約30分ほどゲームを楽しんでいると突然Forza Horizon 5がクラッシュしてしまい、「Software Protection Service」のエラーや「failed VL activation attempt(Reason:0x8007007B)」といったライセンス認証の警告がイベント ビューアーに記録される現象は、Windows自体に起因する可能性が高いものです。とはいえ、ゲーム側の不具合やその他のシステム要因が絡むこともあるため、一つひとつ丁寧にチェックしていくのが近道です。この記事では、Windowsのライセンス認証問題をはじめとした考えられる原因と、実践的な対策やチェックポイントを深掘りしてご紹介します。
Forza Horizon 5クラッシュ問題の概要
Forza Horizon 5をPCでプレイ中、特に約30分程度が経過したあたりでクラッシュしてしまうという現象が報告されています。クラッシュ前後のイベント ビューアーには以下のログが表示されることがあります。
- Successfully scheduled Software Protection service for re-start (… ) Reason: RulesEngine
- The rules engine reported a failed VL activation attempt. Reason:0x8007007B
これらのログから、Windowsのライセンス認証(ボリュームライセンス、もしくは通常の認証プロセス)にまつわる問題が疑われるのがポイントです。さらに、Resource Monitor(リソースモニター)でexplorer.exe
を終了させるとクラッシュが一時的に発生しなくなるケースがあるという報告もあります。
こうした状況は、Windows自体のサービスがゲーム実行中に何らかの理由で再起動やリセットを行い、結果としてForza Horizon 5が巻き込まれ強制終了してしまう、という可能性を示唆しています。
クラッシュの主な原因が考えられるポイント
1. Windowsのライセンス関連エラー
ゲーム側のエラーコードよりも、まずイベント ビューアーで0x8007007B
というライセンス認証エラーが示されていることが重要です。通常、Windowsのライセンス認証が何らかの形で正常に行われていない状態で特定時間が経過すると、Software Protection Serviceがライセンス関連のリセットやサービスの再起動を試みる仕組みが動作することがあります。その際に、アプリケーションが影響を受けてクラッシュに至るケースが考えられます。
2. Forza Horizon 5固有の不具合
もし他のゲームや負荷の高い3Dアプリケーションを同じPC環境で長時間利用していても同様のクラッシュが起こらず、Forza Horizon 5のみでクラッシュが再現するのであれば、ゲーム側のパッチやドライバ、あるいは設定が競合している可能性もあります。特定のグラフィックオプションを変更したり、公式サポートで案内されている既知の不具合と照合するのも一つの手です。
3. Windowsシステムファイルの破損や競合
Windowsアップデートやソフトウェアのインストール・アンインストールを繰り返すことで、システムファイルやサービスの設定に競合や破損が生じることがあります。ゲームの動作にとって重要なAPIやライブラリが破損していると、一見無関係に思えるライセンス関連のサービスが動作した際にエラーが連鎖してしまう場合もあるため、OSの健全性をチェックすることは欠かせません。
Windowsライセンス問題への具体的アプローチ
まずは、クラッシュの裏で「ライセンス認証」絡みのエラーが発生している以上、Windowsの認証状態を正すことが第一です。以下のステップを実行し、問題の切り分けを行いましょう。
1. ライセンス認証の状態を確認する
- 「スタート」メニューを開き「設定」をクリックします。
- 「システム」→「ライセンス認証」を選び、Windowsが正常に認証されているかをチェックします。
- もし「Windowsはライセンス認証済みです」と表示されていない場合は、プロダクトキーを再入力するか、デジタルライセンスアカウントを正しく関連付けるなどの手続きを行います。
正規のライセンスを使用しているのに認証がうまくいかない場合、回線の一時的な不具合や日時設定のズレが原因で認証サーバーに接続できないこともあります。下記のように日付と時刻の自動同期がオフになっていないか確認するなど、基本的な点も要チェックです。
2. Software Protection Serviceの状態を確認・再起動する
ライセンス認証が絡むときによく登場するのがSoftware Protection Service
(sppsvc
)です。以下の手順で、このサービスが正常に稼働しているかを確認しましょう。
- Windows検索バーに「サービス」と入力し、「サービス」アプリを起動します。
- 一覧から「Software Protection」を探して右クリックし、「開始」または「再起動」を選択します。
- 状態が「実行中」になっているかどうかを確認します。
サービスの起動・停止の繰り返しでエラーを吐く場合は、ライセンスファイルが何らかの形で破損しているか、OSにより深刻な不具合が隠れている可能性も否定できません。
3. クリーンブートの実施
Windows起動時に読み込まれるスタートアッププログラムやサービスの競合が原因で、ライセンス認証に絡むサービスがうまく動かずにForza Horizon 5へ悪影響を及ぼしているケースも考えられます。
クリーンブートは、Windowsの純正サービス以外を最小限に抑えて起動する方法で、競合が発生しているかを診断する際に有効です。Microsoft公式ドキュメントに従い、以下の手順を試します。
- 「Windows + R」キーを押して
msconfig
と入力し、システム構成を開きます。 - 「サービス」タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、「すべて無効」をクリックします。
- 「スタートアップ」タブ(Windows 10,11の場合はタスクマネージャーを開くよう促されます)で不要なプログラムを無効化します。
- PCを再起動し、Forza Horizon 5を実行して様子を見ます。
クリーンブート状態でクラッシュが起きないようであれば、何らかのサードパーティソフトウェアがライセンス認証やゲーム動作を妨害している可能性が高まります。
Windowsシステムファイル破損のチェックと修復
ライセンス認証周りにトラブルが生じているときは、システムファイル自体が破損している疑いも拭えません。まず、代表的なコマンドラインツールであるSFC
やDISM
を試してみるのがおすすめです。
SFC /scannowでファイルをスキャンする
以下はコマンドプロンプト(管理者権限)でSFC
を実行する方法です。
sfc /scannow
このコマンドは、Windowsシステムファイルを検証し、問題が見つかれば自動的に修復してくれます。修復が行われた場合は再起動後にForza Horizon 5を再度起動し、問題が解決したか確認しましょう。
DISMコマンドでより深い修復を実施
SFCで問題が解決しないときは、DISMを使ってコンポーネントストアを修復する手段があります。管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellで、以下のコマンドを順番に実行します。
DISM /Online /Cleanup-image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
この操作は、破損したWindowsイメージをオンラインで取得できる正常なソースから修復します。特にWindowsのアップデートファイルが不完全な状態になっている場合などに有効です。
ユーザーアカウントや環境を切り分ける
もし、現在使っているアカウントでのみ問題が起こっている可能性を排除しきれない場合は、新しいローカルアカウントや別のMicrosoftアカウントを作成して、そこからForza Horizon 5を起動してみる方法があります。
新しいアカウントで再検証するメリット
- ユーザープロファイルの破損を切り分けられる
- ライセンス認証のキャッシュやストアキャッシュに問題がある場合を軽減できる
- 不要な常駐アプリやエクスプローラ拡張設定の影響を避けられる
新しいアカウント環境で問題が発生しない場合は、元のアカウントのプロファイルに原因が潜んでいる可能性が高いといえます。
Forza Horizon 5側の対処もチェックしよう
上記のWindows側の対策に加え、Forza Horizon 5自体にもクラッシュ対策を講じる余地があります。特に、ゲームのバージョンやドライバのアップデート、再インストールなどは簡単に試せることです。
公式サポートや最新パッチ情報を確認
Forzaシリーズは定期的にパッチをリリースし、様々な不具合を修正しています。公式サイトやコミュニティフォーラムをチェックし、似たような症状が報告されていないかを探してみましょう。「ゲームを約30分プレイすると落ちる」という事象は比較的わかりやすいため、もし同様の報告がある場合は多くのユーザーが情報共有している可能性があります。
GPUドライバとWindowsのアップデート
ハイエンドの3Dゲームにおいては、GPUドライバやWindowsの更新プログラムがクラッシュの原因になりやすい傾向があります。特にNVIDIAやAMDのドライバは最新版が問題を抱えている場合もあるため、「最新=必ずしも安定」とは限りません。
場合によっては、1つ前の安定バージョンにロールバックすることも検討してみましょう。以下に一例として、NVIDIAドライバのロールバック手順を示します。
- 「スタート」メニューから「設定」を開き、「アプリ」を選択。
- NVIDIA関連のソフトウェア(NVIDIA Graphics Driverなど)を確認し、バージョンの詳細をメモする。
- NVIDIA公式サイトで過去のバージョンを入手し、クリーンインストールやロールバックを試す。
Windowsストアアプリ版を利用している場合のストアキャッシュリセット
Forza Horizon 5をMicrosoft Store経由、あるいはXboxアプリから購入・インストールしている場合、Windowsストアキャッシュの破損でアップデートが正常に適用されず、クラッシュに繋がることもあります。以下の手順でストアキャッシュをリセットしてみましょう。
- 「スタート」メニューから「設定」→「アプリ」に進み、一覧から「Microsoft Store」を探します。
- 「詳細オプション」をクリックし、「リセット」を実行します。
- または「Windows + R」キーを押し、
wsreset.exe
と入力してエンターを押す方法でもリセットが可能です。
OSを上書きインストール(In-place Upgrade)する選択肢
どうしてもWindowsのライセンス関連で問題が解決しない場合、In-place Upgradeと呼ばれる手法でOSを再インストールしながら、ユーザーデータやアプリを保持する方法もあります。
In-place Upgradeの主な手順
- Microsoft公式サイトからWindowsのISOイメージをダウンロードするか、メディア作成ツールを使ってインストールメディアを作成します。
- ISOファイルをマウント(ダブルクリックなど)して
Setup.exe
を実行します。 - 途中で「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択してインストールを進めます。
これによりシステムファイルが新しく書き換えられるため、ライセンス情報を含むWindowsのコア部分が修復される可能性があります。ただし、念のため大切なデータのバックアップを行ったうえで作業しましょう。
トラブルシューティングを行う際のヒントまとめ
クラッシュ原因がWindowsライセンスなのか、ゲーム固有の問題なのか、単なるハードウェアの問題なのかを切り分けるには、以下のポイントを総合的にチェックすることが大切です。
確認ポイント | 具体的な方法 | 結果の見方 |
---|---|---|
Windowsライセンス認証 | 「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を確認 | 「認証済み」でない場合はエラー原因を追究 |
イベント ビューアー | アプリケーションとサービス ログを詳細にチェック | 「Software Protection Service」のエラーログが繰り返し発生していないか |
ドライバ更新 | NVIDIA/AMD公式サイトで最新または安定版を入手 | バージョン違いで症状が変わるかを検証 |
クリーンブート | msconfigで不要サービスを無効化して再起動 | 症状が出なければ競合の可能性大 |
システムファイル | SFCやDISMを使って破損ファイルを修復 | ログに修復内容が記録されるか確認 |
再インストール | Forza Horizon 5やWindowsを再インストール | 問題が再現しない場合、旧インストールに不具合 |
まとめ: 問題が続く場合の最終手段
もし上記の対策を試してもForza Horizon 5のクラッシュが改善されない場合は、以下を検討する必要があります。
- ハードウェア診断: メモリやSSD/HDDの不良が原因で予期せぬタイミングでゲームが落ちる可能性があります。
- イベントビューアーの詳細ログ解析: アプリケーションログだけでなく、セキュリティやシステムログも含めて連続的にエラーが発生していないかを確認します。
- ゲームのサポートチームへ連絡: ライセンス認証まわりで問題なさそうであれば、Forza Horizon 5公式やMicrosoftサポートへの問い合わせが必要です。バグ報告や公式フォーラムで同様の事例が議論されている可能性があります。
いずれにしても、「0x8007007B」エラーが示すようにライセンス認証がうまくいっていない兆候がある以上、まずはWindowsのライセンス・サービス周りを正常化することが最優先です。特に正規ライセンスを利用しているにもかかわらずエラーが解消しない場合は、時間の経過やOSのアップデートを待つより、積極的に修復手順(クリーンブートやSFC、DISM、In-place Upgrade)を試してみるとよいでしょう。
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