48MP望遠カメラを追加したトリプル構成です。
Pixel 9のデュアルカメラ
– 50MP広角カメラ(f/1.7・OIS対応)
– 48MP超広角カメラ(f/1.7・123°)
最大ズームは光学ズームを持たないものの、デジタル処理による「超解像ズーム」で8倍まで対応します。通常のスナップ撮影や広角風景撮影を楽しむには十分なスペックで、Pixel独自のAI補正機能によって高品質な写真を得られます。
Pixel 9 Proのトリプルカメラ
– 50MP広角カメラ(f/1.7・OIS対応)
– 48MP超広角カメラ(f/1.7・123°)
– 48MP望遠カメラ(5倍光学ズーム・OIS対応)
望遠カメラが追加されたことにより、5倍光学ズームを利用できるほか、最大30倍の超解像ズームも可能。遠くの被写体や運動会・ライブステージなど離れた場所からの撮影でも、画質を落とさずに寄れるのは大きな強みです。またプロ向けモードのマニュアル操作も加わり、露出やシャッタースピードを自分好みに調整することができます。
パフォーマンスとバッテリー
両モデルともGoogle独自のTensor G4チップを搭載し、メモリアクセスの高速化やAI機能への最適化が進んでいます。例えば音声認識や画像処理(マジックエディター、フォトエディターなど)の処理速度が向上し、ストレスなく使える点が特徴です。
メモリとストレージ
Pixel 9では12GB RAM、Pixel 9 Proは16GB RAMを積んでおり、より多くのアプリを同時起動したり、大容量データの処理を行いたいならProの方がパフォーマンスに余裕があります。ストレージはPixel 9が最大256GBまで、Pixel 9 Proは最大512GB(海外モデルでは1TBも)用意されているので、写真や動画をたくさん保存する場合はProの大容量版も検討できます。
バッテリーと充電性能
いずれも4,700mAhのバッテリー容量で、有線充電は最大27W(PD3.0対応)に対応。ワイヤレス充電はPixel 9が最大15W、Pixel 9 Proは最大21W(いずれもPixel Stand使用時)と、Proの方がワイヤレス時の充電速度がやや優れています。
外出先での電池持ちは、SoCの省エネ機能やディスプレイのリフレッシュレート制御(ProのLTPO)によって最適化されており、一般的な使い方であれば1日しっかり利用できるレベルです。
追加機能とソフトウェア
Android 14を標準搭載し、最長7年のOSアップデート保証があるのはシリーズ共通です。これにより長期にわたって新機能やセキュリティ更新を受け取ることができるため、長く使う人にも安心。さらに独自のAI機能(マジックエディター、通話補助機能など)が一段と進化しています。
Pixel 9ならではの機能
– 衛星SOS対応:山間部や海辺など圏外でも緊急メッセージを送受信
– 画面内超音波指紋センサー:従来モデルより認識スピード向上
– おサイフケータイ(FeliCa):日本国内の非接触決済対応
– デュアルSIM:物理SIM(nano)+eSIMを同時利用
Pixel 9 Proならではの追加機能
– UWB(超広帯域)チップ:正確な近接通信やデジタルキーに対応
– 8K@30fps動画撮影:クラウドアップスケーリングにより高解像度動画を活用
– マルチゾーンレーザーAF:被写体検出精度の向上
– 体表面温度センサー:他社には珍しいセンサーを搭載
– プロ向けカメラ操作モード:露出やシャッタースピードの手動設定
価格と選び方
両モデルの大まかな価格帯は、Pixel 9が128GBモデルで日本国内版が約128,900円から、Pixel 9 Proが約159,900円から。ストレージ容量を上げるとそれぞれさらに価格が高くなります。最上位モデル(512GB)などを選ぶならProは20万円近くなる場合もあるので、予算との兼ね合いが大切です。
Pixel 9を選ぶメリット
– ミドル~ハイエンドの価格帯で、十分に高性能
– デュアルカメラでも日常使いには問題ない画質
– 軽量でスッキリしたデザイン、マットなフレームが使いやすい
Pixel 9 Proを選ぶメリット
– 望遠カメラやUWBなど最先端機能をフル活用できる
– ディスプレイ性能が向上し、動画やゲームがさらに快適
– RAM増量(16GB)でヘビーユーザーも安心
気になる部分(デメリット)は?
両モデルとも最先端のスマートフォンゆえに、本体価格がやや高めです。カジュアルユーザーからすると、安価なミドルレンジ機と比較すると初期コストは大きくなります。また、付属品(充電器など)の有無は購入元によって異なるケースもあるため、事前確認が必要です。
まとめ:どちらを選ぶべきか
GoogleのPixel 9とPixel 9 Proは、ともに非常に完成度が高いスマートフォンであり、共通のSoCや高品質ディスプレイ、強力なカメラ処理AIなどを備えています。長期OSアップデートやおサイフケータイ対応もあり、日本国内で安心して長く使える点が魅力的です。
Pixel 9が向いているユーザー
– 価格を抑えつつも最新のAI機能や長期サポートを享受したい
– 日常的な写真撮影メイン、望遠撮影の頻度が少ない
– スマートフォンの容量をそこまで多く必要としない
Pixel 9 Proが向いているユーザー
– 高度なカメラ撮影(望遠・マニュアル設定)を積極的に楽しみたい
– 大容量メモリ(16GB)の恩恵を活かしてマルチタスクや重い処理を快適に行いたい
– UWBチップや8K撮影など、最先端機能をすべて使いたい



7年のOSアップデート保証は、スマホを長期で使いたい方には大きな安心材料です。無理して上位モデルを狙わなくとも、Pixel 9自体が十分ハイエンド水準。ぜひ自分の用途や予算を照らし合わせて、最適なモデルを選んでみてください。
総括
Pixel 9とPixel 9 ProはいずれもGoogleの最新技術が詰まったスマホとして、高性能SoCと充実したカメラ機能、そして長期にわたるOSアップデートが魅力的な選択肢となっています。価格を含む総合的なバランスを考えると、迷ったときは「自分がカメラズームや高負荷処理をどの程度重視するか」が決め手になりそうです。カメラやスペックを最大限楽しみたいならPixel 9 Proを、価格と性能の両立を求めるならPixel 9を手に取ってみると良いでしょう。
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