家族みんなで一台のPCを共有しながらGame Passの豊富なタイトルを楽しみたいと思ったとき、うまく共有設定ができなかったり、急にゲームから外されてしまうなどの問題に直面して困ることはありませんか。この記事では、Game Passの仕組みや注意点、具体的なトラブルシューティングを分かりやすく解説します。
Game Passを家族で共有する基本的な考え方
Game Pass(Xbox Game Pass)は、定額で多数のゲームが遊べるサブスクリプションサービスです。Xboxコンソールだけでなく、PC版のGame Passも展開されており、Windows PCさえあれば多彩なゲームをダウンロード・プレイできます。しかしながら、PCを家族で共有している場合、各ユーザーが個別のWindowsアカウントを持つため、Game Passのライセンスをどうやって共有するのか迷うことが少なくありません。そこでまずは、Game Passの共有に必要な基本的なポイントを押さえていきましょう。
ライセンスの認証は「Microsoft Storeへのサインイン」が基盤
Game Passのサブスクリプション状況は、Windowsのユーザーアカウントそのものではなく、Microsoft StoreやXboxアプリでサインインしているアカウント情報によって判定されます。たとえば、Game Passを契約しているアカウント(Aさん)が存在するとき、別の家族アカウント(Bさん)がPCにログインしていても、StoreやXboxアプリをAさんのアカウントで利用していなければライセンスが認識されないのです。
具体的な例
- ケース1: PCログイン:Bさん/Xboxアプリ:Bさん → Game Pass契約ナシ → ゲームが起動できない
- ケース2: PCログイン:Bさん/Xboxアプリ:Aさん → Game Pass契約アリ → ゲームが起動できる
このように「PCアカウント(Windowsログイン用)」と「Storeアカウント(Game Pass契約アカウント)」は連動していないため、PCログインユーザーに関係なくGame Pass契約のあるアカウントをStoreやXboxアプリ側で使用しているかどうかがカギとなります。
家族共有で発生しやすいトラブルと対処法
PC一台に家族のユーザーが複数登録されている場合、時にライセンスエラーや「ほかの人がプレイしている最中に急に落とされた」というようなトラブルが発生することがあります。ここでは主な問題と対処法を解説します。
1. ライセンスエラーやサインインの不具合
Game Passのライセンスが認識されず、「サブスクリプションが有効ではありません」や「ゲームがプレイできません」などのエラーメッセージが表示されることがあります。これは多くの場合、StoreまたはXboxアプリにGame Pass契約アカウントでサインインしていない、あるいはサインイン情報に不整合が生じているのが原因です。
- 対処法の一例
- Xboxアプリを開く
- [設定] → [アカウント] → [Microsoft Storeアカウントの変更] といった項目を確認
- Game Passを契約しているアカウント情報で再サインイン
- Windowsを再起動し、再度ゲームを起動して確認
もし何度もサインインを切り替えていると、キャッシュが悪さをして問題が改善しないケースがあります。その場合は、XboxアプリやMicrosoft Storeの設定から「サインアウト → 再度サインイン」を行い、必要に応じてMicrosoftサポートページに記載のトラブルシューティング(キャッシュクリアなど)を実施するとよいでしょう。
2. 家族で同時にプレイしようとしたときの落とされ問題
ある家族メンバーがゲームをプレイ中、別のメンバーが同じGame Passライセンスを使って他のPCやXboxコンソールなどでゲームを起動すると、先にプレイしていた人がセッションから外されてしまうケースがあります。これはGame Passの使用に同時接続の制限があるからです。
- 考えられる対策
- PC版Game PassとXboxコンソール用Game Passは同一サブスクリプションでもあり、またプランによってはアカウント自体の同時ログインが制限される場合があります。
- 家族のうち一人が遊んでいる最中に、別の人が同一アカウントで同時接続しないように注意する。
- もし同時に複数人が別々のゲームをプレイしたい場合は、追加のサブスクリプション契約を検討する、または別のプラン(Game Pass Ultimateなど)を活用できないか検討するといいでしょう。
3. ファミリーアカウント機能はあるが制限が多い
Microsoftには「ファミリーアカウント」という仕組みがあり、子供のアカウント監視や使用時間制限などの管理が可能です。ただし、Game Passのライセンス共有機能はコンソール(Xbox)のファミリー設定とは異なり、PCの場合は公式に明確な「家族共有」機能が備わっていません。そのため、ファミリーアカウントを設定しても、Game Pass自体のライセンスが自動的に全員に渡るわけではない点に注意が必要です。
PC上のファミリーオプションとGame Pass
- 子どものアカウントをファミリーグループに招待すると、使用時間の管理や不適切なサイトのブロックなどは可能。
- ただし、Game Passライセンスの認証はあくまでStoreにサインインしているアカウント情報に依存。
- 親のアカウントでGame Passを所有していても、子どものユーザーアカウントで別途サインインしないとプレイできない。
家族でうまく共有するための実践的ステップ
ここからは、具体的な共有手順を実施してみたい方に向けて、わかりやすいステップバイステップの例を示します。家族が複数人いて、それぞれPCユーザーアカウントを持っている状況を想定しています。
ステップ1: PCのユーザーアカウントを整理する
まずは、現在PCに登録されているユーザーアカウントを確認しましょう。家族の人数分だけ作成している場合もあれば、ゲストアカウントや不要なアカウントが混在していることもあります。
- コントロール パネル → ユーザー アカウント から確認
- 不要なアカウントや、使っていない重複アカウントは削除または無効化すると管理が楽になります
ステップ2: Game Pass所有アカウント情報の準備
Game Passを契約しているメインアカウント(ここでは「Aさんアカウント」とします)のMicrosoftアカウント情報(メールアドレス・パスワード)を、家族がプレイ時に利用できるようにしておきます。パスワードを共有する際はセキュリティに十分留意してください。
ステップ3: 家族のユーザーアカウントでMicrosoft Storeにサインイン
各家族メンバーがWindowsログインした状態で、Microsoft StoreもしくはXboxアプリを開き、Aさんのアカウント情報でサインインを行います。ここで「Storeアカウント変更」や「Xboxアプリアカウント変更」といった項目があるので、そこにAさんアカウントを登録してください。
- 例: Xboxアプリでの設定画面
- Xboxアプリを起動
- 画面左下のプロフィールアイコン → [設定]
- [アカウント]タブ
- Microsoft Store アカウント または Xboxアプリ アカウントを [サインアウト] → [サインイン]
- Aさんのアカウント情報を入力
ステップ4: ゲームをダウンロード・プレイする
サインインが完了したら、Game Passライブラリにアクセスしてゲームをダウンロードできます。ダウンロード後、ゲームを起動すると自動的にAさんのGame Passライセンスを用いてチェックされるため、エラーなく遊べるはずです。
よくある質問とQ&A
家族でのGame Pass利用をめぐって、寄せられることの多い質問をまとめました。
Q1: 家族全員で同時に別タイトルを遊べますか?
A. 同時接続に制限があり、1つのアカウントで同時に複数ゲームを起動するのは難しい場合が多いです。実際、1つのGame Passアカウントで別々のデバイスから同時にゲームを遊ぶと、どちらかが強制ログアウトされる可能性があります。家族それぞれが同時にプレイしたい場合は、別のGame Passライセンス契約を検討しましょう。
Q2: Aさんアカウントをサインアウトするとゲームはどうなりますか?
A. ゲーム起動時にライセンス認証が行われるため、プレイ途中でAさんアカウントがサインアウトされるとゲームが中断される場合があります。安定してプレイするには、ゲームを遊んでいる間はAさんアカウントをサインアウトしないようにしましょう。
Q3: ファミリーセーフティの設定をしても制限がかかりすぎるのですが?
A. ファミリーセーフティは主に保護者が子供のオンライン活動や利用時間を管理する機能です。コンテンツ制限を厳しくすると、適切な年齢設定やゲームレーティングの調整が必要となるので、ファミリーセーフティの管理画面やMicrosoftアカウントの設定を見直すとよいでしょう。
Q4: 切り替えが面倒なのですが、他に手段はありますか?
A. 現時点でPC版Game Passには、コンソール版のように家族共有を簡単に切り替える仕組みがありません。結果的に「メインのStoreアカウントをGame Pass所持アカウントに固定する」「みんなが同じアカウントでログインした状態で利用する」などの方法をとる人も多いですが、個別の実績管理やセーブデータ管理が煩雑になる懸念があります。
よりスムーズな共有を実現するためのヒント
実際に家族でGame Passを使おうとすると、Xboxコンソールと異なり、PCでは公式の「家族共有」機能が限定的であることに戸惑うかもしれません。以下は現状の仕組みを踏まえつつ、少しでも運用をスムーズにするためのヒントです。
1. フォルダ構成の整理
同じPC内でゲームをダウンロードすると、既にダウンロード済みのタイトルは他のWindowsユーザーアカウントからもファイル自体は参照可能な場合があります。インストール先フォルダやライブラリパスを共通化させることで、重複ダウンロードを避けられることがあります。ただし、動作保証はゲームやWindowsのバージョンにより異なるのでご注意ください。
2. 家族のMicrosoftアカウントでも購入履歴を一括管理したい場合
Game Passだけでなく、他のゲームやアプリを購入するケースもあるなら、ファミリー機能やマイクロソフトアカウントの「家族のお支払い」設定を利用して、支払い方法や購入履歴をまとめるのも一つの手です。親アカウントがまとめて支払い、家族用のアカウントには利用制限をかけるなど、管理面でメリットがあります。
3. 定期的なアップデートとサポート情報のチェック
Microsoftは継続的にXboxアプリやGame Passの機能を更新しています。今後PCでも家族共有がよりスムーズになる新機能が追加される可能性もありますので、Xbox公式ブログやMicrosoft公式サイトなどをこまめにチェックしましょう。最新情報に追随することで、問題が解決されることも多々あります。
トラブルシューティングに役立つ表
以下に、よくあるトラブルと対策の早見表を示します。参考にしながら問題解決を進めてみてください。
トラブル内容 | 原因の可能性 | 対応策 |
---|---|---|
ゲーム起動時に「ライセンス不明」と出る | – Game Passアカウントでサインインしていない – サブスクリプション期限切れ | – Xboxアプリでアカウントを再確認 – Storeアカウント変更 – サブスクリプション更新状態をチェック |
プレイ中にいきなりゲームが終了する | – 同一アカウントを別の人が同時使用 – ネットワーク不具合 | – 別のデバイスでログインしていないか確認 – ネット環境をチェック |
子供のアカウントだと特定ゲームが起動できない | – 年齢制限設定が厳しい – ファミリー設定のコンテンツ制限 | – ファミリーセーフティの制限を見直す – レーティング情報の許可設定を再調整 |
サインインを頻繁に求められる | – PCとXboxアプリでアカウントが異なる – キャッシュが不整合 | – サインアウト→サインインを改めて実行 – キャッシュクリア(Microsoftのサポート情報参照) |
応用編: Game Pass Ultimateの活用
Game Pass Ultimateに加入している場合、XboxコンソールとPCの両方でタイトルを楽しめるうえ、Xbox Live Goldの機能も含まれるため、オンラインマルチプレイがスムーズに行えます。ただし、「家族が同時に別デバイスで遊ぶ」問題についてはUltimateでも原則同じアカウント制限が存在します。Xbox本体ではホームXbox設定を行うことで、同居家族とある程度の共有が可能ですが、PCは別枠となっているため、共有の仕組みは単純化されていません。
家族で検討したいUltimateのメリット・デメリット
- メリット
- Xbox Live Goldのオンラインマルチプレイ機能が付帯
- Xbox本体、PC双方で豊富なタイトルをプレイ可能
- EA Playも含まれるため、対応タイトルが増える
- デメリット
- 通常のGame Passより月額が高くなる
- PC版での家族共有ルールは基本的に変わらない
- 結果的に同時に別タイトルを遊ぶには複数契約が必要になる場合がある
個々のユーザーが別の実績を残すには
一つのGame Passアカウントを複数人で使うと、ゲーム内の実績(Achievements)やセーブデータがすべて同じアカウントに集約されます。家族それぞれが異なるゲーマータグで実績管理したい場合は、家族分のXboxアカウントを用意し、それぞれにGame Passライセンスが紐づいている必要があります。もしくは、前述のようにWindowsログインアカウントとXboxアプリのサインインアカウントを切り替えるという手間を要します。
まとめと今後の展望
- Game Passを共有する際の重要ポイント
- Microsoft StoreやXboxアプリ内で「Game Pass契約アカウント」にサインインする必要がある
- 同時プレイや実績管理などに制約があることを理解しておく
- ファミリーアカウントは年齢制限や保護者管理に役立つが、ライセンス共有機能は十分ではない
- 運用のコツ
- PCで使う場合は、メインのMicrosoft StoreサインインをGame Pass所有アカウントにしておき、トラブル発生時は再ログインやキャッシュクリアを試す
- 家族で同時に遊ぶなら、追加サブスクリプションや別プラン(Game Pass Ultimate)を検討
- Xbox公式やMicrosoftのサポートページを随時チェックする
現時点では、PC上でのGame Passを家族みんなでシームレスに共有する正式な機能が整っておらず、Xbox本体のように簡単な「ホームXbox設定」がないため、不便を感じるユーザーも多いでしょう。しかし、Microsoftはサービスを拡充し続けており、今後PC版Game Passでもファミリー共有がよりスムーズに行えるよう機能改善が行われる可能性もあります。まずは本記事で紹介した方法をベースに試行錯誤し、快適に家族全員で楽しいゲームライフを送ってみてください。
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