自宅に2台のXboxを用意することで、リビングでも寝室でも気軽にゲームを楽しむことができます。デジタル版の購入済みタイトルやGame Passのサブスクリプションを共有したり、Xbox 360ディスク版のゲームを後方互換で両方の本体にインストールして遊んだり、さらにはクラウドセーブを使ってゲームの続きをシームレスにプレイしたりと、多彩な活用が可能です。ここでは、2台のXboxを同じ家で運用しながらゲームやセーブデータを効率よく共有するための方法と、起こりがちな不具合の対処法をわかりやすく解説します。
Xboxを2台運用するメリットと事前準備
リビングの大画面テレビで迫力あるゲームを楽しみつつ、寝室ではリラックスして別のゲームを遊びたい──そんな願いを叶えてくれるのが「2台のXbox運用」です。大切なのは、アカウント管理やライセンスの仕組みを正しく理解し、スムーズに共有できる環境を整えることです。ここではまず、必要となるアカウントの把握や、共有機能のポイントをざっくり確認しておきましょう。
まずはアカウントの整理から
Xboxでデジタル版ゲームやDLCを購入すると、購入したアカウントにライセンスが紐づきます。たとえば「Aアカウント」でゲームを買った場合は、Aアカウントでサインインしている本体なら、どこでもそのゲームをプレイできます。一方、Xbox 360ディスクの後方互換タイトルの場合、ディスク自体にライセンスがあるため、ディスクを挿入している本体であればアカウントに関係なく起動できます。
- デジタル版ゲームやGame Pass
→ 購入または契約中のアカウントでサインインすればどの本体でも利用可能。 - ディスク版ゲーム(後方互換対応)
→ ディスク挿入が必須。どのアカウントでも起動可能だが、ディスクがないと起動できない。
もし2つ以上のアカウントを持っている場合は、「どのアカウントでどのゲームを所有しているのか」把握しておくのが重要です。Xbox 360時代に作成したアカウントと、Xbox One以降でメインで使っているアカウントが別々になっているケースもありますので、整理しておきましょう。
「Home Xbox」の仕組み
Xboxには「Home Xbox」という機能があり、特定の本体を“自分のメイン機”として設定できます。Home Xboxに設定した本体では、あなたが購入したゲームやサブスクリプション(Game Passなど)を、あなた以外のユーザーがサインインしていても利用できます。ただし、以下のメリットと注意点をしっかり理解しましょう。
メリット
- 他のユーザーでもゲームやGame Passを利用できる
家族や友人が別アカウントでサインインしても、Home Xboxに設定した本体であれば、あなたが購入したデジタルコンテンツを自由に遊べます。 - オフラインでもゲームを起動可能
Home Xboxに設定している本体は、インターネットに接続していなくてもライセンスを確認できます。そのため、一時的にネットが不安定でもゲームを立ち上げやすいという利点があります。
注意点
- 設定回数に制限がある
Home Xboxの切り替えには年間の回数制限があります。頻繁に切り替える想定がある場合は注意が必要です。 - 自分一人で2台を使うなら、必須ではない
あなた一人で2台のXboxを使い分けるだけなら、常にサインインさえすればゲームを起動できます。そのため、Home Xbox設定は「他のユーザーと共有したい」場合に特に有効です。
以下の表は「Home Xbox」に設定した本体かどうかで、どのように挙動が変わるかをまとめたものです。
項目 | Home Xboxに設定した本体 | Home Xboxに設定していない本体 |
---|---|---|
別アカウントでのゲーム起動 | 可能 | 不可 (購入者のアカウント要) |
オフライン時のライセンス認証 | 自動 | オンライン必須 |
使用シーン例 | 共同使用・家族用 | 自分専用 |
デジタル版ゲームやサブスクリプションの共有
2台のXboxを運用するうえで、多くの方が気になるのが「デジタル版ゲーム」と「Game Pass」の共有方法です。ポイントは、あなたがゲームを購入したアカウントをどちらの本体でもサインインさせられるかどうか、そしてHome Xboxを活用するか否かにあります。
サインインのコツとオンライン要件
同じアカウントで同時に2台の本体へサインインすることはできますが、どちらも同じゲームを起動する場合はエラーになる可能性があります。ただし、ゲームによってはローカルで異なるゲーマータグを使い、片方がHome Xbox設定なら同時プレイができるケースもあります。
- Home Xboxに設定していない本体
→ オンライン環境が必須です。ゲーム起動時にライセンスをサーバーで確認するため、インターネットがないと動かない場合があります。 - Home Xboxに設定している本体
→ オフラインでもライセンス認証が可能です。ただし、オンラインが切れてしまうとクラウドセーブの同期は後回しになります。
Game Passの共有テクニック
Game Passを契約したアカウントをHome Xboxに設定しておけば、別アカウントでもGame Passのタイトルをダウンロード・プレイできます。たとえば、リビングの本体をHome Xboxに設定し、寝室の本体は自分のアカウントでサインインしながら遊ぶ形です。これにより、Game Passタイトルのライブラリを両方の本体で活用できます。
- 注意点: Game Passのタイトルを遊ぶには通常オンライン状態が必要です。寝室の本体がオンラインであれば、Game Passが有効なアカウントでサインインしライセンスを確認します。もしオフラインで遊ぶ場合は、Home Xboxに設定した本体でしかプレイできないので留意してください。
ディスク版のXbox 360ゲームを両方の本体で楽しむ
Xbox 360時代のディスク版ゲームでも、後方互換対応タイトルであればXbox OneやXbox Series X|Sで遊べます。ここでは、ディスクゲームを2台の本体で共用する際のポイントを解説します。
後方互換の仕組みを理解しよう
Xbox OneやXbox Seriesでは、後方互換対応タイトルの360ゲームディスクを挿入すると、自動的にそのゲームのエミュレーション版データをダウンロード&インストールし、ディスクが挿入されているかをチェックして起動を許可します。つまり、ディスク自体がライセンスキーの役割を果たしているわけです。
- 2台同時起動は不可能
当然ながら、同じディスクを同時に2台の本体に挿入することは現実的ではありません。1枚のディスクで2台同時には起動できないため、「別々の時間帯に楽しむ」スタイルが基本となります。 - ディスクレスで起動は不可
後方互換版の360ゲームは、ディスクでライセンスを確認します。ディスクを入れずに起動しようとするとエラーが表示されます。
ネットワーク転送で効率よくインストール
1台目のXbox(Xbox #1)ですでにインストールが完了している場合、2台目(Xbox #2)に一からダウンロードさせるのは時間がかかることも。そんなときに役立つのが「ネットワーク転送」機能です。同じLAN内で2台のXboxをつなげておけば、データを素早くコピーできます。
ネットワーク転送の手順例:
- 同じネットワークに接続
Xbox #1とXbox #2をLANケーブルまたはWi-Fiで同一ルーターに接続します。 - 設定を開く
Xboxの「設定」→「システム」→「バックアップと転送」→「ネットワーク転送」に進みます。 - 転送元の本体を選択
ネットワークに見つかったXbox #1のゲーム一覧から、コピーしたいタイトルを選びます。 - 転送開始
コピー開始ボタンを押すと、Xbox #2にデータが転送されます。ただし、起動にはディスクが必要な場合がある点を忘れずに。
これにより、インターネットから大容量のダウンロードをするよりも高速にデータを移行できます。特に容量の大きいAAA級タイトルなどで重宝するでしょう。
クラウドセーブの活用術
近年のXboxでは、ほとんどのタイトルがクラウドセーブに対応しており、同じアカウントであればどの本体でもゲーム進行データを引き継げます。しかし、意外とつまづくことがあるポイントも多いので、仕組みや注意点を押さえておきましょう。
クラウドセーブの仕組み
Xbox One以降のタイトルは基本的に「自動でクラウドにセーブデータをアップロード」します。ゲームプレイ終了後に本体がオンラインなら自動的に反映され、別の本体で同じアカウントでサインインしてゲームを起動すると「クラウド同期」を行って最新のデータを取り込みます。
- オフライン環境下でプレイした場合
→ 次にオンラインに接続したタイミングでクラウドへアップロードされます。このとき、もう一方の本体で先にプレイしてしまうと、セーブデータの競合が発生するケースもあるので注意しましょう。 - クラウド同期には時間差がある
大抵は即座に同期されますが、ゲームを終了してからクラウドへのアップロードが完了するまでに少し時間がかかることも。切り替えが早すぎると、古いセーブデータが読み込まれる可能性があります。
セーブデータがうまく同期されない場合の対処
- 本体の再起動
一度本体を完全シャットダウンして再起動し、再度ゲームを起動すると同期がやり直されることがあります。 - 別本体で最新のセーブを送信しきったか確認
前に遊んでいた本体で正しくゲームが終了していない場合、クラウドにアップロードが保留中になっている場合があります。 - ネットワーク環境の確認
回線が不安定だとクラウド同期が失敗しやすいので、LANケーブル接続やWi-Fiルーターを再起動してみるのも手です。
不具合が起きやすいゲームへの対処方法
Xbox 360の後方互換タイトルや、MODや追加コンテンツが多いゲームでは、セーブデータの同期や起動時に問題が発生しやすいことがあります。特に「Rainbow Six: Vegas 2」や「Skyrim」などは要注意。ここでは代表的な不具合例を取り上げ、その対処法を見ていきましょう。
Rainbow Six: Vegas 2でセーブを呼び出せない
後方互換タイトルは、ゲーム起動時にXbox 360エミュレーションが走ります。このとき、360時代のプロフィールにサインインしていないと、セーブデータを認識できません。ゲーム起動後に表示される「Xbox 360ガイド画面」で正しいゲーマータグにサインインしましょう。
- ゲームを起動する。
- 画面中央に配置されている「2つの四角いボタン(View/メニュー)」を同時に押すか、一方のボタンでXbox 360ガイドを呼び出す。
- 360ガイド内で「サインイン」→「該当ゲーマータグ」を選択。
- 正しくサインインが完了すると、セーブデータが読み込めるようになるはずです。
それでもうまく同期しない場合、設定 → システム → ストレージで「Xbox 360ストレージ」が正しく同期されているか確認。もしプロフィールやセーブデータが欠損しているようなら、再度クラウド同期を試みるか、新規インストールを実行してみると改善することがあります。
Skyrimでセーブデータが読み込めない/装備品が消える
SkyrimはDLCやCreation Club、MODなど膨大な追加要素があるため、その導入状況によってセーブデータの互換性が変わりやすいタイトルです。
- 基本対処: まずXbox #2でSkyrimを起動するときは、Creation ClubコンテンツやMODを一旦無効にした状態でロードを試す。
- 競合を避ける: Xbox #1でプレイを終えた際、クラウドセーブが完了してからXbox #2で起動するようにすると競合を減らせます。
- 装備品が消える原因: 一部のMODやCreation Club追加要素が有効な環境でセーブして、別環境(MODを外した状態など)でロードすると、アイテムIDの不整合が起きることがあります。
こうしたトラブルを回避するには、「クラウドセーブ用のセーブデータを作成する際にはなるべく同じ環境」で行うのがベスト。必要に応じてCreation ClubやMODを再度有効化する前に、セーブデータが正しくロードできることを確認しましょう。
まとめと補足
2台のXboxを運用する際は、同じアカウントでサインインすればデジタルゲームやクラウドセーブを共有できるという基本を覚えておくことが大切です。「Home Xbox」設定は家族や友人と共用したいときに特に便利ですが、自分一人で使うなら必須ではありません。Xbox 360時代の後方互換ゲームについては、エミュレーション特有の「Xbox 360プロフィール」サインイン手順を忘れがちなので要注意。また、Skyrimなど追加要素の多いタイトルでは、セーブデータ競合を防ぐためにプレイ終了後のクラウド同期完了を待ってから他の本体で起動するなど、少し時間を置いてあげるとスムーズに楽しめます。
下記に、今一度ポイントを整理しておきます。
目的 | 方法 |
---|---|
デジタル版ゲームやサブスクリプションの共有をしたい | 購入アカウントでサインインし、必要に応じてHome Xboxを設定。オンライン状態を維持してライセンス確認 |
Xbox 360ディスク版を両方で遊びたい | 後方互換に対応していればディスクを挿入すればOK。ただし1枚のディスクで同時起動は不可 |
セーブデータを同期して続きからプレイしたい | クラウドセーブに頼る。前の本体でのプレイ終了後、クラウドへのアップロード完了を待つ |
特定タイトル(例:Vegas 2、Skyrim)でセーブデータが反映されない | 360プロフィールへのサインイン手順やCreation Club/MODの有効・無効状態を再チェック |
Xboxが2台あると、部屋を移動してもゲームの続きができる快適さを味わえます。この記事の手順を参考に、ぜひ最適な共有方法を見つけて、家中どこでもXboxライフを満喫してみてください。
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