Windows高速スタートアップエラー(0xC00000D4)とゲーム中のランダムシャットダウンを徹底解説

パソコンでゲームを楽しんでいるときに急に画面が真っ暗になったり、何の前触れもなく電源が落ちてしまうとドキッとしますよね。私もかつて同じような症状に悩まされ、原因を探るのに苦労した経験があります。ここではエラーコード「0xC00000D4」に関連した高速スタートアップの不具合や、高負荷時に発生するシャットダウン・ブラックアウトの症状について、できるだけわかりやすくご説明していきます。

ゲーム中のランダムシャットダウンやブラックアウトが起きる理由

パソコンでゲームをプレイしているときに突然システムが再起動したり、画面がブラックアウトして操作不能になるという現象は、ゲーマーにとってなかなか厄介な問題です。ゲーム内で良いところだったのに急に落ちてしまうと、それまでの進行状況がすべて台無しになってしまうこともあります。

よく見られる症状

まず、Windows 10 Home環境でしばしば報告される症状としては次のようなものがあります。

症状1:イベントビューアーのエラー「Windows failed fast startup with error status 0xC00000D4」

イベントID 29 (Kernel-Boot) に関連するこのメッセージが記録されていると、高速スタートアップに問題が起きている可能性があります。

症状2:想定外のシャットダウン

「システムは正常にシャットダウンされずに再起動しました」というログが残るケースは、OSやハードウェアがなんらかの理由で正常動作を保てずに突然停止した状態を示唆します。

症状3:DCOM 登録エラー

「Windows.Gaming.GameBar.PresenceServer.Internal.PresenceWriter が DCOM に指定時間内に登録されなかった」というメッセージは、ゲームバー関連のサービスかドライバー周辺での不整合が疑われます。

症状4:CLSID関連の権限不足

「CLSID Windows.SecurityCenter.WscDataProtection に対するローカル起動権限が不足している」などのログは、Windowsセキュリティセンターの内部処理がうまくいっていない可能性を示します。

よくある原因

これらの症状が起きる背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。

原因1:グラフィックスドライバーの不調

グラフィックカードが高い負荷をかけられたときに、ドライバーが正常に動作しなくなりクラッシュを引き起こすケースがあります。特にAMD製の高性能グラフィックカード(例:Radeon RX 7900XTXなど)は消費電力や発熱量が大きいため、電源ユニットや冷却対策が不十分だと不具合が顕在化しやすいです。

原因2:高速スタートアップ機能の不安定さ

Windows 10 の高速スタートアップ機能は、起動時間を短縮する便利な仕組みですが、特定のドライバーやハードウェア構成と相性が悪い場合、OS起動時に不整合が生じてエラー状態のまま進んでしまうことがあります。

原因3:電源ユニットの容量や品質不足

高性能GPUを搭載し、フルロード時の消費電力がかなり大きいシステムの場合、電源ユニット(PSU)の容量や品質が不足すると電力供給が追いつかず、突然システムがシャットダウンする恐れがあります。PCパーツの中でも電源は地味な存在に見えますが、極めて重要な役割を果たしています。

原因4:Windows 10 と特定のドライバーの相性

新しいドライバーや機能が追加されるたびに、OSとドライバーの組み合わせに相性問題が発生する可能性があります。Windows 11 へのアップグレードで解決するケースも報告されていることから、10固有の問題に起因している部分も否めません。

私自身、以前にRadeonシリーズのGPUを使っていた際、ゲーム中に急に画面がブラックアウトして再起動がかかる症状に悩まされました。何度も試行錯誤を繰り返して、最終的にOSをアップグレードしたところ、嘘のように安定したという経験があります。

改善策1:グラフィックカード設定の最適化

グラフィックカードが原因でシャットダウンやブラックアウトが起きている場合、まず試していただきたいのはドライバー内の各種設定調整です。

アンダーボルティングのすすめ

AMD アドレナリンソフトウェアなどを使って、動作クロックや電圧を少し抑えるだけでも、消費電力が大きく減り、発熱量も抑えられます。特にハイエンドGPUでは、工場出荷設定のままだとピークパワーが相当高く設定されていることがあるため、無理なく消費電力を下げると安定することがあります。

具体的な例

例えば、最小周波数を2300MHz、最大周波数を2400MHz、電圧を1120mV程度に下げて動作させることで、フルロード時のエラーを回避する事例が報告されています。私の知人も、この方法でゲーム中のクラッシュがほぼなくなりました。

アンダーボルティングによる消費電力の低下で、システム全体の温度上昇を抑えられる点が魅力的です。

動作周波数を下げすぎると、本来の性能を発揮できなくなる恐れもあり、トライ&エラーが必要です。

ドライバーの更新・再インストール

AMDの最新ドライバーがリリースされた際には、その都度更新を行うと良いでしょう。既存のドライバーが不安定な場合は、クリーンインストールを試すことも有効です。ドライバーをアンインストールしたあと、OSを再起動してから新しいバージョンを導入することで、残留設定の影響を最小限にできます。

ドライバークリーンインストールの手順例

下表のように段階を踏んで作業すると、失敗を減らせます。

手順 内容
1 AMDクリーンアンインストールユーティリティまたはDDU等を用意する
2 セーフモードで起動し、既存のグラフィックドライバーをアンインストール
3 システムを再起動し、通常モードで公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
4 ドライバーをインストールし、再度再起動して動作確認

私自身もドライバー更新をおろそかにしていた時期に頻繁なブラックアウトが発生し、定期的なアップデートの大切さを実感しました。

改善策2:高速スタートアップ機能の無効化

Windows 10 を利用している場合、まず一度試してみる価値があるのが「高速スタートアップ機能の無効化」です。高速スタートアップは、PCの電源を切った後も一定の情報をファイルとして保持し、起動を素早くする仕組みですが、ドライバーやハードウェア構成との相性でエラーを誘発するリスクも指摘されています。

無効化の手順

操作は非常に簡単ですが、トラブルを避けるためにもOSやドライバーが最新であることを確認してから行いましょう。

手順の例

1) [スタート] メニューを右クリックして [電源オプション] を開く
2) [電源ボタンの動作の選択] をクリック
3) [現在利用不可の設定を変更します] をクリックして、管理者権限で設定を編集できるようにする
4) 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
5) [変更の保存] をクリック

この作業によって起動時間が若干長くなるかもしれませんが、0xC00000D4エラーやシャットダウン不具合が改善するかをチェックする価値は十分にあります。

単純な操作で不具合が解決する可能性があり、すぐに試せるところがメリットです。

高速スタートアップをオフにすると、起動時間がやや伸びるため、頻繁に起動と終了を繰り返す方には負担かもしれません。

改善策3:Windows 11 へのアップグレード

高速スタートアップエラー(0xC00000D4)がなかなか解決せず、ゲーム中のランダムシャットダウンやブラックアウトも続く場合、いっそWindows 11に切り替えてみるという手段もあります。もちろん、システム要件が満たされているかの確認と、周辺機器やアプリケーションの互換性チェックは必須ですが、私が知る限り、Windows 11 にアップグレードしたら問題がピタリと収まったという報告は意外と多いです。

Windows 11 のメリット

Windows 10 では解消されなかったドライバーとの相性問題が、Windows 11 では修正・改良されているケースがあります。UIや機能面でも新しくなっている部分があり、慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、一度安定して動作し始めればゲームライフが快適になることもしばしばです。

アップグレード前の注意点

アップグレード前には、以下の点に留意しましょう。

システム要件の確認

TPM 2.0 やUEFIセキュアブートなど、Windows 11 の導入に必要なハードウェア要件が満たされているかを調べる必要があります。

バックアップの実施

念のため、大事なデータはすべて外部ストレージやクラウドにバックアップしてから移行作業を行うと安心です。

私の友人はWindows 11のUIが苦手で最初は渋っていましたが、アップグレード後はほとんど不具合が出なくなって、今では「最初から11にしとけばよかった」と言っています。

改善策4:電源ユニットの確認と冷却対策

高負荷時にPCが突然落ちる最大の要因になりやすいのが、電源ユニットの容量不足や品質の問題、あるいは冷却不足です。グラフィックカードのTDP(熱設計電力)が大きいほど、電源と冷却機構には十分な投資が必要になります。

電源ユニットの容量

例として、Radeon RX 7900XTXなどハイエンドGPUを搭載する場合は、850W以上の容量を推奨する声が多いです。オーバークロックなどで更に電力を引き出す場合は1000Wクラスも検討すべきです。

余裕のある電源を選ぶと、今後パーツを増設する際にも安心感があり、少し長い目で見るとコストパフォーマンスも悪くありません。

冷却対策

パソコン内部が高温になると、パーツの誤作動や性能低下を招きます。特にCPUとGPU周りの排熱処理が不十分な場合、ゲーム中に一気に温度が上昇してシャットダウンに至ることがあります。ケースファンの追加やCPUクーラー、GPUクーラーのアップグレードによって改善が見込めます。

冷却を強化するとファンの音が大きくなる場合があるので、静音性を重視する方には少し悩ましいところです。

GPUの交換・修理

どうしても問題が解決しない場合は、GPU自体にハードウェア的な問題があるかもしれません。保証期間内であればメーカーに問い合わせることも視野に入れつつ、交換や修理を検討しましょう。私の知り合いは新品のGPUでも初期不良に当たったことがあり、一度交換したら同様の症状が嘘のように消えました。

トラブルシューティング手順のまとめ

ここまでにご紹介した対策を整理すると、次のような手順がおすすめです。

1. ドライバーやWindowsアップデートの確認

まずは基本中の基本として、Windows UpdateとAMDの最新ドライバーを適用しましょう。セキュリティ面でもメリットがあります。

2. 高速スタートアップをオフにしてみる

簡単かつ手軽に試せる方法です。万一これで解決するなら、痛快なくらいスッキリすることでしょう。

3. アンダーボルティングやファン設定の調整

特にハイエンドGPUを使っている場合に有効です。消費電力が落ち着くと、エラーが減ることがよくあります。

4. 電源ユニットと冷却の見直し

電源の容量不足や品質不良、そしてケース内のエアフロー不足が原因であるケースも多々あります。負荷テストや温度監視ツールを使って診断すると、ボトルネックが見えやすいです。

5. Windows 11 へのアップグレード

Windows 10 の特有バグや相性問題が解決することがあります。ハードウェア要件を満たすなら検討してみる価値があります。

6. GPUやマザーボードの交換検討

どうしても症状が改善しない場合、ハード的に問題がある可能性があります。最終手段として交換や修理に踏み切るのも選択肢の一つです。

問題の根本がどこにあるかを特定するのは地味で根気のいる作業ですが、一つ一つ対策をしていくうちに必ず手がかりが見つかります。諦めずに試行錯誤してみてください。

まとめ

Windowsで発生する高速スタートアップエラー(0xC00000D4)や、ゲーム中に突如として起きるランダムなシャットダウン・ブラックアウトは、主にグラフィックスドライバーのトラブルや電源まわりの不備、冷却不足、Windows 10 の固有バグなどが絡み合って発生することが多いです。特にAMD製のハイエンドGPUをお使いの方は、電力管理やドライバーの最適化を意識してみると良いでしょう。まずは高速スタートアップをオフにする、グラフィックスドライバーをクリーンインストールするなど基本的な対処から始め、それでも解決しない場合は電源ユニットの交換やWindows 11 へのアップグレードを検討すると、意外なほど簡単に問題が解決することがあります。高負荷状態のPCを安定させるには、根気よく試行錯誤を重ねることが大切です。

私自身も同様のトラブルに振り回され、いろいろ試してみる中でPCパーツの面白さと難しさを改めて痛感しました。最後まであきらめずに原因を探っていくと、きっとスムーズにゲームを楽しめる状態にたどり着けると思います。

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