Alienware AW920HヘッドセットをXbox One Sで使いたいと考えると、まずワイヤレス接続が可能かどうかを気にする方が多いかもしれません。しかし、Xbox One SとAlienware AW920Hの間には、USBドングル経由の無線接続が基本的に対応していないなど、いくつかの注意点があります。加えて、有線接続に切り替えた際に片耳しか聞こえない問題に直面するケースもあります。本記事では、それらの疑問や問題を解決するための方法とポイントを詳しく解説します。
Alienware AW920Hの基本仕様とXbox One Sでの利用可否
Alienware AW920Hは、主にPC向けに設計されたゲーミングヘッドセットであり、高品質なサウンドと快適な装着感が特徴です。しかし、Xbox One Sでワイヤレス接続を行うとなると、以下の点が壁になります。
Xbox公式認定のUSBドングルのみ対応
通常、Xbox One Sでワイヤレス接続を行うには、Xbox公式認定のワイヤレス規格やアダプタが必要です。Alienware AW920Hに付属するUSBドングルはPCや一部の据え置きゲーム機(PS5など)で使用できる場合がありますが、Xbox One Sでは互換性がなく、ドングルを挿してもヘッドセットを認識してくれません。
このため、Xbox One SでAlienware AW920Hを完全なワイヤレス状態で使うことは不可能となります。
Bluetooth接続の非対応
Xbox One Sは、残念ながら標準のBluetoothオーディオ接続にも対応していません。そのため、ヘッドセットがBluetooth接続に対応していたとしても、Xbox One Sに直接ペアリングして使うことはできない点に注意してください。
3.5mmオーディオケーブルによる有線接続の手順
Xbox One SでAlienware AW920Hを利用したい場合、最も確実かつシンプルなのが、3.5mmオーディオケーブルによる有線接続です。Xbox One Sのコントローラーには、3.5mmジャックが搭載されているモデルが多いので、このジャックとAlienware AW920Hのヘッドホン端子をケーブルでつなぎます。
必要なアイテム
- Alienware AW920H本体
- 4極(TRRS)対応の3.5mmオーディオケーブル
- Xbox One Sコントローラー(3.5mmジャック搭載タイプ)
コントローラーが古いタイプで、3.5mmジャックがないモデルの場合は、Microsoft純正の「ステレオヘッドセットアダプター」を用意する必要があります。このアダプターをコントローラーの拡張端子に装着し、そこにヘッドセットを接続することで、音声出力とボイスチャット機能を利用できます。
有線接続のメリット
- 低遅延で安定した音声
ワイヤレスに比べ、遅延が少なく安定した音質が期待できます。オンライン対戦ゲームにおいて、わずかな音の遅れが勝敗を分けることもあるため、有線は信頼性が高いです。 - バッテリー消費を気にしなくてよい
ヘッドセット自体が有線で動作するため、ヘッドセット側のバッテリー残量を気にする必要がありません。(ただし、Alienware AW920HのRGB照明や追加機能を使う場合は、ヘッドセット内蔵バッテリーへの負荷がかかるケースもあるため、必要に応じてUSB給電しながら使うことを検討してください。) - 追加の設定がほぼ不要
ドングルのドライバ導入や複雑な設定は不要で、Xboxコントローラーのオーディオ設定で基本的には済みます。
片耳しか聞こえない問題の対処法
実際に3.5mmケーブルで有線接続した際、「左耳だけ」「右耳だけ」しか音が聞こえないという不具合が報告されることがあります。これは、ケーブルの規格や接続の状態に起因している可能性が高いです。
TRRSケーブルの規格をチェック
一般的な3.5mmプラグには、3極(TRS)と4極(TRRS)が存在します。TRSはステレオ音声のみで、マイク入力がありません。TRRSはマイク入力も含めた端子構造です。Xboxコントローラーの3.5mmジャックとAlienware AW920Hが正しくマイク通信やステレオ出力を行うには、4極(TRRS)のピン配列が一致しているケーブルが必要です。
プラグの種類一覧表
規格 | 極数 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|---|
TS | 2極 | 一部楽器用やモノラルマイクロホン | モノラル音声のみ |
TRS | 3極 | ステレオ音声 | 左右ステレオ音声。マイクなし |
TRRS | 4極 | スマートフォンのヘッドセットなど | 左右ステレオ+マイク+グランド |
TRRRS | 5極 | 一部ハイエンドオーディオ機器 | ノイズキャンセリング機能やバランス接続など特殊用途が多い |
これらの規格が不適合なケーブルを使用すると、音声が正しく分配されず、片耳のみになったり、マイクが使えなかったりする問題が生じます。とくに、Alienware AW920Hの設計が4極(TRRS)準拠である場合、3極(TRS)ケーブルを使うと正しくステレオ出力されない可能性が高まります。
ケーブルの接触不良を疑う
Xbox One Sコントローラー側、またはヘッドセット側にプラグをしっかり差し込めていない場合、片耳しか出力されないことがあります。特にコントローラーのジャック部分は摩耗しやすいため、以下の点を確認するとよいでしょう。
- プラグを奥までしっかり差し込んでいるか
- プラグにゆるみやぐらつきがないか
- ケーブル自体が断線していないか
可能であれば、同じTRRS規格の別のケーブルを試してみたり、ほかのデバイスでテストしてみると、問題の切り分けがしやすくなります。
コントローラーのファームウェアアップデート
Xbox One Sコントローラーのファームウェアが古いバージョンだと、ヘッドセットの互換性が不完全な場合があります。手順としては、Xbox本体の「設定」→「デバイスと接続」→「アクセサリ」からコントローラーを選択し、アップデートがあれば適用する流れが一般的です。
また、Windows PCにコントローラーをUSB接続し、Microsoft公式アプリ「Xbox Accessories」を使ってファームウェアをアップデートする方法もあります。定期的に更新し、最新バージョンを維持するようにしましょう。
PowerShellを使ったWindowsでのコントローラー確認例
# 管理者権限のPowerShellを起動
# 接続されているXboxコントローラーのデバイス情報を確認
Get-PnpDevice | Where-Object {
$_.FriendlyName -like "*Xbox*controller*"
} | Select-Object FriendlyName,InstanceId
上記のようにデバイス情報を確認し、問題がある場合は「Xbox Accessories」アプリなどでアップデートを行うと、接続や音声出力が改善されることがあります。
追加の確認項目とヒント
Alienware AW920HとXbox One Sの相性問題は、ケーブル規格以外にもさまざまな要因が絡む場合があります。以下のポイントを総合的にチェックしましょう。
公式アクセサリの利用
Microsoft純正の「ステレオヘッドセットアダプター」をコントローラー下部の拡張端子に接続し、そこから3.5mmケーブルでヘッドセットに接続すると、互換性や音量調整、マイクミュートなどがスムーズに行いやすいです。純正アダプターを通すことで、相性問題が改善されるケースもあります。
Xboxのオーディオ設定
Xbox Oneのホーム画面で「設定」→「ディスプレイと音声」→「オーディオ出力」を確認し、
- ヘッドセットのボリューム設定
- チャットミキサー
- ステレオorモノラル出力
などが適切に設定されているかを見直してみてください。ゲームタイトル側の設定で音声バランスが極端に片寄っている場合もあるので、ゲーム内のオーディオ設定も合わせてチェックすることをおすすめします。
Alienware Command Centerでの調整
Alienware AW920Hは、PC接続時に「Alienware Command Center」や専用ソフトウェアを通じてイコライザーやサラウンド設定を細かく調整できる場合があります。しかし、Xbox One Sではこのソフトウェアを使用できないため、デフォルト状態の音質で利用することになります。PCでカスタム設定を行っている場合、それがヘッドセット本体に保存されるかどうかの仕様を確認し、場合によっては初期設定に戻す必要があるかもしれません。
考えられるトラブルシューティングの一例
以下の手順で問題を切り分けてみると、どこに原因があるかを探りやすくなります。
- 他のデバイスでヘッドセットをテスト
スマートフォンやPCにAlienware AW920Hを3.5mmケーブルで挿して、ステレオ再生が正常に行われるかチェックします。正常に聞こえるなら、ヘッドセットとケーブルには大きな問題がないと推測できます。 - 別のヘッドセットでXboxをテスト
同じコントローラーとケーブルを使って、別のヘッドセットを接続し、ステレオ出力がちゃんと行われるか確認します。これで問題がXboxコントローラー側なのか、ケーブル側なのかをおおまかに把握できます。 - コントローラーのファームウェアと本体のシステム更新
Xbox One S本体やコントローラーのシステムを最新にして、再度試してみます。古いバージョンのファームウェアが不具合を引き起こしている可能性があります。 - サードパーティ製アダプターや純正アダプターの導入
互換性の高いアダプターを使うことで、解決する場合があります。特に音量コントロールやチャットバランスを細かく調整できる純正アダプターはおすすめです。 - Alienware AW920Hの初期化
もしヘッドセット自体に内部設定がある場合、一度初期化やリセットを試してみます。DellやAlienwareの公式サイトでサポート情報を参照し、ヘッドセットのリセット方法を確認してください。
長期的な解決策と今後の選択肢
Alienware AW920HをXbox One Sで無線接続したい場合、現行の仕組み上では難しいのが現実です。将来的にXbox側がサードパーティのUSBドングル対応を拡大する可能性はありますが、現状では公式に認可されたワイヤレス接続手段に限られています。もしワイヤレスがどうしても必要であれば、Xbox公式認定のワイヤレスヘッドセットの導入を検討するのも一つの方法です。
また、Alienware AW920Hが持つ機能をフルに活用したい場合は、PCとの接続をメインにするのが最適な選択と言えます。Alienwareのソフトウェアを使い、バーチャルサラウンドやイコライザ設定を細かくカスタマイズできるため、高品質なゲーム体験を得やすいでしょう。
まとめ
- USBドングルでの接続は不可: Xbox One Sでは公式認定外のドングルは使用できず、Alienware AW920Hのワイヤレス接続はサポートされない。
- 3.5mmケーブルによる有線接続が基本: Xboxコントローラーのジャックに4極(TRRS)ケーブルを差し込む方法が実用的。
- 片耳問題はケーブルや差し込み、ファームウェアが原因: TRRS規格のケーブルを使用しているか、しっかり奥まで挿入しているか、コントローラーのアップデートが済んでいるかなどを確認する。
- 必要に応じて純正アダプターの検討: 音量調整やマイク設定の面で利便性が高まる。
- ワイヤレスを重視するなら公式対応の製品を選択: Alienware AW920Hの全機能を活かすならPCでの使用、Xbox One Sでのワイヤレス使用が最優先なら公式認定の製品を検討するのが無難。
上記のポイントを押さえておけば、Alienware AW920Hを使ってXbox One Sでゲームを楽しむためのハードルはぐっと下がります。ケーブル一本で簡単に接続できるうえ、遅延の少ない快適なゲーミング環境を整えることが可能です。多少の設定変更やケーブル選びの手間はかかりますが、一度環境を整えてしまえば長く使えるので、ぜひ本記事を参考に快適なゲーミングライフを目指してみてください。
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