最近、Fortniteのトーナメントマッチを起動すると「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」エラーが表示され、ゲームが強制終了してしまう事例が報告されています。せっかくの大会に参加しようとしているのにエラーで弾かれると、とてもストレスを感じますよね。本記事では、このエラーの原因や対処方法を幅広く解説していきます。
Fortnite起動時に発生するEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONエラーとは
Fortniteを起動した際や試合に参加しようとした瞬間に、「Fatal error! Unhandled Exception: EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」というメッセージとともにゲームが落ちる現象は、Windows環境で発生する代表的なアクセス違反エラーの一種です。ゲームを正常に実行するために必要なメモリ領域や、ライブラリ読み込みが何らかの原因で阻害されると起こります。具体的には、次のような要因が関係していると考えられます。
- グラフィックドライバーの不具合
- アンチチートツール(EasyAntiCheat)の不調
- ゲームファイルの破損
- システムファイルの破損やWindows関連の更新不足
- メモリやストレージなどハードウェア面の問題
トーナメントマッチのみでエラーが発生し、通常マッチでは問題ない場合は、トーナメント用のマッチングやサーバーとの通信プロセス、あるいは追加のチート対策処理などが影響している可能性もあります。もしPCを初期化(ファクトリーリセット)やOS再インストールを行った直後であれば、デフォルトドライバーや古いバージョンのソフトウェアが導入されている場合があるため、アップデート不足が原因として挙げられます。
よくある原因と基本的な解決策
本章では、実際に多くのユーザーが行っている具体的な手順をもとに、エラーを解決するためのアプローチを網羅的に紹介します。以下の手順を一つずつ試しながら、問題の切り分けを行うとスムーズです。
1. グラフィックドライバーの更新・再インストール
グラフィックカード(NVIDIAやAMDなど)のドライバーが古かったり破損していると、ゲーム処理中にエラーが発生しやすくなります。特にWindowsをクリーンインストールした直後は、標準の汎用ドライバーが適用されているケースがあります。
- 公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
メーカー公式(NVIDIAならGeForce Experienceや公式サイト、AMDならRadeon Softwareなど)を利用し、最新版を取得します。 - 可能であればクリーンインストールを実施
既存ドライバーをアンインストールしてから新規に導入することで、ドライバー関連の不具合を回避できます。Display Driver Uninstaller(DDU)などの専用ツールを使って、古いドライバーを完全に削除してから入れるのも有効です。
ドライバークリーンインストール手順例
- セーフモードでPCを起動
- Display Driver Uninstaller(DDU)を使用して既存ドライバーを削除
- 再起動後、公式サイトからダウンロードした最新ドライバーをインストール
- もう一度PCを再起動し、Fortniteを起動して症状を確認
2. ゲームファイルの検証(Verifying)
Epic Games Launcherには、ゲームファイルを検証して破損や不足を補修する機能があります。アップデートやインストール時の不具合により、重要なファイルが欠落したり破損していると、EXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONなどのエラーを引き起こします。
- Epic Games Launcherを起動
- 「ライブラリ」からFortniteを探して「…」ボタンをクリック
- 「検証」を選択してファイルをチェック
- 自動的に修復や再ダウンロードが行われる
検証が終わったら、再度Fortniteを起動して問題が解決しているかを確認します。トーナメントマッチの場合は特に通信負荷が高くなるので、ファイル破損がわずかでもエラーを誘発しやすいという点に注意しましょう。
3. フルスクリーン最適化の無効化
Windows 10以降では、全画面のアプリやゲームを自動的に最適化する機能があります。しかし、一部のゲームでこれが逆効果となり、描画エラーやパフォーマンス低下、アクセス違反エラーを引き起こす事例が報告されています。
- FortniteClient-Win64-Shipping.exeを探す(通常、インストールフォルダのBinaries\Win64にある)
- 右クリック →「プロパティ」→「互換性」タブ
- 「フルスクリーン最適化を無効にする」にチェックを入れてOK
- Fortniteを再起動して挙動を確認
この設定を切り替えることで、特に高リフレッシュレートモニターを使っている場合やマルチモニター環境で発生する描画トラブルが軽減することがあります。
4. EasyAntiCheatの修復
Fortniteでは、不正行為を防止するためにEasyAntiCheat(EAC)を採用しています。EAC自体が破損していると、トーナメントマッチなどのより厳格な不正対策が働く状況でゲームが落ちる場合があります。
- Fortniteインストールフォルダ(Binaries\Win64など)にあるEasyAntiCheat_Setup.exeを探す
- 実行して「Repair Service」を選択
- 修復完了後、PCを再起動して再度Fortniteを起動
もし修復を実施しても問題が続く場合は、セキュリティソフトとの競合やWindows自体のアップデート不足を疑うことも視野に入れてください。
5. Windowsのアップデートとシステムファイル修復
Windowsが最新の状態でない、もしくはシステムファイルが破損しているケースでもゲームは不安定になります。特に、再インストール直後や工場出荷状態に戻したばかりのシステムは大幅なアップデートが未適用であることが多いため、手動で確実にアップデートを行うのが大切です。
- Windows Updateを実施
設定 → 更新とセキュリティ から最新状態になるまで更新プログラムをすべて適用 - システムファイル修復(SFC /scannow)
- 「コマンド プロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開く
- 下記コマンドを入力しEnter
sfc /scannow
- 検証・修復が終わるまで待機し、完了後はPCを再起動
これに加えて、必要に応じて「DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth」を実行する方法もあります。Windowsそのもののイメージが破損している場合でも修復が可能です。
6. メモリ・ストレージなどハードウェアの診断
ソフトウェア面の対策を行っても改善しない場合、メモリやストレージの不良が原因でエラーが発生する可能性があります。特にEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONは、メモリアクセスが正常に行われていないときに生じやすいです。
- メモリ診断ツールの利用
Windowsに標準搭載の「Windowsメモリ診断」やMemTest86などを使い、メモリにエラーがないかチェック - ストレージ(HDD/SSD)のチェック
CrystalDiskInfoなどで、不良セクタやディスクの健康状態を確認する - BIOSやチップセットドライバーの更新
マザーボードメーカーのサイトなどから最新のBIOSバージョンやチップセットドライバーを適用すると改善するケースもある
メモリエラーがあれば再起動時にブルースクリーンが頻発するなどの症状が出やすいですが、軽度の不良だと特定の高負荷アプリのみ動作不良になることもあります。トーナメントマッチや高度なグラフィックス処理が行われた際だけエラーが出るなら、ハードウェアに問題が隠れているかもしれません。
7. セキュリティソフト・常駐アプリとの競合
PCを初期化した後、セキュリティソフトをインストールし直したり、常駐アプリの設定が初期状態と異なると、Fortniteの動作を妨げる場合があります。特にアンチウイルスソフトやファイアウォールの誤検知によって、ゲームファイルの読み込みがブロックされることがあります。
- セキュリティソフトのリアルタイムスキャンを一時的に停止
- FortniteやEpic Games Launcher関連のフォルダを除外設定
- Windows Defenderの「ランサムウェア防止」や「マルウェア対策」の例外設定にFortniteフォルダを登録
これらの設定変更後、問題が解消されれば、競合が原因だったと考えられます。
8. Fortnite以外のゲームやアプリでの再現性確認
もしFortnite以外の3Dゲームや高負荷アプリを動かして同様のエラーが発生する場合、Windows環境全体やハードウェアに問題がある可能性が高いといえます。
- 他のゲーム(TPS、FPSなど)を起動してテスト
- DirectX 12やVulkanを利用するアプリを試してみる
- 3Dベンチマークツール(3DMarkなど)で負荷テスト
これらを試し、同じEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONが起きるなら、PC自体の安定性に根本的な問題があると疑われます。逆に他のアプリでは正常に動作するなら、Fortnite固有の問題を中心に対策を進めましょう。
トーナメントマッチ特有の注意点
通常マッチではエラーが出ないが、トーナメントマッチでのみエラーが生じる場合、ゲームモード固有の要素が原因になっている可能性があります。トーナメントは高いチート対策や、マッチング方式の違いが影響しやすいためです。
アンチチートの再インストール
先述したEasyAntiCheatの修復に加えて、アンチチートソフト全体を再インストールするのも方法の一つです。Epic Games Launcher自体を再インストールするか、一度Fortniteをアンインストールして再度ダウンロードすることで、アンチチートファイル全般を初期化できます。
カスタムサーバー設定の見直し
トーナメント専用のサーバーや回線経路が異なるため、ネットワーク通信が不安定な場合にもエラーが発生する可能性があります。応急処置としては、以下の点を確認してみてください。
- 有線LAN接続を利用し、Wi-Fiではなく安定した通信を確保
- ルーターやモデムの再起動
- VPNやプロキシが干渉していないかの確認
トーナメントモードでは通常のマッチよりパケット通信量が多くなる場合もあり、通信エラーがEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONにつながるケースもゼロではありません。
イベントビューアでの詳細なエラーログ確認
Windowsには標準で「イベントビューア」が搭載されており、システムやアプリケーションのエラーをログとして詳細に記録しています。Fortniteが強制終了した直後のタイミングで、どのようなエラーが記録されているか調べるとトラブルシューティングに役立ちます。
イベントビューアの確認手順
- Windowsキー + R を押し、「eventvwr」と入力してOK
- 左側の「Windowsログ」→「アプリケーション」または「システム」を選択
- Fortniteが落ちた時刻のエラーログを探し、エラーコードや詳細メッセージをチェック
もしlibcefなど特定のモジュール名が表示されていれば、ブラウザ機能やUI表示に関するエラーが疑われます。その場合はEpic Games Launcherの再インストールや、特定ライブラリの更新が対策になるかもしれません。
具体的なトラブルシューティング手順を表にまとめる
以下は、FortniteのEXCEPTION_ACCESS_VIOLATIONエラー解消に向けた代表的な対策を一覧にした表の例です。
対策 | 詳細内容 | 実施頻度 |
---|---|---|
ドライバー更新 | メーカー公式サイトから最新GPUドライバーを導入。DDUを使ったクリーンインストールが望ましい。 | まず最初に |
ゲームファイルの検証 | Epic Games Launcherの「検証」機能で破損ファイルを修復。 | 随時 |
フルスクリーン最適化オフ | FortniteClient-Win64-Shipping.exeの互換性設定からフルスクリーン最適化を無効。 | 必要に応じ |
EasyAntiCheat修復 | Binaries\Win64フォルダのEasyAntiCheat_Setup.exeから「Repair Service」を実行。 | 随時 |
Windows Update/SFC | Windowsを最新の状態にし、「sfc /scannow」でシステムファイルを修復。 | 定期的 |
ハードウェア診断 | メモリ診断、ストレージの健康状態チェック、BIOS更新などでハード不良を排除。 | 必要に応じ |
セキュリティ競合 | セキュリティソフトのリアルタイムスキャンやファイアウォール設定が干渉していないか確認。 | 随時 |
別ゲームでのテスト | 同様のエラーが再現するか検証し、環境やハードウェアの問題かを切り分ける。 | 最後の手段 |
このように、ソフトウェア面とハードウェア面を両方チェックして問題の原因を特定していくことが大切です。
まとめ: まずはソフトウェア面から手を付けよう
Fortnite起動時やトーナメントマッチ進行中に「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」エラーが起きる場合、真っ先に疑うべきは古いグラフィックドライバーや破損したゲームファイル、アンチチートツールの不調です。Windowsを工場出荷状態に戻した直後などは、ドライバーのバージョンが古かったり、Windowsのアップデートが十分に行われていない可能性があります。以下のように進めると、時間をかけずに対策を重ねられます。
- メーカー公式ドライバーのクリーンインストール
- ゲームファイル検証とEasyAntiCheatの修復
- Windowsアップデートとシステムファイルの整合性チェック
- 常駐アプリやセキュリティソフトとの競合確認
これらを行っても解決しない場合、メモリ不良やストレージの劣化を疑う必要があります。特にハイスペックを要求するゲームは、システムの不安定さを露わにしやすいため、別の3Dゲームやベンチマークツールで同様の症状が再現するかをチェックしてみましょう。原因がハードウェアにある場合は、部品交換や修理が必要になることもあります。
一方、トーナメントマッチや特別イベント時には強化されたアンチチート機能や特殊なマッチメイキングシステムが働くため、通常マッチで問題なくとも大会でエラーが出るケースがあるのも事実です。セキュリティツールの設定やWindowsの互換性機能が原因になりやすいので、併せて確認してみてください。
快適にFortniteを楽しむためには、ゲーム内の対策だけでなく、PC全体のメンテナンスや環境整備が欠かせません。特に再インストール後や新たにデバイスを導入した直後は、初期設定のままになりがちなので注意が必要です。時間がかかる作業もありますが、一歩ずつ問題の原因を切り分けていけば、早期に解決に近づけるでしょう。
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