スポーツ時でも抜群の安定感を誇り、新たに心拍センサーを搭載した完全ワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro 2」。従来モデルから大幅な進化を遂げ、トレーニングやランニングシーンでの注目度が急上昇しています。今回は、その特徴や仕様を徹底的に解説します。
Powerbeats Pro 2の概要
2025年2月11日にBeats(アップル傘下)より正式発表された「Powerbeats Pro 2」は、前モデルから約5年ぶりのフルモデルチェンジが施されたスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホンです。日本では2025年2月13日に発売が開始され、店頭にも並び始めています。従来のスポーツ向けイヤーフック型のデザインを受け継ぎつつ、小型・軽量化やノイズキャンセリング機能の搭載、さらに光学式心拍センサーまで加わったことで、トレーニング中の利便性が大きく向上しました。

Apple H2チップやアクティブノイズキャンセリング、ワイヤレス充電など、前作を使ってきた方なら「これぞ待ち望んだアップグレード!」と感じられる内容だと思います。
主なスペックと特徴
デザイン・装着感
耳に掛けるイヤーフック型デザインを継承しつつ、フック自体は前モデルより50%小さく設計されています。素材にはニッケルチタン合金を採用し、しなやかな弾力を保ちつつ耐久性も確保。これにより装着時の安定性が高まり、頭を振っても全くズレにくいと評判です。また本体重量は20%の軽量化が実現され、長時間装着時の負担が軽減されています。
イヤーチップはXSからXLまで合計5サイズを同梱。通気孔の改良により耳の圧迫感を軽減し、心地よいフィット感が得られます。激しいトレーニング時に外れにくいのはもちろん、日常使いでも痛くなりにくいのがメリット。IPX4の耐汗・耐水性能を備え、汗や小雨程度なら問題なく使用可能です。
音質・オーディオ性能
新開発の9.5mmドライバーとデュアルレイヤー振動板を搭載したことで、クリアな高音域から奥行きのある低音域までバランスよく再生。Beatsらしい迫力のあるサウンドは継承しつつ、重低音だけが突出しない聴きやすい調整が施されています。
またPowerbeats Proシリーズでは初となるアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載。周囲の騒音を遮断できるだけでなく、必要に応じて外部音取り込みモードを有効にすることで環境音を聴き取りながらのトレーニングも可能です。
さらにH2チップの処理性能を活かし、アダプティブEQやパーソナライズ空間オーディオ(ダイナミックヘッドトラッキング付き)にも対応。対応コンテンツでは臨場感あふれる立体音響を楽しめます。通話時も左右各イヤーバッドに3基の高性能マイクが内蔵され、周囲のノイズを効果的に低減しながら声をクリアに伝えられます。
バッテリー寿命
従来モデルよりもバッテリー持続時間が伸び、本体のみで最大10時間(ANCオフ時)の連続再生が可能に。ANCオン時でも約8時間再生できるため、長時間のワークアウトや移動時でも安心です。
充電ケースと併用すれば合計最大45時間(ANCオフ時)もの再生時間に達し、前モデルの24時間から大きくアップしました。ケースのサイズは約33%小型化しながらバッテリー容量を強化しているため、携帯性と駆動時間を両立しています。
加えてBeatsシリーズとしては初めてQiワイヤレス充電に対応。USB-C端子からの有線充電もOKで、約5分の充電で1.5時間再生できる急速充電(Fast Fuel)機能も備わっています。
接続性能・スマート機能
内部にはApple設計のH2チップを搭載。Bluetooth 5.3対応で通信の安定性と省電力性が向上しており、ワンタップでのペアリングやAppleデバイス間の自動切替、オーディオ共有などAppleエコシステムとの連携機能が使えます。
もちろんAndroidでもBeatsアプリを利用することで初回ペアリングやファームウェア更新、イヤホンの探索機能などに対応。ただしマルチポイント接続(同時に2台以上へ接続)は非対応のため、別デバイスへの切替は手動かApple端末同士の自動切替が基本になります。
物理操作面でも、「b」ロゴボタンや音量調節ロッカーを各イヤーバッドに搭載。再生・停止や曲送り、ANC/外音取り込み切替などの操作が直感的に行えるため、アクティブに動いている最中でもスマホを取り出さずにコントロールできる点が魅力です。
心拍数モニタリング機能
Powerbeats Pro 2最大の特徴といえるのが、耳掛けタイプのイヤホンに光学式心拍センサーを内蔵したことです。LED光を耳へ照射し血液の脈動を捉える仕組みで、毎秒100回以上サンプリングしてリアルタイムで心拍数を計測します。
計測データはiPhoneなどではヘルスケアアプリに自動で連携され、Nike Run ClubやPelotonなどのフィットネスアプリでもリアルタイムの心拍数が記録可能。AndroidでもBeatsアプリ経由で心拍数の記録や管理ができます。
従来はApple Watchや専用の胸部ベルトが必要だった心拍計測が、イヤホンだけで実現できるのは大きな利点。ワークアウト中に音楽を聴きながら正確な心拍数も把握できるため、フィットネスのモチベーション向上やトレーニング管理の精度アップに繋がります。
価格と販売状況
メーカー希望小売価格は米国で249.99ドル、日本国内では39,800円(税込)です。前モデルの初代Powerbeats ProやAppleのAirPods Pro(第2世代)と同水準に設定されています。
発売直後のため大きな値引きはほとんどありませんが、家電量販店やオンラインショップでは39,800円前後で取り扱い中。今後セールやポイント還元によって多少の価格変動がある可能性はあります。



約4万円という価格帯は、スポーツ用途に特化したイヤホンとしては高めですが、ノイズキャンセリング機能や心拍数モニタリング、長時間バッテリーなどを加味すると、むしろコストパフォーマンスは十分高いと感じます。
レビューと評価
専門家による評価
複数のテック系メディアや評論家から高評価を獲得しており、「従来モデルで惜しかった点がほぼすべて解消されている」「スポーツイヤホンとしてトップクラスの機能性」と評されることが多いです。特に耳掛け式の安定感、迫力あるサウンド、心拍センサーの追加などが強く支持されています。
一方で、価格の高さやケースのサイズ感については「携帯性ではAirPods Proに劣る」という指摘もあり、用途や優先事項によって向き不向きがある点は専門家も認めています。
ユーザーの声
実際のユーザーレビューでは、「音質がクリアになり、低音だけでなく中高音の広がりが素晴らしい」「フィット感がとにかく最高」「バッテリーが長持ちで助かる」など好評な意見が多数見られます。
一方で、「心拍センサーの使い方が最初わかりにくい」「やはり初代より低音が抑えめに感じる」という声も散見されます。Beatsの重低音重視サウンドを期待していた層には、今回の音のバランス調整が物足りないケースもあるようです。
競合製品との比較
Powerbeats Pro 2と同価格帯で人気の高い「AirPods Pro(第2世代)」や「Sony WF-1000XM5」と比較してみましょう。以下の表に主なスペックをまとめました。
製品名 | 発売時期 | 公式価格(日本) | バッテリー(本体/ケース合計) | ANC | 防水性能 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|
Beats Powerbeats Pro 2 | 2025年2月 | 39,800円 | 最大10時間 / 合計45時間 | あり | IPX4 | ・耳掛け式フック ・心拍センサー搭載 ・H2チップ搭載 ・ワイヤレス充電対応 |
Apple AirPods Pro(第2世代) | 2022年9月 | 39,800円 | 最大6時間 / 合計30時間 | あり | IPX4 (ケースIP54) | ・スタム型デザイン ・H2チップ ・パーソナライズ空間オーディオ ・ケースにU1チップ内蔵 |
Sony WF-1000XM5 | 2023年7月 | 約37,000円(実勢は30,000円台) | 最大8時間 / 合計24時間 | あり | IPX4 | ・カナル型 ・LDAC対応 ・マルチポイント接続対応 ・ANC性能が高評価 |
【比較のポイント】 ・Powerbeats Pro 2は耳掛け式と心拍センサーでスポーツシーンに最適化 ・AirPods Pro 2は小型で利便性が高く、Appleユーザーとの親和性◎ ・Sony WF-1000XM5は音質とノイズキャンセリング性能に定評 |
総じてPowerbeats Pro 2は、スポーツやフィットネスをメインに使う人に向いた「装着安定性」と「心拍計測機能」「長時間バッテリー」が際立ちます。一方で日常使いの携帯性やマルチポイント接続を求めるなら他製品の方が便利な面もあるでしょう。
まとめ:スポーツイヤホンの決定版か
Powerbeats Pro 2は、初代からのユーザーにとって「まさに欲しかった機能をすべて盛り込んだ」イヤホンと言っても過言ではありません。耳掛け式による抜群の安定感、パワフルなサウンド、ANCやワイヤレス充電の搭載、そしてイヤホン単体で心拍数を測定できる機能は他にはない大きな魅力です。
価格は約4万円と安価ではありませんが、Apple H2チップの恩恵によるスムーズな接続性や充実のエコシステム連携、さらに長時間再生や優れた耐久性を考えれば、ハイエンドのスポーツ向けイヤホンとして十分に納得できるレベルでしょう。スポーツに本気で取り組む方や、トレーニング時の装着安定性を最優先に考える方には、非常に魅力的な選択肢となるはずです。



Powerbeats Pro 2はまさに「Listen to Your Heart」のキャッチフレーズ通り、自分の心拍を耳でチェックしながら目標に向かって集中できるモデル。新しい音楽体験だけでなく、運動効率までトータルに高めてくれるのが大きな特徴ですね。
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